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2002年度政府予算案の決定について
2002年1月12日
全国税税研中央推進委員会 事務局長 大野 亙
 2001年12月24日、政府は、2002年度国の一般会計予算案、財政投融資計画、地方財政計画を策定した。「5兆円を削って2兆円を増やす」をスローガンに一般会計総額は81兆2300億円、一般歳出は47兆5472億円の規模となった。歳出を支える歳入は税収見込みが46兆8160億円、国債発行は30兆円となった。国と地方の長期債務残高は2002年度末で693兆円の見込みである。並びに2001年度第二次補正予算案を策定した。
 「聖域なき構造改革」を掲げた歳出構造の最大の特徴は、「骨太の方針」を具体化するものである。いま、完全失業率は企業倒産や労働者のリストラ等により5.4%を超える時代である。医療制度改革で医療費の国庫負担分は約2800億円圧縮される。サラリーマンの自己負担が2割から3割(実施時期は「必要なとき」)になる。多くの国民が将来に対する不安をもっている。2002年度予算案は、「5兆円を削って」という「言葉」に例えられるとおり、国民生活関連の予算を削減し国民の不安を解消する内容になっていない。
 「国債発行30兆円」枠は、社会保障関連の予算を圧縮する言い訳に使われるとともに、「交付税特別会計」からの「借入」という資金繰りなどで「達成」された形だけのものとなっている。
 一方、公共事業関係費は、関西空港二期工事、既得権益が複雑に関係し採算の見込めない高速道路などの大型公共事業に多額の予算を使うものとなり、いわゆる重点分野へ傾斜配分した「2兆円を増やす」ものとなっている。「テロ事件」に関連し自衛隊を海外に派遣するなど防衛関係費は空中給油機、イージス艦の導入など総額4兆9559億円の規模で、「聖域なき構造改革」とは名ばかりに前年度を維持している。 
いま、国や地方の予算編成に求められていることは、「戦争の準備」をするのではなく、「強者を助け弱者をくじく」政策を変え、経済的な危機に対し国民生活を支援することである。そのため基本的な人権が尊重され、環境を保全し、人が健康で文化的な生活をおくることができる予算とすべきである。
 歳出を支える税制は、すでに消費税導入、分離課税の温存、所得税最高税率引き下げ、法人税率引き下げなどによる税制改革により大衆課税となっている。さらに小額貯蓄非課税制度の段階的廃止、証券税制の見直し、連結納税制度の導入など、大企業、高額所得者、大資産家を優遇するものとなっている。税制分野における「聖域なき構造改革」は、所得課税の課税最低限見直し、消費税増税など「大衆課税の強化」が2003年度以降に見込まれる。これまでの税制改革の経緯をみるとき、社会的に重大な影響力を持つ大企業、高額所得者、大資産家の権益を規制し、その力を社会のために役立たせ、負担をもとめることが必要である。
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