平成14年6月、名古屋局・昭和税務署で始まった内部事務一元化の試行は、平成18年3月の国税業務・システムの最適化計画策定後、平成2l年事務年度の全国内部事務一元化をめざして、平成18事務年度には全国48署に拡大されました。
試行署に勤務する職員からは、専門外の事務や税目に従事する不安や苦悩、行き過ぎた効率化による息をつけない労働強化、不十分で職員任せの研修体制、処遇悪化への不安、アウトソーシング拡大による非正規労働者増大と全体的処遇の低下、調査事務量増大による労働強化などの声が寄せられています。
2006年秋に実施したアンケートでは、「もっと試行を積み重ねるべき」が多数を占め、「従来の体制でよい」と合わせれば職員の8割を超えています。専門外の事務や税目ヘの習熟には長い時間がかかり、狭隘庁舎の拡充も必要であることなどから、全国化するには余りにもハードルが高く、21年度夏の全国一斉実施に固執すべきでないことは明白です。
とりわけ、面接や電話での税務相談を内部事務一元化担当から切り離すこと、試行だからこそ人員を増強することが必要です。しかし、当局が構想し押し付けている試行はこれに真っ向から逆行しており、このままの形での試行には反対せざるを得ません。
以下に現状での改善要求をまとめました。真摯に対応し、改善することを求めます。
なお、下記の要求が実現しない場合、私たちは試行の中止を求めます。
記
1 税務相談業務を内部事務一元化事務と切り離すこと
① 現行の窓口事務のうち税務相談については電話、面接ともに内部事務一元化職員の担当から外すこと。
② 試行全署に3名以上の税務相談官を配置して窓口対応を行うこと。
③ 当面、窓口グループを増員し、複数で相談業務を行うこと。
2 試行署における内部事務一元化職員を大幅に増やすこと.
① ゆとりある事務を保障できるよう増員すること。
② ＯＪＴ研修が確実に実施できるよう増員すること。
③ 各種研修や会議などヘの出席による人員減に見合う増員を行うこと。
④ 複数で窓口相談などができるよう増員すること。
⑤ 適切に新入職員を指導できるよう増員すること。
⑥ 小規模署での試行に見合う増員を行うこと。
⑦ 超過勤務の実態を調査し、定時退庁できる増員を行うこと。
⑧ 休暇取得に制限がかからないよう増員すること。
⑨ 窓口来署者態様報告など上乗せされた新たな事務に見合う増員を行うこと。
3 研修体制を改善すること
① すべての事務、すべての税目に習熟できる長期的な研修体系を策定すること。
② すべての税目習熟のため、税務相談官研修と同等の研修を取り入れること。
③ ＯＪＴ研修を重視すること。
④ 自己研修の時間を事務計画に組み込むこと。
⑤ 日々の質問をデー夕べ-ス化し、電話及び窓口事務のマニュアルを整備すること。
⑥ 専門書や質疑応答集などを全員が閲覧できるよう整備すること。
⑦ 終業後の研修は行わないこと。研修は勤務時間内に実施すること。
4 内部事務一元化職員の処遇に配慮すること
① 身上申告書を尊重した配置転換を行うこと。
② 一元化試行事務従事職員の処遇が他系統事務職員と同等であることを確約すること。
③ 将来の機構改革についての当局構想を明らかにして労働組合と協議すること。
5 携わる職員の諸要求を実現すること
① 作業しやすい庁舎スペースを確保してから試行を行うこと。
② 昼休みに十分休める環境を作ること。
③ 健康確保を第一義とした試行とすること。
④ 事務日数を正確に把握すること。終業時間10分前に記入できる事務運営とすること。
⑤ 課税総括ＰＴ配置署における課税部門の調査件数を減らすこと。
⑥ 確定申告事務策定に当つては一元化従事職員の負担が増えないようにすること。
⑦ 職員の声については匿名として、公表すること。
⑧ 勤務時間の選択は本人希望を尊重し、早番押し付けなどをやめること。
⑨ 窓口でのつり銭は当局が用意すること。
6 アウトソーシングの拡大をやめ、正規職員を増員して配置すること
7 試行の中間総括、今後3年間の具体的目標を労働組合及び職員に明らかにすること
以 上
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