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全労連・国公労連・全国税の連名で税制調査会に申し入れ

 ■不況下での増税 行わないのが鉄則!

 ■消費税増税のレール 所得税法附則第104条の廃止を!

 ■「証券税制の軽減税率」 継続するな!

 ■収入の大幅ダウン 個人住民税の減税を!

2009年11月9日

税制調査会
 藤井 裕久 会長 殿

全 国 労 働 組 合 総 連 合
議 長    大黒 作治
日本国家公務員労働組合連合会
中央執行委員長 宮垣  忠
全 国 税 労 働 組 合
中央執行委員長 藤平 和良

2010年度税制審議に関する申入書
はじめに
 先の総選挙で、国民の暮らしから安心と希望を奪った自民・公明政権に厳しい審判が下り、「国民生活を第一とした政治」を掲げた鳩山新政権の発足を歓迎するものです。
 同時に、鳩山新政権が旧来の政治の害悪をただし、そこからの転換を図ることができるかどうかを注目しています。

   新政権は、「納税者の立場に立ち、『公平・透明・納得』の三原則を掲げ、時代と社会の変化に適合する」ことを柱とした税制抜本改革のビジョンを打ちだし、政府税制調査会も来年度税制改正についてヒヤリングや各省庁からの要望を集約しています。
 私たちは、国民と労働者の利益にかなった税制改正を実現するため、新政権に対しては、一致点で協働し、問題点はただしていく立場をとるものです。

 税制の抜本改革にあたって、私たちは、格差縮小にむけて、所得課税を税体系の基幹税とし、累進的な総合課税によって所得の再配分機能を確保することが重要と考えます。
 そのため、民主主義の原則である「応能負担原則」の徹底を大前提に、不労所得には重課をし、勤労所得には軽課をし、最低生活費には課税しないという理念を貫徹することが必要と考えます。

 近時の税制改定により、担税力のある大企業や富裕層の税負担は軽減され、定率減税の廃止等により担税力が小さい低所得者層の増税が行われてきたことは問題です。
 所得税の最高税率引き上げは早急に検討されるべきであり、同時に、低所得者層に対しては課税最低限を引き上げ等の方法により減税を実施すべきと考えます。

 1976年以降、私たちは歴代の政府税制調査会に対し、総合累進課税を軸とした税体系を確立するよう申し入れてきました。
 2010年度税制審議にあたっては、緊急に検討が必要な事項にしぼり込んだ意見を下記のとおり申し述べます。
 なお、「平成16年度以前に戻す年金課税の見直し」を直ちに行い、あわせて、「中小企業支援税制」や「租税特別措置透明化法案の制定」「納税者権利憲章の制定」の促進を望みます。
 一方、「給付付き税額控除制度の導入」や「社会保障番号制度と歳入庁設置」等については、「納税者の立場に立ち、公平・透明・納得の三原則」を基にした十分かつ慎重な検討を行うべきと考えます。この点については、検討状況にあわせた申し入れを適宜行う考えであることを申し添えます。

1 税制改正の検討にあたっては、「不況下での増税は行わない」原則を堅持すること。
 とりわけ、給与水準の低下が続き、年末一時金の大幅減少を強いられる状況下で、家計を圧迫し、勤労者増税となる扶養控除、配偶者控除の廃止等は行わないこと。
 また、最低生活費非課税の原則にたち、人的控除は生活保護基準を超える金額とするため、当面、基礎控除を180万円(現行38万円)、扶養控除・配偶者控除をそれぞれ70万円(現行各38万円)に引き上げること。
 「一定の上限を設けた給与所得控除の見直し」は直ちに行うとともに、定額控除部分(現行65万円)を大幅に引き上げること。

2 「…平成20年度を含む3年以内の景気回復に向けた集中的な取組みにより経済状況を好転させることを前提として、遅滞なく、かつ、段階的に消費税を含む税制の抜本的改革を行うため、平成23年度までに必要な法制上の措置を講ずるものとする。」ことを柱とした「所得税法の一部を改正する法律附則第104条」は、以下の理由でたたちに廃止すること。
 @ 消費税の早期増税につながる法案であり、民主党、社民党、国民新党はこの法案に反対した経緯があること。
 A 税制の抜本改革法の性格を持つ法律を附則に織り込んだものであり、廃止しない限り、この法律に基づく税制改革の準備が進行する恐れがあること。

3 大資産家に有利となる「証券税制の軽減税率」は継続せず、10%の優遇税率を少なくとも本則の20%にし、早急に総合累進課税に移行すること。
  大企業に有利となる租税特別措置法の見直しとあわせ、法人税は超過累進税率を適用する課税に移行すること。

4 失業者など収入が大幅に減少した者に対する個人住民税の減税を行うこと。
  その財源は国が措置すること。

以  上