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■2001年3月25日■
“公務リストラ”を許さず、行政民主化をすすめよう
 〜全国税第57回中央委員会アピ−ル〜
 公務員を「特権的身分保障」に安住させない――自民党と政府が暴走を始めました。行政改革の当面の課題を「公務員制度改革」に絞った橋本行革担当相。政府は昨年12月1日に行政改革大綱を閣議決定しており、3月末には改革の大枠、6月には基本設計をとりまとめ、来年の通常国会には法案提出するとしています。
 何をもって「特権的身分保障」というのでしょう。民間においても、会社が勝手に労働者の首をきることはできません。これは「特権」でも何でもありません。まして、国家公務員は「全体の奉仕者」として公務に従事することが義務づけられており、憲法上の要請です。それゆえに、罷免、降格、減給などの処分はもとより、情実人事や人事への政治の介入を排除することで公務員の地位を安定させようとするのが“身分保障”です。「特権」というべきは、超スピードで昇進するキャリアの人事であり、「特権官僚制度」こそが問題とされるべきでしょう。
 橋本行革担当相は、「信賞必罰」の「能力・実績主義」を徹底するといいます。信賞必罰――古色蒼然たる、前近代的な軍隊用語を持ち出すところに、その本質が垣間見えます。露骨なアメとムチの政策が、身分保障を廃止して実行されたら、行政はどうなるのでしょう。例えば、「政官癒着」が長い間問題とされてきましたが、逆に助長されかねません。公務員は、一部の奉仕者になってはならないはずで、公務員の政治的中立性が危ぶまれます。
 「能力主義・成績主義人事管理」という言葉には、耳触りのよい響きがあります。しかし実際はどうなのでしょう。財界の労務担当である日経連は、今年の春闘で導入を強調しています。そのねらいは、リストラの一環として総人件費を抑制し、労働者同士の競争を利用して、団結した力を発揮させないようにすることにあります。すでにこのような賃金制度を導入した企業では、「基準が不透明」「評価が不公正」などの不満の声があがっているといいます。富士通は、93年に導入した成果主義賃金制度の弊害が大きくなったとしてその見直しを発表しています。
 では、公正で客観的な評価制度は可能でしょうか。旧総務庁が「人事評価研究会」、人事院は「能力、実績等の評価・活用に関する研究会」がそれぞれ報告を発表しており、公正で客観的な評価、そして透明性、納得性を原則として掲げています。人事院のある元幹部は「これは容易なことではなく、今の担当者も気の毒」と語っているように、大変な困難を伴うことは明白であり、労働組合を含め公務のあり方とあわせてじっくり練り上げることが必要です。国税においてはノルマ主義が組み込まれてはなりません。人事院研究会は3月中にも最終報告をまとめ、2002年度にも新システムを実施すると報じられています。政治主導で進められている改革ならぬ「改悪」の動きの最中に人事院改革案が示されるとき、その先導役とならないか懸念されます。
 そして、これら一連の動きの中で重大なのは、政府の公務員制度調査会の基本答申(1999年3月)が無視されていることです。基本答申を白紙に戻して、再検討するというのですから、看過できません。基本答申は言います。「現行の公務員制度においては、行政に常に求められている専門性、中立性、能率性、継続・安定性を確保するため、その基本的枠組みとして、能力の実態に基づく任用、職務への専念と政治的中立を基本とする服務規律、適切な勤務条件の保障を定めている。これは我が国のみならず、先進諸国において職業公務員に関する基本的な枠組みとして歴史的に確立してきたものであり、民主主義の下における公務員の職務の特性に由来するものとして、今後維持されるべきものである」と。
 仲間のみなさん
 民間企業では激しいリストラ「合理化」、首切りの嵐が吹き荒れています。企業の経営姿勢が問われる社会的事件も相次いでいます。労使協調的な労働組合の存在やその活動が批判されています。私たち全国税は、資本・使用者から独立して、国税労働者はもとよりすべての労働者の生活と権利を守り、国民的課題、政治的課題にも躊躇することなく正面から取り組んできました。
 本中央委員会は、現在進行している「公務員制度改悪」の攻撃に断固反対し、国税労働者、そしてすべての公務員労働者がたたかいに立ち上がるべきことを訴えます。全国税は、行政が真に国民のために開かれ奉仕するものとなるよう、「仲間をふやし、仲間とともに」を合い言葉に、全国で、職場で地域で奮闘することを確認しました。春から夏に向けて、国税労働者の当面する切実な要求である「8大要求」を掲げてたたかい、同時に、壮大な公務員労働者の運動の一翼を担って奮闘する決意です。
 仲間のみなさん
 団結して、全国税とともに運動をすすめようではありませんか。心から全国税への加入を訴えます。
全国税労働組合第57回中央委員会
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