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談話
 行政改革・公務員の総人件費削減は大きな国民負担
 「行政改革実行本部」の設置にあたって(談話)
     
 

 

 2011年1月31日
 日本国家公務員労働組合連合会
 書記長 岡部勘市


 政府は本日の閣議で、「行政改革実行本部」の設置を決定し初会合を開催した。これは政府・民主党が3月末までの国会提出を目指している「行政構造改革実行法案」(仮称)成立までの間、野田首相が年頭記者会見で消費税増税と社会保障改悪の前提条件として述べた「公務員の人件費の削減も含めた行政改革」を推進するものだ。具体的には、政権公約に掲げた「国家公務員総人件費の2割削減」を踏まえ、諸手当を含む給与の削減、新規採用や昇格の抑制、出先機関の廃止・移譲、PFIの拡充、年金の一元化とともに、独立行政法人や公益法人などの廃止・縮小や特別会計の廃止・統合、国有資産売却などを進めるとしている。「社会保障と税の一体改革」への理解を得るため、政府が行政改革にとりくむ姿勢を示すことが狙いと報道されているとおり、昨年6月に国会提出された「賃下げ法案」と同様、国民に負担増を押しつける悪政を断行するための手段に他ならない。

 政府はこれまでも「財政健全化」などを理由に、「行政改革」と称して定員削減や公務の民間開放などで公務・公共サービスの削減を進めてきたが、財政赤字は増え続け、国民生活を改善するどころか新たな負担を押しつけてきた経緯は事実が物語っている。昨年の東日本大震災や台風災害などでは、「平成の大合併」や「三位一体改革」など「構造改革」路線の誤りが指摘され、公務・公共サービスの重要性が改めて証明された。いま公務職場では、相次ぐ定員削減などにより、ギリギリの状態でサービス水準を維持しており、これ以上の「行政改革」は国民全体に奉仕する公務・公共サービスの崩壊を招く。公務・公共サービスのさらなる削減は、断じて許されない。

 そもそも構造的な財政赤字は、日米構造協議でアメリカから押しつけられた公共投資拡大により、2000年度までの10年間に630兆円を投じたハコモノ整備中心の政策で債務を増やしたことに起因する。加えて大企業・富裕層への減税や優遇税制の導入、「国際競争力の確保」を命題にした大企業による中小・下請けイジメ、規制緩和を中心とした「構造改革」による労働者の低賃金・不安定雇用化、消費税増税などで家計消費の低迷を招き、税収を落ち込ませたことが大きな原因である。こうした失政のツケを消費税増税や社会保障削減などで国民に押しつけることは本末転倒と言わなければならない。

 ギリシャでは「財政再建」のためにとられた緊縮策が、かえって財政を悪化させている。消費税増税などの負担増と社会保障の切り下げが景気を冷え込ませ、税収を減らすという悪循環は、まさに日本政府がとろうとしている道筋である。ギリシャに対し緊縮策を押しつけてきた国際通貨基金(IMF)ですら、性急なやり方の経済成長への悪影響を指摘し「急がば回れ」で行くべきと警告している。このことからも、私たちが2012年春闘スローガンに掲げる「雇用と仕事の確保、賃上げ、社会保障拡充で、内需中心の経済、震災復興を」が日本のとるべき道なのは明らかであり、公務・公共サービスの充実こそが求められる。国公労連は、生存権や幸福追求権など国民の基本的人権の後退を許さず、憲法を暮らしと行政に生かすため、広範な労働組合や国民と共同して奮闘するものである。


以上


 
 
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