◆第1443号(1998年9月15・25日付)◆

全厚生第63回定期大会


社会保障の拡充をめざす決議(要旨)

 日本の社会保障制度は、戦後、憲法25条に基づく生存権保障の制度として労働者・国民のたたかいを通じて、権利として発展させてきました。しかし政府は、1980年代以降、社会保障・福祉予算を「財政のばらまき」と決めつけ、徹底した国庫負担の抑制と国民負担の押しつけ、さらに徹底した市場原理による競争を取り入れようとしています。
 いま、21世紀を目前に社会保障・福祉は、重大な岐路に立たされています。
 政府は、65歳未満を無年金にするなど給付を大幅に削減する年金改悪、老人医療改悪、医療保険本人負担のさらなる引き上げをねらっています。また、来年4月から導入される介護保険をめぐっては、日々「保険あって介護無し」の実態が浮き彫りになり、介護保険実施に伴う不安が自治体にも国民にも大きく広がっています。さらに、社会福祉基礎構造改革の名の下に、自己責任の押しつけと国の責任の放棄を図ろうとしています。
 一人一人の国民を本当に大切にした国づくりの基本である社会保障の拡充は、いまや国民共通の願いであり、大きな世論となって広がっています。
 政府は、こうした国民の願いに耳を傾けず、ゼネコン型公共事業に偏った国の財政を見直さず、さらに消費税率の引き上げや目的税化などを示唆する発言なども繰り返しています。いま求められているのは、将来に対する国民の不安を確実に取り除き、社会保障を拡充することです。
 全厚生は、あらためて厚生労働者としての責務と役割を自覚し、年金、医療、介護など社会保障・社会福祉の拡充をめざして、職場、地域から本格的な共同を広げ、広範な労働者・国民と力を合わせて奮闘します。


戦争法の発動を許さず、憲法擁護、平和と民主主義をまもる決議(要旨)

 この1年間、戦争法、盗聴法、日の丸・君が代法、憲法調査会設置法、地方分権一括法、住民基本台帳法、行革関連法、労働諸法制など、戦後史のうえでも前例を見ないほどの反動的な法律制定、改悪が強行されました。これらは、憲法の5原則をふみにじるものであるにもかかわらず、まともな審議も行われず、自自公は「数の横暴」で問答無用に強行。議会制民主主義への真っ向からの挑戦です。戦後半世紀余を経て、しかも21世紀の門口に立ったいま、「戦争をする国」か、それとも「平和憲法」を生かし、基本的人権、社会保障が花開く国にするのか、するどく問われています。
 戦争と社会保障は絶対に相容れません。全厚生は、戦争反対、憲法と平和・民主主義をまもり、社会保障の充実にむけ、ねばり強くたたかい続けます。
 私たち全厚生に結集する労働者は決意を新たにします。
 基本的人権を抑圧し、国民を戦場にかりたてる先兵に、二度とふたたびなりません。
 憲法が尊重されることを願う国民と家族の期待にこたえるため、戦争法の発動を許しません。戦争には断じて協力しません。行政サービスを切り捨てる行政改革に反対します。介護・年金・医療など社会保障や基本的人権を軽視する諸改革に反対します。
 私たちは、広範な国民・労働者と心をひとつにして、手をたずさえて、国民主権、恒久平和、基本的人権擁護、議会制民主主義、地方自治確立を原則とした日本国憲法をまもりぬきます。平和と民主主義と基本的人権がなによりも尊ばれ、社会保障が花開き、核兵器も米軍基地もない21世紀の日本をめざして、不断の努力をします。


討論

参加者の感想と決意


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