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 国公労連速報 2012年1月13日《No.2682》
全国約120の首長が出先機関の存続を要望
――宮崎県では全市町村長が出先廃止に反対
     
 

 

 東日本大震災以降の職務での奮闘や、この間とりくんできた「総対話MAP運動」ともあわせ、基礎自治体から「出先機関は必要」の声が広がっています。No.2666(12月9日付)に続き、報道記事を転載します。


 地方整備局など存続を
 石原菰野町長ら「地方を守る会」が要望
 (「伊勢新聞」12月28日付)

 石原正敬菰野町長ら全国市町村長でつくる「地方を守る会」(代表世話人・國定勇人新潟権三条市長)は27日、経産省や国交省、総務省を訪れ、国が出先機関改革として廃止を検討している国交省地方整備局と経産省地方経済産業局の存続を求める要望書を提出した。北神圭朗経産政務官らと面談した石原町長は、「都道府県だけでなく、基礎自治体の市町村レベルでの議論が必要だ」と要請した。
 同会は、国の出先機関改革に絡み、現在の体制の維持・拡充を求めるため今月に入り結成。この2週間ほどで約120人の首長が集まったという。県内では石原町長のほか、水谷元桑名市長、亀井利克名張市長、河上敢二熊野市長、尾上壽一紀北町長、古川弘典御浜町長、西田健紀宝町長の7市町長が名を連ねている。
 要望書では、今年発生した東日本大震災や台風災害などで、地方整備局や地方経済産業局と市町村が一体となって救援活動やインフラ、産業復旧などを行い、地域における国の出先機関の役割があらためて認識されたと強調。
 その上で、「国が現在進めている出先機関の廃止や地方移管は、地域や住民の安全を軽視するものと言わざるを得ない」と批判し、「国が国民の安全と安心を守る責任をあいまい、弱体化しかねない」と地方整備局と地方経済産業局の存続を求めた。
 要望活動には、石原町長、國定市長、代表幹事の立谷秀清福島県相馬市長の三氏が参加。北神政務官との面談では、國定市長が26日の地域主権戦略会議に触れ、「(廃止が)かなり勢いづく内容になっている」とクギを刺した。立谷市長も「議論がまだ拙速。出先機関を廃止した後どうするかなど、きちっと議論すべきだ」と注文した。
 石原町長は「政局でさーっと流れていくのは危険。一回壊したら元には戻らない」と指摘し、市町村レベルでの十分な議論が必要だとした。北神政務官は「震災や災害対応、中小企業対策での国の関与は重要だ」と述べた。


 宮崎 国の出先廃止 全市町村反対  民主県連などに要望(「西日本新聞」1月12日付)

 政府が進める国の出先機関改革をめぐり、宮崎県内の全26市町村が11日、「出先機関廃止は性急」と反対姿勢を示し、国に慎重な議論を求める要望書を民主党県連などに提出した。災害対応やインフラ整備を担う地方整備局(国土交通省)が廃止されることに危機感を訴えている。
 要望書は同県市長会、町村会による連名。黒木健二市長会長(日向市長)らが宮崎市内で、民主党県連代表の川村秀三郎衆院議員に提出した。河野俊嗣知事、県議長にも政府に強く働き掛けるよう要望した。内閣府によると都道府県内の全市町村がそろって異議を唱えるのは全国で初めて。
 政府は2010年、出先機関「原則廃止」を閣議決定。九州地方知事会は九州広域行政機構を受け皿に同整備局と地方経済産業局(経済産業省)、地方環境事務所(環境省)の業務移管を求めている。
 黒木会長は「東日本大震災で状況は変わった。整備局の機動力や経験なしに災害対応はできない。地方分権は賛成だが国土保全は国の責任」と話している。河野知事は「市町村の不安を国や九州地方知事会に伝えていく」と述べた。


 国の出先機関廃止議論 慎重対応働き掛けを
 県市長会 町村会 知事に要望書提出
 (「宮崎日日新聞」1月12日付)

 県市長会(会長・黒木健二日向市長)と県町村会(会長・椎葉晃充椎葉村長)は11日、地域主権改革に伴う国の出先機関廃止・地方移管は「時期尚早」として、国に慎重な対応を働き掛けるよう求める要望書を、河野知事に連名で手渡した。公式の要望は九州で初という。東日本大震災を踏まえた大規模災害発生時の対応が不明確な上、本件は交通インフラの整備が遅れているため、特に国土交通省の出先機関の移管に懸念を示している。
 要望は3項目で@具体的な移譲の方策を示した上で「国と地方の協議の場」などで十分議論するA災害に強い道路網形成やミッシング・リンク解消は国の責任で進めるB高度な技術力と機動力を持つ国土交通省の地方出先機関改革は慎重に対応する−ことを求めている。
 同日、黒木会長と町村会副会長の黒木定蔵西米良村長が県庁を訪れ、河野知事に要望書を手渡した。黒木会長は「治山治水は国権機能であり、災害時には地方整備局の存続が需要」と説明した。河野知事は「心配する気持ちを受け止め、九州地方知事会での議論や国への要望にしっかり伝えたい」と応じた。
 地方主権改革は民主党政権の最優先課題で、アクション・プラン(2010年12月28日閣議決定)に基づき検討が進められている。九州地方知事会や関西広域連合がその受け皿となる組織案を示しており、国土交通省地方整備局を含む3機関を九州と関西で先行して移管することを目指す。
 ただ、東日本大震災が発生したことから、国土交通省地方整備局に関して、地方自治体の能力を上回る大規模災害が発生した時の対応を不安視する声が相次いでいる。
 九州地方知事会(会長・広瀬勝貞大分知事)は受け皿となる「九州広域行政機構」の案を示す一方、九州市長会(会長・釘宮磐大分市長)は道州制を目指す「九州府」構想を示すなど、地方でも議論がかみ合っていないため、近く両会長が意見交換することにしている。
(※報道の転載はここまで)


 「地域主権改革」をはね返すたたかいは2012年春闘が山場
 地域春闘と結合し最大限のとりくみを展開しよう

 昨年12月19日に人材調整準備会合(第2回)と「アクション・プラン」推進委員会(第4回)、26日には地域主権戦略会議(第15回)が開催されました。戦略会議では、@執行機関は、権限と責任を有する長(構成団体の長との兼任を妨げない)を置き、A区域の設定は、必ず含まなければならない都府県の区域を定めたうえで自治体(都府県と政令市)の自主性に委ねるとともに、B解散や脱退の手続きを別途法定化する、などを内容とする「広域実施体制の枠組み(方向性)」が確認されました。
 同時に今後の取組方針として、@ブロック単位での移譲については来年の通常国会への法案提出に向け最大限努力、A直轄道路・直轄河川の移管については具体的に動かしていく案を検討、B ハローワークの移管については国・地方の一体的取組を全国的に進めると同時に、特区制度の活用で東西1ヵ所ずつハローワークが移管されているのと実質的に同じ状況を試行的に作り移管の可能性の検証を行う、なども確認されました。
 ブロック単位での移譲については年明けから、移譲対象となる出先機関や事務・権限、人員移管や財源確保の具体が検討され、3月頃の閣議決定を経て5月頃の法案提出が予定されています。経済産業局や地方整備局、地方環境事務所の関西と九州への先行移譲が取りざたされてはいますが、全国知事会が求める13機関(13機関(都道府県労働局、地方厚生局、地方運輸局、地方農政局、北海道開発局、総合通信局、法務局、漁業調整事務所、沖縄総合事務局、森林管理局)全体の移譲・移管を見通してすすめられるものです。


 こうした中、九州ブロック国公ではすべての地方議会議員への要請・懇談のとりくみを進め、近畿ブロック国公では「国民の安全・安心を守ろう!『出先機関廃止阻止』キャラバン」として基礎自治体の首長や議長などへの要請・懇談のとりくみをスタートさせます。  これまでの報道記事の転載のほかにも、高知県ではほぼ全での市町村の12月議会において、県国公がとりくんだ請願・陳情の内容も反映して四国地方整備局の存続を求める意見書を採択しました。民主党地域主権調査会が政府に対し市町村の意見の聴取を求めていることなどからも、市町村の首長や議員の理解・共感を広げることが決定的に重要です。  「出先機関の原則廃止」をはね返すたたかいの最大の山場となる2012年春闘は、こうした到達もふまえた最大限のとりくみが求められます。地域春闘とも結合して最大限のとりくみを展開しましょう。

以上 


 
 
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