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 国公労連速報 2011年11月28日《No.2657》
 【社保庁職員不当解雇撤回闘争ニュースNo.40】
安心年金つくろう会が厚労省に申入れ
国の責任で安心信頼できる年金制度確立を
専門的、安定的な業務体制の確保を
     
 

 

 「国の責任で、安心して暮らせる年金制度をつくる連絡会」(略称:安心年金つくろう会)は11月14日、厚労省に対して「国の責任で安心・信頼できる年金制度と業務運営体制の確立を求める申し入れ」を提出し、要請を行いました(申入れ書は別添参照)。
 安心年金つくろう会からは、公務労組連絡会の黒田事務局長、日本年金者組合の久昌中執、日本婦人団体連合会の榎本事務局長、全厚生闘争団の飯塚副団長と國枝事務局次長、国公労連から川村副委員長と中田書記が参加しました。厚生労働省は、武田総務部長他8名が対応しました。
 冒頭、黒田事務局長が申し入れの趣旨を説明し、「野田政権のもと政治と厚労行政は大きな変化のなかにある。『税と社会保障一体改革』ともかかわって本日の要請は率直な意見を言いたい」と述べました。
 婦団連の榎本事務局長は、「女性の立場としても最低保障年金制度を早急に確立してほしい。旧社会保険庁職員の分限免職を撤回し、日本年金機構の正規職員として採用すべき。民主党政権は次々と公約を変えている。『懲戒処分を受けたものは採用しない』との閣議決定は見直してほしい」と市民の立場から問題点を指摘しました。年金者組合の久昌中執は「厚労省は、年金支給開始年齢を68歳〜70歳まで引き上げる検討をはじめているが、50歳代など現役世代の老後の生活設計が根底から崩されてしまう。高齢者の貧困や低賃金で働く非正規労働者が増加するなか、将来を考えると不安でゾッとする。最低保障年金制度がなければ、生存権が脅かされる」、全厚生闘争団の國枝さんは「全厚生闘争団39人がたたかっている。525人を分限免職させておきながら、1万人を新たに雇用した。クビを切る必要はないのではないか」など、参加者がそれぞれ要請を行いました。国公労連の川村副委員長は、「厚労省は年金機構の運営に監督責任を負っている。民間委託で指摘されている問題は、業務委託の矛盾だ。国が直接実施するよう求める。経験者の不足は年金機構の致命的問題であり、分限免職を撤回し経験者を雇用せよ」と訴えました。
 武田部長は、「厚生労働省は閣議決定に従うしかない。皆さんの発言も含めて要請内容については幹部に伝える」などと答えるにとどまりました。
 最後に、公務労組連絡会の黒田事務局長が「納得できない。懲戒処分を受けた職員は年金機構に採用しないとの採用基準を見直すよう、政府に働きかけて欲しい」と強く訴え、申入れを終わりました。

【別添】

2011年11月14日

厚生労働大臣 小宮山 洋子 殿

           国の責任で、安心して暮らせる年金制度つくる連絡会
           (略称:安心年金つくろう会)

 国の責任で安心・信頼できる年金制度と業務運営体制の確立を求める申し入れ

 日本年金機構が発足して1年10カ月が経過しました。年金機構は、昨年1月の発足時から正規職員や准職員に多数の欠員を生じていましたが、今日に至っても大幅な欠員を抱えています。頻繁な入離職が繰り返されていますが、専門的な知識と経験が不可欠な年金職場でのこうした事態は大問題です。
 国民の信頼を回復するとして設置した日本年金機構ですが、事務処理ミスが多発しており、「国民の信頼を基礎として常に安定的に実施されるべきもの」との日本年金機構法の基本理念や2009年7月に閣議決定された基本計画の「とりわけ、業務が正確に遂行されることが、国民にとっての最大の関心事であり、これを重視する」との理念からはほど遠い状況です。現状では、国民の信頼回復どころか、まさに国民の年金権保障さえもが危うくされています。
 この問題の最大の原因は、業務に習熟した職員が決定的に不足していることです。年金機構を希望する旧社保庁職員が正規職員として採用され、その経験と能力を発揮することがとりわけ必要です。
 厚生労働省は、日本年金機構法および厚生労働大臣が定める中期目標にもとづき、年金機構がその役割を果たすよう監督責任があり、必要な法令や制度の改正及び人員や予算の確保に尽力しなければなりません。
 安心・信頼できる年金制度と、専門的、安定的な業務運営体制を確立するためにも、年金制度は国の責任で、国の機関で直接運営することが必要です。支給開始年齢の延伸や給付削減など年金制度を改悪するのではなく、国民のための公的年金制度を実現するため、下記の事項の実現に誠意を持って対応するよう求めるものです。

1.国民の信頼を回復するために、専門的、安定的な業務運営体制を確立してください。
 @ 旧社会保険庁職員の分限免職を撤回し、日本年金機構の正規職員として採用してください。また、「懲戒処分を受けたものは採用しない」との閣議決定は見直してください。
 A 正規職員の欠員を早期に解消するとともに、年金記録問題の早期解決や専門的業務運営を確保するため、増員によって業務運営体制を拡充してください。
 B 年金業務の市場化テスト、業務請負などの外部委託は見直し、直接実施してください。
 C 年金機構の非正規職員の労働条件を改善し、安定的な雇用を実現してください。
2.安心・信頼できる年金制度を確立してください。
 @ 消費税によらない全額国庫負担による最低保障年金制度を早急に創設してください。
 A 年金支給開始年齢の繰り延べは行わず、年金受給資格期間を当面10年に短縮してください。
 B デフレ経済下でのマクロ経済スライドによる年金引き下げは行わないでください。
3.年金制度は国の責任で、国の機関で直接運営してください。

以上

 社会保障破壊の「一体改革」許すな!
 安心年金つくろう会が西新橋1丁目で宣伝行動

 安心年金つくろう会は11月14日昼休み、東京・西新橋1丁目周辺で宣伝行動を実施しました。年金者組合、中央社保協、公務労組連絡会、国公労連などから約30人が参加し、宣伝とビラ配布を行いました。
 冒頭、全厚生の飯塚顧問は、「生活保護受給者が205万人と戦後最悪を記録し、国保滞納世帯も過去最高、老後の命綱である年金制度の拡充は国民の要望の第一を占めている。国民年金を見ても厚生年金を見ても制度の崩壊、空洞化は深刻な状況だ。力をあわせ安心して暮らせる年金制度を確立しよう」と述べました。
 続いて年金者組合の久昌中央執行委員が、「年金支給開始年齢引き上げや支給額の引き下げ、デフレ経済下でのマクロ経済スライド適用など年金改悪がすすめられ、国民の生存権を脅かし高齢期の生活に大きな打撃を与えている。これは国民全体の大問題だ。消費税増税に頼らない最低保障年金制度を実現しよう」と力強く訴えました。
 全医労の岸田中央執行委員長は、「国民の苦しみをよそに『税と社会保障の一体改革』を打ち出した政府・民主党だが、医療も介護も改悪ばかり。社会保障財源を口実に消費税増税は許されない。一方、経験ある社保庁職員525人が解雇され、日本年金機構の職場が混乱している。信頼できる年金業務の体制を確立するためにも、公的年金は国の責任でやるべきだ」と訴えました。
 最後に、中央社保協の相野谷事務局長は、「格差と貧困がますます拡大し、セーフティネットである社会保障制度の拡充を求める国民の声はますます強まっている。『税と社会保障の一体改革』は、消費税増税が最大の目的の『改革』であり、大企業の負担を軽減し、国民には増税と社会保障の給付削減を迫るものだ」と厳しく批判。「憲法第25条を放棄する『一体改革』を許さず、人間らしい生活ができる憲法を生かす権利としての社会保障を確立しよう」と呼びかけました。

 地域から社会保障改善の運動すすめよう
 安心年金つくろう愛知の会第4回総会ひらく

 10月28日、名古屋市内にて、安心年金つくろう愛知の会第4回総会が開催され、39名の参加がありました。
 この総会では、愛知県保険医協会の西村事務局長により、「社会保障と税の一体改革について」と題する学習会が行われました。
 学習会では、消費税の引き上げについて、引き上げの口実として社会保障が使われること、またこれまで「公助」として位置づけていた社会保険を「共助」の範疇にして、国の「公助」を最小限に限定する動きがあるとの見解を示し、社会保障切り捨ての動きに歯止めをかけるには、地域から社会保障改善の運動が必要と述べました。
 学習会の後、宇野事務局長(愛知国公書記次長)による一年の経過と次年度の方針について提案がありました。方針では、公共サービスの民営化とたたかう労組との共同で実施してきた毎月1日の「1の日」宣伝行動を引き続き行うことや、年金制度の抜本改善を求めて、政党・地元選出国会議員要請行動を実施するなど提案し、承認されました。  また、同日、社保庁不当解雇撤回闘争愛知支援共闘会議第2回総会も行われました。
 榑松共闘会議議長(愛労連議長)より開会のあいさつでは、社保庁が行った不当解雇をすべての労働組合が支援するなど、愛知全体でこの解雇問題を取り組む旨の発言がありました
 宮田共闘会議事務局長によりこの一年間の闘争の経過報告ならびに人事院宛の全労連署名を集約し、人事院に対して迅速・公平な判定を迫っていくなど運動方針の提案がありました。
 全厚生闘争団あいさつで、2名の当事者より訴えがあり、現在の生活状況などの報告がありました。また、愛知弁護団の伊藤弁護士により人事院審理で政府・厚労省による解雇回避努力が尽くされていないなど、解雇の不当性が明らかになったとの説明がありました。

以上 


 
 
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