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 国公労連速報 2011年10月21日《No.2638》
 11年人勧取り扱いで総務省交渉
 従来の給与決定ルールの遵守を求める
     
 

 

 11年人事院勧告の取り扱いについて政府が来週中にも結論を出すという緊迫した情勢の中で、国公労連は21日、総務省交渉を実施。賃下げ特例法案を優先させず、従来のルールに基づいた交渉と決定を行うようせまりました。交渉には九後書記次長を責任者に単組代表を含め12名が参加し、総務省側は人事・恩給局の堀江総務課長が対応しました。

 冒頭、国公労連側が人勧見送りのマスコミ報道が相次ぐ中、人勧の取り扱いに対する現時点の政府の姿勢を質したところ、総務省側は「人勧の取り扱いについては、10月4日に第1回給与関係閣僚会議を開き、まさに検討をスタートしたところ。会議では、官房長官のとりまとめによると、人事院勧告制度尊重が従来の基本方針という発言や、一方で給与特例法をだしていることも重く受け止めるべきだという発言もあり、引き続き検討ということになり結論が得られていない。マスコミ報道はともかく、現在政府として決定した方針はなく、検討中としかいえない」と回答。

 それを受けて、各参加者は以下のように主張し、従来ルールの遵守と特例法案の撤回を強くもとめました。

  • 法律・ルールを破って賃金を一方的に下げる政府のやり方は納得できない。ロボットや機械ではない血の通った感情をもつ人間として強い怒りを覚える。法律・ルールがなくては我々の生活は守れない。特例法案は撤回し、従来どおり勧告を前提にした交渉を実施すべきだ。
  • 特例法案は明らかに憲法違反だ。これまでは人勧制度というルールの中で決定されたものは不満があっても容認してきた。しかし、特例法は削減幅も大幅で根拠も不明確だ。被災地の職場で8カ月間復興にがんばってきた仲間たちをはじめ、職員全体のモチベーションにも悪影響を及ぼす。
  • 総務大臣は、人勧制度は尊重するが一部組合との合意も重く受け止めると述べたそうだが、職員の4分の1というわずかな合意を尊重し、残りの圧倒的多数の声は無視するのか。官民較差以上の賃下げを3年間というのは納得できない。大震災や台風への対応でがんばり続けている職員の生活実態を無視するものであり、何としても撤回を求める。
  • 公務員は法律・ルールに基づき仕事し、サービスを提供する。特例法案は憲法違反であり、臨時、異例といいながら強引に通すようなことは国としてやるべきことではない。要請電等に表れている職員の意見や声を真摯に受け止め、法案を撤回し、従来ルールに基づいて人勧取り扱いについて誠意ある交渉をすべきだ。
  • 人勧の内容には納得していないが、人勧制度は法律で定められた公務員給与の決定ルールであり、政府としてはそれに重きを置くべきだ。建設、運輸、航空、気象の職場は、全国から応援を受けながら震災復興で日夜奮闘している。台風被害でも和歌山の閉鎖湖の監視も少ない人数の中、交替でやっている。特例法案は国民のためにとふんばっている職員の最後の精神力さえうばいかねないものだ。
  • 賃下げ特例法案は、労働者との話し合いなしで就業規則を不利益変更するようなもの。超勤不払いなどを無視していることも問題だ。11年人勧による引き下げ分は特例法案の「内数」だという報道もあるが、政府としてそのような認識に立っているのか。
  • 大震災では、登米市にあるハンセン病療養所では被災した職員も泊まり込んで医療や介護にあたった。国立病院でも津波で家族を失った職員も被災者の治療にあたった。それに対して特例法による賃下げでは納得できない。医師や看護婦などのスタッフの確保にも障害となる。
  • 万一、給与引き下げの特例法案だけが通り、公務員制度改革関連法案は通らない場合、政府が言っていた「自律的労使関係制度の先取り」と矛盾することにもなりかねない。

 それに対し、総務省側は「政府として人勧制度尊重の基本姿勢は変わらない。一方臨時・異例の特例法を出していることも踏まえて検討するということだ。内数論も含めてまだ結論はでていない。特例法に関しては、復旧復興に向けての職員の努力は評価しつつ、やむをえない財政事情や復興への対処として理解願いたいという趣旨の総理の談話がある。国公労連の理解をえなかったことは事実だが、引き続き理解してもらえるよう努力する。法案については国会の判断によって早期成立を願っている。国公労連とは引き続き話し合いの場を持ちたい」「公務員制度改革関連法案も含めて2つ同時に出したものであり、いずれも早期に成立を願いたいというのが政府の立場。特例法は厳しい財政事情等に対処する臨時・異例の措置としてのものであり、その立場は国会にも職員にも理解してほしい」などと回答するに留まりました。

 最後に、九後書記次長は「臨時・異例の措置だからといって、現行法を無視することは国としてやるべきことではない。人事院も国公法の基づかないやり方であり、やるなら法を改定したうえでやるべきだと述べている。まして労働基本権で前進なしの恐れも強い中では慎重に判断すべきだ」「人勧の内容には不満があるが、それ以上に不満な特例法を優先することは問題だ。本日の回答は人勧尊重か特例法優先かの方向性を示されず不満なもの。残された時間は少ないが、組合とも議論の上で引き続き慎重で真剣な検討を求める」と強調し、交渉を締めくくりました。


以上 


 
 
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