国公労連
国民のための行政・司法へ ストップ!憲法改悪 サイトマップ 更新履歴 個人保護法に関する宣言 リンク
Action 私たちのとりくみ Journal 定期刊行物 Archives 資料 Mail News
トップページ >ニュース> 国公労連速報
トップページ>中央のとりくみ> 国公労連速報
トップページ >民主的な公務員制度改革を> 国公労連速報
 
  国民のための行政・司法へ
国公労連速報 2009年3月26日《No.2152》
公務員を無権利に追い込む法案提出は認められない
−「公務員制度改革」関連法案をめぐって推進本部事務局長と交渉−
     
 

 

 麻生内閣が「公務員制度改革」関連法案の国会提出をねらうもと、全労連公務員制度改革闘争本部は25日、国家公務員制度改革推進本部事務局と交渉しました。
 交渉では、労働基本権を制約したまま、級別定数の管理などの権限を人事院から内閣人事局へ移管することなど、これまでの焦点となっていた根本的な問題についてかさねて追及しましたが、立花事務局長は、「不十分なところはあっても、理解していただきたい」とのべ、来週にも法案提出する考えを明らかにしました。

 「級別定数は管理運営事項」との主張を繰り返す推進事務局

 推進本部事務局との交渉には、全労連闘争本部から小田川本部長を先頭に、若井(自治労連委員長代行)、宮垣(国公労連委員長)、米浦(全教委員長)の各副本部長、黒田事務局長、野村(自治労連書記長)、東森(全教書記長)の各委員、国公労連から秋山書記次長が出席、推進本部事務局は、立花局長をはじめ、渕上・古賀の両審議官、米女・高田・駒アの各参事官ほかが対応しました。
 はじめに、小田川本部長が現在の検討状況についてただすと、立花局長は、「3月末までの閣議決定にむけて作業をしており、法制局との詰め、各省協議を経て、今週が与党との調整の大詰めを迎えている。人事院とは、工程表決定以降も、私自身が人事院にうかがうなど、各レベルで10数回の協議を重ねてきたし、法案でも人事院から十分に意見を聞く仕組みをつくった。しかしながら、現時点でも理解がもらえなかった。総理にはそのことを報告しており、総理の判断にゆだねている」とのべ、来週前半にも法案を閣議決定し、国会に提出することを明らかにしました。
 これに対して、小田川本部長は、「個人個人の給与決定の土台となる級別定数は、人事院が査定しており、明確に労働基本権制約の代償措置の一部だ。憲法とのバランスはどうとるのか。それが説明できなければ、人事院からの権限移管は認められない。また、法案(原案)では、職員団体(労働組合)による人事院への意見の申し出が可能としている(注)が、現在の人事院との交渉とはどう違うのか」とただしました。
 推進本部事務局側は、「級別定数は、組織管理と密接に関連しており、管理運営事項としての性格が強い。他方、勤務条件的な性格も持っていて、その点から、人事院が職員団体と交渉してきた。そうした経緯をふまえて取り扱うこととなる。シロかクロかの答えにはならない」などとのべ、また、労働組合からの意見の申し出は、「法律では、内閣総理大臣(使用者)からも、人事院に意見の申し出ができるようにしており、そのこととパラレルの規程として設けた」とのべただけで、質問にはまともに答えられませんでした。

 権限移管ならそれに見合う措置を法案に盛り込むのが当たり前

 宮垣副本部長は、「シロかクロかはっきりできないと言うが、法案では、明確に権限が内閣人事局に移る。それなら、同時に労働基本権を返すのが当たり前だ。それがルールだ。このままでは、労使が同じ土俵で話し合うことは不可能だ。法案提出に反対する」と強くせまりました。
 さらに、「パラレルならば、交渉の対象からはずされる管理運営事項でも、労働組合は意見の申し出ができるのか」と追及すると、推進本部事務局側は回答不能となり、「考え方は整理したい」などとのべたことから、小田川本部長は、「今の法案のままでは、どうやっても説明できないはずだ。一方で級別定数などの管理権限が内閣人事局に移るのに、他方で、労働基本権とかかわって、権限移管に見合った措置が法案に盛り込まれていない。根本的に問題がある」と厳しく指摘しました。
 その後、「運用上の問題であり、今後、人事院と詰めていく」などとする推進事務局側と闘争本部側との激しいやりとりがありましたが、納得できる明確な回答は示されませんでした。若井副本部長は、「これだけ問題が指摘され、まともに答えられない。また、現時点にいたっても、政府と与党の考えが一致していない。国民も理解できない。そんな法案ならば、国会に提出する意味はあるのか。拙速な閣議決定はやめるべき」と断念をせまりました。
 立花局長は、「私も、甘利大臣にも、公務員制度改革基本法を忠実に具体化する使命がある。みなさんにとって不十分なところがあっても、すべて説明した通りだ。これまで、説明しきれなかったところは、最大限説明していきたい。みなさんにご理解いただきたい」と、あくまで今月内の法案提出の姿勢を変えませんでした。
 最後に小田川本部長は、「内閣人事局への権限移管にともなって、交渉の対象があいまいなままに加え、労働基本権の議論も不十分だ。協約締結権が返ってきても、労使対等の交渉ができるのか、このまますすめば大いに疑問がある。あまりにも無理なやり方だ」と法案提出に強く反対することをあらためて表明し、この日の交渉を終えました。

(注)法案(国会提出前の原案)では、「登録された職員団体は、人事院規則の定めるところにより、職員の勤務条件について、人事院規則の制定または改廃に関し意見があるときは、その意見を人事院に申し出ることができる」ことを新たに盛り込むとしている。

 ※「公務員制度改革」闘争ニュース2009年3月25日《No.79》(発行=全労連「公務員制度改革」闘争本部)より転載。

以上


 
 
ページの先頭へ