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国公労連速報 2008年12月5日《No.2082》
「09年の早い段階での取りまとめ」を甘利大臣が要請
−−労使関係制度検討委員会が第2回会議を開催
     
 

 

 国家公務員制度改革推進本部の労使関係制度検討委員会(以下、委員会)の第2回会議が、12月3日に開催されました。
 14日に顧問会議から内閣人事局に関する「報告」が出されるもとで、この日の会議には甘利大臣が出席、労働協約締結権にかかわる議論を早めるよう各委員に要請しました。
 討議では、基本法に示された「便益と費用」が焦点となり、対立する発言も出されるなかで、引き続き議論を深めることとなりました。また、大臣の要請もうけて09年中の報告取りまとめのスケジュールが事務局から提案されましたが、関係者からのヒアリングの配置もふくめて検討していくこととなりました。
 全労連「公務員制度改革」闘争本部では、委員会の傍聴に取り組み、布施委員(全労連常任幹事)、国公労連の瀬谷中執、自治労連の猪瀬事務局員が参加しました。

 自律的労使関係にともなう「費用と便益」をめぐり意見が対立

 開会にあたってあいさつした甘利公務員制度改革担当大臣は、「顧問会議の検討もふまえて、費用・便益をふくめた全体像を09年中に出していただきたい。少しでも早く取りまとめていただくようお願いする」とのべ、委員会の議論を前倒しして結論を出すよう求めました。
 これに対して、委員からは、顧問会議の報告にかかわって、「人事院の機能を内閣人事局に移すとなると、一般職国家公務員には、(協約締結権保障など)自律的労使関係を措置する必要がある。その方向で前倒しの議論をするということか」との質問も出されましたが、甘利大臣は、「推進本部の会議で前倒しを表明した。今後も、整合性を持ってすすめる」などとのべ、質問にはまともに答えませんでした。
 甘利大臣退席後、労使交渉等にともなう「費用と便益」の試算が事務局から示されましたが、「基本権制約のもとで制度設計の議論だけをすすめ、人事院の機能を移すとなると憲法問題となる。自律的労使関係とは、人事院の代償性が機能するのかしないのかという議論だ」「事務局の資料は、労使関係にかかわるコストがデメリットになるととらえている。民間ではそうなっていない。公務であっても、基本は民間と同じだ。事務局の認識を問いたい」などとの厳しい意見や、「在庁時間が減るとの『便益』が示されているが、労働基本権が拡大するとどうしてそうなるのかわからない」との疑問の声もあがりました。
 今野座長が、「制度の想定がないと具体的な議論にはならない。一般的な問題から議論したい」と促したことに対して、「費用がかかるからといって、協約権を措置しないことでは議論が成り立たない。前提を取り違えないことが重要だ」「憲法や国家公務員法にもとづいて、公務員の給与や労働条件の法定主義とは何なのかを議論する必要がある」「憲法28条では公務員をふくめて労働者だ」などとの意見のやりとりも見られました。

 関係団体のヒアリング、国民へのアンケートも検討

 今後の検討スケジュールについて、「09年中」という甘利大臣の要請をうけて、来年2、3月に関係者からのヒアリングを実施し、4月以降に、協約締結権を付与する職員の拡大にともなう便益と費用をふくむ全体像を提示、09年以内に法制上の措置にかかる提言を取りまとめるとの「工程表」が事務局から提案されました。
 あわせて国民に対するアンケートの実施も議論されましたが、ヒアリングの実施もふくめて、座長を中心に検討をすすめることとなりました。
 このように、内閣人事局にかかわる議論が先行していることから、検討委員会も前倒しの議論がねらわれ、検討のスピードが加速されるものと見られます。しかし、有識者、労働側、使用者側のそれぞれの意見の違いは大きく、今後、労働基本権をめぐる十分な議論を求めていく必要があります。
 闘争本部では、引き続き、委員会への傍聴に取り組みつつ、議論の節目では全労連の考え方も示しながら、委員会への意見反映を求めていくこととします。

 ※全労連・公務員制度改革闘争本部発行「公務員制度改革」闘争ニュースNo.70(2008年12月4日付)より転載。

以上


 
 
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