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国公労連速報 2008年6月6日《No.1999》
民主的な公務員制度の確立へ運動を広げよう
〜参議院本会議で公務員制度改革基本法が可決・成立〜
     
 

 

 参議院内閣委員会は、6月5日の委員会において、国家公務員制度改革基本法案を全会一致で可決しました。また、15項目にわたる附帯決議についても全会一致で可決し、6日の本会議で可決され、成立しました。法案には、15項目にわたる附帯決議(別添)もなされました。

 これにより、政府内に国家公務員制度改革推進本部及び事務局が設置されます。推進本部は、基本法の公布の日から1カ月以内とされていますので、7月中旬までに政府部内に設置されるものと思われます。
 設置された推進本部では、基本法が定める事項について法制度の措置が必要なものは3年以内に措置するために必要な事項を検討することとされていますが、委員会質疑の中で、労働基本権に関する事項も含まれると答弁でも述べられており、今後法制度などの措置に向けた議論の場が設けられることとなります。労働基本権に関する事項については、関係する当事者を含めた検討の場を設けることを言明しており、国公労連は参加できる準備をして整えています。

 おりしも、ILOでは日本の公務員制度改革が案件として議論されるなど、公務員制度改革は国際的な注目も浴びています。自らの労働条件を決定することは当然の権利であり、民主的な公務員制度とするためにも政府の真摯な対応が求められています。

 なお、今回の法案成立にあたり、国公労連は、書記長談話を発表しました。附帯決議でも述べられていますが、公務員制度は中立で公正なものであり続けなければなりません。また、民主的な公務員制度であるためにも、労働基本権の速やかな回復が図られるべきです。そのためにも、職場・地域から運動を広げることが求められています。

 たたかいはこれから〜議面集会で意思統一

 全労連「公務員制度改革闘争本部」と公務労組連絡会は、5日に参議院議員面会所で昼休み集会を開催し、70名が参加しました。
 国公労連の秋山中執の進行で始まった集会では、公務労組連絡会の米浦副議長(全労連闘争本部副本部長)が主催あいさつを行い、「誰のための改革か。政官財癒着の根絶など国民の願いは届いていない。具体化はこれからであり、本集会を新たなたたかいの出発点に位置づけよう」と訴えました。
 国会から駆けつけた山下芳生参議院議員は、「ほとんどの内容が掘り下げられないまま、成立しようとすることに怒りを覚える」と述べた上、「公務員の労働基本権は、国民・住民を守る権利であり、速やかな回復が必要だ。そのことを問いただしていきたい」と内閣委員会での質疑を前にした決意が述べられました。
 参加者からは、「公務員制度がねじ曲げられないよう全力で奮闘する」(国公労連・盛永副委員長)、「裁判員制度が発足する中で、誇りを持って働くことのできる公務員制度を求める」(国公労連全司法・牧山書記長)、「ILO・ユネスコ調査団は、労働条件は労使交渉で決着すべきと指摘した。11月に予定される勧告に期待したい」(全教・新堰副委員長)、「非正規労働者の改善が必要だ。消防職員の団結権の意義を明確にし、権利回復をめざす」(自治労連・野村書記長)などたたかう決意が述べられました。
 最後に、黒田公務労組連絡会事務局長が行動提起を行い、引き続き運動の前進に全力を上げることを意思統一して、集会が閉じられました。


 〈別添〉

 国家公務員制度改革基本法案に対する附帯決議

 政府は、行政の運営を担う国家公務員一人一人の職員がその能力を高めつつ、国民立場に立ち、責任を自覚し、誇りを持って職務を遂行することとするため、国家公務員制度改革を推進するにあたり、次の事項に万全を期すべきである。

 一.国家公務員制度改革の基本理念に、「男女共同参画社会の形成に資する」ことを加えたことを念頭に置き、今後、所用の措置を講ずること。
 二.政治主導を強化するという本法案の趣旨にかんがみ、国家戦略スタッフ及び政務スタッフについては相当数の人材を登用し得るように制度設計するとともに、内閣官房副長官、内閣官房副長官補、内閣総理大臣補佐官等の増員についても検討すること。
 三.職員、特に幹部職員及び管理職員の任用については、縦割り行政の弊害を排除し、国際社会の中で国益を全うできる人材を確保するため、内閣の人事管理機能を強化し、公募等も活用し、行政機関の内外から多様かつ高度な能力及び経験を有する人材の登用に努めること。
 四.幹部職員の任用及び評価にあたっては、本法案の趣旨をふまえ、任命権者である大臣並びに内閣総理大臣及び内閣官房長官が密接に協議して行うよう努めること。
 五.内閣の一元的人事管理機能の強化のための内閣官房への他の行政機関の機能の移管にあたっては、その機能を実効的に発揮させるよう十分に配慮すること。その際、人事院が人事行政に関し担ってきた役割を念頭に置き、人事行政の中立公正性の確保に努めなければならないこと。
 六.職員が国会議員と接触した場合の記録の作成、保存その他の管理及びその情報の公開にあたっては、接触内容の性質に応じた適切な記録の作成、保存、公開等の基準を定め、本制度が実質的に有効かつ円滑に機能し、国民に開かれた公正かつ民主的な行政の推進に資するよう制度を設計すること。
 七.キャリアシステムの廃止が法制定の目的であることをふまえ、職員の人事管理が採用試験の種類にとらわれてはならない旨の規定を完全に実施するよう最大限の努力を行うこと。
 八.幹部候補者育成課程の整備及び運用にあたっては、同課程が現行キャリア制の追認的制度とならないよう配慮し、特にその期間、内容等が硬直的なものとならないよう留意すること。また、公務員が憲法第15条第2項に規定する全体の奉仕者であることをふまえ、課程対象者に特権的意識を持たせるものとならないよう研修等において配慮しなければならないこと。
 九.官民人材交流の推進等の措置を講ずるにあたっては、公務員が全体の奉仕者であることをふまえ、その公正性及び手続の透明性を確保するよう努めなければならないこと。
 十.国際社会の中で国益を全うし得る高い能力を有する人材を確保するための措置を講ずるにあたっては、海外における滞在経験のあるいは生活経験のみを評価することなく、幅広い視野と長期的な視点をもつ人材を確保し、育成するよう努めること。
 十一.人事評価にあたっては、所属する各府省間あるいは部門間によって不均衡が生じないよう、できうる限り公平に行うこと。また、守秘義務違反等に対する懲戒処分の適正かつ厳正な実施にあたっては、公益通報者保護法の趣旨を念頭に置き、行政内部に不祥事が隠蔽されないよう十分配慮すること。
 十二.職員に対する各府省の再就職斡旋を行わなくすることにあわせ、定年の引き上げ、再任用制度の拡大等、勤務環境を早急に整備すること。とりわけ、定年の65歳への段階的な引き上げについては早急に検討を進め、法制上の措置を講ずること。
 十三.国民の理解のもとに、国民に開かれた自立的労使関係制度を措置するにあたっては、本法第4条の規定に則りこれを行うこと。
 十四.国家公務員制度改革推進本部の事務局長その他の事務局体制を整備するにあたっては、民間人登用を含め公務内外の人事管理制度に関し識見を有する人材の配置に努めること。
 十五.縦割り行政の弊害を排除するため、各省設置法の体系を見直し、行政組織編成を弾力的に行い得る制度について検討を行うこと。

右決議する。

以上

 
 
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