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声明
2009年人事院勧告にあたって(声明)
 過去最大規模の給与引下げ勧告
     
 

 

 本日、人事院は国会と内閣に対して一般職国家公務員の給与等に関する勧告及び報告を行った。勧告は、△863円(△0.22%)の官民較差があるとして、若年層と医療職(一)を除く本俸の引き下げ、かつてない0.35月もの一時金削減、自宅に係る住居手当の廃止など、03年勧告に匹敵する平均15.4万円の年収減となるものである。
 国公労連は、賃金底上げで内需拡大を図る立場から、最低賃金の抜本的な引き上げと公務員賃金の改善を求め、職場からの上申闘争などを背景に公務・民間一体の運動と、中央・地方で人事院追及を強めてきた。
 こうした要求と運動の反映もあって、初任給などへの影響は回避したものの、本府省業務調整手当と地域手当を完成させる一方、給与構造「改革」に伴う現給保障まで引き下げる勧告は、公務員労働者の生活実態を顧みないばかりか、行政現場の第一線を支える地方の中堅層に痛みを押しつけるもので、到底容認できない。

 人事院勧告は、労働基本権制約の「代償措置」として公務員労働者の利益を擁護すべき制度であり、官民較差を機械的に当てはめるだけであってはならない。580万人に直接影響するとされ、最低賃金とともに社会的な所得決定基準となっている公務員賃金を引き下げることは、日本経済をさらなる負の悪循環(賃金低下→内需縮小→国内生産縮小→雇用の減少)に陥らせるものであり、政府として勧告の実施「見送り」も含めた真剣な検討を求める。
 また、「地域の民間給与を反映させるための俸給表水準見直し」を求める政府方針に迎合し、地域別官民給与較差を公表した。国公労連は同一労働同一賃金の原則を崩し、地域間格差の拡大につながることから一貫して反対してきたが、人事院が政府の圧力に屈したことは、第三者機関として重大な誤りであることを改めて指摘しておく。

 一方、非常勤職員の処遇改善では、忌引休暇、病気休暇の適用拡大、健康診断の実施とともに、任用や勤務形態などの本年度内見直しに向けた検討を報告した。要求との乖離は大きいものの、均等待遇に向けた一歩前進と言える貴重な成果であり、これを足がかりに非常勤職員制度の抜本的な改善に向けて引き続きとりくみを強める。政府には使用者としての責任ある対応を求める。
 労基法の改正に伴い、超過勤務手当の割増率引上げと代替休暇の制度化が勧告されたが、本来改善すべきは非人間的な長時間過密労働の解消である。給与実態調査では、年間超過勤務時間数が平均234時間とされているが、調査に現れないただ働きの実態を見れば、勤務時間管理の徹底と抜本的な超勤縮減対策とあわせ、心身の健康と安全を確保し、疾病予防のために実効ある対策を直ちに講じることを求める。
 高齢期の雇用問題では、10年中を目途に定年年齢を段階的に65歳まで延長する立法措置のための意見の申出を行うとしているが、中高年の賃金水準問題に矮小化された議論であってはならない。健康保持対策や働き続けられる職場環境の検討も必要であり、制度設計に際して国公労連との真摯な協議を要求する。

 全国の仲間のみなさん

 連年の定員削減と高まる行政ニーズなどのもと、職場には様々な矛盾が渦巻いている。憲法をくらしと行政にいかす「国公大運動」を全国で展開し、国民本位の行財政・司法を確立する展望を切りひらこう。総選挙で主権者としての権利を行使し、「構造改革」路線の転換と「なくせ貧困!働くルールの確立」をめざそう。  国公労連は、本日を新たなたたかいの起点として、全国の仲間とともに全力で奮闘する決意を表明する。

2009年8月11日
国公労連中央闘争委員会



 
 
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