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 国公労連速報 2011年10月13日《No.2632》
 景気の停滞を招く国家公務員の賃金引き下げ法案の撤回を
 ――マリオン前で賃下げ反対の宣伝行動を実施
     
 

 

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 国公労連は10月12日、自治労連・全教と共同して有楽町マリオン前で賃金引き下げ反対の緊急宣伝行動を実施し50人が参加しました。
 夕暮れどきのなか、4人の弁士が、国民生活の破壊と景気の停滞を招く国家公務員の賃金引き下げ法案の撤回と、さらなる公務・公共サービスの拡充を求め訴えました。それぞれの訴えの要旨を紹介します。


 【自治労連 山口副委員長】

 大企業が溜め込んでいる内部留保は200兆円を超えている。不況といわれているなかでも大企業の利益だけは増えつづけ、国家公務員の賃金引き下げは国民経済に大きな打撃を与えるだけでなく地域経済の疲弊、さらには全ての労働者の雇用、賃金、処遇に影響をきたすものだ。いまこそ、溜め込んだ利益の活用で経済の活性化をはかり、公務・公共サービスのさらなる拡充と、いのちと暮らしを守り、国民のふところを暖める政策が求められている。


 【全経済 渡邊書記長】

 国家公務員の給与を巡っては、先の通常国会で、「平成25年度末まで、俸給、ボーナスの1割カットを基本として引き下げる」、具体的には本省課長・室長相当職員以上マイナス10%、本省課長補佐・係長相当職員マイナス8%、係員マイナス5%、期末手当、勤勉手当マイナス10%を行おうとする内容の給与臨時特例法案が提出され継続審議の扱いとなっている。この「給与臨時特例法案」は現行制度に基づかない違憲・違法な法案であり直ちに撤回を求める。一方、国会に提出されている「給与臨時特例法案」は、現行の人事院勧告制度を無視して、政府と国家公務員全体のわずか4分の1に過ぎない一部の労働組合との間で公務員制度改革関連法案が成立していないのに、労使交渉の先取りと称して合意し国会に提出されたものだ。このことに対して、私たちは、この違憲・違法である「給与臨時特例法案」の撤回を求める。
 また、人事院勧告の内容についても問題がある。人事院は、2011年度国家公務員一般職給与について月例給を平均0.23%引き下げ、ボーナスは据え置くなどとする3年連続のマイナス勧告を行った。復興財源との絡みで、人事院勧告の実施で120億円程度の人件費削減。さらに特例法案の成立で引き下げが実現できれば、さらに人件費約2900億円の削減ができるという、削減金額の議論がされている。この復興財源に、国家公務員の人件費の財源をどれだけあてることができるかの議論は、東日本大震災や台風12号災害での救援、復旧、復興で国の出先の機関が果たした役割の重さ、私たち公務員の日々の仕事、人事院勧告の官民比較の結果や一人ひとりの生活実態を全く無視したものと言える。公務員だからと言って、バナナのたたき売りのように、給与を一方的に引き下げることが許されるのか。復興財源を言うのであれば、国公労連が主張する、米軍への「思いやり予算」の削減や、政党助成金の廃止、法人減税や証券優遇税制など大企業・大資産家への減税ばらまきをやめるべきだ。


 【全厚生 杉浦書記長】

 医療、福祉、公衆衛生、社会保障などの分野においても極めて重要な問題がおきている。被災地の復興や被災者支援のために、生存権保障や基本的人権を基礎に捉え、被災者・住民の切実な要求にもとづき迅速に対応して、行政体制もさらに拡充しなければなりません。このような時に、消費税大増税や社会保障の切り捨てを大震災の対応のなかで行うことは断じて許せない。
 さらに、公務員賃金の削減が、消費税増税や国民負担への露払いにさせられようとしている。国民・労働者にとって何ら良いことではなく、悪政のごり押しであり絶対にやめさせなければならない。
 労働基本権制約の代償措置としての人事院勧告を踏みにじる、国家公務員賃金の削減法案は直ちに撤回することを求める。国家公務員の賃金は、労働運動総合研究所(労働総研)の試算では、公務関連機関、地方公務員、民間労働者など625万人の労働者の賃金に影響すると言われている。いま、賃下げを行えば消費が冷え込み税収の減少となり景気の悪化につながる。庶民の暮らしを基礎に景気を良くして日本経済を元気にさせるためにも公務員の賃下げはやってはいけない。国民の安心・安全を確保するため国の役割発揮こそ強く求められている。


 【国公労連 盛永副委員長】

 私たち国公労連は、政府が憲法と国家公務員法に違反して、国家公務員の給与を10%引き下げる法案を国会に提出したことに対して、憲法違反・国家公務員法違反の法案は撤回すべきだとの運動を行なっている。
 政府は、6月3日に、国家公務員給与を10%引き下げる法案を国会に提出した。政府は、法案の提出理由を、民主党マニフェストに「公務員の総人件費2割削減」を掲げてあるからだとしている。
 国家公務員の給与は、労働基本権が制約されていることから、その代償措置として人事院勧告が出されその勧告に基づいて決められることになっている。この法律に定められた手続きを踏まずに提出されたのが、6月3日の公務員給与引下げ法案だ。人事院総裁は、強い「遺憾の意」を表明する談話を発表しており、西岡参議院議長も「この法案が、仮に、衆議院を通過して参議院に送られてきても、人事院が了解していない限り、委員会には付託しない」と発言するほどの大問題の法案だ。憲法違反・国家公務員法違反の法案は撤回されなければならないものだ。
 公務員給与引き下げ法案は、公務員給与の引き下げだけに留まらない。国家公務員の給与は625万人の、地方公務員や公務員準拠の民間に働く労働者の賃金に直接影響するといわれている。デフレ経済が深刻な今、デフレを加速させることにつながる公務員給与の引き下げは行なうべきではない。  労働総研が、この賃下げ法案が実施に移された場合の試算を発表している。「家計収入の減少額」は3兆4千億円にも上るといわれているし「税収の減少」も5,400億円にも上るといわれている。デフレ経済を加速させないためにも賃金の引き下げは辞めさせなければならない。また、公務員給与の引き下げ法案で見過ごすことができないのは、東日本大震災の復興に向けた第3次補正予算案の財源確保のための増税、「税と社会保障の一体改革」と称して、消費税の10%への引上げが狙われていることだ。「公務員給与を引き下げたのだから、増税もやむを得ないでしょう」というのが、この公務員給与の引き下げ法案の真の狙いだ。公務員給与の政治的利用をやめさせなければならない。
 いま年収200万円以下の労働者が1,000万人を超えているといわれている。政府が今やるべきことは、公務員給与の引き下げではなく、こういう年収が200万円以下の労働者の賃金を引き上げることだ。
 憲法違反・国家公務員法違反の公務員給与の引き下げ法案は撤回すべきであり、低所得者層の賃金の底上げ、そして震災の復旧・復興こそ政府がやるべきことだ。このことを、多くの国民の声として政府に届けよう。

以上 


 
 
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