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 国公労連速報 2011年10月6日《No.2630》
 「地域主権改革」課題で首長3団体に要請
     
 

 

 全労連公務部会は10月6日、中川道州制・地方分権対策委員長を責任者に、全国知事会、全国市長会、全国町村会に対して「地域主権改革」課題での要請(要請書は別添)を行いました。国公労連からは高木中執が参加しました。

 決定事項を粛々とすすめる
 ――全国知事会

 全国知事会は調査第1部長をはじめ5名が対応しました。調査第1部長は要請に対し、全国知事会は知事の集まりであり事務局が回答する立場にはないと前置きしつつ、決まっていることを粛々と進めていく立場を鮮明にしました。<1>「義務付け・枠付け」の見直しについては、知事は地域の経営者であり、条例での基準制定にあたっては地域全体を見て判断する。住民意思も判断材料のひとつとなる、<2>「国の出先機関の原則廃止」については、決定事項であり入口からの再検討はありえない、と述べました。


 条例制定権の拡大で自主・自立性を高める
 ――全国市長会

 全国市長会は行政部副部長をはじめ3名が対応しました。行政部副部長は要請に対し、<1>「義務付け・枠付け」の見直しについては、従来から分権型社会・条例制定権の拡大をめざしており、(地方分権改革推進委員会の)第2次勧告で法制化未了の約2,800事項の早期実現を求めている。最低基準は住民への説明責任を含め地方自治体に任せてほしいと思っている、<2>「国の出先機関の原則廃止」については、補完性・近接性の原則にもとづき基礎自治体の責任・役割をはっきりさせたうえで検討されるべき。国としてもスリム化の努力は必要。道路・河川の管理水準は維持されるべきで、委譲に際しては地元市町村の意見を聴くように求めている、と述べました。


 財源確保や合併が心配
 ――全国町村会

 全国町村会は行政部参事が対応し、「地域主権改革」には総論的には反対できないとし、<1>「義務付け・枠付け」の見直しについては、財源の手当がされるように努力している。<2>「国の出先機関の原則廃止」については直接的な関係がなく全国知事会の問題、<3>都道府県からの権限委譲については、対応できない町村の合併が心配、と述べました。


《別添》

2011年10月6日

 全国知事会   会長   山田啓二 殿
 全国市長会   会長  森 民夫 殿
 全国町村会   会長   藤原忠彦 殿
     
 全国労働組合総連合公務部会 
 代表委員   野村幸裕(自治労連中央執行委員長) 
 同   北村佳久(全教中央執行委員長) 
 同   宮垣 忠(国公労連中央執行委員長) 
 同   岩井 孝(特殊法人労連議長) 
 同   廣岡元穂(郵産労中央執行委員長) 


「地域主権改革」に関する要請書

 貴職の日頃からのご活躍に敬意を表します。
 さて、貴会をはじめとする地方団体と政府との間で「地域主権改革」が進められています。「義務付け・枠付けの見直し」をめぐっては、国が定めている施設設置などの最低基準を緩和・廃止して地方自治体に委ねるとともに、経済的利益の追求がなじまない公共サービスへの営利企業の参入を促進する「地域主権改革」一括法(第1次、第2次)が4月と8月に相次いで成立しました。今後、来年度の施行に向けて行われる条例の制定や改正においては、住民生活の安心・安全が守られるような配慮が求められます。
 また、「国の出先機関の原則廃止」をめぐっては、2014年度中の事務・権限の移譲に向けて月内には広域実施体制と人員移管の枠組みの決定、移譲対象事務・権限の範囲の整理を行い、12月には移譲対象出先機関も含めて閣議決定し、次期通常国会に関係法案を提出するとされています。国の出先機関が各地域で果たしている国の責任と役割を地方自治体などに委ねるとともに民間企業の参入を促すことは、「義務付け・枠付けの見直し」と同様に国民の基本的人権の保障にかかわる重大な制度改変です。同時に、国の出先機関で働く者の雇用・労働条件を根本的に改変するものでもあります。
 東日本大震災は、かつて経験したことがない甚大な被害をもたらしました。いま、被災者の救援や原子力発電所の事故対策、被災地の復旧・復興に向けたとりくみが懸命に進められ、公務労働者は震災発生直後から先頭に立って被災者の生命を支えています。公務・公共サービスの重要性や「構造改革」路線の問題点が指摘されるとともに、国民の命を守りくらしの安心・安全を確保するための国と地方自治体双方での責任と役割の発揮の重要性が改めて浮き彫りともなりました。
 以上のことから、私たちは下記事項の実現に向けて貴職のご尽力を要請します。

 1.「地域自主・自立」一括法にもとづく福祉、保育、医療、介護、公営住宅、教育条件等の基礎自治体への権限移譲、基準等の「条例制定権の拡大」にあたっては、これまで国が定めてきた最低基準が維持され、住民の要求をふまえて向上が図られるようにしていただきたい。地方自治体で、これまでの国基準を上まわる独自の基準を定めている事業については、引き下げをせず、維持、向上が図られるようにしていただきたい。

 2.国と都道府県、市町村が一体となって震災からの救援・復興に全力を挙げるために、「アクション・プラン(出先機関の原則廃止)」は白紙に戻し、国と地方の責任と役割の再検討は震災からの復旧・復興が実現した段階で、国民の基本的人権を保障する観点から行っていただきたい。

 3.国と地方の責任と役割の再検討にあたっては、全労連公務部会と全国知事会との間で十全な協議を行っていただきたい。

以上 


 
 
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