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 国公労連速報 2011年8月31日《No.2614》
 「なんとしても賃上げ勧告を」8.30中央行動に500人
 「高齢者のさらなる賃下げは許さない」と怒りの声をあげる
     
 

 

 9月中下旬の人事院勧告が迫る8月30日に国公労連は、全労連公務部会・公務労組連絡会に結集して、公務員賃金改善、労働条件の改善を求める人事院前での要求行動にとりくみました。行動後は、霞が関官庁街や虎ノ門のオフィス街をデモ行進し、景気回復にむけて公務労働者をはじめすべての労働者の賃上げの実現、公務員に対する「賃下げ法案」の撤回・廃案を訴えました。中央行動には500人(国公労連は150人)が参加しました。

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 霞が関18カ所で一斉に早朝宣伝を実施

 行動当日の8月30日の早朝には、霞ヶ関、桜田門などの地下鉄駅の出入口(18カ所)をはじめ、国公労連、自治労連、全教、特殊法人労連のなかま50人が結集。
 人事院、総務省など各省庁のある霞が関一斉に「なんとしても賃上げ勧告を」「大義なき賃下げ法案は撤回を」を訴え、3000枚の国公労連独自ビラを配付しました。組合員の関心は高く、財務省、外務省、農林水産省においても多くの職員がビラを受けとるなど私たちの主張が伝わっています。

 今も困難がつづく被災地の仲間をはげます勧告を

 公務労組連絡会の米田雅幸事務局次長の司会で始まった11時20分からの人事院前の要求行動では、野村幸裕議長が主催者あいさつを行い、勧告に向けて生活実態に沿った賃金の改善を求めていくことを強調し、「この間の公務員賃金削減攻撃と対決し、地域でのたたかいが情勢を切り開いてきたことに確信をもってたたかおう。人勧にむけてたたかいのうねりをつくっていこう」と呼びかけました。
 激励あいさつに駆けつけた全労連の小田川義和事務局長は、「5年間で6人もの首相が交替した。庶民増税・地域主権改革がねらわれるもと、TPP参加反対、原発なくせなどの国民要求とあわせて、たたかいを前進させよう。自律的労使関係制度の先取りとして、政府が勧告制度を踏みにじって賃下げ法案を提出するもと、公務部会のみなさんの大義あるたたかいに全労連として全面的な支援を強めていく」とのべました。
 黒田健司事務局長が情勢報告を行い、人事院が昨年に続いて高齢層の賃下げを執拗に狙っていること、05年の給与構造見直しにともなう「現給保障」の廃止が明言されたこと、そして、これらが政府の公務員総人件費削減の方針を背景にしたものであることなどを報告し、職場からのとりくみを大きくひろげていくことが訴えられました。

 昼休みの官庁街・オフィス街をデモ行進で訴える

 職場を代表して3人がたたかう決意を表明。「高齢期雇用における定年延長の実態は年齢差別である。実情にあわない官民比較の給与だけで賃金の引き下げを行うことは断固容認できない。高齢層が住宅・教育ローンを抱えているもとで、一方的な賃下げは断じて認められない」(全通信・山崎中執)、「この10数年間で勧告はほとんどゼロか、マイナス勧告となっている。累計で70万円以上の年収減できびしい生活を強いられている。東京では2万人以上の職員定数削減でサービス残業は避けられない」(東京自治労連・西野副委員長)、「ボランティアで被災地を回ってきたが、震災から約半年が経つ今でもがれきの山だ。こうした被災地の仲間を励ます勧告を求める。中高齢者の多い教育現場では現給保障の廃止でますます働きがいをなくす」(埼教組・北村書記長)と怒りを込めた決意を表明しました。
 最後に特殊法人労連の岡村事務局次長の音頭でシュプレヒコールと団結ガンバローを行い、人事院前の要求行動を締めくくりました。
 その後、参加者は日比谷公園霞門に集合してデモ行進に出発。官庁街からオフィス街をめぐるデモ行進では、昼休みのサラリーマンやOLに、すべての労働者の賃上げを訴えました。

 「夏季重点要求」に対して総務省が最終回答
 人事院勧告よりも「賃下げ法案」を優先させる政府を追及
 (公務ネットニュースNo.901より転載)

 「8.30人事院前要求行動」に500人が結集するもと、公務労組連絡会は同日、「夏季重点要求」の実現を求めて、総務省との最終交渉に臨みました。
 交渉では、通常国会閉会を翌日にひかえて、この間、一度も審議されなかった「賃下げ法案」(給与臨時特例法案)の撤回を重ねて求めるとともに、9月中の人事院勧告がひかえるもとで、あらためて労働基本権制約の「代償措置」としての勧告制度について政府としての見解を質しました。これに対して、総務省側が、一部の労働組合と合意しただけの「賃下げ法案」を、勧告よりも優先させるかの回答を示したことから交渉は紛糾しましたが、公務労組連絡会の追及によって、人事院勧告制度を尊重するとの基本姿勢を明らかにさせました。こうした交渉の到達点をふまえて、今後、人事院勧告後には、その取り扱いをめぐってあらためて総務省との交渉を配置します。

 内閣総辞職のもとであらためて「賃下げ法案」撤回をせまる

 総務省との交渉には、公務労組連絡会から野村議長、北村副議長、黒田事務局長、米田・九後の各事務局次長、自治労連から熊谷中執が参加しました。総務省側は、人事・恩給局総務課の越尾(こしお)総括課長補佐、小泉課長補佐ほかが対応しました。
 はじめに野村議長は、「前回の交渉では、給与臨時特例法案の撤回を求めるとともに、公務員総人件費削減方針の撤回、東日本大震災もふまえた公務・公共サービスの拡充を求めてきたところだが、その際の回答は納得できるものではなかった。菅内閣が本日、総辞職するもと、法案は撤回すべきであるとかさねて指摘する」とのべたうえ、「切実な要求を真摯に受けとめ、夏季重点要求に対する使用者としての誠意ある回答を示していただきたい」として最終回答を求めました。
 これに対して、越尾総括課長補佐は、以下の通り回答しました。

 (総務省最終回答)

  • 賃金改善の要求については、みなさんの切実な要求であると受けとめる。なお、現時点においては、従来からの考え方に変更はない。
  • 超過勤務縮減は、職員の健康はもとより、自己研鑽、家庭の時間確保のために重要課題と認識している。従来から定時退庁などにとりくんできているが、4月からは超過勤務手当の割り増し、代休制度が新設されたことでコスト意識を持ったとりくみが求められている。また、超過勤務縮減を管理職の人事評価の対象としている。今後とも、こうしたとりくみをすすめることによって超過勤務縮減を推進する。
  • 高齢期雇用については、人事院から「意見の申出」が出された場合には、関係省庁と連携しながら検討をすすめていきたい。また、退職手当の水準は、5年ごとに民間の実態調査を実施しており、これをふまえて官民均衡をはかっていく。いずれにしても、退職手当は、退職後のライフプランにかかわる職員の重要な関心事項であることは十分に承知しており、検討に際しては、組合からの意見を聞いてすすめる。
  • 非常勤職員の処遇改善は、昨年から期間業務職員制度が導入され、育児休業も改善した。これらについての運用状況を見守りつつ、勤務条件の改善にむけて、みなさんの意見をうかがいながら検討をすすめる。
  • 民主的公務員制度確立、労働基本権回復にかかわっては、自律的労使関係制度の措置にむけて国会に関連法案が提出された。法案の審議状況を引き続き見守っていきたい。
  • 職員の健康・安全について、4月に国家公務員の福利安全基本計画の改定をおこない、メンタルヘルス対策の充実などを盛り込んだ。引き続き対策強化にとりくんでいきたい。

 「労働基本権制約の代償措置として人勧制度を尊重する」と回答

 賃金改善要求にかかわって、「従来からの考え方に変更はない」との回答に対して、交渉参加者からは、「前回の交渉で『国会の判断をあおぐ』としてきた給与特例法案に対する考え方なのか、それとも、人事院勧告制度尊重とする政府の基本姿勢をのべたものなのか」と追及が集中しました。
 越尾総括課長補佐は、「特例法案に関する考え方をのべたものだ。閉会中審査(継続審議)になるかどうかは明日の会期末になってみないとわからないが、いずれにしても、政府としては、国会の判断をあおぎたいと考えている」とのべたことから、交渉団は、「審議される見通しもない法案であるとともに、もともと憲法違反の法律であることからも、国会の判断をあおぐことなく、政府みずからで法案を撤回すべきだ」とせまりました。
 また、公務労組連絡会側が、「人勧尊重という従来の政府としての基本姿勢にも変更はないと受け取ってもいいのか」とただすと、越尾総括課長補佐は、「臨時特例法案を政府が提出している点で、従来とは状況が違っており、その状況のうえに、人事院から出された勧告の内容をふまえて判断したい」とあいまいな回答に終始したことから、交渉団は、「人勧制度尊重の政府の基本姿勢を変更するのか?」と厳しくせまりました。
 これに対して、総務省側が、「出された勧告については重く受けとめる」としつつも、「今年に限っては、勧告制度のもとで極めて異例の措置となるが、連合・公務員連絡会との間の交渉によって給与引き下げを合意してきている。それをふまえて提出した特例法案をベースにして、今年の人事院勧告の取り扱いを検討したい」などとのべたことから、「勧告よりも、一部の労働組合との妥結内容を優先させるのか」と参加者から激しい声があがり、交渉は紛糾しました。
 こうした追及をうけて総務省側は、「人事院勧告制度を労働基本権制約の代償措置として尊重していくという基本姿勢には変更はない」と明確に回答したうえ、「ただし、今年の勧告については、給与臨時特例法案が出されている状況をふまえつつ、新しい内閣のもと検討していきたいと考えている」と補足しました。

 地方公務員・教職員の労働基本権を早期に回復せよ

 その他の要求にかかわって、交渉参加者からは、「被災地では保育園が流されて、非常勤の保育士が雇い止めされたりしている。単に政府の制度を見守るのではなく、使用者として雇用などの改善などについて考えるべきだ。また、国家公務員に対する賃下げ法案は、地方公務員にも影響する問題であり、法案の撤回を求めるとともに、総務省として地方自治体に波及させないように対応せよ」「自律的労使関係制度では国家公務員の関連法案が提出されるもと、地方公務員・教員の労働基本権の早期回復にむけて、総務省として積極的に対応すべきだ。その際、労働組合との交渉・協議の場を求める」などの意見が出され、越尾総括課長補佐は、「関係する部局には伝える」と回答しました。
 最後に野村議長は、「賃下げ法案の撤回要求に対しては、前回と同様の回答にとどまったことは、きわめて不満だ。公務員総人件費削減の方針とともに、法案はただちに撤回すべきだ」とのべ、「その他の回答についても、使用者として、要求に正面から応えたものではなく、不満である。9月中に人事院勧告が予定されているもと、勧告内容をふまえて、公務労組連絡会として勧告後にあらためて要求書を提出する。その際、本日の回答にもとづき、賃金・労働条件改善へ使用者としての責任ある対応を求める」とのべ、交渉を閉じました。

 約8万筆の「公務・公共サービス拡充署名」を政府に提出

 交渉では、5月からとりくんできた「公務・公共サービス拡充を求める要求署名」(内閣総理大臣あて)を提出しました。全体で79,815筆(国公労連は30,089筆)となった署名は段ボール箱で交渉の場に積み上げ、公務員総人件費2割削減の方針撤回、国の地方出先機関廃止反対、国の責任による30人学級など、要求項目の実現を強く求めました。

以上

 
 
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