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国公労連速報 2010年5月26日《No.2356》
 独法改革は夏から秋までに方向性示す(枝野大臣)
 独法通則法改正法案が国会成立
     
 

 

 独立行政法人の不要財産を一律に国庫に納付するよう義務付ける独立行政法人通則法の一部を改正する法律案が5月21日、参議院本会議で与党などの賛成多数で可決、成立しました。
 それに先だち、20日に参議院総務委員会で審議され、可否同数で委員長が可決しました。
 審議は、自民・公明党議員など自公政権が2008年に国会に提出した通則法改正法案および閣議決定した整理合理化計画に比べて改革の全体像が見えない、不十分だと批判し、これに対して政府が応酬するという形をとりながら進められましたが、自民党・公明党などと政府・民主党が独立行政法人の廃止、統合、民営化などの抜本的見直しを競い合う内容となりました。
 審議を通して、「昨年11月と今年4月に行った『事業仕分け』の結果を踏まえながら、独立行政法人が行っている個別の事業をきちんと精査して、独立行政法人全体の制度のあり方をどうしていくのかについては、今年の夏から秋ぐらいまでの間には一つの方向性を示していく」「それに基づいて、平成23年度の予算編成プロセスなどで個別の事業をスリムにしていくという作業をすすめていく」「最終的な目標は、2013年。昨年の総選挙で与えられた政権の任期までに抜本的な改革をおこなう」(枝野行政刷新担当相)など、独立行政法人改革についての大まかなスケジュールが明らかになりました。

独法の事業を国等で行う抽象的な基準が一定明らかに

 国直営等に戻す条件として、一定の基準を作ることが必要だとして、「(1)国等が責任をもってやらなければならない事業であって、(2)アウトソーシングしたことが必ずしもプラスに働いていない、(3)国が直接行うことによってコストが増えない、この3つの条件を満たすことが必要条件であると思っている」と答弁する一方で、「地域主権改革」の関連で「非常に役に立っているものであれば、財源さえあれば地方でもやっていけるだろうと思っている」(枝野行政刷新担当相)などと相反するともとれる答弁をする場面もありました。
 また、国公労連の「独立行政法人は国民生活と社会経済の安定等を公共上の見地から支えています」パンフを読み上げて、鳩山政権が雇用問題は大切にするとしたことと関連付けて、8つある国家公務員型の独立行政法人を温存するのではなか、あるいは国に戻してしまうのではないかと危惧しているという自民党議員の質問に対して、「雇用問題については『配慮』するのであって、重視するとは言っていない。あらゆる団体、利害関係者の圧力に屈せず、国民、納税者の観点から独立行政法人改革をすすめる」(枝野行政刷新担当相)と答弁しました。

公務員制度改革と方向性はまったく一致

 公務員制度改革の関係について、「独立行政法人が行っている事業をその独法でやる合理性があるのかどうか、厳しい財政状況の中で効率的な行政運営をしていくという方向性は、公務員の総人件費2割削減、これを4年間で1.1兆円分を削減するということではまったく一致している」(原口総務相)と、独立行政法人改革が公務員の総人件費2割削減の手段であることが浮き彫りになりました。

独立行政法人通則法の「改正」は、「構造改革路線」の継承

 今回成立した独立行政法人通則法の一部を改正する法律は、民主党政権がすすめるすべての独立行政法人の組織と事業そして制度そのものの改廃を含んだ抜本的見直しの一環です。一律に不要財産の国庫返納を義務付ければ、医療や研究開発など公共性、公益性の高い事業が縮小、廃止となる恐れがあります。無駄な資産等を国庫に返納することは当然ですが、現状では、効率化が最優先されて政策論議がないままに、「事業仕分け」によって独立行政法人の資産取りあげにつながることが心配されます。
 また、今回政府が提出した法改正は、自公政権が閣議決定した独立行政法人整理合理化計画に基づいて2008年に提出し審議未了、廃案となった法案から不要資産の国庫返納規定だけを抽出したものですが、「構造改革路線」を継承し、「独立行政法人の抜本的な見直し」と称して廃止、民営化、地方移管を狙ったものと言えます。
 国公労連は、国民生活と社会経済の安定、向上に必要不可欠な公共性の高い事業を行っている独立行政法人を国の責任で存続、拡充することを求めていきます。

以上

 
 
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