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国公労連速報 2009年11月19日《No.2249》
税制改革で税制調査会と政党へ申し入れを実施
全労連・国公労連・全国税三者共同行動
     
 

 

 11月9日、政府の税制調査会に対して「2010年度税制審議」に関する緊急要請(別紙参照)を財務省に提出しました。財務省は、政治判断に関するものであることから、コメントできないとして、事務方が受け取るだけに終わりました。  こうしたことから、政権与党への要請も行っておくことが必要と判断し、11月16日、伊藤全労連幹事、秋山国公労連書記次長、井ノ上全国税書記次長の三者で、要請を実施しました。

 はじめに訪問した民主党本部では栂坂企業団体委員会部長代理が対応しましたが、「事務方なので、受け取った要請書を関係部署に届ける」とし、要請事項に対する具体的コメント等はありませんでした。
 社会民主党本部では土谷総務委員長が対応し、「所得税の再配分機能が失われたことは問題で、最高税率引き上げを求めていく」「前政権は、『経済のパイが大きくなれば、いずれ庶民も潤う』と言ってきたが、潤ったのはリストラを強行した大企業だけである。そうした中、庶民生活に直接テコ入れとなる政策が必要と考える」「連立政権の下、社民党の主張がすべて取り入れられるとは思わないが、要請事項については税制調査会の委員である阿部政審会長に必ず伝える」とコメントしました。
 国民新党本部では齊藤事務局長・大沢事務局次長が対応し、「保守党だが、富裕層の増税と大企業増税を党是としている」「定率減税の復活を党として求めており、失業者や中小企業等のいわゆる弱者対策に力を注いでいる」「景気が『2番底』にならない対策を緊急に立てることが重要であり、そのため第2次補正予算を組むべきと申し入れている」「小泉政権に生じた格差や歪みを見直し、所得格差の是正や低所得者層の生活に光をあてるため手を尽くす」とコメントしました。


〈別添〉
2009年11月9日
税制調査会
 藤井裕久会長 殿
全国労働組合総連合
 議長 大黒作治
日本国家公務員労働組合連合会
 中央執行委員長 宮垣 忠
全国税労働組合
 中央執行委員長 藤平和良

 2010年度税制審議に関する申入書

 はじめに

 先の総選挙で、国民の暮らしから安心と希望を奪った自民・公明政権に厳しい審判が下り、「国民生活を第一とした政治」を掲げた鳩山新政権の発足を歓迎するものです。
 同時に、鳩山新政権が旧来の政治の害悪をただし、そこからの転換を図ることができるかどうかを注目しています。

 新政権は、「納税者の立場に立ち、『公平・透明・納得』の三原則を掲げ、時代と社会の変化に適合する」ことを柱とした税制抜本改革のビジョンを打ちだし、政府税制調査会も来年度税制改正についてヒヤリングや各省庁からの要望を集約しています。
 私たちは、国民と労働者の利益にかなった税制改正を実現するため、新政権に対しは、一致点で協働し、問題点はただしていく立場をとるものです。

 税制の抜本改革にあたって、私たちは、格差縮小にむけて、所得課税を税体系の基幹税とし、累進的な総合課税によって所得の再配分機能を確保することが重要と考えます。
 そのため、民主主義の原則である「応能負担原則」の徹底を大前提に、不労所得には重課をし、勤労所得には軽課をし、最低生活費には課税しないという理念を貫徹することが必要と考えます。

 近時の税制改定により、担税力のある大企業や富裕層の税負担は軽減され、定率減税の廃止等により担税力が小さい低所得者層の増税が行われてきたことは問題です。
 所得税の最高税率引き上げは早急に検討されるべきであり、同時に、低所得者層に対しては課税最低限を引き上げ等の方法により減税を実施すべきと考えます。

 1976年以降、私たちは歴代の政府税制会に対し、総合累進課税を軸とした税体系を確立するよう申し入れてきました。
 2010年度税制審議にあたっては、緊急に検討が必要な事項にしぼり込んだ意見を下記のとおり申し述べます。
 なお、「平成16年度以前に戻す年金課税の見直し」を直ちに行い、あわせて、「中小企業支援税制」や「租税特別措置透明化法案の制定」「納税者権利憲章の制定」の促進を望みます。
 一方、「給付付き税額控除制度の導入」や「社会保障番号制度と歳入庁設置」等については、「納税者の立場に立ち、公平・透明・納得の三原則」を基にした十分かつ慎重な検討を行うべきと考えます。この点については、検討状況にあわせた申し入れを適宜行う考えであることを申し添えます。

 1 税制改正の検討にあたっては、「不況下での増税は行わない」原則を堅持すること。
 とりわけ、給与水準の低下が続き、年末一時金の大幅減少を強いられる状況下で、家計を圧迫し、勤労者増税となる扶養控除、配偶者控除の廃止等は行わないこと。
 また、最低生活費非課税の原則にたち、人的控除は生活保護基準を超える金額とするため、当面、基礎控除を180万円(現行38万円)、扶養控除・配偶者控除をそれぞれ70万円(現行各38万円)に引き上げること。
 「一定の上限を設けた給与所得控除の見直し」は直ちに行うとともに、定額控除部分(現行65万円)を大幅に引き上げること。

 2 「…平成20年度を含む3年以内の景気回復に向けた集中的な取組みにより経済状況を好転させることを前提として、遅滞なく、かつ、段階的に消費税を含む税制の抜本的改革を行うため、平成23年度までに必要な法制上の措置を講ずるものとする。」ことを柱とした「所得税法の一部を改正する法律附則第104条」は、以下の理由でたたちに廃止すること。
 1) 消費税の早期増税につながる法案であり、民主党、社民党、国民新党はこの法案に反対した経緯があること。
 2) 税制の抜本改革法の性格を持つ法律を附則に織り込んだものであり、廃止しない限り、この法律に基づく税制改革の準備が進行する恐れがあること。

 3 大資産家に有利となる「証券税制の軽減税率」は継続せず、10%の優遇税率を少なくとも本則の20%にし、早急に総合累進課税に移行すること。  大企業に有利となる租税特別措置法の見直しとあわせ、法人は超過累進税率を適用する課税に移行すること。

 4 失業者など収入が大幅に減少した者に対する個人住民税の減税を行うこと。
 その財源は国が措置すること。


以上

 
 
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