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談話
使用者権限の一方的強化、労働基本権先送りは断じて認められない
 公務員制度改革に係る「工程表」の本部決定に抗議する(談話)
     
 

 

2009年2月3日
日本国家公務員労働組合連合会
書記長 岡部勘市

 政府・国家公務員制度改革推進本部は本日、公務員制度改革に係る「工程表」を決定した。

 「工程表」は、(1)幹部職員の一元管理の導入と内閣人事・行政管理局(仮称)の設置、(2)国家戦略スタッフ、政務スタッフ(仮称)を設置可能に、(3)新たな採用試験制度や官民人材交流の推進、定年まで勤務できる環境の整備、(4)労働基本権の検討など、改革の方向性とスケジュールから成っているが、その内容、手続きとも断じて認められるものではない。

 この間の公務員制度改革をめぐる経過を含め、政府には「自律的労使関係制度」を構築しようとする姿勢は微塵も感じられず、「工程表」には憲法違反を含む以下のような数多くの問題点がある。

 第一に、人事院の級別定数の設定と改定、任用・研修・試験の企画部門、総務省行政管理局の定員管理部門、財務省主計局の総人件費の基本方針や人件費の各省庁への配分方針の企画立案部門などを移管して、2010年に「内閣人事・行政管理局」を設置し、幹部職員等の一元管理を行うとしている点である。

 とりわけ、第三者機関である人事院の機能を政府・使用者に移管することは、憲法第15条(全体の奉仕者)に基づく公務員の中立・公正性を確保するための制度的保障とともに、憲法第28条(労働基本権)制約の代償機関としての機能をも損なうものである。

 もとより私たちは、現行の人事院制度を容認しているわけではなく、労働基本権は早期かつ完全に回復すべきだと考えているが、百歩譲っても機能移管(使用者の権限強化)と労働協約締結権は同時一体で検討し、結論を出すべきである。

 第二に、政治主導の名の下に内閣官房に国家戦略スタッフ(仮称)を、各府省に政務スタッフ(仮称)を2010年度中に設置することを可能とするとしている点である。これらは、官民人材交流の促進とも関わって政治任用の拡大が想定されるが、専門集団としての職業公務員の中立・公正性や、時の政権党の思惑によって行政運営が左右され、安定的・継続的な公共サービスの提供に影響を及ぼすことが懸念される。

 第三に、「多様で優秀な人材の確保と能力・実績に応じた人事の徹底」として、キャリアシステムを廃止するため、2012年度前半からの新たな採用試験の実施や、2010年度に幹部候補育成課程を創設するなどとしている点である。

 周知のとおり、現行の「キャリア制度」は1種試験採用者の特権的な人事運用に過ぎず、これを正式に制度化するものに他ならない。さらに、「天下り」を根絶するとしているが、2007年の改正国家公務員法で事後の行為規制となり、「官民人材交流センター」で再就職のあっせんを一元化したことによって、むしろ「天下り」は自由化、合法化されたと言える。

 第四に、労働基本権の検討は、私たちの委員推薦を排除して一方の当時者のみで構成された労使関係制度検討委員会に委ねられ、何らの方向性も示していない点である。

 内閣人事・行政管理局の設置から「協約締結権を付与する職員の範囲の拡大に関する具体的制度設計」と、準備期間を経て施行するとしている2012年までの2年間、公務員労働者は無権利状態に置かれることになり、到底容認できるものではない。

 第五に、「工程表」には定年延長の検討などに関わって、随所に給与、退職金、年金など労働条件そのものについて結論めいた検討の方向性を明記し、その方向に沿った人事院の勧告等を「要請」している点である。

 使用者が政府方針として決定した事項を、労働基本権制約の代償機関である人事院に「強要」することは、公務員の基本的人権に対する侵害であり、再三にわたるILO勧告や国際労働基準からしてもきわめて重大な問題である。

 第六に、定年まで勤務できる環境の整備に関わって「政府部内に関係府省からなる検討体制を整備」、今後における公務員制度改革の進め方に関って「人事院、関係府省等と連携」などとしている点である。

 そもそも公務員制度は、単なる公務員の「人事管理法」ではなく、公務員(行政)の本質とも関わる基本的な制度であるだけに、すべての検討段階において直接の当事者である国公労連をはじめ、国民的な議論が尽くされる必要がある。にもかかわらず、改革推進本部は交渉・協議を求める私たちの強い申し入れに対し、決定直前に「実績づくり」で数回応じたのみで、「工程表」に労働組合の意見は全く反映されていない。

 この「工程表」をもとに、国家公務員法等の「改正」を行おうとするなら、国公労連は重大な決意をせざるを得ない。国民の権利保障のために働く労働者・労働組合として、公平・公正・効率的な行政と民主的な公務員制度の確立をめざし、その存在をかけてたたかう決意を表明する。

 同時に、社会問題化している労働者の雇用破壊や人間の尊厳が脅かされている今日の情勢のもとで、09年春闘に総力をあげて決起することを全国の各級機関と仲間のみなさんに心から呼びかけるものである。

以上

 
 
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