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国公労連速報 2008年8月7日《No.2038》
内閣府・総合科学技術会議に科学技術政策、予算編成で申し入れ
 国公労連と学研労協
 研究法人の評価、ポスドク問題の対応、競争入札の画一的導入
 

 

 国公労連と学研労協(筑波研究学園都市研究機関労働組合協議会)は7月25日、総合科学技術会議事務局(内閣府政策統括官付科学技術政策担当、資源配分担当)に、科学技術政策、来年度予算編成に関する要求書(※別添)を提出し、申し入れを行いました。これは、「研究機関の評価のあり方」をメインテーマに6月23日開いた第26回国立試験研究機関全国交流集会での討議を踏まえています。
 申し入れには学研労協・池長議長、国公労連・上野独法対策部長をはじめ各研究機関労組代表、学研労協役員ら10人が参加。内閣府側からは森山企画官(内閣府政策統括官(科学技術政策担当)付)、山下参事官補佐(内閣府政策統括官付参事官(資源配分担当)付)が対応しました。
 申し入れの重点は、(1)研究開発力強化法による「人件費5年で5%抑制」の緩和・配慮、(2)競争入札の画一的導入の弊害、(3)研究法人の評価の在り方、(4)ポスドク問題の対応などです。議事録は以下の通りです。

 総合科学技術会議申し入れ 議事録 

日時:2008年7月25日
場所:内閣府 合同庁舎4号館107号室
参加者:池長裕史(学研労協議長・農林)、若杉晃介(学研労協常幹・農林)、榎浩利(学研労協副議長・産総研)、原田泰(学研労協事務局長・産総研)、中嶋信美(学研労協副議長・国環研)、田村憲治(国環研労組)、内山貴雄(学研労協常幹・気象研)、横川忠晴(学研労協常幹・物材機構)、上野邦雄(国公労連独法対策部長)、杉浦公一(国公労連・全厚生)
総合科学技術会議事務局:森山修実(内閣府政策統括官(科学技術政策担当)付企画官)、山下洋(内閣府政策統括官付参事官(資源配分担当)付参事官補佐)

冒頭あいさつ
 池長議長:昨年は独法の整理合理化計画が進められようとしていたので、総合科学技術会議から研究独法の特殊性について意見を言っていただきたい、との要望を中心に意見交換させていただいた。結果を見ると、研究機関もそれ以外の法人も、また国から移行したところも、特殊法人からの法人も、一律の整理合理化ということで、研究機関も統合された。私の所属している農林の場合も、理由もなく統合が決定され、「統合メリットを出せ」と言われている。労働組合としての課題である雇用や労働条件は、本来、主務省や法人当局との協議・交渉事項であり、総合科学技術会議は直接の交渉相手ではないが、我々の業務は科学技術政策の中でやっている。各研究開発法人の中期目標、中期計画は、国の科学技術政策との関わりなく設定されることはないので、そういう意味では、私達の労働条件・研究条件についての要求を実現するために、労使関係を超えた関係ではあるが、司令塔となる総合科学技術会議においては、現場の声を聞いていただきたい。
 また、これは貴事務局の直接の所管ではないと承知しているが、今般制定された研究開発力強化法、また国会に上程されている独法通則法の改定について、総合科学技術会議としてはどのように受け止めておられるのかお聞かせ願いたい。特に資源配分について、どのような「配慮」がなされるのか。また、通則法改定については、研究開発独法の評価に総合科学技術会議がどのように関わることになるのか興味がある。
 なお、お渡しした資料は、先に私どもが開催した国立試験研究機関交流集会において、研究開発独法の評価とはこうあるべきという提言をまとめたものなので、見ていただきたい。

 総科:総合技術会議は全体を見回す立場で取り組んでいる。実際にどうするかは各省庁、各独法で行われる。要求書は答えられないものもあるが、現場の声を聞かせていただいて、関係機関などに伝えることができる。直接関わっていないことでも事務局で責任を持って答えられる情報はお伝えしたい。

 ▼科学技術政策立案に関わる要求
 総科:要求書の「1.科学技術政策立案に関わる要求」の「(1)科学技術政策立案は長期的視野に立って行うこと」については、科学技術政策がきちんとできていないという指摘もある。年度により部分的にきちんとできていないところもあるが、長期視野に立って進めている。「(2)基礎・基盤研究の配慮」については、資源配分の方針についても骨太なものにするため5つのテーマを設けている。その中で基礎研究の重要性は認識しており、引き続きやらなければならないことである。「(3)人材育成」については、すぐれた人材の育成・確保はイノベーションとしてもっとも必要であり継続的に推進するとしており、どこまでを「明文化」とみるかは別にして公式にも表現されている。「 (4)政策決定に対する現場意見の反映」については、政策決定に当たっては、現場に行って話を聞く機会を持っている。間接的に省庁とも話をして情報を収集している。「(5)意志決定の透明化」については、資料はホームページで出しており議論の過程も公表している。一般の人を入れるところまでには至っていないが。

 ▼予算編成の基本方針と研究開発力強化法
 榎:研究開発力強化法について、第33条にのっとり人件費の削減を行わないことを要求をしたい。特に人件費について「5年で5%削減」(行革推進法)が研究独法についてはどのような扱いがされ、どのように「配慮」されるのか?。私の所属する産総研では、重点分野に関わっている任期付職員については、削減の対象から外すとの話を聞いている。重点分野のみの別枠となると、他の分野や事務職の切り捨てとなるのではないかと恐れている。研究をサポートする人材の確保は重要であり、研究所の財産でもある。重点分野をやっている人にとっても、それらの分野の縮小、切り捨ては影響がある。過度な重点化は望ましくない。

 総科:強化法に基づいて具体的にどのようにするかは行革推進本部、総務省、財務省が検討していると聞いている。重点分野に絞って5年で5%削減の枠をはずすということを検討していると聞いている。個人的には私も農林省の研究現場にいたので圃場管理の人がいないと研究が進まない、室長・チーム長が予算をとってこないと研究ができないということは知っており、上にも説明しているが政府全体でどこまでできるのかということになるとむずかしい。
 総合科学技術会議は昨年11月25日有識者会議で研究開発独法のあり方について、メッセージは出しているが、行政改革推進本部との調整の中でこのような表現となっていることを理解してほしい。
 運営交付金の一律的な削減については、特別な研究については政策係数を掛けて増えるケースもあるので一律ではないと思うのだがどうだろうか。

 池長:確かに重点分野は「強化」され、予算も付けられているが、現実にはそれで研究がうまく進んではいない。重点分野のみが突出して、それを支える裾野が狭くなっているのが現状だ。

 ▼画一的な競争入札を導入しないことについて
 横川:画一的な競争入札を導入しないように要求する。研究で用いる特殊な装置の場合、一般的に購入できる装置ではない。いくつかメーカーがそれぞれ特殊性のある装置を売っており、それらを吟味して購入する。例えば電子顕微鏡の場合、年に1回メンテナンスをしなければならないが、購入先のメーカーであれば安心して任せられるし適切な交換部品の入手も可能だが、他のメーカーでは入手できない場合がある。これを防ぐための仕様書を作成するのも大変な労力がかかる。突発的な故障の対応についても、入札では公示期間などで時間がかかり迅速に研究再開ができないことがある。

 総科:納入から保守点検までを同じメーカーが契約するといったことができないのか?

 横川:装置を購入するときはメンテナンス契約も一緒にやるのは難しい。国民への説明性という意味では競争入札をするのがいいが、研究の特殊性を十分に考慮するように総合科学技術会議からも言ってほしい。また、そのような問題が起きないようないい手を教えてほしい。

 池長:事業独法において不明朗な業務がなされたということで、全ての独法に対して政府は一律に資源管理を厳しくした。事業独法の業務は計画に従って遂行できるが、研究は計画からの変更しなければならないことがよくある。研究独法の性格を総合科学技術会議は上に説明してほしい。

 総科(補佐):契約については、随意契約、一般入札、企画競争入札の3つの入札方法にした。設備ではないが、業務に関しては研究については企画競争入札を認めてもいいと考え、総務省に申し入れを行った。関係するところには研究の特殊性について話をしている。この辺は知恵の出し方もあるので現場からの意見をもっと出してほしい。困った事例など教えてほしい。各省庁に聞いてもなかなかでてこないので、所管の当局にも言ってほしい。

 池長:法人に対しては我々も主張しているが、当局側は、国の制度として決まったことを受け入れるだけで文句は言えないという立場であり、解決しない。大所高所から制度に関わる立場で意見具申をしていただきたい。

 総科:国民の目が益々きびしくなっている。本当に困っている事例を出して国民に理解してもらえるようにする必要がある。

 ▼原油値上がりに対する措置について
 内山:原油値上がりによって燃料費が高騰したため、船で観測する研究の調査ができなくなっている。すでに、秋以降の計画が立てない状況にあり、観測船、調査船が出せない。今年秋の台風の観測はできなくなった。インド洋の津波にかんする国際研究で、インドネシアで海底調査をする予定であったが、航海自体が中止となった。国際貢献という意味でも非常に残念である。補正予算といったものはないのか?

 総科:相当むずかしい問題である。そのような動きがあるのも聞いていない。政府として、各分野の対策をしなくてはならないと思うが。補正予算についても難しいのでないか。

 ▼法人の評価について
 中嶋:評価機関の一元化について、各法人の労働組合からアンケートをとった結果、おしなべて「非常に問題がある」との回答があった。これまでの政独委の評価は研究の中身ではなく、どのように予算を削減するかという観点で行われているが、それが強まるのではないか不安である。国研交流集会では、総合科学技術会議から委員を出したらどうかという意見があった。また経済同友会も第3者機関が望ましいと言っている。

 総科:現在、通則法改定法案は審議中なので、詳しいことは伝わってきていないが、総合科学技術会議の中に評価グループがあるので、このような意見があったということを伝える。

 池長:独法の評価について、これまで総合科学技術会議が意見をいう機会はあったのか?入口の部分ではあったと思うが、出口の部分では報告のみではないのか?

 総科:評価のあり方について具申しているが、これまで、結果について意見を言う機会はなく結果の報告を受けているところである。言いっぱなしではなく、きちんとチェックする必要はあるかと考える。今回の整理合理化計画の策定については、「各省庁の評価委員会の評価はお手盛りであった」と思われている。研究開発法人への評価を総合科学技術会議が行うことになれば、これも同様に「お手盛り」だと見られかねないと言う面もある。

 池長:府省の評価は中期計画の達成状況について行うものであり、その観点から研究独法は良い研究をしていると評価されているが、効率化一辺倒の一元的な評価では、研究成果が評価されていない。まじめに研究しても効率化が進まないと評価が低く、成果の評価がなされていないことに研究者の不満がある。研究が分かる総合科学技術会議としてきちんと役割を果たしていただきたい。

 総科:先般の整理合理化計画の策定でも研究のわかる人が入っていなくて歯がゆい思いをした。科学技術の必要性はこれまでも国民に言ってきた。これからもやってきたい。

 上野:通則法改定法案では一元化される評価機関に独法の業務別6分類に沿って部会が設置されると言われる。研究独法部会には研究のわかる人が多くはいるように総合科学技術会議として働きかけてほしい。

 ▼ポスドク・任期制採用に関わる要求
 田村:研究所によるだろうが、国環研のばあい研究系正規職員200名の半分ぐらいがポスドクとなっている。問題はポスドクの任期が終わったあとである。当研究所では再雇用はしない、出て行ってくれという苦渋の判断がされた。ポスドクの処遇については、各独法で対応できる範囲を超えている。出ていけと言って、どこが受け皿になるのか。国として配慮していただきたい。なお、非正規職員には特にストレスがかかっている。そのためか、つくばではメンタルヘルスクリニックの予約も多くて、1か月待ちという状況と聞いている。

 総科:雇い方はそれぞれの考え方があるだろうが、都合のよい使い方というのは変えていかなくてはいけないと思う。雇用の仕方までは、総合科学技術会議としては言いにくい。各独法マターである。

 池長:「流動化」という言葉は、労働組合にとっては「不安定雇用」につながりかねないという問題になる。雇用のサイクルがきちんと回っていれば、キャリアパスとしての役割を果たすだろうが、現実には民間でも大学でも人材の囲い込みが行われている。民間企業は学部3年で目を付け、マスターで引っ張っていく。残った学生がドクターになるが、その後がない。ドクターをとった人が雇用不安になる。彼らは雇用の安定化を望んでいる。外国人は研究成果をねらうが、日本では組織が優秀な人を手放さず、サイクルが動かない。とくに女性は研究者になると30代前半に子育てのビジョンを持てず、プロの研究者になる道筋が見えない、ということから研究離れが生じている。「流動化」は雇用の安定があってこそ使える言葉である。

 総科:どのような制度にも陰の部分があるのはそのとおりである。任期付きが100%よいというわけではないと考えている。総合科学技術会議においても負の部分をきちんと見ていきたい。現場の声をきいていきたい。

 上野:国研交流集会の分科会は、実に暗い雰囲気となってしまう。ポスドクの人たちの話を聞いたが、将来が不安なために研究に打ち込めないという人がたくさんいる。「ポスドク1万人計画」の間違いを認めて、要求書に記載したような「新しい政策」を講じてほしい。

 総科:任期付きが100%悪いとは思っていない。制度がだめなのではなく、問題がある部分にきめ細かく対応していきたい。一部では都合のいい使い方がされているが、テニュア制度などの制度もある。大きな話はできるが総合科学技術会議は良いモデルを現場に示すことしかできない。

 池長:ポスドクで雇用されている30代の若手研究者から、自分にとって研究の油の乗っている時期に、目先の仕事としての所が要求する課題に全力を注ぐか、研究者として将来を見据えて長期的な視点で研究をするのかといったジレンマがあると聞かされている。このままでは、将来の日本の科学技術を担う優秀な研究者の芽をつぶしてしまうことになりかねない。

 総科:科学技術振興調整費の中ではイノベーション型人材育成事業で大学に人件費を出して、次のステップを考える機会与える環境を作っている。十分認識しているつもりだ。

 中嶋:筑波大学ではポスドクの40人中1人しかパーマネント雇用になれない。そういった状況をみて博士課程に進学する人がいなくなっている。来年度はゼロである。後継者が育たない。大学もお金を確保するために外国人の院生を多く受け入れるといった状況にある。優秀な学生ほど博士課程に残らない。

 榎:バイオの遺伝子解析のように、ポスドクを雇う側からすると、革新的分野、重点分野として注目されている時期はよいが、その時期が過ぎたら、予算がつかなくなり職のないポスドクがあふれて、悲惨な状態となることは目に見えている。

 池長:研究機関の状況をしっかりと知っていただきたい。特に、当局ラインからの説明だけでなく、そこに働く我々現場の声を聞いていただきたい。昨年度は1回だけだったが、過去には年に2回このような場を設けていただいていた。我々は秋にポスドク問題でシンポジウムを行う予定なので、その後にもう一度、このような意見交換をしたい。研究開発法人、試験研究機関に関わる横断的な部分については、今後ともこのような場で意見交換の場が必要と考えている。可能であれば、今後は要求書についても、項目ごとに文章での回答をいただきたい。

 総科:文章で返すと本音の話ができないということもあるので確約できない。時間を頂ければ準備もできるので、個別に口頭で回答したい。

 池長:ではそのようにしていきたい。


(別紙)
2008年7月25日
総合科学技術会議議長 福田康夫 殿
日本国家公務員労働組合連合会
中央執行委員長 福田昭生
筑波研究学園都市研究機関労働組合協議会
議長 池長裕史

科学技術政策と2009年度予算編成に関する要求書

 日本国家公務員労働組合連合会(国公労連)と筑波研究学園都市研究機関労働組合協議会(学研労協)は2008年6月23日、「研究機関の評価のあり方」をメインテーマに第26回国立試験研究機関全国交流集会を開催した。集会では、研究者の個人評価、研究者以外の職員の個人評価、各機関の研究・労働条件の現状と問題点、ポスドク問題の4課題で討論も行った。
 今回、「研究機関の評価のあり方」に関しては、加盟組織に対するアンケートに基づいて、研究独法と事業独法をまとめて単一の組織で評価するのではなく、研究独法については研究内容を理解できる組織が評価すべきであるという提言もまとめた。また、若手研究者とくにポスドク問題では研究現場の切実な実態が報告され、若手研究者の雇用、労働条件の改善が緊急の課題であることが明らかにされた。
 集会の内容を踏まえてここに要求書を提出するものである。各要求項目は、科学技術の研究、教育の現場で働く者として日々直面する様々な問題を自ら調査し、解析してまとめたものである。2009年度予算編成にあたり、貴職が下記事項をよく吟味し実現させることを強く求めるものである。


1. 科学技術政策立案に関わる要求
(1) 科学技術政策立案は、長期的視野に立って行うこと。
(2) 重点分野だけでなく、基礎・基盤的研究にも充分配慮すること。
(3)「人材育成」に対し積極的な資源の投入を行い、かつ政策として明文化すること。
(4) 政策決定に当たっては、研究現場の意見を反映させること。
(5) 総合科学技術会議の意志決定過程を透明化し、政府として説明責任を果たすこと。

2. 予算編成の基本方針と執行に関わる要求
(1) 研究開発力強化法の趣旨を踏まえ、以下の措置を講ずること。
 1)第33条に則り、人件費削減を行わないこと。
 2)研究開発法人等に必要な研究予算を充分確保し、運営費交付金の一律削減は行わないこと。
 3)予算の年度繰り越し制度を実効あるものとし、年度当初からの予算執行を可能とすること。
 4)競争的資金により整備した大型装置・機器等について、当初計画終了後の有効活用のために別途予算措置を講ずること。開発・購入した経費とは異なる予算措置による改良・改造や運転経費等の充当を可能とすること。
 5)研究開発法人等の特殊性を踏まえ、画一的な競争入札導入により研究開発に支障を生じさせないこと。
(2) 競争的研究資金の研究予算全体に占める割合を現状以上に増加させないこと。
(3) 予算査定について下記のことを関係機関に働きかけること。
 1)原油値上がりによる、燃料費高騰に対応する措置を講ずること
 2)研究遂行に必要な研究者の学会加盟年会費および学会参加費を公費で負担をすること。
 3)光熱水料および図書費は、別枠として必要な額を確保すること。
 4)老朽化した施設・設備の改善について、充分な予算を措置すること。
 5)安全・衛生管理に必要な予算を交付金とは別途に措置すること。
 6)耐震性の確保に必要な充分な予算を措置すること。
(4) 競争的資金について
 1)審査基準の透明化、審査結果の公開を推進し、審査の公平を期すること。
 2)各分野の専門家が審査にあたるように審査体制を充実させること。
 3)提出資料の大幅な減量に努めること。
 4)競争的資金による研究実施は契約日からとし、必要な研究期間を確保すること。
 5)競争的研究資金の費目間流用制限を緩和すること。

3. 人員に関する要求
(1) 試験研究機関・大学の大幅増員を行うこと。
(2) 研究開発法人等において、女性が意欲を持って働く事のできる環境整備を進めるため、男女共同参画推進委員会等の設置を働きかけること。
(3) 「改正高年齢者雇用安定法」や「障害者雇用の促進等に関する法律」の精神に従い、高齢者やハンディキャップを持った研究者・研究支援者を積極活用すること。また、そのための適切な労働環境整備に努めること。
(4) 研究支援業務全般について、
 1)安易な民間委託・下請け化(アウトソーシング)を推進しないこと。
 2)研究ポテンシャルを維持するためにも、支援業務に従事する職員については長期的な視野にたった適切な補充と育成を行なうこと。
 3)研究支援職員の処遇を改善すること。

4. 独立行政法人の運営に関わる要求
(1) 独立行政法人の運営について
 1)法人運営・中期目標の策定にあっては、法人の自主性、自律性を確保すること。
 2)法人の長、および理事職には、研究について高い見識を有している者を任命すること。
 3)中期計画、年度計画、人員配置等を労使協議事項とすること。労使協議の結果を尊重し、法人運営に反映させること。
 4)独立行政法人の見直しにあたっては、職員への十分な説明と協議を行い、納得を得て行うことを徹底させること。
(2) 法人の評価について
 1)独立行政法人通則法改定法案による府省評価委員会の廃止や評価機関の一元化は行わないこと。
 2)法人の評価においては、以下の項目を実現すること
  a) 研究開発独法と事業独法とは別々の評価基準で評価すること。
  b) 評価は研究内容が理解できる機関に任せること。
  c) 評価基準は長期的な研究や基礎研究を保障するものとすること。
  d) 評価基準を公開すること。
  e) 評価に際し、組織・研究者の抗弁権を保障すること。

5. ポスドク・任期制採用に関わる要求
(1) 非正規職員の労働条件を抜本的に改善すること。恒常的な非常勤職員については、労働法規に則った常勤化を図ること。労働契約法施行にともない、短期雇用の濫用防止規程を逆用した雇い止めを行わないこと。
(2) 若手研究者が長期間にわたって不安定な雇用条件(ポスドク・任期付き研究員)におかれている現状を改善すること。
(3) 任期付き職員の一律的採用拡大を見直すこと。やむを得ず任期付き職員を採用する際には、各試験研究機関の特性や研究者のライフサイクルに十分に配慮し、労働組合と協議しながら慎重に行うこと。
(4) 総合科学技術会議のイニシアティブにより、大学教員、独立行政法人・国立研究機関研究職員、民間企業研究員への、若手研究者の採用拡大をはかるとともに、国としての新たな若手研究者育成策を講ずること。
(5) 採用に際しては研究の継続性に充分に留意すること。
(6) 任期付研究者が自由に使える経常研究費を確保すること。
(7) 競争的資金の応募の促進など、任期付研究員の自立的研究を促進・保障すること。
(8)出産・育児等により、不利益を被らないよう、制度的な保障を行うこと。

6. 個人業績・能力評価に関わる要求
(1) 個人評価の目的を、個々の研究者のポテンシャルを引き上げることにおくこと。
(2) 評価の基礎となる組織・個人の目標、評価基準、評価方法については、労働組合との協議、職員本人との話し合いにより、公平性・客観性・透明性・納得性を確保すること。また、苦情処理制度を確立すること。
(3) 短期評価の賃金反映は行わないこと。すでに賃金反映を行っている試験研究機関においては、当面、公平性・客観性・透明性・納得性確保の観点から、労働組合との交渉等を通じて抜本的見直しを行うこと。
(4) 長期評価に基づく研究者の昇格については、論文数に偏重することなく、技術的な貢献や学会活動での貢献など、総合的な要素を勘案して納得性を高めること。

7. 研究環境の改善に関する要求
(1) 研究環境の改善に関し、下記の項目について関係機関に働きかけること。
 1)研究者の自主性を尊重し、研究発表の自由を保障すること。
 2)国内外留学、研修制度を充実し、研究者の資質向上に役立てること。
 3)サバティカル制度(一定期間勤続した研究職員に対する有給の留学等のリフレッシュ制度)の導入をはかること。
 4)セクシャルハラスメント、パワーハラスメント、アカデミックハラスメントの防止について、第3者機関の活用など実効性のある対策および制度の設置に努めること。訴えた者が不利にならないよう措置をとること。加害者側の自覚を促す予防的な教育・制度の充実を図ること。
 4)メンタルヘルスケア制度を充実させること。

8. 国立大学法人等に関わる要求
(1) 教育振興基本計画の具体化を進めること。
(2) 高等教育・研究に対する国の責任を明確にすること。私立大学も含め、高等教育・研究の充実を進めること。
(3) 任期制の拡大など、一律的な統制を行わず、それぞれの国立大学の進める改革を尊重すること。

9. 宇宙基本法について
(1) 宇宙の平和利用原則や「自主・民主・公開」の原則に則り、宇宙研究の軍事利用を行わないこと。
(2) 宇宙航空の研究体制見直しにおいては宇宙部門の軍事化、分離・拡大を行わないこと。

10. 労働条件の改善に関する要求
 独立行政法人研究機関、府省試験研究機関、国立大学に働く職員の労働組合と協議のうえ、労働条件の改善を図ること。

以上

 
 
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