国公労連
国民のための行政・司法へ ストップ!憲法改悪 サイトマップ 更新履歴 個人保護法に関する宣言 リンク
Action 私たちのとりくみ Journal 定期刊行物 Archives 資料 Mail News
トップページ >ニュース> 国公労連速報
トップページ>中央のとりくみ> 国公労連速報
 
  国民のための行政・司法へ
国公労連速報 2007年11月5日《No.1916》
 総務省評価局へ申し入れ・交渉
 国立病院と統計センターの非公務員化やめよ
     
 

 

 国公労連は11月2日、独立行政法人の国立病院機構と統計センターの組織・業務見直しに関わって、総務省行政評価局へ申し入れし交渉を実施しました。交渉は、国公労連の盛永副委員長を責任者に国公本部から4名、全医労から岩崎委員長ら3名、総理府労連・統計センター労組から平野委員長ら4名が参加し、総務省側は白岩評価監視官ら3名が対応しました。
 今回の申し入れと交渉は、12月末に向けて、101すべての独立行政法人を廃止・民営化等にする整理合理化計画の策定作業が、行革推進本部を中心に進められている中で、総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会においても、35法人についての見直し検討が行われ、その中に国立病院と統計センターが含まれていることに関わって実施したものです。

 冒頭、盛永副委員長が、申し入れ書(別添参照)の趣旨を述べるとともに、以下の3点について強調しました。 (1)8月10日に閣議決定された「整理合理化計画策定基本方針」では、「真に不可欠なもの以外はすべて廃止する」として、「当該事務・事業の廃止が、国民生活や社会経済の安定等の公共上の見地において、著しい悪影響を及ぼすものでなければ不可欠なものとならない」としたが、国民生活や社会経済の安定等に相当程度の悪影響を及ぼしてもいいんだというスタンスは大問題だ。こういう重要な政策判断は国民の意思を確認すべきだ。
(2)独立行政法人の改廃等については、すでに中期目標期間終了時点で、評価委員会によって評価済みであるにもかかわらず、なぜ改めて「整理合理化計画」を策定しなければならないのか。通則法35条によって、審議会が各独法の中期目標期間終了時点において、事務・事業の改廃に関して判断を行うこととなっている。すでに改廃の判断は終わっている。それとも、審議会はいい加減に判断していたということなのか。これは二重行政であり、国民の血税の無駄遣いであり、即刻、片方の組織は解散すべきである。
(3)「整理合理化計画策定基本方針」では、「特定独法の非特定化を徹底する」と強引に主務省等に要請している。しかし、通則法にあるように、特定、非特定の棲み分けは、「その業務の停滞が国民生活や社会経済の安定に直接かつ著しい支障を及ぼすかどうか」で判断することになっており、乱暴に非特定化を進めるべきではない。これから要請する国立病院や統計センターの業務は、停滞したら著しく支障をきたすものであり、慎重に検討すべきだ。

 これに対して、総務省側は要旨以下のように回答しました。
 ● 独法の廃止が、「著しい悪影響を及ぼさなければいいんだ」ということは、「多少の悪影響は仕方ない」といなおっているのではないかという指摘だが、それは違う。今の状況の中で、国民に理解されるような形で、行政サービスの提供の仕方を変更するということだ。
 ● 緑資源機構の問題など国民の信頼が揺らいでいる新たな状況の中での独法の見直しが今回の「整理合理化計画」であり、従来の通則法の見直しとは次元が違う。よって二重行政ではない。
 ● 非特定化を強引にやっているわけではなく、「行革推進法」の第52条の特定独法の見直しという定まったルールに基づいて行っているだけだ。

 次に全医労と統計センター労組から、組織見直しに対して、業務執行上の観点から特定独法維持、公務員身分維持のそれぞれの主張(別添参照)を述べました。全医労は、「中期目標、中期計画が5年なのに、前倒して3年終了時に組織見直しを行うのはなぜか。不十分で強引な見直しになるのではないか」という点を強調し、統計センター労組は、「特定独法の維持を求める署名に取り組み、職員の7割の732人が署名に応じてくれた。職場では非特定独法化の動きに対する怒りがわきおこっている」ことを強調しました。その後、要旨以下のやりとりが行われました。(※○は国公労連側、●は総務省評価局の発言要旨)

 ● 閣議決定により組織見直しを前倒しするわけだが、国立病院を前倒しで早くしたため、不十分な見直しになったということにならないよう、我々は努力している。病院の設置の問題と、そこで働く職員の身分の問題は、次元が違うことであり、切り離して考えるべきだ。職員を非公務員化したことを理由に、国立病院を僻地から撤退したということにはつながらない。医師・看護師不足は問題だが、公務員身分があれば、この問題が改善されるという主張なのか。
 ○〈全医労〉 一概に言えない問題だが、過疎地域等では密接に関わっていると考えられ、そういう側面も考慮する必要があるということだ。
 ● 私たちの見方が一面的であるという指摘なら、今後考慮したい。強引な非特定化というのは、立場によって感じ方が違うだけではないのか。
 ○〈全医労〉 これまでの独法の非特定化の経緯を見ると、当局が説明責任をきちんと果たし、職員に対しても納得性を持って実施されたとは必ずしも言えないのではないか。そこに危惧の念を持っているということだ。  ● 最近、公務員の中立・公正性を疑うような事件ばかりが起こっている中で、非公務員だから中立・公正性が失われるとは言えないのではないか。むしろ、公務員の襟をどうやって正していくのかが問題になっている。  ○〈全医労〉 そう言われるが、非公務員化したからといって、そうした問題が解決するわけではないだろう。  ● 確かにそうだが、公務員の中立・公正性や守秘義務等をどうやって守っていくのか、それ自体が公務員制度改革という動きの中で検討されているのだろう。また、民間労働者がきちんと責任を持ってやっていくこともできるのではないか。
 ○〈全医労〉 国立病院が特定独法化された際、不採算な政策医療を守っていくんだとお題目としては言われてきたが、実際は運営費交付金が減らされ、政策医療が切り捨てられている。現在の特定独法のもとでも採算重視が強調され、採算の取れない医療は切り捨てられ、3000ものベッド数が減らされているのだから、これが非特定化されたら、もっと拍車がかかり切り捨てられることになる。
 ● 繰り返すが、病院の設置問題と身分問題は切り離して考えるべきだ。
 ○〈全医労〉 実際の現場は、国から離れていけばいくほど、本来実施すべき政策医療が切り捨てられているというのが実感としてあるということだ。
 ● 現場からそういう意見が出ているということは関係部署に伝えたい。
 統計センターの調査環境が、公務員であるから守れるということなのか?
 ○ 統計調査の様々な場面やケースにおいて、公務員が信頼されていることがベースになり、調査がスムーズに進んでいるということだ。
 ● そういう意見があるということも踏まえたいと思うが、全体として民間のエネルギーが高まり、信頼も得ている状況の中で、どう考えていくかが問題になっている。公務員身分がなくなると、円滑な人事交流ができないという点は、まだそれを証明するに足るデータはないので、危惧することは理解できるが、私たちはそうならないようにしたいと考えている。むしろ職員の受け止めの問題で、公務員身分がなくなるということに抵抗感があるのではないか。
 ○〈統計センター労組〉 今まで非特定化された独法は研究機関が多かったので、人事交流が必要だったところが少なかったのではないか。
 ● 研究員の場合、一方へ行ったきりの場合が多いが、それでも事務方は人事交流している。今の状況下で、公務員と非公務員の垣根が高いというのは国家として良いことなのか、私は疑問を持っている。
 ○〈統計センター労組〉 端的な例では、昨年一昨年に統計センターに入った職員からは、「公務員として就職したのに公務員でなくなってしまうなんて契約違反じゃないか」という声が多く出されている。それに、職員は公務員の自負を持って公務員になったのに、一方的に非公務員化されてしまうということに憤慨している。
 統計センターは単なる集計センターではなく、統計局と一体になって統計を作成しているところだ。統計センターの職員の経験と知識があって失業率や物価指数など国の政策の基盤になる統計が出せている。それが特定独法化されても垣根が高くなっているのに、非特定化を危惧するのは当然だ。
 中立・公正性は、公務員でなくても民間にもあるということを言われたが、現にいま民間企業の様々な偽装事件が毎日のように発覚しており,そういうことが実際に統計の現場で起きていることも踏まえるべきだ。もし失業率など国の基本的な施策に関わる大事な統計で同様の問題が発生したらどうするのか。そして、統計業務という地道な仕事を正確に公正にやってきた公務の実績をきちんと見るべきだ。

 最後に盛永副委員長が、「公務員と民間の決定的な違いは、全体の奉仕者としての公務員と、利潤追求を基本とする民間という点にある。官民交流の危険性は、守秘義務違反という点で、国・行政が持つ国民の様々な情報が悪用されたときに初めて表に出ることだ。表に出るまでは情報が漏れていても確認することができない点に危険性がある」ということも指摘し、今回の申し入れ書と、交渉での我々の主張内容を、総務大臣と評価委員会委員長をはじめ各委員や関係する部署へ確実に伝えることを確認して交渉を終了しました。

《別添》

2007年11月2日

総務大臣 増田寛也 殿
政策評価・独立行政法人評価委員会委員長 大橋洋治 殿
日本国家公務員労働組合連合会
                       中央執行委員長 福田昭生


独立行政法人の組織・業務見直しに関わる申し入れ


 総務省では政策評価・独立行政法人評価委員会が35の独法の組織・業務の見直しを進め、「勧告の方向性」を近くとりまとめようとしている。
 そもそも独立行政法人制度は、「国民生活及び社会経済の安定等の公共上の見地から確実に実施されることが必要な事務及び事業」を効率的かつ効果的、適正に行うものであり、効率性のみの観点で見直しを行ってはならない。また、独立行政法人の実施する公共サービスを効果的、安定的、適正に行うためには、職員の身分・雇用・労働条件の安定が不可欠である。今回の見直しによって、職員の公務員身分を一方的に剥奪することは、将来への不安をいたずらにあおるものであり、責任を持って公共サービスを実施する上で、大きな障害をもたらすこととなる。同時に労働組合と職員の意見を十分踏まえず、業務やその実施体制の廃止・再編を求めることも、公共サービスの効果的、安定的、適正な実施に障害をもたらしかねないものである。
 現在、行政改革推進本部(行政減量・効率化有識者会議)が、本年12月の独立行政法人整理合理化計画策定に向けて検討を進めており、その一環として貴評価委員会の検討も組み込まれていることについて危惧の念をいだかざるをえない。
 独法は、中期目標終了後に貴評価委員会による評価を受けて、組織・業務の見直しを行ってきており、同計画は策定する必要はない。しかも、同計画策定のための見直し基準(8月の策定基本方針)は、行政の責任放棄を公然と宣言しているに等しいものである。すなわち、独法の事務・事業は「真に不可欠なもの以外はすべて廃止する」とし、「当該事務・事業の廃止が国民生活や社会経済の安定等の公共上、著しい悪影響を及ぼすものでなければ不可欠なものとならない」としており、結局は、多少の悪影響は仕方がないと居直り、国民サービス低下を是認しているのである。
 以上の状況を踏まえ、貴職に以下の点を強く求めるものである。



1.政策評価・独立行政法人評価委員会の検討にあたっては、予算・人員の確保を含め、サービス水準の維持・向上を図る観点を優先すること。
2.検討にあたっては、特定独法維持、公務員身分維持など国公労連および別紙の傘下労働組合の意見を十分踏まえること。

【別紙】
国立病院機構の組織見直しに対する主張

全日本国立医療労働組合


1、中期目標、中期計画が5年であるにもかかわらず、3年終了時に組織見直しを行うのはどうしてか。不十分な検討になることがないように、国民医療の充実強化を図る観点から国立病院機構の組織見直しの検討を行うべきである。

2、国立病院は、がん・脳卒中・心臓などの疾病に対する高度医療の実施とともに、地域の医療機関と連携して地域医療を支える役割を果たしている。地域医療の崩壊が社会問題化している状況下で、国立病院が厚生労働行政の実施機関として地域の医療を支えるべきである。
 これ以上の一般病床の削減や国立病院機構の廃止・民営化、非特定独立行政法人化は行うべきではない。

3、国立病院は、民間の医療機関では経営的に困難な、結核、重症心身障害児(者)、筋ジストロフィー、ALS(筋萎縮性側索硬化症)、精神、小児救急、をはじめとする政策医療において重要な役割を果たしている。
 また「医療観察法」に基づく司法精神病棟の設置においても、国立病院が先行して開棟したり、災害医療支援などでも重要な役割を果たしている。
 このような不採算な政策医療における国の役割と責任は一層大きくなっており、国立病院機構が必要な運営費交付金を確保し、引き続き特定独立行政法人としてこれまで以上の役割を発揮すべきである。

4、今医師・看護師の不足は、国民の医療に深刻な影響を及ぼしている。国立病院機構の全国ネットワークを活用した地方の病院への医師派遣などをはじめ、国立病院機構の役割発揮が求められている。また国立病院機構は看護師養成所等において医療従事者の養成に役割を発揮している。
 国立病院機構において、医師・看護師を確保し、国民医療の充実を図るためにも、身分保障を有する特定独立行政法人を堅持すべきある。

統計センターの組織見直しに対する主張

独立行政法人統計センター労働組合


1、政府統計の中立性・公平性の確保のために特定独立行政法人維持を求める。
 企業からの影響力を排除し、特定の立場に立たない公務員としての身分の担保があってこそ信頼に足る結果を公表できる。
 統計は国の政策を立案する基盤になるものである。その業務は調査の企画・実施・集計・結果公表まで一連のものとして行われてこそ、中立と公正が保たれるものである。
 統計センターの集計業務は、その政策の一端を担うものである。
 政府統計は国民の共有財産であり、遅れることなく、正確に統計結果を出すことが求められる。また、結果数値は欠損地域や欠損時期があっては使い物にならない。その集計業務を行う統計センターは、職員も公務員の身分である特定独立行政法人としての組織でこそ、公正姓・正確性を保証・維持できるものである。

2、人材育成・円滑な人事交流のために公務員身分の維持が重要。
 統計局の調査の企画・設計に統計センターの知識は欠かせない。
 統計局で行う調査の企画・設計において、統計センターでの製表業務の経験は非常に有意義である。さらに、政府統計に携わる職員の育成のためには、統計センターとの人事交流が必要である。従って、人事交流がしやすい公務員の身分が重要である。

  3、個人情報や企業秘密をまもるには守秘義務を持つ公務員が統計に携わる必要がある。
 重要統計を正確に作成するためには、信頼と協力が必要であり、その前提となる個人情報や企業秘密をまもるためには、守秘義務を持った公務員が統計に携わる必要がある。
 統計センターで取り扱う調査票は、国勢調査、労働力調査、家計調査、事業所・企業統計調査等々、どれをとっても国民の個人情報、企業の情報につながる。また、センターで製表業務を行い結果表を作成するということは、とりもなおさず公表前のデータを知りうる立場であり公務員として守秘義務を課される必然性がある。
 国民、企業の信頼・協力のもと行われる統計調査に携わるものが公務員でなくなった場合には、調査環境の悪化が懸念され、公務員維持は、今まで作成された統計結果と整合性をもち時系列比較ができる結果を出すための統計環境のこれ以上の悪化防止のために、必要なことである。
 国民の信頼を維持し調査環境のこれ以上の悪化を防ぐためにも、統計に携わる職員は公務員である必要がある。

以上

 
 
ページの先頭へ