国公労連
国民のための行政・司法へ ストップ!憲法改悪 サイトマップ 更新履歴 個人保護法に関する宣言 リンク
Action 私たちのとりくみ Journal 定期刊行物 Archives 資料 Mail News
トップページ >ニュース> 国公労連速報
トップページ >中央のとりくみ> 国公労連速報
 
  国民のための行政・司法へ
国公労連速報 2007年6月19日《No.1867》
独立行政法人の整理合理化計画策定はやめよ
行革推進本部事務局と交渉
     
 

 

 6月19日午前、国公労連は行政改革推進本部事務局に対して、「独立行政法人の整理合理化計画策定に反対する要求書」を提出するとともに交渉を実施しました。交渉には、国公労連・上野独法対策部長を責任者に全運輸、全建労、全経済、全医労の代表ら7名が参加し、行革推進本部事務局側は轟参事官補佐ら2名が対応しました。

 冒頭、上野独法対策部長が要求書(※別添参照)に基づき、「経済財政諮問会議が現在101あるすべての独立行政法人(以下独法)について廃止、民営化を含むゼロベースの見直しとして『整理合理化計画』を年内に決定するとし、政府は骨太方針2007に『整理合理化計画』を盛り込もうとしている。しかし、独法は現在、中期目標と中期計画にそって事業を進めている最中だ。そもそも独法は中期計画終了時に実施される総務省評価委員会等による評価によって組織の見直しを含めて方向を決めていく制度になっている。そこにルールを無視した唐突な『整理合理化計画』策定の動きは到底納得できるものではない。独法の『整理合理化計画』策定は行わないよう要求する」と迫りました。(以下、○=国公労連側、●=行革推進本部事務局側による発言の概要)

 ● まず経過から説明すると、5月9日の経済財政諮問会議で民間議員から独法をゼロベースから見直すべきとのペーパーが出されたことが発端だ。その場に安倍総理、渡辺行革担当大臣、菅総務大臣が出席しており、結論として安倍総理が「行革の新たなグランドデザインの第1弾として独法改革が必要」と述べ、その具体化を渡辺行革担当大臣に指示し、菅総務大臣はそれをサポートすることになった。行革推進本部事務局(以下事務局)としては、総理の指示に従って、独法の見直しを実施していくというスタンスだ。
 ○ 独法の従来のルールはどうなるのか?
 ● 「整理合理化計画」が従来の独法のルールとは別のルールとなることは確かだが、独法通則法には総務省評価委員会だけが見直しができるとは書いていないし、従来の独法のスキームと別の見直しはできないということではないと考える。経済財政諮問会議に出された民間議員のペーパーに見直しの趣旨が書かれているが、官製談合などの問題が噴出する中で見直しが必要となったわけで、マスコミなどから独法の見直しが必要との声があがっている中で、何もしないということにはならない。  ○(全運輸) 自動車検査独法などは今年の4月から新たな中期目標と中期計画に基づきスタートしたばかりで、中身も運営費交付金削減や人員削減など厳しいものだが職場の仲間はがんばっている。それなのに、ゼロベースの見直しとはどういうことか、納得できないし受け入れられない。マスコミで問題視されているのは緑資源機構など特殊法人から独法化されたもので、国の機関から独法化された我々の職場は、国の責任として国民の安全や環境保全のために車検等を実施する必要があるということで、人員削減など厳しい職場環境の中でも現場の仲間は奮闘している。政治的な圧力などがあるというのはわかるが、すべてをゼロベースから見直すというのは問題だ。我々は主務省ともやりとりするが、政治的にトップダウンで決められると主務省がいくら言ってもだめな状況がある。国から移行した独法については中期計画を尊重すべきだ。見直しの方針は、事務局が作るのか?
 ● 基本的な見直し方針を事務局が中心になって作ることになっている。作った方針に基づいて各省の方で8月末までに見直し計画を作っていただく。そのあと秋以降に規制改革会議、総務省政策評価・独立行政法人評価委員会、官民競争入札等監理委員会、資産債務改革の実行等に関する専門調査会と連携をして議論をした上で、行政減量・効率化有識者会議で意見をとりまとめて「整理合理化計画」を年内に作ることになる。
 ○(全建労) 土木研究所は日本で唯一、土木の基礎研究を進めているところだ。民間は利益をあげるため土木に関する新技術の開発は進めているが、構造物の耐久性などに関する基礎的な研究は、きちんと国で責任を持ってやっていくことが必要になっている。今回のゼロベース見直しで「官から民へ」が言われているが、そもそも国から移行した独法は、民間で実施されえない業務をやっているわけで、矛盾した見直しではないか。独法の中期計画にそって職場の仲間は非公務員だが国が責任を持つ研究機関として誇りを持って働いている。そこにある日突然ゼロベース見直しが決められるなど受け入れられるものではない。独法のこれまでの経緯やルールをきちんとふまえた議論をすべきだ。
 ○(全経済) 独法は、中期計画の終了時に総務省の評価委員会等で評価され業務や組織の全面的見直しを受けながら、厳しい職場実態だが現場ではがんばって仕事をしている。例えば製品評価機構の職場では、パロマの事故などで消費生活用製品安全法の改定があり、それに伴って製品事故の情報収集とか原因究明などの業務量の増加のために土日も出勤して働いている。そうした職場に突然、ゼロベース見直しだとなると、何のために自分たちは中期目標と中期計画に基づいてがんばってきたのか、疑問がわいてくるのは当然ではないのか。これまでの独法の経過やルールとの整合性がはかれないではないか。また、産総研などの研究機関で組織や業務の見直しを頻繁にすると研究現場はどうなるか考えてみて欲しい。研究する場所の移動から始まって煩雑な業務が発生し、事実上研究はストップしてしまうことになる。ゼロベースの見直しなどやったら、独法通則法にもある国民サービスの向上のための独法というものが逆に国民サービスを低下させることにつながり、本来の目的からも反することになる。
 ○(全医労) 重症心身障害者、筋ジス、結核、精神など他の医療機関では担えない不採算な政策医療を担っている国立病院機構だが、いま年々弱者医療の切り捨てが進み、儲からないということを理由に結核などの病床が削減されている。従来の見直しが平成20年度に予定されていた法人についても前倒しで見直すということで、職場がどうなっていくか現場は不安になっている。こうした流れでは本来の政策医療がまるごとできなくなり、営利目的の医療しか残らなくなってしまう。
 ● 従来の独法のルールやあり方をまったく無視するというわけではなくて、あわせて中期目標の見直しをしたりするわけで、ゼロベースの見直しもある部分では従来の見直しと重複してくる。これまで見直しされてきたこともすべてゼロにするということではない。
 ○ 「整理合理化計画」策定について今の説明を聞いたが、我々はまったく納得できない。法律に「○○だけが」と書いていないから、というのはとんでもない。人事院だけがと書いてないから、他の機関が勧告を出せるのか。おかしい。仮に骨太方針に入り、閣議決定されるとすると「整理合理化計画」の具体的な策定方針は、いつ各省に示すのか。骨太方針が決まればすぐ出すのではないのか。
 ● 策定方針は今の段階ではまだ議論しておらず、各省に示す時期も決まっていない。繰り返しになるが、今後それぞれ各省でヒアリング等を実施したり、これまでの経過をふまえて見直しを行っていくので、まったく今までの経緯を無視してやるものではない。もちろん今の組織にまったく無駄がないわけではないだろうから、それぞれの実態をふまえて見直すということだ。

 交渉の最後に、上野独法対策部長から、「労働条件に関わる重要な問題なので、『整理合理化計画』の具体的な策定方針ができ次第、我々に示していただきたい。『中央省庁等改革基本法』には、独法の見直しにあたっては『良好な労働関係に配慮する』という一文もあるわけで、今後も動きがある節々に我々に会って説明をして欲しいし、職場の声を反映させていただきたい」と要望。これに対し、事務局側は、「今後も、そのときどきの状況を見て対応したい」と回答して交渉を終えました。

〈別添〉

2007年6月19日

内閣総理大臣 安倍晋三 殿
内閣府特命担当大臣 渡辺喜美 殿
日本国家公務員労働組合連合会
                       中央執行委員長 福田昭生


独立行政法人の整理合理化計画策定に反対する要求書

 経済財政諮問会議は5月9日、すべての独立行政法人(101法人)について民営化、廃止を含む業務の全面的整理合理化計画を年内に策定するとし、渡辺喜美大臣(規制改革、行革担当)が計画策定にあたることを決めました。政府はこの合理化計画策定を「骨太の方針2007」に盛込もうとしています。
 同諮問会議は、「すべての独法を一から見直す」として、事業の範囲を(1)民間に委ねても実施されない事業、(2)民間に開放できない事業に限り、それ以外は民営化を進める、(3)更に他の改革(公務員制度改革等)との整合性を確保すべきという原則を掲げ、大胆なリストラや民間委託を進めるとしています。安倍首相は「行政の新たなグランドデザインを描く上で、独法改革はその一環として避けて通れない。政府機能の見直しの第1弾となるよう本格的な改革となるように」と述べています。
 しかし、独立行政法人は制度創設時には、自主的自律的運営を保障することにより、効率性と公共性を両立するものと説明されてきた経緯があります。効率化一点張り、財政支出削減最優先の独立行政法人の整理合理化計画では、公共性の維持は極めて困難になります。
 各独立行政法人は現在、中期計画(3年から5年)にそって事業を進めており、計画終了時に行われる総務省評価委員会等による評価によって組織の見直しを含めて方向を決めていく制度となっています。今回の整理合理化計画策定の動きはあまりに唐突、無謀であり、到底容認できません。
 以上の状況を踏まえ、下記の点を要求するものです。



 1、独立行政法人の整理合理化計画の策定は、行わないこと。

以上

 
 
ページの先頭へ