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国公労連速報 2007年5月30日《No.1855》
【社会保険庁改革対策委員会ニュースNo.20】
     
 

 

衆議院厚生労働委員会、またも強行採決の暴挙
 議員立法の時効特例法案への疑問何ら解明されず


 本日(5月30日)18時33分、衆議院厚生労働委員会で、与党は25日に続き、野党の反対を押し切り、理事会確認もいっさいない中で、数に物を言わせた強行採決を行いました。
 この日厚生労働委員会に付託されたのは、与党が議員立法で提出した「厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付に係る時効の特例等に関する法律案」でした。
 法案は、年金記録が修正され、受給額が増額されても、時効で5年間しか遡れない問題を解決しようとするものです。しかし現実は、野党の追及により年金問題がマスコミで連日にわたり大々的に報道されるなど急速に社会問題化し、それが自民党の支持率低下のまで波及したことから、与党として何らかの対応策を示さざるを得ない状況に追い込まれたことの反映です。
 委員会は開会から混乱が続きました。25日の社保庁関連法案強行裁決の後、与党は野党が欠席する中で、労働関係三法案の趣旨説明を行いました。したがって、厚生労働委員会は、本来なら労働関係法案を審議すべきです。しかしながら、与党は社保庁関連法案の本会議採決を31日に行いたいという思惑で、時効特例法案を議題としました。
 また、法案は昨日(29日)16時頃提出されたもので、本会議での趣旨説明もなく、本日委員会で趣旨説明を行い、いきなり審議を行うものでした。
 こうした与党側の強引な委員会運営に野党が強く反発し、民主党委員から午前中、厚生労働委員会櫻田委員長に対する不信任決議案が提出されました。与党が反対討論、野党が賛成討論を行った後、採決が行われ、賛成少数で不信任案は否決されました。
 午後は与党および民主党の質疑が行われ、党首討論のため、委員会は一時休憩となりました。
 安倍首相と小沢民主党代表による党首討論は、年金問題のみがテーマとなりました。小沢代表の追及に対する首相の答弁は、25日の委員会討論の域を出ず、むしろ年金記録の調査時期などは、後退した内容にとどまりました。
 党首討論後、理事懇で採決の提案がないままに、委員会は再開されたものの、強行採決は十分考えられることから、野党議員は、「このような審議状況で採決など行えない」と繰り返し強調しました。
 審議を通じ、時効特例法案の不十分さが浮かび上がりました。法案は、年金記録の適正管理に必要な費用を60億円としていますが、野党の追及に対し、その根拠を具体的資料で説明することはありませんでした。また、時効進行を行わないのは、あくまで年金の納付履歴を社会保険庁が変更し、年金支給額が増額されてはじめて効果を持つものです。野党は、受給者本人が申し立てを行っても、その主張が認められるケースはきわめて稀であり、法案の実効性に疑問があると追及しましたが、かみ合う答弁はありませんでした。さらに、政府は年金記録を適正なものにするため、年金記録をさまざまな資料と突合するとしていますが、厚生年金や国民年金特殊台帳を収めたマイクロフィルムや、紙で現存する台帳との突合は、「膨大な作業」として、調査終了の目途すら示しませんでした。
 このような与党・政府の答弁に、野党は一致して採決反対を主張し、最後の質疑者となった社民党阿部知子議員は、櫻田委員長が質疑の予定時間終了を繰り返し告げる中、討論を続行しました。
 18時30分をまわったその時、櫻田委員長の動きに変化が生じたため、野党議員はいっせいに委員長席に詰め寄り、委員長を座席から降ろし演壇を占拠しました。「審議不十分」「採決などできない」の声が飛び交う中、与党議員は自席で起立し、櫻田委員長は一方的に可決を告げました。
 
 25日に続く与党による強行採決は断じて許されるものではありません。法案は、明日(31日)午後の本会議で、社会保険庁関連法案とともに質疑・採決となる見通しです。しかし、野党側は関係者の不信任決議案を何本か用意するなど、徹底抗戦の構えです。
 国公労連としても傍聴や院内決起集会などのとりくみを強めます。

以上

 
 
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