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国公労連速報 2007年4月23日《No.1827》
 公務員制度改革法案 閣議決定強行するな!
 行政改革推進本部事務局交渉
     
 

 

 国公労連は4月19日午後、「公務員制度改革」問題に関わって、公務員制度改革法案に係る状況と内容について行革推進本部事務局に説明を求め、改めて強引な閣議決定、法案提出を行わないよう要求するとともに、問題点を指摘しました。
 この説明には、行革推進本部事務局は堀江参事官ほか1名、国公労連は盛永副委員長ほか6名が参加しました。
 冒頭、岡部書記長は、確認事項であった十分な協議が行われていない中で、報道では総理訪米前の閣議決定に向け法案作業が進められていることが伝えられていることに関し、こうしたやり方に抗議するとともに、作業状況と法案内容を明らかにするよう求めました。(○:国公労連、●:行革推進本部事務局)

 ● 法案作成作業は、最後の詰めの段階にある。総理からは、訪米(26日〜)前に国会提出するよう指示を受けており、それに沿って作業を進めている。来週には閣議決定を考えている。
 今回改正する法案の内容は、能力・実績主義と再就職管理の2点である。
 能力・実績主義のポイントは、(1)人事管理の原則を人事評価に基づくものとすること、(2)任用にあたっての各種定義を明確にすること、(3)採用昇任等基本方針を内閣総理大臣が定めること、(4)分限規定に人事評価を加えること
 再就職管理のポイントは、(1)再就職斡旋を官民人材交流センターへ一元化すること、(2)不正行為に対し刑罰を科すこと、(3)非営利法人も再就職規制の対象とすること、(4)再就職等監視委員会を設置すること

 ○ 次の4点を指摘する。
(1)任用と給与に関わる人事評価の権限を人事院から内閣総理大臣に移すのであれば、労働基本権回復を前提とすべきだ。専門調査会での結論が出ていない中での権限移管は行うべきではない。

(2)現在行っている人事評価の試行は、結果を何に使うかを今後の検討課題としており、その前提において我々は試行に協力している。法案で評価結果を給与や任用に反映させるとするならば、これまでの説明を履すものであり、今行っている試行も意味をなさない。現行の勤評制度は、勤務成績を評価したうえで、優秀な者についてはそれなりに顕彰し、評価結果が良くない者については人事配置や研修などを通じて育成に活用するという理念である。人事院の研究会報告でも、評価について「差を付けるために使うものではない」、「人材育成に使うべきだ」としている。その主旨を十分踏まえ、評価は賃金にストレートに反映させるべきではない。

(3)評価を分限にも使うというが、人事評価の結果によって任命権者がいかようにも降任、免職ができるということになる。評価である以上、いくら客観的な基準を設けても主観が入り込むことは避けられない。そういうもので、職員の免職まで行うというのは断じて容認できない。

(4)再就職管理については、「退職管理」という人事管理の問題であり、その公正性を確保するためには、公正性確保の権限を持つ人事院の権限として残すべきであり、内閣総理大臣に移すべきではない。

 ● 人事評価について、根本基準を法律に定める必要があると考え、それに伴い人事院の機能から外した。基本権との関係でご指摘があったが、評価を踏まえた給与については当然勤務条件であるが、評価そのものは勤務条件ではないと考える。その点で、専門調査会との関係も問題ではない。分限については、恣意性を排するうえでむしろ評価を大事にしていくことが必要ではないか。
  再就職管理は、国民から批判のある各府省からの押しつけを禁止することとしている。しかしながら再就職は必要であり、内閣総理大臣が一元的に援助することとした。具体的には内閣府に設置する官民人材交流センターが行う。
 評価を何に使うかであるが、給与についてもきちんと評価に基づいて決められるべきではないか。そうしたことも想定し試行を行っていると認識している。
 現行の評価基準はマイナスになるものしか規定していない問題がある。

 ○ 評価を評価結果の活用から切り離し、勤務条件でないとする考え方は理解できない。とりわけ評価の基準は勤務条件そのものだ。
 労働基本権も含め、当局は公務員制度を「パッケージの改革」と強調している。ならば、なぜ能力・実績主義と再就職管理だけを急ぐのか。そうしたこと自体が問題だ。
 法案の説明全体を通じ、本省庁だけを意識した議論と思えてならない。しかし、再就職問題についても本省だけが対象ではないはずだ。中途退職希望者も官民人材交流センターがあっせんするのか疑問だ。そもそも、若年勧奨退職が前提となっていること自体が問題だ。年金支給開始年齢まで働き続けられる制度改革をなぜ検討しないのか。
 マイナスの評価は絶対評価だから規定している訳であり、そのこと自体は問題ではない。

 ● 退職勧奨は必要だ。再就職については、おっしゃることは分かるが、財政負担が大きく60歳まで在職は現実的に厳しい。ただ、退職圧力は減らしていくことが必要だ。

 ○ 国民の思いは、高級官僚が天下りを繰り返し、その都度退職金を受けながら渡り歩くことを批判している。定年まで在職することが問題視されているわけではない。民間企業と公務の質的な違いから、必ずしも公務員退職者が民間にスムーズに再就職できるものではない。

 ● たしかに、これまでなかった定年延長の議論もある。しかし、高い賃金を維持したままでは困難で、賃金のあり方も見直す必要がある。公務員と民間企業のスキルは違うので、どれだけ求人があるかやってみなければ分からないが、機能させたいと考えている。

 ○ 過日行われたタウンミーティングでは、国民はハローワークを利用するのに、なぜ公務員だけ別システムで優遇するのかとの意見が出された。渡辺大臣が回答に苦労していたことを指摘しておく。
 労働基本権問題が未解決のまま、法が成立すれば具体的な準備を行うつもりなのか。

 ● 施行日前であっても、準備行為はできる規定を設けている。採用、昇任、降任、転任に関する運用の方針などについては、法施行に先立って行いたいと考えている。

 ○ 我々は、それらは勤務条件そのものだと考えている。基本権が方向性すら定まらない中で作業を進めることは認められない。

 ● 繰り返しになるが、評価結果が反映されたものは勤務条件であるが、今回の法案は勤務条件にはあたらないとの立場だ。しかしながら、皆さんの気持ちも理解できることから、可能な範囲でご意見も承りながら進めて参りたい。

 最後に、岡部書記長が改めて容認できないし遺憾であることを伝え、引き続き協議の場を持つことを確認し交渉を終えました。

以上

 
 
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