全厚生労働組合
厚生労働省関係機関(本省、試験研究機関、福祉施設、日本年金機構、全国健康保険協会)に働く職員の労働組合 All Health & Welfare Ministry Worker's Union

 違法な分限免職の取り消しを求め、全厚生組合員31人が集団で人事院に「不服申立て」

1.18人事院へ不服申立て  長妻厚生労働大臣は昨年末、社会保険庁の廃止に伴い525人の職員に対し分限免職(強制解雇)を強行しました。 この不当な解雇の取り消しを求め、1月18日、全厚生組合員31名が人事院に対し、集団で「不服申立て」を行いました。

本院に17名、近畿事務局に14名が申し立て・・・処分取消と早期判定を要請・・・

 人事院本院には、飯塚委員長が13名分の「審査請求書」を提出し、不当な分限免職の取消と早期の判定を求めました。その後、4名が直接審査請求書を提出し、それぞれの思いを述べると共に、処分の取消を求めました。さらに、代理人として立ち会った小部弁護士(自由法曹団)、国公労連川村副委員長、全厚生杉浦書記長、中川弁護士(自由法曹団)が、人事院の真価が問われている問題であり、公務員労働者の立場にたった公正な審査と処分の取消を強く求めました。
 これに対し、公平審査局の森調整課長は、「審査請求の手続きに則り、公平委員会を設置し審理をしていくようになる」とコメントしました。
 人事院近畿事務局では、京都の組合員14名が一人一人審査請求書を提出し、不当な処分の取消と公平な審査を申し入れました。審査請求書を受け取った担当課長は、「全て確実に本院に届けます」とコメントしました。本院、近畿事務局に対する申し立てはそれぞれ公開され、多くのマスコミが取材しました。


人員削減や選別採用の必要性は全くありません。
ズサンな調査に加え、二重処分は違法です。

1.18厚生労働省前行動  社会保険庁の後継組織である日本年金機構は年金業務を引き継ぐにもかかわらず、移行に際しては社保庁職員の採用を制限するとともに、外部から1000人以上もの正規職員を採用しています。あえて外部から人を雇って、現に働いている職員を解雇しているのであり、これは国公法78条4項による「廃職や過員」という処分理由とはまったく矛盾しています。 また、過去に懲戒処分歴のある社保庁職員は、日本年金機構への応募自体が拒否されました。処分の多くは「業務目的外閲覧」ですが、自らの行為ではない閲覧による処分、「冤罪」といえる処分が多数発生しています。上司の許可を得て閲覧したケースや、閲覧していないにもかかわらず「組織のためだから認めてくれ」と懇願されやむを得ず認めたケースなど極めてズサンな実態が報告されています。当時、国会議員の国民年金保険料の未納問題が発覚していたこともあり、様々な外圧のなかで行為の内容に見合わない重い処分が行われました。
 過去の懲戒処分を理由に採用せず分限免職に付すのは、同一の非違行為に対する二重の不利益処分であり違法です。こんな理不尽な違法な処分は断じて許せません。 全厚生は、道理のない処分の取消を求めて立ちあがった組合員を全面的に支援し、処分の取消、雇用の確保をめざし全力を挙げます。

全厚生、国公労連が厚労省に、近畿社保支部は近畿厚生局へ申入れ

 不当な分限免職の取消と雇用の確保を求める取り組みにあわせ、全厚生は大臣官房人事課へ国公労連は厚労省年金局へ、それぞれ申入れを行いました。
 全厚生は、官房人事課調査官に対し「分限免職の撤回と雇用確保、年金機構の体制確保を求める」申入れ書を提出しました。そして、人事院へ分限免職処分の取消を求めて不服申し立てを行ったこと、しかし、その思いは安定的な雇用確保が何より求められること、そのためにも、混乱が続いている年金機構の正職員として懲戒処分を受けたことのある元社保庁職員も含めて雇用と体制の確保が必要であることを強調しました。また、不服申し立てを行った國枝さんは、年金機構も含めた安定的な雇用確保に引き続き努力して欲しいことを要請しました。
 人事課調査官は、@雇用確保の関係では、受入れる数にも限りがあることから全員の要望を受入れることは限界がある。A年金機構の安定的な運営と国民の信頼回復はもっとも重要な課題であり、省全体としても受け止めている。そのための要員確保では様々な制約もあるが引き続き努力していく、などのコメントがありました。
 国公労連が行った年金局への申入れで川村副委員長は、国民の信頼回復に向けて長妻大臣の肝いりでスタートした年金機構だが、大幅な欠員、相次ぐ退職、業務運営など早くも混乱している、これらの原因は経験ある職員を一方的に排除したことにある、元社保庁職員の採用など速やかにその対策を示す必要がある、と雇用確保・体制拡充を求めました。
 年金局総務課長補佐は、正確な欠員状況は把握していないが、厚労省としても憂慮している、都市部における混雑等は社保事務所の経験なども踏まえ一定承知している、機構の責任は厚労省も一体であり今後も検討していきたい、とコメントしました。

「不服申し立て」に当たっての書記長談話を発表

 人事院への不服申し立てにあたって全厚生は 書記長談話を発表しました。国の政策で45年ぶりに発動された分限免職の不当性・違法性を明らかにすると共に、処分取消の公正な判定を早期に行うこと、併せて、政府・厚生労働省に対し、引き続き、元社会保険庁職員の雇用確保のために最大限の努力を行うこと、これらのたたかいとともに、老後が安心して暮らせる公的年金制度の確立をめざし、国民の年金権を保障するために奮闘する決意を表明しました。

国公労連・全厚生が早朝宣伝、厚労省前要求行動を実施

 国公労連・全厚生は18日、人事院への不服申し立てにあたり8時45分から9時30分まで厚生労働省前早朝宣伝行動を実施しました。行動には全厚生からも不服申し立て者4名も含めビラ配布、マイク宣伝と分限免職処分の不当性と闘う決意をそれぞれ表明し、行動に参加しました。(当日配布のビラはこちらです) また、11時30分から12時まで開催された厚労省前要求行動にも参加し、それぞれ決意表明を行いました。終了後はテレビ取材の要請をうけ、横断幕を先頭に人事院まで集団で行進しました。

記者会見も多くのマスコミが取材そして報道
1.18人事院へ不服申立て  審査請求書の提出を受けて東京では厚生労働記者会会見室で記者会見を行いました。会見には、35名を超える報道関係者が集まり熱心に取材しました。川村副委員長の進行で、はじめに飯塚委員長が全体の状況を説明し、今後さらに申し立て者が予想されること、裁判闘争も視野に入れて取り組んでいることなどを報告しました。小部弁護士からは、処分の不当性と申し立ての基本的な考え方等について説明があり、4人の申し立て者がそれぞれ思いや決意を表明しました。川村副委員長は、こうした異常な事態が進行している陰で、日本年金機構で大幅な欠員や相次ぐ退職が発生し混乱を極めていること、その原因として、全国的な人事異動、経験者の退職、民間からの採用など様々な要因があり、それらの解決のためにも経験ある元社保庁職員の雇用が急務であることを強調しました。
 京都弁護士会館で行われた会見には申し立て者14人全員が出席し、夫婦共に失職している状況、処分理由が冤罪である実態などを述べ処分の不当性を強調しました。こちらも20名を超えるマスコミ関係者が取材するなど関心の深さが感じられました。
1月19日までに報道がされたTV局、新聞社は次のとおりです。
<TV>
NHKニュース
FNNニュース 
TBSニュース 
MBS毎日放送ニュース 
<新聞>
共同通信、朝日新聞、読売新聞、日経新聞、毎日新聞、京都新聞、毎日新聞/京都版 他 



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