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◆第1774号 (2013年4月15日付)◆
人事院が分限免職処分の取消判定

 人事院は4月5日、旧社保庁職員の分限免職処分取消請求に対し、全厚生組合員4人に初めてとなる判定を出しました。大阪については、処分を取り消す一方、秋田の3人については処分を承認する不当判定を行いました。同日午後6時から国公労連・全厚生・全国弁護団の3者は、厚労省内で記者会見。国公労連の宮垣忠委員長は、「取り消し判定は高く評価する。一方、秋田の処分承認の判定には断固抗議する。人事院は残り35人について早期に取り消し判定を行うよう求める」と述べました。大島琢己さんは、「感無量です。本当にありがたく思います」と喜びを語りました。

皆様の励ましとご支援が私の支えになりました

 東京に行く新幹線の中で、記者会見時の一言を、何と言えば良いだろうと考えていました。「残念な結果になりました…」と最初に言えば良いのだろうかと一生懸命考えていました。また悔しさで頭の中が真っ白になり声すら出ない状態になってしまうかもしれない記者会見に行くことを決めた自分の判断にも悩みました。
 全厚生本部の前に着いたのは午後2時。待ち合わせの4時まで時間が充分あったので、日比谷公園に行きました。黄色いタンポポがたくさん咲いており黄色い絨毯のようでした。小鳥のさえずりを聞き、白い蝶を追いかけて日比谷公園で過ごしました。日比谷公園の2時間は、辛く長い時間でした。これで日比谷公園なんてもう二度と行く事はないと確信しました。
 午後4時50分、杉浦副委員長と一緒に判定文を取りに人事院に行きました。判定文は思いもよらない「分限免職取り消し」。自分の目を疑い、何度も確認しました。人事院を出て、気がつけば二度と来ることは無いと思っていた日比谷公園に再び来ていました。そこで3年間のことが走馬灯のように頭を巡りました。分限免職された当時、人事院に電話をして不服申し立てをする為の手続きを尋ねました。不服申し立てをしても、自分なりに努力しても、どうにもならないかもしれない。精神的にも不安定な時期を過ごしました。そんな中で同じように分限免職になった仲間がいて、私たちを支え、励ましてくださる方々に出会い、どんなに心強く思ったことか。たたかいの中でたくさんの人と出会い、皆様の励ましの声、ご支援、ご協力が私の支えになり、続けてこられました。本当にありがとうございます。心より感謝いたします。
 しかし、秋田の3人は処分が承認されてしまいました。この3年間、同じように苦しんできたのです。諸手をあげて喜ぶ気持ちにはなれません。まだ判定がでていない仲間もいます。引き続き皆様のご協力をよろしくお願い致します。

秋田事案の3人は処分承認の不当判定

 人事院が秋田3人の処分承認の不当判定を行ったことに対し、東北社会保険支部は小林利幸支部長名による抗議声明を発表(4月8日)。その内容は次のとおり。
 4月5日、人事院は、日本年金機構法の施行による社会保険庁の廃止に伴う分限免職(不当解雇)処分について人事院公平審査請求をしていた当支部組合員6名のうち3名について、判定書の送付を行った。その結果は、秋田社会保険事務局長が行った分限免職処分を承認するという極めて不当なものである。人事院は、国家公務員の労働基本権制約の代償措置としての機関であるということの役割を放棄しているとしか考えられず、無責任、不誠実な本判定について、次の点を取り上げて断固抗議する。(中略)
 機構の年金業務は今でも人手不足であり、経験豊かな職員を解雇する必要など全くなかった。社会保険庁廃止の組織改編に係わっては、分限免職処分先にありきの理不尽な枠組みを政府自らつくったことは明らかであり、そのことを追認する今回の人事院の判定に改めて怒りを込めて抗議の意思を表明する。
 当支部組合員の請求当事者3名については、いまだ判定書の送付がされていない。分限免職処分から3年3月、公平審査請求から3年2月が経過している。人事院に対し、自らが国家公務員の労働基本権制約の代償措置としての機関であることを再認識し、秋田支部の3名を含む残りの請求者全員について速やかに公平な判定をすることを要求する。私たち全厚生労働組合東北社会保険支部組合員一同は、全厚生、国公労連及び秋田県国公に結集し、不当解雇不利益処分撤回とともに憲法25条が生かされる国民本位の社会保障が確立するよう、引き続き奮闘するものである。(声明は以上)
 また、全厚生闘争団を支える会の佐々木章会長(秋田県労連議長)名の抗議声明を発表(4月8日)。不当な処分を撤回するまで運動を強める決意を示しました。

旧社保庁職員の分限免職処分取消請求にかかる人事院判定について(声明全文)

安心して働ける職場をご一緒に
全厚生への加入を心から呼びかけます!

 こんにちは、全厚生労働組合です。
 私たちは、国民に喜ばれる厚生労働行政の実現をめざしています。そのためにも、私たち自身がいきいきとやりがいを持って働ける環境づくりが大切です。ぜひ全厚生に加入して、誇りを持って働ける職場をご一緒につくりましょう。
 先輩たちの熱いメッセージを贈ります。あなたも全厚生へ。あなたの加入を心から呼びかけます。

共に歩んでいきましょう

 みなさんは今までどんな人を頼りにしてきましたか? 小さい時は親や家族などに見守られ、助けられ成長してきたことでしょう。少し大きくなって悩みが増えた頃は、学校の先生や友達、家族や地域の人など信じられる人に相談したりしてきたでしょうか。大人になって、恋人や将来を誓った人になったという人もいるのではないですか。
 では、社会人になってからはどうでしょうか。上司や先輩に頼れる人はいるでしょうか。もしかして、その元気でパワフルで頼れる人は、全厚生の仲間かもしれません。
 全厚生の仲間は常に職場を良くすることを考え、より良い業務のやり方を考え、国民のためになる行政のあり方を考え、そして仲間が元気でいられるように奮闘する、職場でみんなの頼りになる労働組合です。
 全厚生の仲間一人一人の手は小さく、決して大きなものはすくえません。しかし、固くつないだみんなの手は一つの大きな輪となり、みんなを優しく包み込んでくれます。  同じ職場に働く仲間のみなさん、ぜひ全厚生に加入していただき、全厚生の仲間となって共に職場を良くするため歩んでいきましょう。

組合は大きな心の支え

 新卒者の皆様、入省おめでとうございます。初めて社会人として働くことに対して、皆様は多くの不安を抱えていると思いますが、全厚生には多くの先輩職員が所属していますので、仕事に対しての悩みや、不安がありましたら、是非組合までお越しください。一年前、私も職場内のサービス残業に疑問を感じ、組合の門を叩きましたが、そのとき組合員の方々には、私の相談に親身になって乗っていただき、大きな心の支えとなりました。
 まだ社会人になったばかりの皆様でも、社会には不条理なことが、たくさん存在するということは、恐らく予想できているのではないでしょうか。率直に言えば、その通りです。日本の企業、役所は数多くの問題を抱えています。そして、それらの問題(サービス残業・パワハラ・セクハラ・アルハラ等々)を解決する方途を提供する場として、組合は存在しているのです。皆様の、組合への積極的なご参加を、お待ちしております。

自分、周り、世界を知る

 「みんなが入っているから」と安易に組合に加入した私でしたが、入ってみると、青年部や女性部、平和を守る会など様々な活動があり、そこで素敵な先輩たちに会いました。他の支部や組合の方たちとの交流では、色んな職種のエキスパートに会うことができました。仕事のことを語らせれば話が尽きませんし、ディープな趣味の人も沢山いて引き込まれました。自分にはそんな風に語れるものがあるかな?と、常に外から自分と職場を見る目を養うことになったと思います。
 忘れられない先輩の言葉は「労働者は腕を磨かなければならない」です。腕を磨くどころか、目の前のことをこなすのが精一杯の日々もありました。でも、そういう時もあって良い、できる時には限界までやり仲間を助けて自分を磨く。仲間の中でそういうことを連鎖させていくのが、良い職場なんだと教わりました。
 そういう職場を作っていかないと、若い人たちに希望を持って働き続けてもらえないと思っています。月並みですが、そういう職場をみんなで作る手助けができたらいいなと思います。

知る機会を与えてくれる場

 私が就職した27年前は今と違って職員みんなが組合員で、「そこに労働組合があれば入るもの」という思いで、就職2日目に当時の支部長から説明があり、その場で加入しました。ですから当時は組合は空気のような存在で、特に意識することはなく、一組合員として過ごしていました。
 ところが、職場の人事異動に際し、教官が補充されないという大問題が発生した際、自分の課だけでなく、他の課の組合員も問題解決に向けて一生懸命に応援してくれている姿を目の当たりにした時、はじめて「労働組合」を意識しました。
 特に福祉の職場は小さな職場にも関わらず、様々な職種の方が色々な思いを持ちながら、しかしその思いは「障害者の一日も早い社会復帰」という目標に向けて結集していることを知りました。この思いは、「労働組合」という組織の枠を超えた仲間とのコミュニケーションの中でより強さを増し、業務の中でも多分に生かされています。
 労働運動の目的はさまざまです。これを通して「職場を知る」「仕事を知る」「制度を知る」ひいては「国家を知る」とてもいい機会を与えてくれていると思います。ぜひご検討をお願いします。

声をあげ闘うことが大切

 私が加入したきっかけは、組合役員だった上司に年金勉強会に誘われた時に、OBの方に勧められて。この方々と出会い、労働組合の団結の大切さを学びました。今まで労働組合は自分に不利なイメージでしたが、様々な取り組みを通じて学ぶ大切さを教わりました。
 個人が変えようと思わない限り誰も変えてはくれません。労働組合に積極的に関わってこそ、時代に合った労働組合に生まれ変わることができます。自分の意志が損なわれないことが労働組合の意義だと思います。個人を認めなければ団結など何の意味もありません。
 厚労省のお膝元で非正規雇用の雇い止めが当たり前に横行し低賃金で働かされる状況があります。そこに鋭いメスを入れることが全厚生の活動です。仕事の経験がある人が雇い止めにあい、職場は混乱しても「予算がない」の一言。そこで職場から声を上げ闘うことが大切です。それが、特定業務職員として働く私が組合を続ける理由です。
 楽しい行事ももちろんありますし、仲間がいるので仕事でも助けてもらえます。是非加入して、一緒に職場も社会も変えていきましょう。


塩原センターの思い出

 塩原視力障害センターは、今年3月末をもって、国立障害者リハビリセンターに統廃合されました。
 思い返せば、那須塩原で過ごした3年間は多くのことがありました。塩原に来た年に2人目の子が生まれました。夫婦だけでの育児の大変さを実感し、待機児童の問題で苦労しました。少しは育メンになれたかと思っています。
 東日本大震災の時は、余震の続くなか真っ暗で不安な夜を過ごし、家族、仲間の大切さを再認識しました。
 趣味では、36歳で剣道を始めて、稽古から多くを学んでいます。
 塩原でも、職場・地域の皆さんに助けていただきました。これらの素晴らしいご縁に感謝しています。皆さんありがとうございました。また、皆さんにお会いできるのを楽しみにしています。
 塩原センターの魂を胸に刻んで、これからも歩んで行きます。
 ありがとう、塩原視力障害センター


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