国公労連青年協 [データ] 第32回定期総会議案

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第32回定期総会議案

第32回定期総会議案目次

はじめに
たたかいの経過と総括（案）
	Ｉ　秋闘のとりくみ
		1　賃金昇格課題 2　超勤縮減・増員課題　 3　人事院勧告、評価制度学習会
	ＩＩ　春闘のとりくみ
		1　３・１０青年・女性・パート中央行動 2　初任給改善と最低賃金 3　宿舎の充実と安全性の実現
	III　２００６夏のとりくみ IV　各闘争期のとりくみの総括 V　課題別のとりくみ
		1　組織強化・拡大 2　憲法改悪を阻止し、平和と民主主義を守る取り組み 3　他団体との共同
青年をめぐる情勢（案）
	I　政治情勢 II　私たち公務員をとりまく情勢 III　青年の雇用情勢 IV　憲法改悪、平和と民主主義をめぐる情勢
国公青年協２００６年度運動方針（案）
	I　運動の基本 II　課題別の運動方針
		1　憲法改悪を阻止し、平和と民主主義を守るたたかい 2　国公青年の働くルールの確立 3　最低賃金の底上げ 4　組織拡大・強化 5　青年・学生など他団体との共同

はじめに

　全国の青年のみなさん。
　国公職場に働く青年の労働条件改善はもとよりすべての労働者の労働条件改善をはじめ、青年の様々な要求に基づく運動を職場・地域で実践してきたみなさんに、青年協常任委員会は心から敬意を表します。

　昨年度の総会以降、国公労連青年協は国公青年の要求実現、学習活動、文化・レク・スポーツ活動、平和と民主主義をまもる活動など、さまざまな活動に取り組んできました。
　一方で、青年を取り巻く情勢は刻一刻と厳しい状況になっています。職場、仕事はとにかく「忙しい」のが現状だと思います。その影響もあり「青年の活動が低下している」と思われる方も少なからずいるのではないかと思います。
　しかし、みなさんは今年一年取り組んできたことに自信を持ってください。この情勢の中、活動の発展はもちろん、活動の維持をするだけでも非常に大変なことなのです。むしろこの青年の状況を維持していることがみなさんのがんばりを表しています。

　みなさん。青年の活動は楽しいですか？参加したいですか？近年は上にも書いているとおり「忙しい」からなかなか活動に足が出ないのが現状だと思います。また、「今の活動に魅力がない」「楽しくない」「動員されるから参加している」となっているのではないでしょうか。私たちがみなさんに伝えたいのは「何事も楽しくやればいいのではないでしょうか」ということです。そうすれば必然的に青年の活動に参加したくなるのではないでしょうか。基本組織になるとそうもいかないことがあるかも分かりませんが、私たちは「青年」なのです。
　やはり、はたから見ていて「大変そうだな」と思われるのではなく、組合員も未加入の人も他組織の人も地域の人も国公青年協の活動を見て「楽しそう」「参加してみたい」と思われるような活動をするべきではないでしょうか。それがたとえばスポーツ活動であったり、飲み会であったり、仕事のことであったりそれぞれあると思います。そうした機会をつくり、職場の青年で話し合いをすることがまず最初に重要なことです。次に内容が決まれば実践するだけです。そうすれば自然と青年の活動が楽しくなり、国公青年協も発展、前進します。

　私たち青年は仕事にしても、遊びにしても、組合活動にしても未知なる可能性を誰しもが秘めています。楽しくなくて参加しないとなるとその可能性もなくしてしまいます。今の情勢はまさに青年にとって厳しいものとなっています。まず、誰から見ても「楽しい」「参加したい」国公青年協をつくり、そのなかで職場の仲間、地域の仲間とも団結し、みんなで情勢を跳ね返し、よりよい社会と職場をつくっていくために奮闘しましょう。
本議案がすべての職場の青年によって力強く討議され定期総会代議員の討論で補強されることを期待します。

日本国家公務員労働組合連合会　青年協議会常任委員会
　

たたかいの経過と総括（案）

I　秋闘のとりくみ

　10月7日に給与法成立・総人件費削減反対や昇格改善、宿舎改善などを求めて2005年秋季中央行動を終日にわたり展開しました。例年女性協や東京国公と共同した行動をしていましたが、今年は国公青年協単独で実施し、昼休みには財務省前要求行動を展開、全体で約200名の仲間が結集し、青年の要求実現を求めました。
　行動後にはエデュカス東京に会場を移し、約100名の青年と一緒に、「人事院勧告」「評価制度」についての学習会を行いました。

1　賃金・昇格課題

1)　財務省交渉
	人事院勧告が閣議決定されたことを受け、国の財政を最終的に管理する財務省に対し、公務員賃金の切り下げを行わないよう申し入れました。短い時間ではありましたが、財務省主計局との交渉は国公青年協としては初めてのとりくみであり、今後の足がかりとして一定評価ができるものです。主張は以下のとおり。
	(1)	公務員賃金の切り下げは断じて行わないこと。
	(2)	引き続き国公青年の処遇に関わる問題については国公労連青年協との交渉の場を設け交渉を尽くすこと。

	これに対し財務省は以下の回答しました。財務省の回答　人件費に関する財務当局の立場から言えば、国の予算が厳しい状況のもと、避けては通れない重要な課題だ。　国民の納得が得られるものにしていかなければならない。　給与構造改革では若い人は引き下げ幅が低く、これには民間の動向が反映されているのではないか。比較的歳をとった層が引き下げられている。社会保障も支出削減が進み、公共事業も大幅に削減されている中、他の分野と同様に人件費も蚊帳の外ではない。具体的にどのようにするかはこれからであり、どう削減されるのかは何とも言えない。
2)　人事院交渉
	昇格課題について「給与構造改革」を踏まえ、職場実態を絡めながら主張しました。主張は以下のとおり。
	(1)	行政職（一）Ⅲ種採用者の新2級昇格の必要経験年数を7年とし、上位級についても見直すこと。
	(2)	新3級への昇格ペースが維持できる定数を確保すること。また、新2級への昇格について、機関間格差等を生じないよう定数改定を図ること。
	(3)	係長発令と同時に新3級に昇格するよう、各省を指導すること。
	(4)	省庁間格差、本省庁・地方間格差などの機関格差をはじめ、組合所属、性別、学歴試験区分による格差など、昇格におけるあらゆる差別をなくすよう、人事院として特段の指導を行うこと。
	(5)	再任用における級別定数は、総定員法の枠内とせず、別枠で確保すること。

	これに対し人事院は以下の回答しました。人事院の回答　1級から3級については民間の初任給を見ながら改定している。この間民調をみながら行っているが、その差が縮小している傾向にはなく、基準を見直すものとはなっていない。今回の見直しが通れば新2級の基準については現行の基準を基にしたものとする予定。　昇格の山を迎えるにあたり、一定程度の差はやむを得ない。世代間の不公平が生じないよう級別定数の見直しをしているし、現4級への切り上げも行っている。新2級の機関間格差については各省庁の運用の問題であるが、職務の内容や勤務実績に基づいて発令されるものであり、妥当な意味での本庁・地方の格差はあるだろう。地方間格差については各府省の構成に違いがあるため、完全に横並びではない。　厳しい職場実態となっていることが大きな問題であるとの皆さんの生の声は、関係部署に伝えたい。公務員の働きぶりは評価されて然るべきと考えており、国民に伝える部分は伝えたい。やり甲斐が持てる処遇を作っていきたいと考えている。

2　超勤縮減・増員課題

1)　総務省交渉
	交渉では職場実態を絡めながら、大きく分けて3点について主張しました。主な主張は以下のとおり。
	(1)	実効ある超勤規制を行うこと。
	(2)	5年で10％以上の新たな定員削減計画を中止すること。
	(3)	産前産後休暇などの制度の実効に努めること。

	これに対し総務省は以下の回答をしました。総務省の回答(超勤対策) 　超勤や休暇取得は健康の保持や増進、事務の効率化に資するもので、重要な課題。今後も業務の見直しを行うと共に徹底した勤務時間管理をし一層の徹底を図りたい。超勤問題を解決する特効薬はないが、意識としては高まってきている。着実に行っていくことが大切だ。総務省の回答(定員対策) 　政府では大胆な再配置も計画されているため、行政ニーズに対応した配置を行う必要がある。定員削減に関して「定員合理化計画」が閣議決定されており、その計画に基づき動いていくしかない。しかし一律に削減するということも、人減らしのためにしていることでもなく、精査をし、ニーズを確かめて査定しており、不要なものは不要、要るものは要るといったメリハリのある再配置を検討している。総務省の回答(産前産後休暇など) 　平成15年7月に制定された次世代育成支援推進法に基づき各府省が特定事業主として行動計画を策定し、本年4月よりとりくみがされている。今後も各府省庁と連絡をとり、実効あるものとなるよう運用をすすめていく。　3年ごとの見直しを行うようになっており、その内容を踏まえて今後の検討課題としたい。

3　人事院勧告、評価制度学習会
　秋季中央行動の財務省前要求行動を終えてから、エデュカス東京会議室で学習会を開催しました。まず人事院勧告学習会では国公労連の盛永副委員長を講師に招き、05人事院報告が閣議決定された情勢をふまえ、経過措置の青年層への影響など、今被る影響だけでなく、将来にわたって青年が最も影響を受ける見直しであることを学びました。また、経済産業省で他省庁に先駆けて独自に試行されている評価制度について、全経済の上野副委員長から実際に今行われている制度の仕組みと問題点について、わかりやすく説明していただきました。それでは職員の大多数がこのままの評価制度の導入に反対するなどのアンケート結果も出され、青年自身が自らのこととして考えされられる、よい機会になったと考えています。

II　春闘のとりくみ

　今年の春闘は全労連としてもうひとつの日本をめざし、とりわけ、青年・女性・パートに光をあてる春闘として3・10全労連統一行動を含め、春闘勝利にむけたとりくみが全労働者規模で展開されました。
国公青年協も、国公青年労働者のみならず、全労働者の労働条件改善を求め、全青年労働者のとりくみに最大限結集してきました。国公労連青年協の課題として初任給引き上げ、官民比較方法の「見直し」反対や超過勤務縮減、増員などを中心課題としながら、3・10全労連統一行動とあわせて国公青年協春季中央行動を取り組みました。

1　3・10青年・女性・パート中央行動
　全労連主催で展開された3月10日の「3・10全労連統一行動」（以下、「3・10統一行動」）において、全国各地より青年労働者500名（国公青年協約200名）が参加し、「青年にまともな生活、雇用と未来を！」を青年のスローガンとし、終日行動を展開しました。国公青年協も私たちの要求を国民課題とも結び付けながら、国会座り込み行動、06春闘勝利3・10青年・女性・パート総決起集会、国会デモ、銀座デモ、日本経団連前集会といった行動などを複合的に展開しました。
　国公青年協も同日、独自に人事院交渉を実施、4月11日には財務省交渉を実施し、青年の要求実現を求めました。

2　初任給改善と最低賃金
　国公青年協では、昨年に引き続き「最低限の底上げ」に結集し、初任給改善を最重点として春闘の諸行動にとりくみました。3月10日には、3・10青年女性パート中央行動に約200名が参加し、「国公青年の初任給改善を求める要求署名」31,711筆を、独自に配置した人事院交渉の際に手渡しました。初任給改善に関する人事院の回答は大きく以下のとおりです。

	(1)	民間春闘の状況について、経済は回復傾向にあり大企業を中心に多くの企業で賃上げ要求がなされているが、1,000～2,000円と大きくはない賃上げ要求だ。また例年のように同業種が横並びではなく差が出るという特徴がある。一時金についても民間は増加傾向にある。実態調査は例年ペースで行っていく予定だ。
	(2)	初任給について、国公青年協が指摘する官民格差は地域給を反映しない比較だが、初任給が低いのは認識している。05年勧告では、公務員全体で一律に実施することを踏まえて行ったが、給与構造改革では青年層は下げずに、給与カーブのフラット化を行い高年齢層がマイナスになっていることを理解してほしい。また、地域によっては地域手当分だけ改善される職員もいるはず。

3　宿舎の充実と安全性の実現
　4月11日、宿舎改善に関して財務省交渉を行いました。
　冒頭、宿舎課題に関わって独身宿舎の不足状況、退去時の「原状回復」に関わっての管理人への周知徹底、級による入居基準の見直しなどについて訴えるとともに、各単組の職場代表からも独身宿舎の増築や、防犯の整備計画などについて訴えました。
　これを受けて財務省は概ね以下のとおり回答しました。

	(1)	退去時の「原状回復」については、管理人に対し周知徹底している。現在のトラブル等の相談は上がっていない。
	(2)	入居基準に関わって、都心部では運用により新2級以下であっても、扶養者の数に関わりなく入居を認めている。入居基準については、省当局として地方財務局で判断したものは認めている。
	(3)	独身宿舎はこの間優先的に整備をすすめており、今後もニーズ等を把握しながら対応したい。
	(4)	防犯対策については、一部の宿舎について整備が進んでいるものの、すべての宿舎での整備については至っておらず、今後は予算状況等を勘案しながら検討をすすめたい。

III　2006夏のとりくみ

　定期総会でとりくみの経過と総括を提案します。

IV　各闘争期のとりくみの総括

　各闘争期において、時期に見合った要求を掲げ、対応当局との交渉を配置しました。特に総人件費削減の政策に関わり、財務省主計局との交渉を国公青年協として初めて実施し、担当者に直接青年の声をぶつけることができたことは、大きく評価できるものです。しかし一方で、秋闘期における財務省理財局交渉（宿舎関係）、春闘期における総務省交渉（超勤・定員関係）が時間がとれないという理由で実施できなかったことは、率直に反省点として挙げられます。対応関係の切り下げにつながらないよう、今後も引き続き交渉の配置を求めていきます。
　交渉課題に関して、人事院交渉で初任給の低さに関して「認識している」との回答を引き出したことは評価できます。また、財務省理財局交渉（宿舎関係）では、入居基準の緩和について宿舎の有効利用という観点からではありますが、大都市について規則以上の緩和を認めさせたことは前進面としてとらえることができます。
　総人件費削減政策の中、人員や賃金に対する攻撃が続けられています。今後一層、中央行動をはじめとした諸行動に結集をはかり、青年の要求前進にむけたとりくみの強化が必要です。

V　課題別の取り組み

1　組織強化・拡大

1)　新採歓迎パーティー

　新規採用者の拡大や交流を目的として、国公労連青年協は5月19日（金）、東京都豊島区東池袋『ブランズウィックスポーツガーデン』で、新規採用職員歓迎パーティーを実施しました。新歓パーティーでは、国公労連30周年記念事業のボウリング大会を併せて開催し、互いに交流を図りました。
　総会での決定によって追求してきた東京国公青年協との共催については、日程調整などの様々な理由から見送ることとなりましたが、東京国公青年協と今後の共闘の進め方について協議を持ち、新採歓迎パーティーのみならず、これからも共闘について議論を進めていくと方向で進んでいます。次回からの開催やその他のレクなどについても引き続き東京国公との共催を追及し、東京都内、とりわけ本省の新規採用職員の対策、在京青年組織、本省青年組織対策を重点として、実施することを検討していきます。

2)　全県オルグ

　県国公による青年組織については、未確立な県国公が多く組織の確立は急務の課題となっています。そのような中、各地で行われた県国公青年組織の開催時には積極的には、国公青年協の役員が積極的に参加し、幅広く交流を深めてきました。
　一方、全県オルグについては、十分に対応することができませんでした。
　今後は組織強化のため、国公青年協からの積極的なアプローチをかけながら実施していきます。

3)　各単組のとりくみ

(1)

全労働
　全労働青年協は、「学（まなぶ）」（対話を重視して学ぶこと）「集（つどう）」（仲間が集い、語らうこと）＝「学集（がくしゅう）」を、運動の基軸として、各種とりくみを展開してきました。
　このとりくみを重視して、本年度は「全国業務研究青年集会」を6月29～30日の日程で開催しました。これは、労働行政における三行政（安定行政（ハローワーク）・基準行政（労働基準監督署）・均等行政（雇用均等室））それぞれの行政の業務を学習し、その中から業務における協力を検討しようという目的で開催しました。
　集会では、各参加者から「自分以外の業務を知ることができて勉強になった」「全国の人たちと交流ができて良かった」など、好評を得ることができました。
今後も、「学集」のとりくみを強化し、第一線職場で働く青年が求めるとりくむを追求していきます。

(2)

全司法
　全司法青年協では、05年9月2～3日に第15回定期総会を開催し、1年間の方針を確立しました。この大会では、18年振りとなる「全司法青年友好祭典」について開催することを決定しました。全国から150名以上の青年を集めた集会を成功させるため、この1年間、数回に亘る財政活動を行ったほか、開催地である近畿地区に現地実行委員会を設置するなどして対応しました。
　また、各地区でも積極的なレク活動が実施されています。今年度は東北地区、関東地区、近畿地区、中国地区及び四国地区でそれぞれ創意工夫された管内交流が図られています。また青年協としてそれらのレクにオルグ配置したほか、他地区からの参加も呼びかけるなど幅広い交流を図りました。
　職場の同僚との関係が希薄になっていると言われている中、青年が集まれば楽しい、を実践することにより団結を深めていくことが重要であると考えています。

(3)

全法務
　2005年10月13日～14日、第22回全国総会を静岡県伊東市において開催し、向こう1年のたたかう方針を決定しました。2日目は、「給与構造・昇給制度」について学習会を開催しました。
　秋期年末闘争では、全国統一交渉を配置し、「行政改革の重要方針反対」を基軸としながら、青年女性層の課題でもある「生活できる賃金改善」、「3級（旧4級）以下の定数確保」、「実効ある仕事と育児の両立支援」など求めてきました。
　これらの結果を踏まえて12月1日、青婦協は、各地区代表者とともに原局である民事局と交渉を行いました。「定員が削減ありきで強行され、職場は限界にきている。労働強化によって健康破壊も深刻」と切実に訴えました。
　2006年2月23日～24日、第2回青年女性組織代表者会議を東京都台東区で開催し、06春闘方針を決定しました。①総人件費削減攻撃反対、②初任給改善、③比較企業規模見直し反対を掲げ、交渉の強化、中央行動への結集を確認しました。2日目は、法務局の新規政策である「筆界特定制度」について学習を深めました。
　3月10日の全労連青年・女性・パート中央行動へ最大限結集をめざし、全国から参加要請を行い、全法務から30名の参加がありました。しかしながら、当初目標を下回ったことから、不十分な結果となりました。
　各地区内において交流会や学習会を開催し、青年・女性層の団結、交流を深めています。今後は、全国規模の交流集会、学習会など検討していきます。また、来年開催の国公青年交流集会へ多くの参加をめざします。

(4)

全運輸
　全運輸青年運動推進委員会は06年6月11日から12日にかけて、東京グリーンホテル水道橋において、全運輸全国青年学習交流集会を全国各支部の代表と本部あわせてのべ90名の参加でおこないました。
　1日目は、全国から60名が集結し、学習会では、法政大学早川教授から成果主義について、成果のはかり方、目標管理の難しさなどを、民間企業や医療現場の例をあげて説明いただきました。次に、靖国神社の遊就館に赴き、先の大戦への反省のない、戦争を美化する内容に、多くの青年が衝撃を受けました。2日目は、70名が集まり、羽田機体整備工場の見学し、安全のために、いかにコストと時間をかけているのかを実感しました。見学の後、前日に学習したことを討論すべく、仮想当局からの「成果主義導入の提案」について、1時間討議を行い、その結果を、仮想当局にぶつける模擬交渉では、手練れの本部副委員長演じる当局を相手に、がっぷり四つのやりとりを行い、当局側が提案の見直しに応じるまで追い込んだ班もありました。
　全運輸青年部本部が解散して3年、初めての全国交流会ということで、様々な意味で不安がありましたが、今後も、ともに同じ時間を同じ場所で過ごし、共感しあうことで、何かを感じることができる、そういった運動を大切にしていきたいと考えます。
　また、各地区協議会において、新人学習と交流を目的に集会をおこなっており、今年度は全国のほとんどの地区で新人学習交流集会を開催することができ、それぞれの地区で30名以上が、総計で220名以上が参加しました。
　なお、これまでに青年運動推進委員会ニュースを8号発行しています。

(5)

全建労
　全建労青年部では平和学習及び全国レクｉｎ広島「平和でフォ～2006」を5月26～28日に広島で行いました。全国から約50名の参加で、初日はレクレーションとしてフットサル大会を行う予定でしたが、雨のため中止となり、広島市内のマツダの工場を見学しました。2日目の午前中には話題となっていた呉市の大和ミュージアムを見学し、昼食では広島風お好み焼きを自分たちで作りました。午後は原爆ドームの建設省職員慰霊碑前で黙祷を行い、平和祈念公園で被爆者の方からの体験談を聞き、その後資料館を見学しました。午前中は戦争をカッコ良く描いた場所へ、午後は戦争の真実のみを伝える場所へと行き、参加者にそれぞれ戦争とは何なのかを感じて頂きました。3日目は時間も少なく情勢及び組合の歴史についての学習会を3時間ほど行いました。
　小中学生のころに行った事があると言う人も多い広島ですが、大人になって行ってみるとまた違った感じ方をするのでおすすめです。
　平和学習＆全国レクは昨年の沖縄からのとりくみです。いつかは海外にも行って学びたいものです。

(6)

全気象
全気象青年女性部では第30回全気象青年女性交流集会ならびに第25回全気象女性集会を5月27日～29日に北海道で行いました。
　27日午後、前日から同じ北海道で行われていた国公労連女性交流集会の参加者も合流し、全国各地から32名の仲間が集まりました。
　青年の部と女性の部にわかれた学習会を行い、青年の部においては、全印総連の日下努さん(元全労連青年部長)を講師にむかえ講演をいただき、女性の部においては、フリートークを中心に日ごろ職場で抱えている悩みや問題を話しあいました。
　28日はラフティングと温泉めぐりのレクレーションを行いました。ラフティングとは、尻別川を7人乗りのゴムボートで下るもので、5～6人に分かれてガイドと一緒にボートに乗り込み、川下りを楽しみました。
　29日はソーセージづくりとシルバーアクセサリーづくりに分かれ、北の手作り体験をしました。
　3日間、北の大地に全国から集まった青年・女性同士、学習会とレクレーションをとおして、交流を深めました。

(7)

全港建
　2006年2月11～13日に、新潟県湯沢高原スキー場で青年部交流集会「ＪＵＭＰＵＰ」を開催しました。全国から114名の仲間が集まり、大いに交流を深めるとともに、今後のいきいきとした青年部活動につなげていくことを確認しました。
　組織強化・拡大では、各地本青年部が中心となり、5～7月の期間で新入組合員歓迎ボウリングが行われ、職場内での仲間同士のつながりを強めることができました。
　また、各地本青年部独自でも、スキーツアーや野球大会、サマーキャンプなど様々なとりくみが行われており、「青年の元気さ」をアピールしています。また、青年部でも非常　勤職員の組織化を念頭においたとりくみも強めることとします。

(8)

全厚生
　全厚生青年対策部は、青年のエネルギーを最大限に引き出し成長を援助することをめざして、①人間らしさを奪う政治と社会のひどい実態を変える活動、②あたたかい人間関係をつくりだす連帯と共同の仲間づくりの活動、の2点を重視して1年間活動してきました。
　昨年夏から、青年対策部独自の機関紙「あおぞら」の月1回定期発行に努めています。また支部見学を行うなど、支部との交流を深めています。3月には「3．10青年・女性・パート中央行動」にあわせて全国青年部長会議を開催し、平和学習と活動交流を行いました。
　この1年の活動を通して、連帯と共同の仲間づくりの活動では前進していますが、具体的に社会を変える活動には踏み出していない現状です。今後、要求実現にこだわって活動していく必要があります。あわせて、生き生きとした活動を保障するために、学習活動も強化していきます。
　今後の予定として、今年10月6～8日に「憲法と平和」をテーマに全厚生青年交流集会を開催します。4月に実行委員会を立ち上げ、靖国神社の遊就館や東京大空襲・戦災資料センターを見学するなど、平和学習を深めています。また青年部がない、または休眠中の支部で、再建に向けた努力をする方向で議論を進めています。

(9)

全通信

[1]

全通信本部における活動
　全通信では、青年層が減少し続ける中で今年度から青年部組織を凍結し、青年対策部による直接指導体制をとり、公務産別や地域の青年との共同行動等を積極的に取り組み、他の組織の青年との交流を深めることを確認してきました。
　本部青年対策部では、国公青年協の各種行動等について各支部青年対策部へ指示するとともに、春闘及び夏季闘争方針（案）に対する各支部青年の意見の取りまとめなど、国公青年協との窓口対応を行い、青年の国公産別運動等への参加を支援してきました。

[2]

在京における活動
　在京においては組織拡大を含めた青年対策強化のため、本部と東京地区協議会（本省、研究機構、関東の3支部で構成）による青年対策委員会を設置し、在京における青年対策や各種取り組みの具体化などを論議してきました。
　青年対策委員会では在京青年の親睦と相互交流を図るため、12月7日に「ちゃんこＰａｒｔｙ」を開催し20名の青年がちゃんこ鍋をつつきながら普段顔をあわせることのない仲間と大いに盛り上がりました。
　また6月30日には、新入組合員の歓迎と係員研修生の送別などを目的に「青年ボウリング大会」を開催し、青年19名を含む25名の参加で親睦と交流を深め合いました。

[3]

各支部における活動
　各支部では、本部青年対策部の指示を受け国公青年協の各種行動等を取り組むとともに以下のとおり支部独自、県・ブロック国公と宇野港同等を取り組みました。

	i)	北海道支部　北海道支部では、昨年の10月と今年の5月に青年が主体となって「新入組合員歓迎会」を開催し、青年・若年女性、中堅組合員を含め延べ26名が参加しました。
	ii）	信越支部　信越支部では、県国公や公務労組連などが主催する各種学習会、レクリェーションなど8つの行動に延べ16名が参加し公務産別や地域の青年との共同行動を積極的に進めてきました。
	iii）	東海支部　東海支部では、係員研修（06年8月～07年7月・東京）の壮行会を開催し、本省実務研修における超勤をはじめとする労働条件問題などについて意見交換を行ないました。
	iv）	中国支部　中国支部では、青年対策部等との意見交換会や県労連等が主催する学習会、レクリェーションなど4つの行動に延べ14名が参加してきました。

(10)

全医労
　各組織で学習と交流を行う青年集会やイベントが開催されました。北海道と東北地方協は共催で開催し51名が参加しました。東海北陸地方協は4年ぶりの青年集会を成功させました。関東信越、近畿、中国、四国、九州でも青年集会や交流会が開催され、スポーツ・レク・学習、青年の交流を楽しみました。また、冬には、各地でスキー・スノーボードツアーを開催するなど、年間を通してさまざまな企画が実施されました。
　また、勤労者通信大学「憲法特別コース」を青年執行委員が受講しています。中国地方協では、学習協から講師を招き一泊二日の青年部憲法講座を開催し、21名の青年が集まり、憲法・平和について学びました。
　11月の全医労全国青年集会の開催に向け、取り組みを進めています。

4）　各県・ブロックの取り組み

(1)

宮城県
　1月11日に仙台市の141ギャラリーホールで宮城県国公旗開きに役員5名で参加し、他単組との今年一年のたたかう決意を確認しました。
　3月8日には仙台市の人事院会議室において人事院東北事務局との交渉を実施し、青年協から議長が参加し、国公労連統一要求書をメインに青年における生活実態について発言をしました。また、同日に仙台市の第二合同庁舎8階会議室において県国公常幹会議が開催され、春闘での活動報告及び今後の活動について協議しました。
　6月16日には親県国公と共同により仙台プレイボウルでボウリングレクを行い、各単組から多くの青年が集まり、大いに盛り上がりました。ボウリングの後は居酒屋に移動して表彰式と懇親会を行い、単組の枠を越え楽しく交流することができました。
　7月19日には宮城県国公で人事院地方事務局交渉において青年協から事務局長が出席して、国公青年の労働条件改善署名関係で賃金＆定員削減をメインに発言しました。

2　憲法改悪を阻止し、平和と民主主義を守る取り組み

1)　憲法を守る取り組み
	勤労者通信大学「憲法特別コース」は国公労連で1000名を超えて受講しており、国公青年も多数受講しています。
2)　2005日本平和大会 in 神奈川の取り組み
	11月24～27日の4日間、神奈川県各地を会場として「2005日本平和大会in神奈川」が開催されました。大会には全国各地から100名を超えるの青年が駆けつけ、「青年分科会」「青年の交流会」などが開催されました。　平和と民主主義を守るとりくみに、国公青年労働者も引き続き結集していくとともに、全ての青年とより強い共闘・共同関係を作ることが、厳しい青年を巡る情勢において必要となっています。
3)　ビキニデーの取り組み
	2月28日には「ビキニデー集会」が開催され多数の青年が参加しました。日本母親大会が開催されるきっかけともなったビキニ環礁での核実験による第五福竜丸被爆事故から52年経過しており、この事故を風化させないためにも、青年が中心となって取り組みを続けていくことが求められています。
4)　被爆61年原水爆禁止国民平和大行進
	今年は被爆61年の年です。今年も5月6日、東京都夢の島を皮切りにスタートし、全国各地で取り組まれています。国公青年も第五福竜丸展示館前にて行われた出発集会、行進に結集しました。

3　他団体との共同
　国公労連青年協は、全労連青年部や中央青学連、労組青年部懇談会など、幅広い青年との共同行動を追求してきました。また、一致する青年の要求を幅広い運動へ発展させるべく奮闘してきました。今後もさらなる共同を広めて青年の厳しい現状を打開するためにも手を取り合って運動を進めていくことが重要です。

1)　労組青年部懇談会
	3月11日（土）に2006青年春闘集会「メディアを疑え！」を開催し、国公労連青年協からは18名が参加しました。第1部には立教大学から講師を招き、戦後60年以後メディアが抱えている問題を主とした記念講演や記念講演を受けてグループトークを行い学習を深め、第2部の交流会では様々な団体と交流を深めました。
2)　就職連絡会（高校生・大学生、青年に雇用と働くルールを求める連絡会）
	これまで取り組んできた就職連絡会が提起していた署名を全体で11,790筆集約し、3・10全労連統一行動で国会議員に提出しました。
3)　「若者に仕事を」「人間らしく働きたい」全国青年大集会2005実行委員会
	11月13日渋谷・恵比寿公園で、青年の主課題である若年雇用の改善・働くルールを求めて全国青年大集会が開催され、全国各地からさまざまな立場の青年1250名が駆けつけました。集会では、各地の先進的な取り組みが紹介されました。集会終了後にはアピールウォークも行われ、道行く青年に「青年は物ではない」「サービス残業の撤廃」などのシュプレヒコー　ルを都心へ轟かせました。　また、集会に向けての分科会では、さまざまな実態交流が行われ、松原副議長が分科会のシンポジストとして参加し、国公労働者の働き甲斐や公務の実態を訴えました。

青年をめぐる情勢（案）

I　政治情勢

　発足後5年が経とうとしている小泉政権は、これまで「小さな政府」を掲げ公務員削減、社会保障制度改悪、増税等、労働者・国民犠牲の政治を進めてきました。2001年4月の政権発足以降も国の累積債務は増大する一方で、国の借入金は、2001年度には607兆円でしたが、2005年度には887兆円と、小泉内閣の下で急増しました。これは、「世界一の借金王」と言われた小渕元首相時代をも大幅に上回るもので、小泉内閣は日本の財政をいっそう深刻なものにしています。政府は、歳出と歳入の見直しで2010年代初頭までに「プライマリーバランス（基礎的財政収支）」を黒字化するとしています。しかし、その内容は、歳入の見直しでは定率減税の廃止や消費税率の引き上げ、医療制度等社会保障制度「改革」等による国民負担の増加、歳出では公務員の総人件費削減が主なものとなっています。

II　私たち公務員をとりまく情勢

　マスコミ等も、こうした政府の意を受けて、公務員人件費が累積債務増大の一端を担っているかのように描いています。しかし、ここ20年間を見ると、国家公務員の総人件費は定員削減や給与抑制でほとんど増加していないのに対し、国の累積債務は急増していることからもわかるように、累積債務の増大と公務員の総人件費には関連性はありません。政・官（キャリア官僚）・財が作り出した国の財政構造の歪みに国民の目が向かないよう、マスコミをも総動員して攻撃の矛先を一般公務員に向け（公務員バッシング）、それを国民への大幅な負担増の突破口にするという国民分断が今日の政治的手法となっています。
　05人事院勧告は一時金の改善はあったものの月額給与一律0．3％の削減、配偶者扶養手当の削減がありました。また、大幅な給与構造の見直しもあり、今後長く働く青年には非常に厳しい結果となりました。そのような中、指定職給与だけは改善されており、キャリア優遇の人事院勧告制度が浮き彫りになっています。
　2006年5月に成立した行政改革推進法により公務員人件費はＧＤＰ比で半減していくことが決定しました。今後の日本のＧＤＰそのものが減少していく予測の中、公務員賃金は半分以上削減されることになります。また政府は、国家公務員純減を5．7％とする全体計画を6月末に閣議決定しています。これに伴い、農林水産省の農林統計、食糧管理、国土交通省の北海道開発の3分野の職員計約2900人は、他省庁へ配置転換が不可欠となりました。また社会保険庁改革においては組織改廃に伴う分限免職が現実的な課題となっています。
　その他、7月より勤務時間（拘束時間）が延長され、特に子育てを行う職員には大きな問題となっています。また、東京23区内の宿舎移転も決まっており、防災官庁の初期体制への影響や、依然として減らない超過勤務と通勤時間延長が重なりさまざまな問題を引き起こすことが懸念されます。
依然として厳しい状況ではありますが、国民本位の公共サービスを行っていくためにも今後ともさまざまなたたかいにとりくむ必要があります。

III　青年の雇用情勢

1　雇用情勢
　青年を取り巻く情勢は完全失業率（総務省『労働力調査』、平成18年5月分）は4.0％（267万人）となっており、少しずつではありますが回復傾向にあります。しかし、青年層にいたっては15歳～24歳では8.2％（53万人）、25歳～34歳では5.2％（78万人）と依然として高い失業率を維持しています。また、フリーターは417万人、ニートは84.7万人（「平成15年度版国民生活白書」「若年無業者に関する調査（中間報告）」）と増加の一途をたどっています。
　さらには有効求人倍率が増え、就職難が改善されていると言われている反面で今春卒業の高校生の約1割が就職未定で、都市部と地方での格差は広がり、男女間格差が大きくなっています。求人の中身を見ても広がる広域求人、派遣・請負の求人が急増しており、将来にわたって人生が見通せない状況になっています。
　派遣・請負の求人の急増の影響もあって従来の雇用形態であった正規雇用から非正規雇用へと雇用形態の変化に拍車をかけており、青年の48.1％が非正規雇用となっています。その非正規雇用の実態は賃金に限っても非正規雇用の実態は年収100万円未満が57%、100万円超200万円未満が29%で平均106万円となっています。正社員の平均年収387万円で、生涯賃金では2億1500万円対5200万円と格差が大きくなっています（ＵＦＪ研）。
　この問題は国会でも論点となっており、小泉首相は「先進国と比べて日本では（格差は）決して広がっていない」などと答弁していますが、厚生労働省が毎年作成する「労働経済の分析」（労働経済白書）の平成18年版骨子で「20代の所得格差が拡大し、固定化が懸念される」と指摘しており、30～40代の正社員でも、成果主義賃金の導入で格差が広がっているとしています。ジニ係数も80年代から上昇傾向にあり、厚生労働省の所得再分配調査（2002年）で所得のばらつきが最大となっています。
また、「いつ解雇されるかわからない」「低賃金」「一方的な賃下げ」や深夜まで及ぶ長時間労働やそれに伴うサービス残業など過酷な労働条件に置かれており、行く末には心身を壊してしまう青年が多くなっています。
　そういった厳しい状況の中、2005年11月13日に行われた「全国青年大集会」や京都の円山青年一揆など青年の分野で、全労連、地方労連、単産青年部と非正規の青年労働者との共同が進み始めています。そして、非正規雇用に関しては「アルバイトだから」「自分のせい」とあきらめていたがそこへ労働組合などからの働きかけが届き、労働組合に加入し、労働条件改善のたたかいを展開してきています。その結果、春闘での時間給引き上げや未払い残業代を支払わせるなどの成果を勝ち取っています。また、青年の賃金の基礎となる最低賃金ではこの間、青年自身が最低賃金引き上げの取り組みを行い、全国で1円～5円の引き上げを勝ち取るなど、前進、改善へ向けて兆しが見えてきています。やはり、「知ること」「想像すること」「多くの仲間と手をとりあうこと」が今後の青年の情勢を大きく変えていくために重要な要素になっていきます。

2　最低賃金の動き
　昨年は、3県で5円引き上げ、13都府県で4円引き上げ、16道県で3円引き上げ、14県で2円引き上げ、1県で1円の引き上げという47都道府県で改善が行われました。要求と照らし合わせれば極めて不満の残る内容であるものの、47都道府県で改善が行われたという大きな前進でした。
　本年度については、7月26日に中央最低賃金審議会の最賃改定目安答申を出す予定になっています。企業は、ここ3年毎期ごとに史上最高の利益をあげている中、労働者の生活改善が置き去りにされており、昨年に引き続き引き上げの答申を出させることが重要です。これまで地域から積み上げてきた運動を確信に、最低限の底上げを強く求めていく必要があります。

IV　憲法改悪、平和と民主主義をめぐる情勢

1　在日米軍基地を巡って
　5月2日、日米両国は、在日米軍再編にかかわる最終報告に合意しましたが、内容は、日本国内での基地のたらい回しにすぎず、また、グアムへの基地移設費用の総額約1兆2千億円の内、日本政府が59%（約7千億円）を負担するものでした。国の主権者である国民に何ら説明もせず、米軍との一体的な軍事行動を可能にすることを目的としていることも、大きな問題です。
　しかし、関係する自治体からは、地元協議もないままに政府間合意が行われたことや、在日米軍の実態などへの批判が強まっており、投票した住民の9割が基地強化に反対した山口県岩国市の住民投票などにもそのことは表れています。
　
2　憲法、平和と民主主義をまもるとりくみ
　06通常国会には、労働運動などの民主的な運動の弾圧法制となりかねない「共謀罪」の創設を内容とする刑法等の「改正」法案が提出されました。また、国会では、「9条改憲」をはじめとする憲法改悪のための「国民投票法案」の審議入りしており、「戦争をする国」への転換をめざす改憲策動とも一体で、戦後民主主義を支えてきた法制度の改悪が進行し、国民の基本的人権を制約・抑圧する法制度の「整備」が重要な段階を迎えている。
　また、「内心の自由」や「教育の内容」への国家の不当な介入を可能にする教育基本法「改正」法案も国会に提出されています。
　戦争する国を目的としたこれらの策動は、秋の臨時国会まで先延ばしとなりましたが、憲法9条をはじめとする改悪を許さないためにも、職場から地域から運動の強化が求められています。

国公青年協2006年度運動方針（案）

I　運動の基本

憲法改悪を阻止するため、職場・地域と深いつながりを持ったとりくみを
初任給・諸手当引き上げ、宿舎入居基準の見直しや超勤規制など働き方に関わる要求実現を。
新採抑制や採用の高学歴化もあって職場に青年が少なくなる中で産別規模での交流と運動が重要になっていることから、多くの青年との交流を図って組織の強化拡大を。
青年のニーズにあった学習を充実させ、組織の強化を。

II　課題別の運動方針

1　憲法改悪を阻止し、平和と民主主義を守るたたかい
　自民党は、05年11月「新憲法草案」を決定し、アメリカの先制攻撃戦争に参戦するため、「自衛軍の保持」の明記や「国際協調」を口実にした海外での武力行使を可能にする9条改憲の方針を明確にしました。06年5月26日、自・公与党は、憲法改悪のための国民投票制度と国会法の一部改定を含む「改憲手続き法案」を国会に提出しました。民主党も同日、国会に「対案」法案を提出しました。
　法案提出は、憲法施行以来、初めてのことであり、公務員・教育者の「地位利用による国民投票運動」を罰則つきで禁止することも明記され、「戦争する国」への条件づくりをするためのものです。
通常国会での成立は阻止しましたが、継続審議となっており、引き続き廃案にむけた強固な運動が必要となります。よって下記の運動にとりくみます。

	(1)	単組本部青年組織・在京職場は、全労連・中央青学連などが取り組む各種行動に積極的に取り組みます。県・ブロック県国公青年組織は、全労連地方組織（県労連や県評など）青年組織に積極的に結集します。
	(2)	「日本平和大会」「ビキニデー」「国民平和大行進」「原水爆禁止世界大会」に積極的に参加するほか、各種平和を守る行動に積極的に参加します。
	(3)	勤通大「憲法特別コース」の受講など憲法学習を強化し、9条をはじめとする「憲法改悪反対」諸行動や取り組みに積極的に参加します。

2　国公青年の働くルールの確立
　業務量は増加し、高度化している状況で、5年で5.7％以上の純減や先日の第164通常国会で行革推進法が制定され、新規採用の抑制、定員削減に拍車がかかり、さらに職場の青年が少なくなり青年への負担が増大することが懸念されます。
　現在でも、国民のための行政を行うために過大な業務を背負い込み、からだや心を壊す青年が増え、メンタル疾患が長期休暇の要因の1位になるまでになっています。これ以上の負担増加、からだや心を壊す青年を出さないために、そして、国民が求めている行政サービスを行うためにも働くルールを確立する運動の強化が必要です。よって、下記の行動にとりくみます。

	(1)	国公青年の労働条件改善の実現に向け、秋・春・夏の各闘争期で中央行動を展開し、交渉を配置するとともに、全国からの参加者を追求します。また、中央行動では参加者の理解が得られやすいように、重点要求事項を示しながら行動を展開します。
	(2)	急増しているメンタル疾患や過労死を出さないために、長時間過密労働の大幅削減にむけ月に1回は定時退庁闘争日を設けるなどのたたかいを展開します。また、国家公務員の純減について、策定の撤回をもとめます。
	(3)	生理休暇や産前産後休暇、育児休業が取得しやすい職場の醸成のため、制度面からのバックアップ体制を求めます。育児休業の関わっては、男女とも取得しやすい雰囲気作りにむけた内外の意識改革を推進するとともに、女性協とも共同した次世代育成へのフォローアップにとりくみます。 (4)　国家公務員の総人件費削減、公共サービス商品化等の学習を深め、国民サービスの充実にむけたとりくみに結集します。

3　最低賃金の底上げ
　わたしたち青年の賃金は依然として厳しい実態があります。中でも初任給については民間調査の結果約2万円低く抑えられています。初任給を改善できれば俸給表全体の改善になります。では初任給改善のために必要な運動は何でしょうか。初任給を上げるには職場の中で劣悪な労働条件に置かれている労働者（非常勤職員など）の賃金改善が必要です。中央最低賃金審議会で最賃改定目安答申が出され、それを基準に地方最低賃金審議会で審議し、各都道府県の労働局長が決定する「地域別最低賃金」が非常勤職員の賃金基準になっていることから、「地域別最低賃金」の改善が必要です。以上のことから、働く労働者すべての生活水準向上を図ることが、自分たちの賃上げ要求にもつながります。今後とも全労連が提起する最低賃金引き上げのとりくみに関して最大限結集し、多くの仲間と共にさまざまな要求実現に向けがんばっていきましょう。

4　組織拡大・強化
　各組織で組織拡大・強化の対策に全力をあげているものの、組織縮小傾向に歯止めがかからず、青年部の新たな担い手どころか、労働組合に結集する青年が少なくなっています。しかし、こうした組織率の低下、青年の組合への未結集という厳しい状況に相反して、労働組合に、その影響力が今ほど求められたことはないといっても過言ではありません。
　組織の拡大・強化、そして青年がいきいきと運動を展開することが要求前進には欠かせません。よって、下記の行動にとりくみます。

	(1)	すべての青年組織が組織拡大・強化に取り組みます。
	(2)	非常勤職員など国公職場に働く非正規労働者の組織化に青年が先頭に立って奮闘します。
	(3)	すべての県・ブロック国公に青年組織の確立、青年運動の活性化をめざし、「モデル県国公」を選定するなどして足がかりを作ります。なお、県・ブロック国公に青年組織がない場合、活動が停止している場合は、当面の間、基本組織が国公青年協との窓口になるなど連携して、県・ブロック国公の青年をまとめます。
	(4)	青年組織がないまたは活動が停止している県・ブロック国公を中心にオルグを展開していきます。各県・ブロック国公青年組織は、大会や学習会、レクレーションなどを企画し、国公青年協常任委員会にオルグ派遣要請を行います。
	(5)	各県・ブロック国公で新規採用者歓迎レク企画を実施します。国公青年協は、東京国公との共催で新歓レクなどの開催をめざします。
	(6)	07年6月に静岡県（掛川市）で開催が予定されている国公青年交流集会の早期具体化及び宣伝に力をいれ、非常勤職員などを含めた国公職場に働くすべての青年労働者を対象に目標としている青年500名の参加者を組織し、成功に向けた取り組みを行います。
	(7)	機関紙「青年協NEWS」の内容を充実させ、定期発行を行います。
	(8)	ホームページの内容を充実させ、定期更新を行います。
	(9)	各季中央行動時に学習会を開催します。

5　青年・学生など他団体との共同
　小泉構造改革のしわ寄せが青年に集中する中で、青年を取り巻く状況は日に日に厳しくなっています。この現状を打開するためには広範な仲間とのたたかいを広げていくことが求められています。よって下記の行動にとりくみます。

	(1)	全労連青年部の運動に結集します。
	(2)	中央青学連の運動に結集します。
	(3)	労組青年部懇談会に引き続き参加し、多方面に渡る産別青年組織と積極的に交流・共同します。
	(4)	深刻さの増す雇用情勢を改善するため、「高校・大学生、青年に雇用と働くルールを求める連絡会（就職連絡会）」の提起する行動に参加し、若者の雇用創出・非正規労働者の労働条件改善などの実現を目指します。
	(5)	公務単産青年組織と協力し、一致する要求で共闘する。必要に応じて共同行動の実現を追求します。
	(6)	県・ブロック国公青年組織においても、県労連青年部に結集し、幅広い青年・学生組織と一致する要求課題で積極的な共同行動を取り組みます。