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国公労連速報 2011年5月26日《No.2553》
公務員制度改革関連法案の要綱を提示
――6月3日の閣議決定・法案提出をめざして労働組合等と協議
     
 

 

 全労連公務員制度改革闘争本部は5月20日、政府の国家公務員制度改革推進本部事務局と交渉し、今通常国会に提出を予定している公務員制度改革関連法案にかかわる現在の検討状況について質しました。
 推進本部の藤巻事務局長は、関連法案の要綱を提示しつつ、今後、各省との協議に入り、6月3日の閣議決定をめざしていることを明らかにしました。これをうけ、闘争本部として、昨年末からの自律的労使関係制度等をめぐる交渉・協議をふまえつつ、法案提出までの引き続く交渉対応を求めました。

 人事行政の公正を確保する観点から法案要綱で補強

 推進事務局との交渉には、闘争本部からは、小田川本部長を先頭に、黒田事務局長、猿橋(自治労連書記長)、今谷(全教書記長)、岡部(国公労連書記長)の各闘争委員が参加し、推進事務局側は、藤巻事務局長、村山参事官ほかが対応しました。
 はじめに、藤巻事務局長は、「本日、民主党の公務員PTと関係部門会議の合同会議で法案要綱を説明した。本日から各省調整に入り、6月3日の閣議決定をめざしたい」とのべつつ、法案要綱の内容を以下の通り補足しました。

  • (国家公務員法等一部改正法案関係) 「人事行政の公正の確保」が重要との指摘をいただいてきたが、人事公正委員会の設置など「全体像」でお示しした内容に加え、人事行政の原則として「職員に関する人事行政は、国民全体の奉仕者としての職員の職務遂行が確保されるよう、公正に行われなければならないものとする」旨を新たに明記した上で、採用試験・選考・幹部人事一元管理(適格性審査)など、みなさんから重ねてご指摘のあった点について検討し、公正確保の観点から必要な措置を盛り込んだ。
  • (給与法等の法律事項と政令事項の振り分け) 前回の交渉でみなさんから「自律的労使関係制度へ魂を入れるかどうか」に直結するという指摘をいただいてきたところだ。ご指摘を受けとめつつ、給与法における法律定めの範囲は現段階では維持した上で、国家公務員法等一部改正法案の附則に検討規定を置き、政府の姿勢を明確化した。
  • (国家公務員労働関係法案関係) 国家公務員の争議権については、「全体像」でお示しした方向性をふまえ、国家公務員労働関係法案の附則に検討規定を置き、政府の姿勢を明確化した。
  • (法案施行スケジュール) 基本的な施行時期は、公布後1年6か月を超えない範囲内において政令で定める日としており、具体的には2012年7月または10月を想定しており、給与等に関する本格的な中央交渉は、13年度から開始することを想定している。また、各府省における団体協約の締結に関しては、基本的な施行日から2年を超えない範囲内において政令で定める日としており、具体的には14年4月を想定している。

 交渉当事者が議論を尽くす仕組みを実効的に確保せよ

 これに対して、小田川本部長は、以下の点について指摘し、推進本部事務局としての対応を求めました。

  • 法案決定に向けた最終段階に来ていることは承知した。説明いただいた法案要綱の内容も検討したうえ、後日、意見や要求をとりまとめて申し上げるので、法案決定までの交渉の積み上げを求めたい。
  • 「全体像」決定段階で、全労連としては「法案策定段階での協議は、合意をめざす構えでの対応を」と求め、実務者レベルでの協議も積み重ねてきた。しかし、いま説明いただいた内容は、「全体像」の枠を出ておらず、例えば政令の改廃をともなう労働協約についての事前の内閣承認の問題など、核心部分では受け入れられていないと考える。
  • 交渉当事者が結論にむけて論議を尽くすという仕組みの実効性がなければ、争議権制約のもとでの協約締結権は絵に描いた餅になりかねない。現在、政府からは国家公務員の給与1割カットが提案されているが、そうした観点からの問題意識を抱いている。現実に起きている事態として、問題指摘をしておきたい。
  • 現行の人事院勧告制度を前提とした法令の仕分けでスタートという提案には不満を覚える。人事院勧告制度は、中央人事行政機関の労働条件決定への関与が極めて大きく、中央統制型であった。その仕組みを引きうつすことになれば、中央交渉重視、統制重視の仕組みにならざるを得ない。例えば、勤務時間法は最低限の基準を示して各省の労使交渉に委ねる範囲が大きくなるべきだ。給与は全体的な統一性に力点が置かれるとしても、勤務時間法は運用主体である各府省での決定の範囲が多いという整理になれば、法の施行時期について、中央交渉と府省交渉に差をつけることにも問題が生ずる。
  • 労使関係整備に伴う関係法の整理についても多くの意見を持っていることは、今日の段階でも強調しておきたい。いずれにしても、限られた時間であっても合意をめざした交渉対応を強く求めたい。

 藤巻事務局長は、「持続可能な制度を作り上げていきたいという認識を強く持っている。そのためにも、今いただいたご意見もふくめて、みなさんとは引き続き対応していきたいので、ご協力をよろしくお願いする」と回答しました。
 全労連闘争本部としては、政府が法案の提出をめざしている6月初旬にむけて、引き続く問題点の指摘と、法案内容の補強・修正を求めていくこととします。

以上
 
 
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