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国公労新聞2011年12月10・25日 2011春闘職場討議資料 (第1361号)
     
 

 

 

◆賃上げ、社会保障野拡充で、内需中心の経済、震災復興を

 2012春闘では、くらしと景気回復のための賃金改善、東日本大震災の復旧・復興や原発事故の早期収束、労働者派遣法の抜本改正など安定した雇用の実現等が重要な課題となります。同時に、地域社会の存続や住民の権利を損なう国の出先機関廃止や公務員の賃下げに反対するたたかいも重要です。また、大企業減税の一方で、消費税増税や社会保障の改悪、食の安全や農業、医療等の国民生活を破壊するTPP参加などに多くの国民の怒りが広がっています。力を合わせれば流れを変えられる情勢に確信を持って春闘のとりくみに結集することが必要です。

◇賃上げで不況打開

 12春闘の情勢の特徴の一つは、労働者の生活実態からも、景気回復の点からも大幅な賃金改善が求められていることです。
 国税庁の民間給与実態調査では、2010年に1年間継続して働いた民間労働者の平均年収は約412万円と対前年比で6・1万円増加しました。しかし、ピーク時の97年比では53万円も減っています。総務省の「家計調査」でも家計収入と消費支出ともに減少傾向が続いており、地域経済が疲弊する主要因となっています。
 地域経済をいっそう冷え込ませ、デフレ不況をより深刻にする公務員の賃下げは許されません。官民労働者の共同のたたかいで跳ね返すことが重要です。
 同時に、国税庁の民間給与実態調査の改善部分は最低賃金のアップも一因であり、賃金底上げと最低賃金改善のたたかいが重要です。

◇国民との矛盾激化

 二つは、大企業減税の一方での庶民増税、消費税増税のもとで社会保障を改悪する「社会保障と税の一体改革」など、悪政と国民との矛盾が激化していることです。
 東日本大震災からの復旧・復興においては、被災者の生活と生業の再生への支援を政府の最優先課題とさせる必要があります。
 また、原発事故対応では、徹底した除染とともに、東電や原発利益共同体による全面賠償を求めることが重要です。休止中の原発の再稼働を許さず、原発ゼロをめざすとりくみも重要です。
 食の安全や農業、医療を破壊するTPP参加には、JAや日本医師会、町村長会などが反対しています。
 巨額の内部留保を溜め込んでいる大企業と「構造改革」推進政治を包囲する国民的な運動に発展させることが求められています。

◇出先機関の重要局面

 三つは、「地域主権改革」による出先機関廃止が重要な局面を迎えるもとでのたたかいとなることです。
 「アクション・プラン出先機関の原則廃止」の実行スケジュールは遅れていますが、政府は広域的実施体制や人員移管の枠組み、移譲対象事務や権限の整理を行い、3月の閣議決定、5月の法案提出にむけた動きを強めています。
 一方、市町村長などから出先機関廃止反対の声が上がっています。宮城県南三陸町の佐藤仁町長は、被災後の東北地方整備局の対応をふまえ、民主党地域主権調査会(12/6)で、国の出先機関の必要性を訴えています。住民の権利や安全に責任を負う立場からの発言であり、出先機関の役割を首長や地方議会議員などに訴え理解を広げることで阻止することは可能です。

◇憲法めぐる局面

 四つは、沖縄への新基地押しつけや国会議員定数削減、憲法改悪の動きが強まるもとでのたたかいであることです。
 沖縄県民の総意は普天間基地の県外、国外移設であり、日米同盟強化によるごり押しは絶対に許されません。
 国の歳出削減も口実にした国会議員の比例定数削減は、消費税増税反対などの民意を国会から排除し、憲法改悪をも画策するものであり、阻止しなければなりません。
 民主党が国民の期待を完全に裏切るもと、すべての組合員が春闘のとりくみに結集するならば情勢を攻勢的に切りひらくことができる春闘です。

 
 

 

◆国の出先機関廃止許さず


◇3月地方議会を焦点に
 宣伝・懇談等で理解・共感広げる


【地域から廃止反対を】
 国の出先機関の廃止・移譲問題に関わっては、多くの市町村長や地方議会が政府・与党に対して「出先機関は必要。廃止反対」を表明しています。
 私たちの行政が地域で果たしている役割の重要性や、これまでの運動の到達点に確信を持ち、2012年春闘においても「総対話MAP運動」をさらに発展させることが求められます。
 出先機関が所在する地方議会に対して3月議会での出先機関の存続・拡充の意見書採択を求めます。首長や議員などとの懇談などにとりくみます。
 TPP参加反対などの国民的課題とも結合し、出先機関や独立行政法人の存続拡充を求める宣伝行動を実施します。また、行政相談活動や市民対話集会なども地域での共同を追求してとりくみます。
 出先機関の存続・拡充を求めるブロック国公ごとの国会請願署名にとりくみ、広範な個人や団体に広げます。地元国会議員に対して請願署名の紹介議員を要請するなど、地域からの運動を強めます。
 5月の中央行動で国会議員要請を実施し、請願署名を提出します。
 関西広域連合や九州地方知事会の動きを注視し、近畿と九州のブロック国公を中心に出先機関の拡充を求める世論を構築するためのとりくみを強めます。具体化されるとりくみは国公労連全体のたたかいとして、全国的な支援も強めます。

【独法存続・拡充を】
 独立行政法人に関わっては、制度と組織の抜本見直しにかかる法案の閣議決定と来年通常国会への提出が狙われています。
 法案提出、国会審議の状況を見ながら、衆参の内閣委員への要請を強めます。
 独法の役割などを世論に訴える新聞投書行動やツイッター等を活用した情報発信にとりくみます。
 国公労連として政府交渉などを強めるとともに、独法改革シンポジウムを4月頃に、第30回国立試験研究機関交流集会を6月に開催します。


◇社保庁不当解雇撤回せよ
 公共サービス従事者への公契約の適正化を


【不当解雇撤回へ】
 全厚生組合員39人の分限免職取消を求める人事院公平審理は年度内にも判定が行われる見込みです。裁判は2010年7月の京都15人につづき、2011年12月15日には北海道2人、大阪、香川の各1人が提訴しました。
 出先機関廃止での分限免職の先例とさせないためにも不当解雇は撤回させなければなりません。
 人事院や厚労省への毎月の要求行動を強めるとともに、人事院総裁あての署名のとりくみを強めます。
 3月15日には全国の年金機構(ブロック)本部などで諸要求実現を求める早朝要求行動を展開します。
 また、地方での「安心年金つくろう会」の結成を追求します。

【公契約適正化を】
 公共サービス従事者の適正な雇用・労働条件の確保に向け、野田市や川崎市につづき地方自治体での公契約条例制定の動きが進んでいます。厚生労働省も公契約の研究を進めていますが、東日本大震災の災害廃棄物処理では環境省が、労働者・下請事業者への適切な賃金・報酬を確保する旨の通知をだしました。
 今春闘では全労連や各県労連がとりくむ公契約条例制定と最低賃金の改善を求める自治体キャラバンなどの行動に結集します。また、公契約運動の学習会などに参加します。

 
 

 

◆財界の横暴にストップを

◇地域総行動へ結集を
 集会、共同行動、宣伝に参加【地域闘争】


 2012年春闘は、「雇用と仕事の確保、賃上げ、社会保障拡充で内需中心の経済、震災復興を」をスローガンにたたかわれます。
 連年の賃金引き下げよって公務も民間の労働者でも家計は悲鳴を上げ、地域経済の疲弊は深刻です。2月中下旬に県労連や地域労連がとりくむ宣伝行動や労組・団体要請などの地域総行動には、公務員賃下げ反対や出先機関廃止反対などの課題を掲げて結集し奮闘します。
 また、全労連公務部会が作成する宣伝ビラを活用し、すべての県国公での宣伝行動を3月に実施します。
 大幅賃上げや国民的要求課題の前進をめざして配置される2月10日と3月8日の中央行動に結集して奮闘します。また、地域で開催される住民とも共同した決起集会などにも積極的に結集します。
 3月中旬の「『99%』のための安心社会めざす総行動」に結集し、「目に見え音が聞こえる春闘」を地域で展開します。
 労働者派遣法「改定」案の骨抜きを許さず、抜本的な改正をめざして県労連などに結集して奮闘します。
 正規・非正規を問わず、すべての労働者の賃上げと雇用の安定、解雇規制の実現を求め、毎月第3金曜日のディーセント・ワークの宣伝と署名などのとりくみに参加します。

◇公務員賃金引下げ許さず
 労働基本権の回復 法案抜本改正を【産別課題】


【賃下げ反対で国会行動、共同の推進】
 「賃下げ法案」は、1月に開かれる通常国会冒頭での処理も想定されます。審議が強行される場合は引き続き廃案をめざして国会座り込み行動を実施するとともに、国会議員要請を強めます。また、地域での宣伝行動や地元国会議員事務所への要請を継続してとりくみます。
 公務員賃金の引き下げを阻止するためには、国民の理解と支持が不可欠です。自治労連や全教などとも共同で、地域や商店街などに対して経済や税収へのマイナス影響、賃上げで内需拡大、景気回復などを訴えるとりくみを強化します。

【要求書を提出し統一行動成功を】
 第一波全国統一行動週間の2月13日の週にすべての組織が職場集会を実施し、春闘でのたたかいを意思統一します。同時に、賃下げ反対、初任給の底上げ、長時間過密労働の解消、非常勤職員の労働条件改善などの要求を前進させるため、各級機関ですべての任命権者・所属長に対して要求書を提出します。団体協約締結権も念頭に置いて、誠意ある回答とともに、3月13日までに任命権者から上申を行うよう当局追及を強化します。
 国公労連は3月15日を「第二波全国統一行動日」として公務単産での「地域合同集会」を開催し、政府等への決議を送付します。

【公務員制度関連法案抜本修正を】
 「自律的労使関係制度」確立にむけた国家公務員制度改革関連4法案は、通常国会での審議入りが想定されますが権利回復を押し止めようとする逆流も強まっています。
 法案は、労働組合の認証制度や、管理運営事項による交渉制限、交渉不調の場合の解決方法、争議権の先送りなど、労働者の基本的人権を保障する点から重大な問題を多く含んでいます。
 国会段階での抜本的な法案修正を求め、国会議員要請などにとりくみます。


◇労働組合の風を吹かせよう
 すべての未加入者に組合加入の訴えを【組織拡大】


【たたかう国公産別の必要性をアピール】
 公務員賃金引き下げなどの攻撃に対抗するためにも労働者の団結と組織の強化・拡大が不可欠です。団体協約締結権回復をめざし、要求を前進させるためにも、労働者の権利学習を職場で強化します。
 賃下げや出先機関廃止に反対する「たたかう国公産別組織」の必要性を内外にアピールし、組織の強化・拡大に結びつけます。

【「お手紙作戦」等で未加入者に働きかけ】
 春の「組織拡大強化月間」を4〜5月に設定し、職場に働くすべての仲間に組合加入や活動参加を呼びかける「お手紙作戦」を展開します。各級機関で創意工夫するとともに、組織拡大パンフ「ジョイナス」や国公共済会も活用して、未加入者に働きかけます。

【国公青年、女性の交流集会成功を】
 国公青年協が6月に新潟県越後湯沢で開催する国公青年交流集会の成功をめざします。また、5月に四国で開催する第42回国公女性交流集会の成功をめざします。

【学習で「知を力に」組織の強化を】
 県国公での新規採用者歓迎会や青年交流会の開催をめざします。
 国公産別労働組合の運動と組織を強化するため勤労者通信大学「労働組合コース」受講を積極的にすすめます。また、国公労連第26回労働学校を5〜6月に全国8ブロックで開催するとともに、国公労働運動の歴史を学ぶ講座を開講します。


◇TPP反対、震災復興、
普天間基地撤去せよ【国民課題】


【「構造改革」と対決】
 財界・大企業の横暴とそれを後押しする民主党政権の暴走にストップをかけることも春闘の課題です。
 野田政権は、財界・大企業、そしてアメリカ言いなりにTPP交渉への参加を表明しましたが、や医師会をはじめ広範な国民の反撃が始まっています。地域でとりくまれるTPP参加反対の集会や宣伝など国民共同のたたかいに積極的に参加します。「TPPへの参加中止を求める請願署名」にとりくみます。
 また、「社会保障と税の一体改革」による国民生活破壊と消費税大増税の中止を求める「社会保障の充実を求める請願署名」にとりくみ、社会保障・年金制度改悪、医療崩壊に反対する地域での共同を広げるため県労連に結集します。

【被災者本位の復興を】
 東日本大震災からの一日も早い復旧・復興は国民多数の願いです。全労連や県労連などに結集して、大企業優先ではなく、被災者・被災地中心の復興を求めます。
 原発ゼロの早期決断を政府に迫り、原発被害の完全補償を求める「原発ゼロ署名運動」にとりくみます。また、原発問題も含め復興にむけた国公労連の「提言と政策」を補強・具体化し、政府への要請と運動を強めます。全労連の「原発政策提言案」の職場学習をすすめます。

【平和と民主主義守れ】
 沖縄・普天間基地の辺野古への移設や馬毛島への米軍訓練の移転、在日米軍基地の再編強化に反対する運動に結集します。
 消費税増税やTPP参加に反対する国民の声を圧殺する国会議員定数削減を阻止するためのとりくみを強めます。憲法署名や毎月の「9の日」宣伝を継続し、県国公OBも含む「国公9条の会」の結成をめざします。
 3・1ビキニデー、5・3憲法集会、国民平和大行進、原水爆禁止世界大会の成功など、平和と民主主義を守る運動に積極的に参加します。

 
 

 

◆2012年 国公労連統一要求案


 国公労連「2012年要求アンケート」結果は、現状維持(ベア要求しない)が25.1%と昨年比で3.9ポイント増以外は昨年とほぼ同様の傾向となっています(図表1)。
 要求額の考え方は、@賃下げ法案は継続審議となっており、法案に反対するとともに春闘のベア要求を行う。仮に賃下げ法案が成立した場合には、賃下げ法案による給与削減を回復した上でベアを要求する、A「3分の2ライン」を重視すれば要求額は6、000円となるが、「現状維持」の回答増は、「これ以上の削減はやめろ」との声の表れであり、受け止める必要があること、B連年の賃下げのもとで昨年の要求額「月額10,000円」を下回る要求を行うことは、社会的影響も大きく、組合員の納得を得ることは困難であること、C春闘の基本方針である「すべての労働者の賃金引き上げと雇用の安定で内需拡大、地域経済の再生をめざす国民春闘の構築に向け、国公産別労働組合としての責務を果たす」立場から、全労連・国民春闘共闘の「誰でも月額1万円以上」の提起をふまえること、から要求額は昨年同額の月額10、000円を提案します。  配分では、民間との較差が顕著な初任給について具体的な改善要求を行います。
 非常勤職員については、月額16万円以上への引き上げと行(一)1級5号俸を基礎とすること、夏季休暇の制度化等を要求します。

 
 

 

2012年国公労連統一要求(案)抜粋・要約

1 国民本位の行財政・司法の確立と要員確保等について

(1)「地域主権改革」による事務・権限の移譲や国の地方出先機関の廃止は行わないこと。
(2)公務員の総人件費削減は行わないこと。
(3)総定員法を廃止するとともに、定員合理化計画の策定などを行わないこと。

2 民主的公務員制度と労働基本権の確立について

(1) 公正・中立・民主的な公務員制度の確立に向けて、国民的な議論を保障するとともに、関係労働組合や専門家の意見をふまえた慎重な検討を行うこと。
(2) 憲法28条の原則に立った基本的人権として、ILO勧告など国際基準にそった労働基本権の全面的な回復を実現すること。
(3) 公務員の政治的行為の制限を撤廃し、市民的権利を十全に保障すること。

3 賃金・昇格等の改善について

(1) 労働基本権制約の代償措置としての人事院勧告を踏みにじる「給与臨時特例法案」を撤回すること。
(2) 民間初任給との格差を是正するため、行政職(一)高卒V種初任給(1級5号俸)を160,000円、大卒U種初任給(1級25号俸)を196,000円に引き上げること。
(3) 国家公務員の賃金を月額平均10,000円(行政職(一))引き上げること。

4 労働時間短縮、休暇制度など働くルールの確立について

(1)勤務時間管理を徹底し、超過勤務の大幅な縮減と不払い残業を根絶すること。
(2)評価制度について、制度改善をはかること。
(3)公務員宿舎の大幅削減、宿舎使用料の値上げを行わないこと。宿舎の削減及び宿舎使用料値上げを行う場合はそれに見合った対策を行うこと。

5 非常勤職員の処遇改善について

(1)非常勤職員制度を抜本的に見直し、雇用の安定、均等待遇などをはかる法制度を整備すること。
(2)臨時・非常勤職員の時給を100円以上引き上げること。
(3)臨時・非常勤職員をはじめ、公務職場で働く労働者の最低賃金を「時給1,000円」「日額7,500円」「月額160,000円」以上に引き上げること。
(4)非常勤職員に対し、夏季休暇を制度化すること。また、採用時から年次有給休暇を取得できるようにすること。

6 男女平等・共同参画について

(1)雇用の全ステージにおける男女差別を禁止すること。
(2)女性の採用を拡大するとともに、数値目標を設定して大幅な登用をはかること。

7 健康・安全確保、母性保護等について

(1)職員の健康・安全を確保すること。
(2)一般健康診断・特別健康診断を充実させること。

8 独立行政法人の制度等について

(1)自主性・自律性が発揮できる独立行政法人制度の運用を保障すること。
(2)独立行政法人の事務・事業については、国の責任で財源措置をはじめとして存続・拡充を前提とすること。

 

 

◆2012国民春闘の主な行動展開

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