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国公労連速報 2010年7月2日《No.2376》
 くらしを支える行政サービスはどうなる?
 青森県労連公契約運動学習会に結集
     
 

 

 【青森県国公発】
 青森県労連は6月24日、県労連会館で「公契約運動学習会」を開催しました。
 この学習会は、全労連が10春闘を『公契約運動』の1年目と位置づけ、各産別・地方労連に中長期的な取り組みを呼びかけていることを受けて開催したものです。青森県労連では今年4月に「公契約運動対策会議」を発足させ、自治体アンケートをとおして、地域の労働者の労働条件への影響という観点から県内の公契約の実態を把握する一方で、組合員自ら公契約運動への問題意識を深める必要があるとして、今回の学習会を提起しました。

 平日の夕方、それぞれ多忙な仕事の合間をぬって、国や自治体の公務労働者をはじめ、受託業務にかかる労働者を擁する建交労や、非常勤の労働者を組織するひだまりユニオンなど、各産別から総勢十数名が参加しました。県国公からも6名が参加するとともに、国土交通職場の組合員が講師となって公共事業の基礎知識について講義しました。

ダンピングが横行、労働者にしわ寄せ

 まず、自治労連青森県本部の高橋保文さんが講師となって、全労連作成の「公契約適正化運動推進パンフ」をテキストに、公契約運動の考え方と、私たちが求める公契約制度について、学習の方向づけを提起しました。
 高橋さんは、「国・自治体が発注する公共工事、委託等の事業において、民間業者の契約にもまして低い価格の契約がまかり通っている」と指摘。とりわけ、こうした事業に携わる労働者の賃金にそのしわ寄せが来ている」として、公契約の低価格競争がワーキングプア増加の要因をつくりだし、地域の労働条件を悪化させる温床となっていることを明らかにしました。
 また、こうした低価格化が、委託業者・委託業務の質の低下を招いている実例として、2006年に埼玉県ふじみの市で起きたプールでの死亡事故を挙げました。これは、流水プールの吸水口の防護柵が外れ、小学2年生の女児が吸い込まれて死亡したもので、プールの管理業務を委託されていた業者は、市との契約に違反し、監視員業務と設備管理をすべて別会社に丸投げしていました。「安かろう悪かろう」を地で行くこの事故が示しているのは、公契約の低価格化が、サービスの低下を招くだけでなく、確実に市民の安全を脅かすということです。
 また、高橋さんは、こうした中で県労連がとりくむ県内自治体への公契約アンケートについて解説し、自治体で働く非常勤職員の現況と労働条件の把握と合わせて、公契約にかかわる労働者の労働条件に、地方自治体がどれだけ意識を持っているかを調べるとの趣旨を説明しました。

青森県国公が講師 専門用語わかりやすく解説

 つづいて、青森県国公から、全建労青森支部の藤本宏司さんが講師となり、公共工事の入札や審査の手順、受託の要件等について、主に難解な用語を解説する形で講義しました。
 今回の自治体アンケートは、公共工事の発注に当たって、単に公共工事の品質だけではなく、労働条件や福利厚生といった労働者の安全にどれだけの注意が払われているかにページを割いています。藤本さんは「建退共」(建設業退職金共済)や「施工体制台帳」「監理技術者」といった一般にあまりなじみのない専門用語について解説。国の公共事業の発注に際しては、退職金制度の加入状況や工事の管理状況について業者に細かく報告を求めるしくみがあり、このことによって工事の質を確保していると説明しました。他方、地方自治体においても、業者を厳しく監視する枠組みが必要と指摘しました。
 質疑では、参加した民間労働者から、低価格を競う競争入札にも一定の歯止めが必要との意見が出されました。発言の中では、「低価格にも一定の基準を設けないと、利益が上がらないことを承知で、あえて他社より安い価格で落札する業者が出てくる。受託の実績を作るためだ。こうした低価格化のあおりを労働者がかぶり、低賃金が蔓延することは問題だ」などの生々しい指摘もありました。
 閉会にあたっては、青森県労連の有馬事務局長が今後の県労連のとりくみについて説明し、「『公契約運動対策会議』での討議に基づいて自治体アンケートを作成・配布し、この夏に集約する。アンケートの結果にもとづいて地域の労働者の現状を把握し、この秋を目途に自治体キャラバンを提起して労働者の声を地方自治体に向けて発していくので、皆さんのご協力をお願いしたい」と結びました。
 公契約運動においては、委託事業の現場で働く民間労働者の労働条件の底上げが重要なのはもちろん、国や地方自治体が公共サービスに対して果たすべき責任を明確にして、追及を強めていく必要があります。官民一体となった県労連のとりくみに、国公労働者も積極的に参加していくべきことを、改めて認識した学習会でした。あわせて、この学習会のために大車輪の奮闘をした全建労の藤本組合員の奮闘を特筆して、報告とします。

(青森県国家公務員労働組合共闘会議事務局長 伊藤嘉明)

以上

 
 
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