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談話
 行政現場の実態を無視した新規採用抑制方針は認められない(談話)
     
 

 

2010年5月13日
日本国家公務員労働組合連合会
書記長 岡部勘市

 政府・総務省は、国家公務員の新規採用抑制方針の閣議決定に向けて各省との調整を進めている。これは、原口総務相が4月27日の閣僚懇談会で各大臣に協力を要請したことを受け、(1)地方出先機関は2割以内、(2)本府省の企画立案部門は8割以内、(3)専門職種は5割以内、(4)再任用・任期付き任用は抑制しないなどの区分を設け、全体として来年度の新規採用を2009年度比で「半減」させるというものである。

 国公労連は、積年の定員削減と行政ニーズの高まりのもとで極限状態となっている行政現場の実態を無視し、「天下りを禁止し定年まで働ける環境づくり」と「公務員総人件費の2割削減」という公約を実現するため、強引に採用抑制を押しつけようとする政府の姿勢に満身の怒りを込めて抗議する。

 政府は、「地域主権改革」で国の出先機関の地方移管・廃止を念頭に置いていると伝えられているが、その具体的な内容も枠組みも何ら定まっていない段階で、乱暴に専ら出先機関の職場に犠牲を強いることは到底容認できない。
これが強行されるなら、業務遂行に重大な支障と年齢構成・行政体制にゆがみを生じさせ、待ち時間の増大をはじめ良質な行政サービスの提供がいっそう困難なものとなり、国民・利用者の利便性の後退と国の責任放棄につながるといわざるを得ない。

 鳩山政権の「天下り」禁止公約は、政官財癒着の温床を断ち切るために根絶を求めてきた国公労連の主張と合致しているが、そもそも「天下り」退職勧奨を前提とした人事管理や定員削減を一律機械的、恒常的に行ってきたことに根本的な問題がある。
 「天下り」をなくせば一定期間は退職者数が減少するのは当然のことで、組織の活性化・次世代育成の観点などから、定員・機構上特別の措置を講ずることが必要である。定年まで働き続けられる環境整備によって、永年の行政経験で培った知識・技能を「全体の奉仕者」として最後まで発揮し得ることとなり、退職金の「二重取り」や「無駄な補助金」の解消も含め、行政にかかるトータルコストは減少するはずである。

 また、厳しい雇用情勢が続くもとで2010年3月卒業者の就職率は、大学卒で80.0%(前年比△6.3%2月1日現在)、高卒で81.1%(前年比△6.4%1月末現在)で、沖縄52.3%、北海道60.0%などは飛び抜けて低い状況となっている。
 こうした国全体で雇用の確保・拡大を図ることが求められている中、地方出先機関での厳しい採用抑制は、志望者の期待と地方での就職をさらに困難なものとし、多くの若者の将来不安を増大させることになる。

 今、政府に求められるのは、安全で安心して暮らせる社会を実現するために、雇用の確保や社会保障の拡充によるセーフティーネットの整備などナショナルミニマムを保障することである。
 国公労連は、広範な国民との対話を通じて理解と共感を広げ、国民本位の行財政司法の確立をめざして、いっそう運動を強化するものである。

以上



 
 
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