国公労連
国民のための行政・司法へ ストップ!憲法改悪 サイトマップ 更新履歴 個人保護法に関する宣言 リンク
Action 私たちのとりくみ Journal 定期刊行物 Archives 資料 Mail News
トップページ >国公労新聞> 1303号
 
  Journal 定期刊行物
国公労新聞 2009年5月10日号 第1303号
 
 

 

◆前代未聞の政治勧告 夏季一時金0.2月凍結

◇ルール無視の人事院勧告
 一時金の一部凍結は断じて容認できない


◎中闘声明

 人事院は本日、国会と内閣に対し、国家公務員の6月期特別給(一般職員の場合は期末0・15月・勤勉手当0・05月)を暫定的に凍結する特例措置とともに、指定職の特別給に勤務実績を反映するための新たな措置などに関する勧告を行った。
 国公労連は、夏季一時金削減問題が表面化して以降、人事院に対して(1)一時金決定に関する従来のルールを一方的に無視するもの、(2)職員の生活や期待権を侵害するもの、(3)民間春闘や最賃決定への悪影響で景気対策に逆行するもの、とその問題点を指摘し、特別調査の中止とそれに基づく夏季一時金削減の検討撤回を強く求めてきた。職場からは、人事院地方事務局要求行動や交渉、緊急打電やジャンボはがき、上申行動等がとりくまれるなど、怒りの声が寄せられた。
 本日の勧告は、こうしたわれわれの主張や要求を無視し、政治的な圧力に屈して人事院自らが勧告制度を形骸化する暴挙と言わざるを得ず、改めて満身の怒りをこめて抗議する。

 公務員の特別給の支給月数の決定については、前年8月からその年の7月までの1年間に支給された民間特別給水準を精確に把握・比較し、官民の年間の支給水準の均衡を図るというルールが確立されている。
 人事院は、「その考え方について変更を加えるものではない」としながら、「過去20年以上にわたって見られなかったような急速かつ急激な一時金減少という異例の事態が生じている」ことを理由に、(1)民間の状況を可能な限り反映することが望ましく、(2)12月の特別給で一括精算すると大きな減額となる可能性がある、ことなどから6月期の支給月数の一部を凍結することが適当であると強弁している。

 しかし、その背景には、与党プロジェクトチームによる公務員の6月期一時金削減の議員立法の動きがあったことは明らかである。今回の勧告は、この政治的な動きに迎合し、その実質的内容を先取りするものである。さらに、指定職に対する期末特別手当の勤務実績を反映させることも、政府からの要請に基づいているものであり、労働基本権制約の代償機関、中立・公正な第三者機関という立場を自ら投げ捨てる政治的勧告と言わざるを得ない。

 政府は、従来どおり「人事院勧告制度の維持・尊重」の立場を強調し、通常の手順で淡々と関係法改正などの手続きを行うだろうが、国公労連は、今回の勧告は棚上げにし、精確な調査にもとづく夏の勧告を踏まえて、最終的な決着をめざすべきであると考える。

 今回の勧告に対しては、地方公務大産別はもちろんのこと、地方労連や国民春闘共闘に結集する民間労組が人事院への要請を行うなど、怒りの声は公務職場にとどまらない。  国公労連は、職場・地域で奮闘した組合員はもとより、共同・連帯してたたかった民間の仲間とともに、引き続き「貧困と格差」の解消、最賃引き上げなど、全労働者の賃金底上げに向けた運動に全力で奮闘するものである。

2009年5月1日 国公労連中央闘争委員会

 
 

 

◆勧告に基づく改定はするな
 国公労連 政府・総務省に申し入れ


 国公労連は5月1日、夏季一時金一部凍結の人事院勧告を踏まえた政府・総務省交渉を実施し、今回の人事院勧告に基づく給与法改定は行わないよう強く求めました。交渉は、宮垣忠委員長以下四役で行い、総務省側は村木人事・恩給局長らが対応しました。
 宮垣委員長は「政府として、勧告どおりの取り扱い決定と法案化をしないこと求める」と主張。
その理由について岡部勘市書記長は、「(1)一時金決定に関する従来のルールを一方的に無視するもの、(2)職員の生活や期待権を侵害するもの、(3)民間春闘や最低賃金の決定に悪影響を及ぼし、景気対策に逆行するものであることから、人事院に対して、調査と特別勧告の中止を求めてきた。しかし、人事院はそれを無視して勧告したもので、到底認めることができない。人事院はあくまで自主的判断によるものと強弁したが、その背景には与党プロジェクトチームによる議員立法の動きなどがあることは明らかであり、政治的圧力に迎合し、その内容を先取りするもの。それだけに、政府としても勧告尊重という従来の基本スタンスだけではその役割を果たすことにはならないと考える」と述べました。
 村木局長は、「政府として人勧制度尊重の基本姿勢を堅持することは、今回も変わることはない。この基本姿勢の下、国民の理解を得られる結論を得るべく国政全般との関連も考慮しつつ誠意をもって検討したい。勧告は中立・独立性のある第三者機関が出したものと受け止め検討していく」などと述べました。

 
 

 

◆一時金に関する特例措置の概要

◇5.1勧告


本年の賃金情勢と夏季一時金に関する特別調査の実施

 ○ 民間企業の春季賃金改定において夏季一時金が大幅に減少していることがうかがえる状況にかんがみ、本年の夏季一時金の決定状況を把握するため、約2,700社を対象に特別調査を実施(4月7日〜24日)

 ○ 調査完了率75.6%。夏季一時金決定済企業340社(企業割合:13.5%、従業員割合:19.7%)  (1)現時点では、全体の約8割の従業員の夏季一時金が未定
 (2)決定済企業における夏季一時金の対前年増減率は、△ 14.9% となっているが、製造業では△22.0%であるのに対し、非製造業では△6.0%と産業別に大きなばらつき
 (3)決定済企業の従業員割合も産業別にばらつきがあり、決定済企業における対前年増減率が△ 14.9%となったのは、決定済企業における製造業の従業員の割合が5割を超えていることが強く反映。調査対象全企業従業員ベースで見た対前年増減率は△13.2%

特例措置の実施

 ○ 民間と公務の特別給に大きな乖離があることは適当でなく、可能な限り民間の状況を反映することが望ましいこと、12月期の特別給で1年分を精算すると大きな減額となることを考えると、本年6月期の特別給の支給月数について何らかの調整的措置を講ずることが適当。現時点において夏季一時金の全体状況を精確に把握できないことから、暫定的な措置として支給月数の一部を凍結することが適当

 ○ 特例措置による凍結月数分は、6月期の特別給の支給月数(2.15月)に調査対象全企業従業員ベースで見た減少率(△13.2%)を乗じて得た月数を0.05月単位で切り捨てた0.25月分相当とすることが考えられるが、民間約8割の従業員の夏季一時金が未定であること、産業別の改定状況に大きなばらつきがあること、暫定的な措置であることを考慮すると、特別給の改定幅の最小単位0.05月分を差し引き0.20月分とすることが適当。その期末手当と勤勉手当への配分は、6月期の特別給の構成比に従って実施

 ○ 特例措置による凍結月数分の期末・勤勉手当の取扱いについては、例年どおり民間の特別給の支給状況を調査し、本年夏には必要な措置を国会及び内閣に勧告

 
 

 

◆「高齢期の雇用問題」研究会がヒアリング


 人事院は、2013年から段階的に年金支給が65歳へ繰り下げられることを見据え、雇用と年金の接続などに関する「公務員の高齢期の雇用問題に関する研究会」を設置し、本年夏に報告書をとりまとめるべく、議論を進めています。
 研究会は、議論を進めるにあたり、昨年5月8日に労働組合からの意見聴取を行い、08年7月24日に中間とりまとめを公表していますが、最終とりまとめに向けた国公労連に対するヒアリングを4月23日に行いました。
 ヒアリングで国公労連の秋山正臣書記次長は、定年を65歳に延長するべきであると述べ、あらかじめ研究会から意見を求められた論点に対し、基本的な考え方を表明しました。論点は、65歳への定年延長を行うにあたっての諸課題として、高齢層の従事すべき職務や昇進管理、給与水準、加齢に伴い就労が厳しくなる職種に従事する職員の処遇などとともに、最終報告に向けた要望事項などでした。
 これらに対し国公労連は、定年延長を基本とする以上、同一職務で働き続けられるようにすることが基本であり、加齢に伴い就労が厳しくなるような職務を除き、65歳定年を念頭に置いた昇進管理などを行うべきであると述べました。また、定員管理が障害になっていることなどを述べ、国民の信頼回復につながるような制度設計を求めました。
 なお、ヒアリングの詳細については、「国公労調査時報」8月号に掲載予定です。

 
 

 

◆展望鏡


 日本国憲法が変えられることなく、みずみずしい生命力をもって62周年を迎えたことを憲法擁護義務を負う国公労働者として心から歓迎し、誇りにしたい▼日本国憲法は、国民ではなしに国をしばる立憲主義がつらぬかれている。憲法にしたがって国は、国民に対する約束をはたさなければならない▼憲法13条は、「すべての国民は個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」と定めている▼食うに困ったら人間は生きられない。生きられない状態で幸福を追求する権利は生まれない。だから、25条で生存権を、27条で働く権利を保障し、人間らしく働くための最低条件を労働基準法で定めている。そしてその労働条件を引き上げていくために、労働者には団結する権利、団体行動をする権利、団体交渉で使用者と労働協約を締結する権利があると28条で労働基本権を保障している▼世界の中でもすすんでいる日本国憲法を行政やくらしに活かせば貧困をなくすことができる。憲法を活かす政治にかえよう。(T生)

 
 

 

◆読者の声 私のひと言


◇昼休み60分に(全運輸のなかまから)
 4月1日から昼休みが60分になりゆっくり休めるようになりました。健康あっての仕事なので、今後も労働条件が悪化することのないよう微力ながら活動に参加したいものです。

◇多忙な毎日(全労働のなかまから)
 30年働いてこんな多忙な毎日の中で働くのは初めて。朝から夕方までランチも10分で切り上げて良く体が持つものと自分でも不思議である。この現場を国会議員さんにも見せたい。

 
 

 

◆国公労連役員の横顔

◇抜群の行動力
 上川 明保 中執(全気象出身)北海道国公事務局長


 上川さんと初めて会ったのは、彼此(かれこれ)20年位前になります。私が、東京の職場で、全気象本部の中執(非専従)をしており、彼が全気象北海道地方本部の専従書記長だった頃です。そのときの私の印象は「図体もでかいが態度もでかい。でもやることはやる」でした。
 上川さんは専従終了・職場復帰後も、その抜群の行動力で、転勤する先々で組合の役員をしていました。彼の人柄からか他の単組の人とすぐ仲良くなり、国公単組の弱点である横のつながりの場を増やしてきました。しかしその一方で、その行動力が理解されず身内の一部の人から「暴走」と誤解されることもありました。4年前に久しぶりに同じ職場になり、その4年間には、分会長、はたまた北海道地本委員長を務めていただきました。
 今回、国公の専従として働くわけですが、これまでの経験を生かし活躍して下さることを願います。
(全気象北海道地本稚内分会)

 
 
 
ページの先頭へ