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国公労新聞 2009年3月10日号 第1299号
 
 

 

◆賃上げで内需拡大
 非正規職員に均等待遇を

◇09春闘 3・5中央行動

 春闘の集中回答日を前にした3月5日、全労連、国民春闘共闘、公務労組連絡会などによる「なくせ貧困!生活危機突破」をかかげた「09春闘勝利3・5中央行動」が実施され、のべ3,000人(国公労連450人)の労働者が決起しました。自交総連は400台のタクシーデモを都内で実施しました。昼休みの厚労省・人事院前行動には1,500人が参加。タレントの清水国明さんが激励しました。全労連公務部会や民間の仲間は決起集会を開き、集会後、都内をデモ行進しました。また、独立行政法人労組は、春闘決起集会を実施しました。

 
 

 

◆4月施行にあくまで固執
 新人事評価制度で総務省局長交渉

 国公労連は2月27日、4月から施行する新人事評価制度の政令・府令等の決定を目前に、総務省の人事・恩給局長と最終段階の交渉を実施。宮垣忠委員長が総務省としての最終的見解を求めたのに対し、村木裕隆人事・恩給局長は以下のように回答しました。

【評価結果の開示】

 評価結果の開示は、基本法でも全体評語を含むものでなければならないと規定。実際の運用については、各府省で規定される。適切な開示範囲等が定められるよう指導していきたい。

【苦情処理】

 各府省において苦情相談・苦情処理の仕組みについての実施規程を定めるさい職員団体と意見交換することが有意義と考える。苦情処理における窓口等の事情聴取の同席者についていえば、本人が希望し、窓口が事実の確認のために必要があると判断するという場合であれば職員団体も含まれると考えている。

【延期要望に対して】

 数次の試行により、経験を重ねるにつれて職員の理解に深まりが見られる。制度導入後も、職員団体と十分に意見交換しつつ、見直し等が必要な場合には、必要な対応をしていく。
 人事評価については、任用や給与などの基礎となり、人材育成等の観点からも重要。改正国公法に基づき制度をこの4月から導入したいのでご理解を願いたい。
 この回答を受けて、宮垣委員長は、現段階でも、評価制度には公平・客観性、信頼性に不安が多く、労使間の合意が得られていない。今、この時期に給与への活用が前提となる制度の本格実施は、職場に混乱をまねく。評価結果の全面開示と苦情処理制度への労働組合の参加・関与については、なお見解に大きな隔たりがある。開示範囲の拡大について各府省を指導するよう改めて求めたいと主張しました。そして、制度の完成度を高めるために今後とも協議を続けることを確認し、交渉を締めくくりました。

 
 

 

◆宿泊労連 ― 金沢支部を結成
 石川県国公に加盟

 KKR金沢で働く労働者は2月24日、国家公務員共済連合会宿泊施設労働組合(宿泊労組)金沢支部を結成しました。組合員は40人で宿泊労組として全国5つ目の組合です。金沢支部は、石川県国公への加盟も決定しました。
 組合結成を契機に、パワハラ等の問題を解決するため団体交渉などを通じて、よりよい職場を築いていくなど要求前進をめざして活動することを決めました。金沢支部は、翌日、総支配人に組合結成を通告し、団体交渉を申入れました。

 
 

 

◆「地方分権」「構造改革」を問う
 各ブロックで市民対話集会

 各ブロックで地方分権・道州制、「構造改革」路線を問う市民対話集会がとりくまれています。
 2月22日、国公近畿ブロックは自治労連や全教と「くらしと道州制・地方分権を考える」対話集会(写真下)を開催し、120人が参加。関東ブロック国公は、東京地評などと2月28日にシンポジウム「広がる貧困と格差 問われる行政の役割」(写真上)を開催し、71人が参加しました。

 
 

 

◆展望鏡

オバマ大統領と会談した麻生首相をアメリカの新聞ワシントン・ポストは「就任して半年もたっていないのに、すでに戦後最悪のへま続きの不人気の指導者だといいつづけられている」と書いた▼アメリカからも相手にされない麻生内閣は、麻生語で言えば「未曾有(みぞゆう)」の事態に陥っている。東京では、「麻生内閣冬景色」という「津軽海峡冬景色」の替え歌が静かなブームだ▼♪アメリカ発の金融危機が、起きた時から、政権維持はやぶの中、期待された経済対策何もできずに、支持率だけが落ちていく、私は辞めぬ、替われる人いない、まんがオタク、漢字読めぬ、何が悪いか、ああ〜麻生内閣冬景色♪▼♪ごらんあれも二世議員、出来が悪いと、多くの人が指をさす、思いつきで補正予算出してみたけど、身内にけちをつけられ、解散しない、私はつづけたい、公明までが政権ゆする、辞めろばかりと、ああ〜麻生内閣冬景色♪▼♪さよならしない、私はつづけたい、やっとなった首相だもの、辞めてたまるか、ああ〜麻生内閣冬景色♪▼早く選挙をやれ、経済対策、暮らしの問題を何とかしろ、これが国民の声だ。(T生)

 
 

 

◆ゆがめられる公務員制度

◇公務員制度改革の『工程表』って何なの? 問題点は?

 国公労連などの反対にもかかわらず、政府の国家公務員制度改革推進本部は2月3日、国家公務員制度改革基本法に基づく作業の流れを示す「工程表」を決定しました。そして、人事の一元管理を行う「内閣人事・行政管理局」を設置する国家公務員法などの「改正」法案を国会に提出するための作業を進めています。
 公務員制度改革は、憲法にも関わる問題であると同時に、「構造改革」の総仕上げに向けた「この国のかたち」改革であり、まさに国民を統治する機構を転換する重大な局面を迎えています。

◎「工程表」って何?

 「工程表」とは、公務員制度改革を完成させるために、何をいつまでに実現するのかを明らかにした「改革の全体像」です。具体的には図表の通り2012年に完成させるとしています。

◎「内閣人事・行政管理局」をなぜ設置するの?

 「内閣人事・行政管理局」は、人事院の級別定数や任用等の企画部門、総務省行政管理局の定員管理部門、財務省主計局の総人件費の各省配分方針など、人事と組織の管理機能権限を一手に握ることになります。この絶大な権限で、公務員の管理統制を強めることが狙いです。同時に、幹部職員等の人事の一元管理によって、時の政権の要請に従順な公務員づくりを狙っています。

◎公務員の中立・公正性は確保されるの?

 政府から独立した第三者機関である人事院の機能を「内閣人事・行政管理局」に移管することは、第三者機関としてのチェック機能が失われることになり、公務員の中立・公正性を損なうことは明らかです。
 内閣総理大臣及び内閣官房長官は、幹部職員の任免について各省庁大臣に協議を求めることができるとしており、気に入らない幹部職員を排除することができます。時の政権の顔色を伺う幹部職員が増え、憲法第15条で謳う「全体の奉仕者」が名ばかりになってしまいます。
 国家戦略スタッフおよび政務スタッフは、民間からも登用できる政治任用とされています。民間登用の拡大は、行政の中立・公正性を脅かし、安定性・継続性が求められる公共サービスの後退が危惧されます。

◎労働基本権はどうなっているの?

 労働基本権問題は、労使関係制度検討委員会に委ねられ、2012年に「協約締結権を付与する職員の範囲の拡大等に関する具体的制度」を施行するとしています。
 その一方で、人事院から労働基本権制約の「代償措置」機能を移管させて、使用者権限を持つ「内閣人事・行政管理局」は2010年4月に設置するとしています。従って、労働協約権が付与されるまでの2年間、公務員労働者は無権利状態に置かれることになり、重大な権利侵害が発生します。
 さらに、当事者である国公労連との十分な協議は行われていません。ILO(国際労働機関)からの再三にわたる是正勧告を真摯に受けとめ、労働基本権の具体化を早期に行うべきです。

◎「天下り」はなくなるの?

 国家公務員制度改革推進本部は、2007年の改正国家公務員法による再就職のあっせん禁止を厳正に施行することで「天下り」を根絶できるとしています。今まで各省庁の行ってきたあっせんは、「官民人材交流センター」が一元的に行うとしています。
 しかし、「官民人材交流センター」は企業や団体のニーズにあった人材を紹介することを業務としており、ニーズには企業の営利目的のための利害関係も含まれます。これまで各省庁が利害関係で行ってきたあっせんを、制度化された「官民人材交流センター」が一元的に行うことで、「天下り」を自由化、合法化するものと言えます。

◎「キャリア制度」は、どうなるの?

 いわゆる「キャリアシステム」を廃止するため、「多様で優秀な人材の確保と能力・実績に応じた人事の徹底」として、新たな採用試験制度の実施や幹部候補育成課程を設けるなどとしています。しかし、幹部候補育成課程は「キャリアシステム」同様の新たな特権「幹部候補」を制度化することにほかなりません。

◎当該労働組合との協議は、国民的な論議は?

 公務員制度改革は、単なる人事管理の手法の見直しではないはずです。公務員および行政の本質とも関わる基本的な制度であるだけに、すべての検討段階において当事者である国公労連をはじめ、国民的な議論が尽くされるべきです。しかし「工程表」が示す改革の過程に労働組合、国民の意見が反映できるしくみはありません。

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◇地方分権改革・道州制導入と「共通の目的」

◎財界戦略とうり二つ

 公務員制度改革には、地方分権改革・道州制導入の動きと共通の構図が見てとれます。公務員の不祥事や行政の批判を強めながら、バラ色の未来を託しうる「改革」と描き出すものの、その内実は、財界の要求実現のための「この国のかたち」改革であり、財界戦略の引き写しである点が特徴です。
 公務員制度改革の議論は、かつては公務員制度調査会を中心に専門的に進められてきました。そこでは、民主的公務員制度の根幹である、能力の実証に基づく任用(メリット・システム)や職業公務員の政治的中立(全体の奉仕者)等の原則を厳格に維持することを前提としていました(99年3月16日付「公務員制度改革の基本方向に関する答申」)。
 しかし、日本経団連『さらなる行政改革の推進にむけて−国家公務員制度改革を中心に−』(05年4月19日)、経済同友会『中央省庁の再設計』(07年4月9日)などの財界の提言が相次いで打ち出され、財界主導による議論展開となっています。
 その結果、国家公務員制度改革基本法では、<1>「国家戦略スタッフ等」の導入、<2>幹部職員の一括採用・一括配置等の一元管理化、<3>局長以上の政治任用の導入、<4>公務員の労働基本権を付与し、身分保障を撤廃など、財界戦略とうり二つの中身となってしまったのです。しかも、「霞ヶ関解体」等のスローガンに代表されるように、閉塞した政治・経済の原因のすべてを「公務員制度」に求める議論となっています。

◎多国籍大企業のための「改革」

 地方分権改革・道州制の導入も同じように、日本経団連の『道州制の導入に向けた第1次提言−究極の構造改革を目指して−』(07年3月28日)や『道州制の導入に向けた第2次提言』(08年11月18日)等の財界提言を忠実に実現する方向で進められています。現代社会の諸矛盾の原因のすべてを中央政府とキャリア官僚等に求め、これらの解体・再編を通じて、新しい「国のかたち」をつくるとしている点も大きな特徴です。
 結局、公務員制度改革も地方分権改革等も、その究極の眼目は「多国籍企業に選んでもらえる国づくり、地域づくり」という、財界のかねてからの主張の具体化にほかならないのです。

◇私たちにどんな影響があるの?

◎「構造改革」の担い手に

 新自由主義にもとづく「構造改革」は市場原理の徹底が基本であり、規制緩和とともに、「小さな政府」づくりで行政機能の縮小と変質が進められてきました。しかし、行政や法律は憲法にもとづくものであり、公務員の身分保障や政治的中立性によって公正・公平な行政運営が担保されています。だからこそ、「構造改革」の推進を求める財界などは、この公務員のあり様を制度的に「改革」しようとしているのです。「内閣人事・行政管理局」に公務員人事管理の要となる権限を集中させようとするのは、道州制導入のスケジュール等もにらみながら、新自由主義的「改革」の条件を整え、推進しようとする意図があるからです。
 また、「工程表」には、再任用に関わる定数・定員管理のあり方、給与制度等の改変に関わって政府の意図による人事院勧告の要請、新たな人事評価制度の導入と運用状況の評価等も盛り込まれています。政府による勤務条件の一方的な決定が今以上に横行することが懸念されます。

◎中立・公平性が後退

 国民は行政に対して、中立・公正な業務執行と同時に、安定・継続した行政サービスを求めています。「工程表」による「改革」では、全体の奉仕者としての基本は形骸化され、行政の中立・公正性と行政サービスの安定性・継続性は後退し、国民の安心・安全を確保できなくなります。国民の声を反映できない行政や、「自己責任」に基づく地方分権・道州制の導入による行政サービスの低下は、新たな公務員批判となって私たちに跳ね返ってくることも想定されます。
 公務員制度「改革」は、公務員の人事管理だけでなく、行政運営の本質にも関わる問題です。だからこそ、国民的な議論が必要なのです。行政の体制とサービスの拡充・強化は、国民とともに運動をすすめなければ実現できるものではありません。この点をしっかり押さえて、とりくみをすすめていく必要があります。

◇民主的な公務員制度めざし

◎国公労連の要求

 国公労連は、民主的な公務員制度確立に向けて次のような基本的要求を確認しています。

<1>行政の公平・中立性、専門性などを確保するため、能力の実証に基づく任用、職務規律、身分保障、適正な勤務条件の確保など現行公務員制度の原則を維持すること。
<2>労働基本権を全面的に回復して近代的労使関係を確立するとともに、公務員の市民的政治的な自由を保障すること。
<3>特権的な1種優遇人事をなくし、公平で透明な人材育成・登用の人事管理制度、客観的な評価制度を整備すること。
<4>「天下り」・早期退職勧奨を廃止し、定年までの雇用を保障するとともに、年金支給との連携を図るため、定年を65歳とすること。

◎当面の運動

 当面する運動では、国家公務員法や内閣府設置法の「改正」案等の策定に対し、政府・推進本部との交渉を強めます。国会に関係法案の提出が強行された場合は、その成立阻止に向けて政党・議員要請など国会行動をとりくみます。また、労働基本権回復の具体的な要求政策の検討と、労使関係制度検討委員会への意見反映を追求しつつ、ILOへの追加情報を3月9日に提出し、国際世論に訴えます。
 職場では、情勢学習や要求についての意思統一をはかり、3月12日の全国統一行動で政府宛て決議の採択・送付を行います。4月18日(土)には、民間労組や市民団体にも呼びかけて「公務員制度改革を考える集会」を開催し、公共サービスの民営化や地方分権・道州制とも関わる改革の本質を広く国民に訴え、世論構築をめざします。
 そのため、宣伝・学習素材としてパンフの作成を急ぐとともに、夏にかけての運動の具体化をすすめます。

 
 

 

◆国公青年交流集会in沖縄
 沖縄で語ろう、青年の未来

◇戦跡めぐり米軍基地調査
 平和学習メインに交流も


【国公労連青年協発】
 国公労連青年協は6月4〜6日に「国公青年交流集会2009in沖縄」を実施します。新規採用者が減少し青年が少なくなっていますが、今回の交流集会を通じて全国の仲間との交流を深めたいと思っています。
 また、現在、政府与党がアメリカに追随して、戦争する国づくりをめざし、戦前へ逆戻りしているかのような状況があります。私たちは、あの戦争の反省と憲法九条のもと、平和な社会を築かなければなりません。青年はいつの時代でも戦争になれば一番の被害者であり加害者でもあります。だからこそ率先して平和に対する学習を深めることが大切ではないでしょうか。そのため今回の交流集会は、沖縄において過去の戦争から現在の米軍基地問題までさまざまな視点での平和学習を行います。
 たくさん学習した後は多くの仲間と大いに交流することにしています。現在、中央と現地の実行委員会では楽しい企画作りに奮闘中です。各地での青年運動活性化へとつなげるためにも、参加者の心に残る集会として成功させましょう。あなたも参加しませんか。

 
 

 

◆09春闘勝利に向け
 青年協拡大代表委員会

◇沖縄の交流集会成功させよう

 国公労連青年協は2月22日、都内で2008年度拡大代表者会議を開催。9単組、17人が参加しました。
 討論では、初任給や諸手当改善のとりくみ、6月の沖縄での国公青年交流集会に向けた各単組の意見、報告を出しあいました。青年協は今春闘で、<1>国公青年の労働条件改善、<2>すべての労働者の労働条件向上をはかる、<3>憲法改悪を許さず、平和と民主主義をまもる、<4>組織強化・拡大、を四本の柱とし、09春闘勝利に向け運動を進めることを確認。国公青年交流集会成功に向けた意思統一も行いました。

 
 

 

◆憲法、「派遣村」を学習
 第4回国公青年セミナー

 第4回国公労連青年セミナーが2月21日、都内で開かれ、26人が参加しました。東京慈恵会医科大学教授(憲法学)の小沢隆一氏「憲法9条の意義と戦争する国づくりを許さないため」と、全労連事務局次長の井上久氏「年越し派遣村の意義と09春闘のたたかい」の2つの講義を受け、分散会討論を行いました。
 参加者からは「戦争や憲法について、より知識が深まった」「今の格差社会は戦争の話と同じで弱肉強食だと思った」等の感想が寄せられました。

 
 

 

◆国公労連役員の横顔

◇組合ロマン道を
 岩戸(いわと)正太 中執(全建労出身)


 岩戸さんは全建労青年部の役員を歴任し、国公労連青年協の事務局次長、副議長を歴任し、現在議長に。国公青年運動のエキスパートです。
 一見、ドッシリとした見かけとは違って、意外に気を遣う。本人曰く「会議では全ての人の意見をできるだけ取り入れようといつも心がけている」とのこと。
 その甲斐あってか、老若男女問わず人気者(お調子者か!?)。
 また、こうした人への心遣いとドッシリとした風貌で一回見ると必ず誰にでも覚えられるという組合役員にとってものすごい利点を持っている。
 どこの会議に行っても「岩戸君は元気でやっているか?」と必ず声をかけられる。このことからなかまづくりのエキスパートでもあることが伺える。青年のなかまづくりはこれから国公労働運動でもっとも必要とされる分野の一つ。今こそ組合ロマンの道を突き進んでほしいと思います。
(全建労書記次長)

 
 
 
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