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談話
 キャリア制度を廃止し、労働基本権の回復を求める(談話)
 〜公務員制度の総合的な改革に関する懇談会の報告書について〜
     
 

 

 「公務員制度改革の総合的な改革に関する懇談会」は、1月31日に報告書をとりまとめた。報告書は、採用から退職までの公務員制度の全般に関する課題を取り上げ、「公務員制度を内外の状況と国民ニーズに適したものに改め、公務員が国家と国民に奉仕し、常に研鑽と競争と選択を通じて、より優れた公務人材を育て活躍させようとする」としている。
 しかし本報告は、国際的にも注目されている公務員労働者の労働基本権問題を真正面から議論せず、労働組合など関係者の意見も聴取しないまま、労働条件に直接に関わる処遇や給与制度などを一方的に方向付けており、到底容認できるものではない。

 報告書では、われわれ労働組合の長年の懸案事項である労働基本権について、専門調査会の答申を尊重することにとどめ、新たに人事管理機能を持つ内閣人事庁を設置するとしている。新たに設置する内閣人事庁が人事行政を行うだけで、使用者として本来の機能を果たしうることが約束されておらず、専門調査会の答申を尊重するものとはなっていない。また、人事行政の公正性の確保や職員の利益擁護の機能にふれていない問題もある。

 「議院内閣制にふさわしい公務員の役割」をあげ、「内閣中核体制」を確立するとして、各大臣選抜による「政務専門官」の新設、内閣総理大臣が任用する「国家戦略スタッフ」の創設を謳っている。これらはいわゆる「政治任用」であり、行政の中立性をゆがめる危険性を内包している。本来、政権交代が前提の下での議院内閣制において、「国家戦略スタッフ」などは政党が自ら確保・育成すべきものである。
 また、「キャリア・システムは廃止する」として、現行のT・U・V種試験を廃止し、「院卒者試験」、「大卒者試験」、「高卒者試験」とするとしているが、総合職という区分を設けて、これを幹部候補育成課程に自動的に組み込むなど、形を変えたキャリア制度を温存・制度化するもので、キャリア・システムがもたらしてきた弊害を何ら解消するものとなっていない。

 給与体系の抜本的改革では、勤続20年を超える年功昇給を停止するとしているほか、退職金の頭打ちや特定の人材登用における就職金の支給を掲げるなど、重大な労働条件の不利益変更を求めている。労働基本権制約の中において、一方的な労働条件の不利益変更は認められるものではない。
 現場第一線で働く公務員労働者は、国民の権利、安心・安全の確保のために奮闘しているが、報告は本府省・企画立案部門に従事する公務員だけを対象とし、現場第一線で働く公務員労働者の労苦を無視している。
 そればかりか、国家戦略スタッフや特定の専門職に就職金を支給することは、公務職場を支える非常勤職員やワーキングプアと呼ばれる多くの労働者の苦しみからかけ離れており、国民感情からも容認できない。

 公務員の倫理と評価の適正化では、官民の垣根を低くした人材交流を活性化させるとともに、すべての公務員が民間企業の業務と倫理を学ぶとしている。報告書は民間企業の倫理が正しいとの前提に立っているが、営利優先の論理によって不祥事が続発している現状をどうとらえているのか。また官民の人材交流は、これまで以上に財界との癒着を強めることをどう考えるのか。
 さらに守秘義務の重要性をあげ、情報の流出源を捜査することを前提に厳罰を加えるとしているが、開かれた行政を標榜するならば情報の公開が大原則であり、守秘義務と同時に内部告発権の十分な保障についてもふれるべきである。厳罰ばかりが強調されれば、ますます閉ざされた行政となり、国民の知る権利を侵しかねず容認できるものではない。

 今後、政府は報告書に基づいて「公務員制度改革基本法」(仮称)の国会提出を行うとしているが、国公労連は直接の当事者として、財界・大企業に奉仕する行政への変質を許さず、国民のための民主的で公正・中立・効率的な公務員制度を確立するため、引き続きとりくみを強化するものである。
 同時に、国民生活を支える行政サービスの拡充と公務員の「働くルール」確立、一般公務員の争議権はもとより、消防職員の団結権など労働基本権の全面回復に向け、広く国民的な議論を呼びかけるものである。

2008年1月31日
日本国家公務員労働組合連合会
書記長 岡部勘市

 
 
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