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国公労新聞 2007年12月10日号 第1271号
     
 
 

 

 ◆独法の廃止・民営化に反対
  政治決着許さず行動強化
  11・28中央行動に1500人


 国公労連は11月28日、公務労組連絡会と全労連に結集して中央行動を実施し、全国から1500人(国公労連700人)が結集。公務・公共サービスの拡充、民主的な予算編成などをかかげ、諸行動を展開(国公労連ホームページ参照)。国公独自のとりくみとして、独立行政法人の整理合理化計画(廃止・民営化)に反対する決起集会をひらき、101人が参加しました。
 集会では、国公労連盛永副委員長が、「政府が果たす機能見直しの第1弾としての独法改革、第2弾は行政全体に攻撃をかけてくることは明らかだ。真の狙いは、国民のための行財政から財界・大企業に奉仕するための行財政への変質だ」と指摘しました。
 つづいて、上野独法対策部長が情勢報告。独法署名の追い上げ、12月12日中心の全国統一宣伝行動、新聞投書、各政党要請行動を強調しました。

◇独法職場から怒りを反撃に

 決意表明では、国土交通共闘の安藤事務局長(全運輸)が、「整理合理化計画で、国交省の6つの研究所を1つに統合する攻撃、船員教育関係の統合などの攻撃がかけられている。業務内容が異なるのに1つにしろという乱暴な攻撃は、雇用や労働条件・研究環境の悪化、国民サービス切り捨てだ」と発言。
 「医療崩壊が大きな社会問題となっている。地域医療を支える国立病院は、整理合理化(非公務員型への移行)ではなく拡充をはかる必要」(全医労)、「統計センターは、市場化テスト、民間開放、そして今回の整理合理化(非公務員型への移行)と、三重苦の攻撃。国の政策基盤となる統計業務を守るために奮闘」(総理府労連・統計センター労組)、「有識者会議が発表したリストに、国立健康・栄養研究所が廃止・民営化の対象として掲載された。理屈のないリストアップに怒り」(全厚生)、「製品評価技術基盤機構の一部分を国民生活センターなどと統合しようとしている。業務の一部分を切り離すと機能不全となり、消費者の安全が守れない」(全経済)と、一方的な整理合理化の動きに対する怒りと反撃の決意が語られました。
 国公労連は11月28日、行革推進本部事務局に対し、「独立行政法人の整理合理化計画に反対する署名」4万8182筆を提出し、交渉を実施しました。

◇中馬自民党行革本部長に要請

 なお、国公労連と各単組は11月29日、自民党行革推進本部・中馬弘毅本部長に対して「効率化だけでなく国民生活への影響を十分に踏まえた検討を」と要請しました。

 
 

 

 ◆労働条件不利益変更許さない運動を
  最賃法、労働契約法が成立


 最低賃金法改定案と労働契約法案が11月28日の参院本会議で自民、公明、民主などの賛成多数で可決され、成立しました。
 民主党は、最賃法改定案については衆院の審議で生計費原則と全国一律最賃制度を盛り込んだ修正案を出していましたが、政府案に憲法25条の文言を加えるだけの修正で自民と合意しました。
 労働契約法は、労働者と使用者が対等の立場で結ぶ労働契約の原則を定めるものにもかかわらず、労働者の合意がなくても、使用者が就業規則の変更によって一方的に労働条件を引き下げる仕組みを盛り込んでおり、労使の合意原則に反するものです。
 全労連は、「労働基準法違反も含めた不合理な規則が横行しているのが実態だ。政府は労働契約法を拙速施行せず、まずは巷(ちまた)にはびこる不合理な就業規則を徹底的に洗い出して是正させ、労働者への周知をはかる作業に取りかかるべきだ」との小田川義和事務局長の談話を発表しました。

 
 

 

 ◆地方分権改革とは
  道州制への「突破口」
  地方分権推進委員会が中間とりまとめ


 地方分権改革推進委員会は、地方分権推進一括法の2年後提出に向け11月16日、「中間とりまとめ」を発表しました。その狙いと問題点は……。

◇国民に負担押し付け

 政府は、地方の活力を引き出すとして、地方分権を推し進めようとしています。
 その基本的な考え方(図参照)は、「国のあり方、国のかたちそのものにかかわる重要な政治改革」としていますが、憲法に基づく基本的人権の保障を投げだし、自己責任の名の下に国民に負担を押しつけるものとなっています。
 道州制の導入も視野にとらえられており、憲法が定める「基本的人権の保障」の観点からこの問題を考える必要があります。

◇国道、河川管理も

 地方分権推進委員会の「中間とりまとめ」では、「国のありようを根本から改める大改革が必要である」とし、「分権型社会を創造するという未来設計図を示し、その理想に向かって進むことが不可避である」としています。そして、来春以降、順次政府に勧告するとしています。
 具体的に重点事項などが示され、私たちの職場に関わる問題(国道・一級河川の管理)も取り上げられています。

◇出先スリム化を強調

 増田寛也総務相は、11月24日に「せめて半年前倒しし、2年後の一括法案提出を目指したい」と強調した上で、国の地方出先機関の事務について「極力スリム化し、(都道府県などの)広域自治体に譲っていいのではないか」と大幅な見直しを求めました。
 小さな政府は、大きな負担となってはねかえってくることが明らかになっています。国の役割と責任を果たすことができる改革とさせることが求められています。

 
 

 

 ◆公務員だってもっとしゃべりたい
  言論の自由と公務員の権利を考える集い
  福田委員長など3氏がパネリスト


 「言論の自由と公務員の権利を考える集い」が11月27日夜、都内で開かれ、約300人が参加しました。全労連、国公労連、自治労連、全教、国民救援会、自由法曹団が主催しました。
 小沢隆一東京慈恵会医科大学教授が「憲法改悪とのたたかいと公務員労働者」として講演。自民党の新憲法草案では軍事裁判所がつくられ、軍事目的の動員命令に従わない公務員は軍法違反で裁かれることになりかねない危険性を指摘。

◇完全な労働基本権の確立めざそう

 パネルディスカッションでは、憲法改悪をめぐる問題と公務員の権利をテーマに、福田昭生国公労連委員長、田中隆自由法曹団幹事長、大久保史郎立命館大学教授が発言。
 福田氏は、国家公務員は、政治活動の規制、争議行為の禁止、法令順守・職務専念義務等によって法的奴隷状態にあり、それが政官財癒着の温存、国民主権の形骸化が起こっていることを指摘。完全な労働基本権の確立をめざしていく決意を述べました。
 田中氏は改憲手続法と公務員の権利について、大久保氏は国公法の違憲性について述べました。

◇裁判支援と勝利にむけて決意を表明

 国公法弾圧事件証人として山瀬徳行氏(国公労連前副委員長)が紹介され、あいさつしました。国公法弾圧堀越事件の堀越明男氏、世田谷国公法弾圧事件の宇治葉氏真一氏、葛飾ビラ配布弾圧事件の荒川庸生氏が、裁判支援と勝利にむけての決意を表明しました。

 
 

 

 ◆「改正」給与法が成立

 国家公務員の給与法が11月26日の参議院本会議で可決・成立しました。給与法は11月30日に公布され、関連する人事院規則が施行されました。これにより、12月のボーナスの引き上げとともに、本年4月にさかのぼった「差額」が年内を目処に支給されます。

◇審議は衆参6時間

 今年の給与法は、政府が指定職の改定を見送り、労働基本権制約の「代償措置」としての人事院勧告制度を踏みにじる重大な問題を持っていましたが、衆・参あわせて6時間に満たない審議のもと、法案は政府決定どおりに全会一致で成立しました。
 こうしたもと、労働基本権回復があらためて重要課題となっており、「公務・公共サービスの拡充署名」を軸に、たたかいを強化していくことが求められています。

 
 
 
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