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国公労新聞 2007年10月25日号 第1268号
     
 
 

 

 ◆労働協約締結権を付与 争議権は両論併記で先送り
  行革推進本部・専門調査会が「最終報告」
  全労連公務員制度改革闘争本部長の小田川義和さんに聞く


 10月19日、行政改革推進本部・専門調査会は、一定の範囲の公務員に労働協約締結権を付与し、人事院勧告制度を廃止することなどを内容とした「報告」を取りまとめました。1948年7月の「政令201号」で、公務員の労働基本権が剥奪されてから60年目の「報告」内容や、これからの運動について、全労連公務員制度改革闘争本部長の小田川義和さん(全労連事務局長)に聞きました。

 ◇ILOの批判受け、設置された専門調査会

 「報告」をどのように評価していますか?
 小田川 今回の専門調査会は、2001年に設けられた行革推進事務局が、「労働基本権の制約現状維持」とする結論ありきの公務員制度改革を進めようとしていることに対する全労連などの反発と、ILO(国際労働機関)などの批判も受けて設置されたものです。
 したがって、経過を乗り越える論議が期待され、全労連も、公務員制度改革闘争本部を設置し、ILO勧告もふまえた論議をするよう、くり返し要請しました。
 労働協約締結権を限定付きとは言え、回復させると取りまとめた点は、前進的で意義あるものと評価します。
 しかし、「報告」は要求に照らして極めて不十分です。運動の一通過点と捉えることも必要だと受けとめています。

 ◇「少数組合の協約締結権の制限」に言及

 「報告」の問題点はどこにありますか?
 小田川 最大の問題は、労働協約締結権と一体不可分の関係にある争議権や、消防職員などの団結権について、賛否両論の併記にとどめ、消極的な結論となっていることです。
 また、労働協約締結権についても、認める方向は確認しましたが制度設計はこれから、という段階です。
 報告では、交渉体制の整備等にコストがかかるとし、具体化は「慎重に決断する必要」とか、結社の自由を侵害しかねない「少数組合等の協約締結権の制限」に言及するなど、後ろ向きの内容も散見されます。協約締結権すら認めたくない官僚などの巻き返しです。
 そのことをふまえた運動が必要で、官僚と対峙する国公労連の役割は重要だと思います。

 ◇職場での労使対等交渉の実質化を

 先の通常国会で国公法が「改正」され、職場ではそちらへの関心も高いのですが、今回の「報告」と職場のとりくみとはどう関係するのでしょうか?
 小田川 「公務員制度改革基本法」の検討が進められ、来年1月には全体像が出てくると言われています。
 その内容を端的に言えば、民間との垣根や政治との垣根をできるだけ低くし、流動的な人事管理を可能とする公務員制度に変えようというものです。
 そのような公務員制度下の人事管理では、労使自治の整備が不可欠なことは、民間労使関係からもはっきりしています。今回の「報告」で、労使の自律的な交渉で労働条件を決定することの必要性は、合意されています。
 その到達点をふまえ、職場で労使対等の交渉を実質化させるとり組みは、先の国家公務員法「改正」とかかわっても要の課題でしょう。

 ◇非常勤職員の実態に目を向けたとりくみを

 全労連は、公務員の労働基本権問題をどう位置づけたたたかいを進めていくのでしょう?
 小田川 公務員の労働基本権は、国民本位の行財政・司法を確立する上で不可欠、というのが基本姿勢です。
 同時に、今は、同じ職場に非常勤職員や委託・請負の労働者などが混在して働いている実態に目を向けたとりくみが大切だと思います。
 公共サービスの質を維持し、確保する上で、労働条件や労働者の権利擁護が大きなウエートを占めているからです。

 ◇公務拡充のとりくみと労働基本権回復運動を

 公務・公共サービスの拡充の取り組みと労働基本権回復運動を一体で進めたいと思っています。
 当面、100万筆を目標とした「公務・公共サービス拡充、公務職場の働くルールを求める署名」や、そのとりくみともかかわる「市民対話集会」、11月28日の中央行動などを成功させ、春闘期の運動に引き継いでいきたいと思います。
 国公労連の仲間の積極的な役割発揮を期待しています。

 
 

 

 ◆公務にふさわしい「人事評価制度」の確立を
  評価に対する信頼性、納得性が大前提
  「改正」国公法で何がどう変わったか


 「人事評価の試行」は、「人事管理に活用できる評価手法を探る」という目的で、これまで2次に渡っておこなわれてきました。しかし、先の通常国会での国公法「改正」により、人事評価が「任用、給与、分限その他人事管理の基礎」として位置づけられたことから、試行の目的が、「能力・実績主義の人事管理の基礎」に変更され、本年10月から地方組織・専門職を対象に、新たな試行がスタートしました。

 ◇人事管理を「人事評価」に基づいて行う

 「改正」国公法の目的は、「再就職規制の見直し」と、「能力・実績主義の人事管理の強化」でした。

 ◇国公法に「人事管理の原則」概念を導入

 そのため、これまでの国公法の原則、(1)「平等取扱の原則」(2)「情勢適応の原則」に加えて、職員の任用、給与、分限等すべての人事管理を「人事評価」に基づいて行うこととし、これを(3)「人事管理の原則」としました。
 「改正」国公法では、各官職(係員、係長、課長補佐、課長など)に求められる能力を「標準職務遂行能力」とし、当該官職に任用する場合、「人事評価」を基礎に能力の有無を判断することとしています。
 人事評価と任用に関する事務はすべて内閣総理大臣の権限とされ、人事評価の基準及び方法等の事項は「人事院の意見を聴いて政令で定める」とされました。給与など勤務条件に関する権限は引き続き人事院の所管とされましたが、労働基本権が制約されたもとで、給与をはじめとする勤務条件決定に大きく影響する部分で、一方的に政府の権限が強化されたことは重大な問題です。

 ◇人事評価について、労組関与は不明確

 とりわけ重大なことは、人事評価が勤務条件に直結する問題にもかかわらず、「管理運営事項」の名の下に、労働組合の関与が明確になっていないことです。人事評価の基準及び方法等に関する事項は、当然交渉・協議事項の対象とされなければなりません。

 ◇「能力・実績主義」の問題点

 能力・実績主義の最大の問題点は、「人が人を公正に評価することの困難性と限界」です。どんなに評価者の訓練を強化したとしても、評価の主観性・恣意性を完全には排除できません。
 また、発揮した能力とか実績を強調すれば、いたずらに競争心が煽られ、職場のチームワークは乱れてしまいます。良質で安定的な公務サービスの提供よりも、上司の意向と自らの評価や処遇に意識が向いかねません。
 さらに、任用をはじめ給与等の処遇までもが人事評価の結果だけで決定されるようになれば、差別的な人事政策の温床になる懸念があります。

 ◇公務の人材育成の特性を無視

 また、「改正」国公法では、年功による人事管理を否定するニュアンスが強く打ち出されています。これは、実務経験によって専門能力を身につけ、経験の蓄積を通じて能力の向上をはかるという、公務の人材育成の特性をまったく無視したものといえます。

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 ◆「人事評価」試行への考え方と対応
  公平処遇、職員参加、育成重視で


 国公労連は、人事評価制度を完全に否定するものではありません。
 「改正」国公法では、人事評価が処遇の基礎とされることから、その設計、活用方法は重要な問題です。「人が人を評価することの限界」をふまえた上で、評価制度の試行をつうじて、公平性、客観性、透明性が確保され、信頼性、納得性を高めることができる仕組みであるかどうかを検証することが必要です。
 評価制度検討への国公労連の基本スタンスは図表3のとおりです。評価を賃金に直結させず、能力開発や人材育成に活用させることをはじめ、差別のない公平な処遇、職員参加、育成重視型の評価制度確立をめざします。

 ◇意欲と働きがい持ち、職務に専念するため

 職員が意欲と働きがいをもって職務に専念するためには、本人の適性が尊重され、能力が最大限に発揮できる配置、昇進などが保障されなくてはなりません。
 そのためには、何らかの評価制度が必要となります。現行法では昇任・昇進の基準が明確でないため、特権的な官僚制度が温存され、男女の任用差別、労働組合敵視政策による差別的任用がまかりとおっています。こうした状況を是正させるためにも、労働組合が評価制度に積極的に関与する必要があります。
 評価の基準が明らかでなく、恣意的・情実的評価が行われると、処遇に対する納得性が失われ、協働意識、人材育成機能が損なわれ、組織の疲弊と弱体化を招きます。そうなると、公務能率にも影響し、公平性・中立性、国民の基本的人権への配慮を欠く事になりかねません。

 ◇評価者の主観的判断、恣意性を排除する

 私たちは、試行を通じて、公務サービスの特性に配慮した公務にふさわしい制度をめざします。
 また、評価者の主観的判断や恣意性を排除できる公平・客観的で公務にふさわしい評価手法・評価基準(項目・要素・方法)の確立をめざします。

 ◇試行段階から組合の窓口を

 試行では、評価内容のフィードバック(本人開示)については、「各府省の状況に応じて行うよう努める」ものとされ、評語(成績の評価を示す言葉、優・良・可の類)の開示のみしか行わなくてもよく、指導助言の程度についても、各当局まかせの努力目標であり、本格実施に向けた検討事項とされています。
 また、試行課程で発生したトラブル、苦情等については、評価者・被評価者が十分にコミュニケーションを図るなかで適切に把握・対処することとされ、各ブロック機関ごとに窓口を設置して、疑問・不満等に対応し、引き続き検討事項として今後の検討に反映する情報の蓄積を行うとしています。
 したがって、試行段階から労働組合としてもトラブル・苦情・疑問・不満等に対応する窓口を設けることが必要です。
 同時に試行を通じて問題点を徹底的に明らかにしていくことが重要です。

 ◇職場で具体的に問題点出し合い

 評価シートが、各職場の専門性を客観的にはかる「ものさし」として適正なものなのか、専門性の何をどう評価する項目にするのかなど、具体的に職場で問題点を出し合い、評価方法・基準の設定・変更には、当局に対して労働組合が関与する仕組みをつくることが重要です。
 また、評価の周辺諸制度では、苦情処理手続きの整備・確立と不服申し立て制度など、試行段階から労働組合が正式に関与する仕組づくりを追求します。

 ◇信頼性、納得性確保されてこそ

 今後、評価制度の設計と並行して、具体的な人事管理、任用、給与、分限などにどう活用するのかが検討されます。
 人事院は07年報告で、評価結果の活用についての考え方を報告していますが、そのためには評価の識別力を高め、評価の客観性・安定性を確保することが前提であると述べています。評価制度では、これらの担保が不可欠であり、試行では徹底した検証が必要です。

 
 

 

 ◆独法の整理合理化計画を許すな
  年内計画決定中止させ、事業の存続・拡充を


 行革推進本部の行政減量効率化有識者会議は、全ての独立行政法人(101法人)を廃止・民営化の検討対象とし、存続させる独法の全ての事務事業を市場化テストの対象として、「独法整理合理化計画」を今年12月末に策定するため検討を進めています。

 ◇各関連会議が、独法見直し検討の中間報告

 行革推進本部は、8月末の各省による各独法の見直し案が、緑資源機構の廃止、国立病院機構と統計センターの非公務員型移行検討にとどまったので見直しの実績をあげようとしています。
 有識者会議は、9月末から法人のヒアリングを行い、10月末まで計6回を予定。研究開発型法人については主務省毎に統合を促しています。11月下旬には指摘事項をとりまとめ、12月下旬にも計画を決定(閣議決定)しようとしています。
 なお、10月1日の有識者会議では、総務省・独法評価委員会、規制改革会議、官民競争入札等監理委員会(市場化テスト担当)などからの独法見直し検討の中間報告も行われました。

 ◇整理合理化計画反対署名で、世論広げよう

 各独法は3年から5年の業務期間の終了時に総務省・独法評価委員会による評価を受け、すでに見直しを行っています。整理合理化計画は不要です。独法は、国民生活や社会経済の安定にとって確実に実施される必要のある事務事業であって、民間では必ず実施される保障のない事務事業を行っています。
 国民サービスを切り捨てる「独立行政法人整理合理化計画」に反対する署名を集め、世論をつくることが求められます。

 
 

 

 ◆みんなで連帯し、労働条件を改善させよう
  法律を学んで強くなろう
  国公一般第5回定期大会ひらく


 国家公務員一般労働組合(国公一般)は10月19日、「いまこそみんなで連帯し、労働条件を改善させよう」「法律を学んで強くなろう」のスローガンを掲げて、都内で第5回定期大会を開催しました。
 大会では、(1)組合員のいのちと生活を守る、(2)働きやすく、やりがいのある職場をつくる、(3)ともに手をとりあう仲間を増やし、大いに交流し学び合う、という三つの課題を確認。
 組織拡大と全国展開に向けたとりくみ、政府・人事院追及、組合員自らが組合運営に参加するとりくみ、などの運動方針を満場一致で採択。山瀬徳行氏が委員長を退任し、新たに川村好伸氏が選出されました。

 ◇組合加入し要求実現

 討論では、「解雇通告を受けて10人が国公一般に加入。数度の団体交渉を経て、都労委あっせんに持ち込み、勝利できた。たたかいを通じて組合員が大きく成長した」「国公一般ホームページを見て全建労に加入してくれた。仲間が増えれば、正規・非正規とも元気が出る」「国の職場で働く非典型労働者に労働組合の存在を知ってもらい、ともに手をたずさえて労働条件を改善していこう」と次々と発言がありました。

 ◇地方で支部結成進む

 香月直之書記長は、総括答弁で「地方では支部結成の準備が進んでいる。今後、単組やブロック国公と議論を進めていく」と、積極的な組織化を呼びかけました。
 最後に、「雇用形態の違いをこえてみんなで協力し合うという、新しい連帯のうねりを大きくしていこう」との大会アピールを全体で採択しました。

 
 
 
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