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談話
 労働基本権問題を先送りした「改革」は容認できない(談話)
 〜国家公務員法「改正」等関連法案の閣議決定に断固抗議する〜
     
 

 

2007年4月24日
日本国家公務員労働組合連合会
書記長 岡部勘市

 安倍内閣は本日、「能力・実績主義の人事管理」と「再就職規制の見直し」を内容とする国家公務員法「改正」等関連法案を閣議決定し、明25日の国会提出を確認した。
 公務員制度改革は、「今後の行政改革の方針」(04年12月24日閣議決定)で、過去の経過をふまえて「関係者間の調整を更に進め、改めて改革関連法案の提出を検討する」とし、安倍首相自身、労働基本権のあり方を含めた「パッケージでの改革」を明言していたものである。にもかかわらず、当事者である私たちとの十分な協議を行わず、また何らの「調整」も「合意」も図られていない中で、一方的に関連法案を閣議決定したことは重大な約束違反であり、満身の怒りを込めて強く抗議するものである。

 「改正」案では、「能力・実績主義の人事管理」を実現するとして、任用、給与その他の人事管理を人事評価に基づいて行うとした上で、現在、人事院の権限とされている「任用」に関する権限の一部と「人事評価」に関する権限を内閣総理大臣に移すとしている。しかし、人事評価で給与が決まるということであれば「人事評価」は勤務条件そのものであり、その「給与」と密接不可分の関係にある「任用」もまた勤務条件である。
 この勤務条件に関する権限は、労働基本権の制約下においては、その代償機関である人事院の権限であり、これを使用者側に移すのであれば、私たちに労働基本権を完全に返還しなければならない。また、「能力・実績主義」を言うのであれば、現行の特権的キャリア制度こそ直ちに廃止すべきである。

 「再就職規制の見直し」では、現行の事前規制(退職後2年間、退職前5年間に就いていた職務と密接な関係のある営利企業に就職できない)を撤廃して事後規制とし、在職中の求職などの行為規制を導入するとともに、内閣府に設置する「官民人材交流センター」が一元的に再就職あっせんを行うとしている。しかし、これでは形を変えた「天下り」の自由化、合法化であり、何ら本質的な解決策とはならない。
 国民の批判は、高級官僚が役所の権限を背景にして幾つもの「天下り」先を渡り歩き、莫大な退職金をもらい続けていること、「天下り」が官製談合・癒着の温床になっていることにある。公務員の早期退職勧奨を前提とするのでなく、定年まで働き続けられる仕組みづくり、現行の定員管理手法の見直しや再任用制度の実効性を確保することこそ実現すべきである。

 以上のように、今回閣議決定された国公法「改正」等関連法案は、議論の進め方や内容面でも重大な問題を含んだ法案であり、断じて容認することはできない。マスコミからも「選挙目当てで本末転倒」等の批判が噴出していることは、それを証明している。
 国公労連は、国民のための民主的で公正・効率的な公務員制度を確立する立場から、これらの問題点について広く国民的な議論を呼びかける。同時に、将来に禍根を残さないためにも、国会での徹底審議とその廃案を求めて、全力で奮闘するものである。

以上

 
 
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