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国公労新聞 2006年12月10日号 第1248号
     
 
 

 

 ◆なくそう格差と貧困 安全・安心な社会を
  【07春闘討論集会討議資料】


 公共サービスは限りなく営利の対象、「自立支援」の名の下に障害者に「応益負担」を押し付ける、お年寄りのわずかな年金にも課税する、リハビリ治療も治ってなくても期限で打ち切る、成績が悪い学校の予算は減らそうとする、生活保護以下のワーキングプアは急増、アメリカ、大企業いいなり政治は当たり前、異論を唱えるものは排除する―日本はこのままいったらどうなるのか、そんな思いと自らの要求実現の思いをこめて07春闘を全力でたたかいぬきましょう。

 ◇大企業は大儲けで景気は回復した?
 日本経済は、高度成長の時期を象徴する「いざなぎ景気(1965年11月〜1970年7月)」を超えて「景気回復が継続している」といわれています。「経常利益は史上最高を更新」など大企業が大儲けを上げていることを示すデータは少なくありません。
 にもかかわらず、私たちの周りを見渡しても「そんな景気のいい話」は聞こえてきません。
 国税庁の調査では、民間労働者の賃金は、支給実績でみて8年連続で減少しています。
 賃金は上がらないに5年半の小泉政治によって、年金・医療・介護の保険料負担は増え、定率減税廃止などの増税によって、国民の暮らしは押しつぶされようとしています。
 安倍内閣は、大企業にいっそう利益を与えるため法人税減税を実施しようとしています。そのツケは参院選挙後の消費税増税、サラリーマン増税などによって国民に回そうとしています。
 07春闘では、「安心できる雇用と賃金を!」掲げ、大企業の儲けを社会的に還元させましょう。

 ◇格差と貧困の拡大これ以上は許さぬ
 小泉構造改革が国民のあいだに大きな不平等をつくりだしてきました。生活保護基準以下のワーキングプア(働く貧困者)の存在は大きな社会問題となっています。
 今日の日本は、国際的に見ても、国民の貧困率が高い国になっています。親の所得や職業がこどもの将来に大きな影響を及ぼすようになり、子どもや青年に教育や就職の機会均等が保障されない不平等な社会になりつつあります。07春闘では、自らの賃上げ要求をかかげながら、「なくそう格差と貧困」の声を労働者以外にも広げて、その是正を政府や大企業にせまっていきましょう。公務職場にいる非常勤、派遣、請負にしっかりと目をむけ、劣悪な労働上条件で働く人たちの底上げを実現しましょう。

 ◇つくろう安全・安心な社会を!公共サービス破壊は許さない
 07年4月から、「簡素で効率的な行政」を名目に、社会保険やハローワーク関連業務など市場化テストが本格実施されようとしています。
 自治体でも、深刻な財政危機を背景に、自治体の業務を民間企業に丸投げする市場化テストや指定管理者制度、地域病院の統廃合などが全国各地ですすめられています。 公共サービスがビジネスとして扱われ、お金がなければ今まで受けていたサービスが受けられなくなる不平等格差社会になってしまいます。
 どこに住んでも安心して生活できる基盤づくりと公共サービス拡充こそが求められており、国民生活の「安全・安心」の確立を求める地方議会での意見書採択のとりくみを全国で実施しましょう。

 ◇守ろう憲法9条、平和・民主主義
 憲法9条をめぐるせめぎあいは07春闘でも大きな課題です。「憲法9条が未来をひらく」との国公労連の「新聞意見広告」(読売新聞06年11月26日付)の訴えは、さまざまな反響をよび、多くの国民の共感を得ています。
 「5年以内の憲法改正」を唱え、「戦争する国」づくりをめざす安倍内閣の暴走にストップを。
 そのためにも、自らの要求実現の前進と4月のいっせい地方選挙、7月の参議院選挙と結びつけ、政治の転換を実現する07春闘としてたたかいましょう。
 
 

 

 ◆守ろう憲法の声大きく

 ◇「安倍さん、本当に憲法変えちゃう気…」
 国公労連の「憲法新聞意見広告」掲載(11月26日)に先立つ10月2日、朝刊各紙に掲載された集英社「週刊プレーボーイ」の「安倍さん、本当に憲法変えちゃう気ですか」との新聞全面広告も話題に。タレントの太田光氏と、宗教学者の中沢新一氏が登場し、両氏の共著『憲法九条を世界遺産に』の広告ですが、発足したばかりの安倍政権への痛烈なパンチを与えるとともに多くの人々の共感を与えました。
 安倍内閣は、教育基本法改悪を中心に、「防衛省」設置法、共謀罪設置法案、憲法「改正」のための国民投票法案など、改憲と平和と民主主義を破壊する攻撃が、野党である民主党を取り込みながら、矢継ぎ早に強行成立しようとしています。
 そうした動きに反対し、「まもろう憲法」の声をひろげることが07春闘ではもとめられています。「9条の会」も全国で5639結成(10月末現在)されています。

 ◇全国の職場で改憲許さない取り組みを
 (1)「9条改憲反対」署名目標(07年7月までに国民の過半数集約)達成に向けて、地域に足を出し、集約をめざします。
 (2)毎月9日を憲法全国統一宣伝行動日とします。
 そのため、新聞意見広告の紙面をポスター化するなど、国公労連として宣伝グッズやビラ、宣伝スポットなどを作成します。
 (3)勤通大「憲法特別コース」の修了者の協力を得て各職場で憲法学習会の開催などを企画します。
 (4)全労連の「憲法60年・全国行動」(仮称)に結集し、憲法記念日前後に県国公での憲法講演会や学習会をとりくみます。
 (5)憲法記念日を節目に、職場・地域での「9条の会」結成を追求し、「憲法遵守職場決議」を行います。
 (6)在日米軍基地の再編強化に関わる法案等の整備やイラク「特措法」の「見直し」など、解釈改憲の拡大となる動きに反対する国会行動を強めます。自衛隊のイラクからの全面撤退を求める運動に参加します。
 (7)3・1ビキニデー、07年原水爆禁止世界大会、国民平和大行進などの成功に向けて奮闘します。
 
 

 

 ◆生活破壊の本質広く知らせる
  労働法制の改悪、市場化テスト本格実施


 07春闘では、「構造改革」のもたらす生活破壊の本質を広く国民に明らかにし、これに対峙する国民的運動を構築することが何より重要です。
 引き続き全労連の「もう一つの日本」をめざす大運動に結集し、ビラ宣伝や地域での集会やデモなどに積極的に参加します。同時に、公務労組連絡会に結集し、自治体要請などにとりくみます。

 ◇労働者使い捨ての「労働ビッグバン」
 年明けから開会される通常国会では、ホワイトカラー・エグゼンプション導入や労働契約法制など、労働諸法制の大改悪が大きな焦点となります。いま経済財政諮問会議は、極端な規制緩和論者である八代尚宏国際基督教大学教授を中心に、「労働ビッグバン」なる議論を行っています。こうした動きを阻止するため、全労連の提起する「労働法制の拡充を求める100万人請願署名」を国公労連全体で20万筆以上を目標にとりくみます。また、すべてのブロックで労働法制改悪反対学習決起集会を開催します。
 国会審議の重要な時期には、全労連が提起するストライキ等に呼応し、全国いっせいの主要駅頭宣伝などを実施します。
 こんにちの格差と貧困を是正させるため、全労連は「安心できる雇用と賃金を!」運動を呼びかけており、3月6日の中央行動をはじめ、積極的に参加します。

 ◇地方議員要請を全国で取り組む
 4月からは、公共サービス改革法の枠組みで、一部業務で市場化テストが本格実施されます。公務の民間開放は、国民の権利保障や「安心・安全」の低下をもたらすものであることを広く訴えながら、幅広い世論形成をめざします。
 毎月第3水曜日には、すべての全県国公で、宣伝活動にとりくみます。とりわけ3月14日を統一宣伝行動日に設定し、大量宣伝ビラを配布します。また、「小さな政府反対決起集会」をすべてのブロックで開催します。
 公共サービス改革は地方自治体にも求められています。また、地方自治体の人件費や定員削減を求める圧力も強まっており、そこで、地方議会請願を全国でとりくみます。過去2年、国公労連本部から直接地方議会に郵送する陳情を行ってきましたが、今回は、国公職場が所在するす全自治体の議会を対象に、直接足を運び、要請する請願行動を基本とします。
 そこでは、中央と地方の格差がさらに拡大される危険性を訴えるとともに、受託事業者に業務の質や労働者の適正な賃金確保など、契約のあり方を強く働きかけます。

 ◇社保庁改革での分限解雇許さぬ
 現在、社会保険庁改革が焦点となっていますが、国会議員の補欠選挙では、自民党が「社会保険庁の役人を守るなら民主党」とするビラを配るなど、政治的に利用されています。
 社会保険庁に向けられた攻撃は、社会保障の解体と一体で進められています。同時に分限解雇までちらつかせていることは、社会保険庁のみならず、自治体や教員など、公務全体にかけられた攻撃と見なければなりません。
 そのため、国公労連全体として、社会保険事務局や事務所前での宣伝活動や、外部労働組合や団体要請、団体署名にとりくみます。
 身分・雇用問題では、全厚生の運動を中央・地方で全面的に支援してたたかいます。

 ◇これが「労働ビッグバン」の本音だ
  朝日新聞11月15日付インタビュー
 「経済諮問会議・八代議員(国際基督教大学教授)に聞く」より抜粋


 ○ 正社員の雇用保障も見直すべきだと主張されているが。
 低成長で正社員の雇用を守るために、非正社員がより多く必要になった。正社員の処遇の雇用保障が若者や主婦の参入を妨げている。判例上、正社員を解雇できるのは、パートや派遣を解雇してからといった解雇規制も法律で修正すべきだと思う。解雇の金銭解決を認めるのは当然で、やめてほしいと言われた会社で無理に働くより、手切れ金をもらって新しい仕事を探した方がいい。

 ○ 一定の年収以上の人などを労働時間規制の対象から外す「ホワイトカラー・エグゼンプション」は必要か。
 いまの労働時間規制は時間と賃金が結びついている工場での働き方が前提だ。だらだら働いて残業代をもらう人がいる一方、子供を抱える母親が効率的に働き、早く帰宅しても残業代がない。労働時間規制がなくなれば過労死につながるという批判もあるが、過労死するほど働かせる会社はやめられるよう、労働市場の流動性を高めることが必要だ。
 
 

 

 ◆賃金底上げと時短を要求の柱に
  労働基本権回復に向け、国民合意めざす


 07春闘では、「賃金底上げ」と「労働時間短縮」が要求の2本柱になります。

 ◇すべての機関で統一要求提出を
 全体として賃金水準が低下するなかで、年収300万円以下の労働者が急増し、この10年間で203.3万人増加し、その割合も33.5%から37.4%へと4ポイントも増えています。この背景には、非正規雇用労働者の増加と成果主義賃金の導入があります。
 国民生活や働くルールの破壊がすすみ、賃金構造の土台が大きく崩れているのが現状です。職場の非正規労働者などに目を向け、また、地域にもしっかりと足を踏み出し、「賃金底上げ」の春闘を「官民一体・国民共同」で取り組むことが大切です。
 2月13日の週を第一次全国統一行動週間に設定し、すべての機関で統一要求を提出します。3月14日を指定日として、誠意ある回答を迫ります。

 ◇所定内労働時間短縮を
 労働時間の問題をはじめ私たちの働き方も07春闘の重要な課題です。人事院は06年、所定労働時間の調査を行っており、その結果、民間の平均所定労働時間は、「1日単位…7時間45分」、「1週間単位…38時間53分」とのデータを明らかにしました。
 公務は、「1日8時間、週40時間」であり、民間が公務を上回っていることが明らかになりました。政府・人事院に対し、この調査結果にもとづき、早急に所定内労働時間の短縮を図るよう取り組みを強めます。

 ◇労働基本権回復に向け
 政府は、公務員労働者の労働基本権問題について、「専門調査会」で検討をすすめています。11月17日の第4回会議では、4つの大きな柱立てを議論し、12月18日の第5回会議で各柱立てごとにより具体化した「論点の柱立て」の案を示すとしています。来年1月、2月には関係者からヒアリングを行うとしており、これから本格的に始動していくものと思われます。
 06勧告では、政府が人事院に対し比較企業規模引き下げの不当な圧力をかけ、公務員の労働基本権を侵害しました。総務省は、所管である責任を放棄し、「専門調査会」の議論を傍観しています。これ以上の権利侵害を許してはいけません。
 公務員の労働基本権回復に向けて、国民合意をめざし、職場・地域からの対話と共同の幅広い運動をすすめます。
 
 

 

 ◆仲間を増やす 4月〜6月 組織拡大月間
  非常勤含むすべての新採対象に


 「公共サービス」と公務労働を守り、要求実現の展望を切り開くためにも組織の拡大、組織の整備強化は待ったなしの課題となっています。
 4月から6月を国公労連として「組織拡大強化月間」に設定し、非常勤職員等も含めたすべての新規採用者に対する組合加入の呼びかけを強めるとともに、職場の未加入者への総対話活動を展開します。すべての運動を組織拡大に結実させ、職場の多数派形成と組織の増勢を勝ち取るようにします。あわせて国公共済会の加入拡大を追求します。
 「チャレンジ30セカンドステージ」にもとづき、すべての組織で、その具体化をすすめます。「非典型」労働者集会を全ブロックで開催し、「非典型」労働者の組織化を、全体として前進させるようにします。
 また、第52回大会で予備提案したブロック専従役員を非常任中執とすることがなどを内容とする規約改正(案)を含め、地方産別組織の整備・強化に関わる議論を促進し、第129回拡大中央委員会に向けて必要な準備と意思統一をはかります。


 ★2007年 国民春闘の主な行動展開(PDFファイル)
 
 
 

 

 ◆国民生活関連予算の削除を許すな

 ◇公務・公共サービスの充実を 国公労連11・29中央行動
 国公労連は11月29日、総人件費削減反対、公務・公共サービスの拡充、社会保障費など国民生活関連予算の削減を許さず、国民本位の予算の実現を求めて、国公労連独自の11・29中央行動を実施しました。「退職手当・退職年金削減反対」と総務省前、財務省前要求行動(写真下)、国会請願デモ行進(写真左)、「06秋年期闘争勝利!行政サービス商品化反対」総決起集会を展開するとともに、「独法労組及び県国公加盟大学労組交流集会」も開催。行動全体で650人が参加しました。
 
 
 

 

 ◆「大増税に怒りを」特集

 ◇国公調査時報1月号
 「国公労調査時報」07年1月号は「税制を知り、大増税計画に怒りを」を特集。
 おりしも、政府税調は12月1日、「法人実効税率引き下げ検討」を答申。大企業は史上最高の経常利益を得ているにもかかわらずです。大手銀行6グループなどは、3兆円もの経常利益をあげているのに、不良債権処理の赤字を理由に、法人税は1円も払っていません。一方、勤労者は、この2年で所得税・住民税の定率減税半減・廃止によって、総額3兆円の増税になっています。
 なぜ、こんな逆立ち税制になっているのか、「国公労調査時報」1月号で学習を深め、大企業優遇の逆立ち税制を改めさせましょう。
 
 
 
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