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機関紙『国公いっぱん』2011年10月5日付第70号◆3年連続のマイナス勧告-賃下げは許さない

機関紙『国公いっぱん』2011年10月5日付第70号の記事テキスト

 ▼1面の記事

 ◆3年連続のマイナス勧告
  庶民増税・大企業減税・賃下げ法案は許さない

 人事院は9月30日、月例給の0.23%引き下げと一時金の据え置きなどを内容とする勧告と、定年年齢を65歳に引き上げるための制度整備についての意見の申出を行いました。この勧告は、東日本大震災を口実に一時金での官民較差を放置して3年連続の年収減を公務員労働者に押しつけるものです。
 マイナス配分では中高年齢層を狙い撃ちするとともに、05年の給与構造改革による賃下げの激変緩和としての現給保障は13年3月31日で廃止するとしています。現給保障の廃止は、経験豊富な50歳代のベテラン職員がもっとも不利益を受け、賃下げは40歳代まで広い範囲におよぶこととなります。地方自治体職員や教職員、独立行政法人職員などにも波及する影響の大きさははかりしれません。
 今回の勧告は、政府と財界の人件費抑制策に迎合した「政治的勧告」であり、到底容認できるものではありません。
 また、勧告と同時に行われた定年延長にかかわる「意見の申出」でも、65歳までの定年延長とセットで、60歳超の職員の年収を3割引き下げるなど、高齢層をねらい撃ちにして賃金抑制をはかる重大な問題を持っています。

 賃下げ法案は撤回し労使交渉で人勧取扱い決めよ

 国公労連は同日、11年人事院勧告の取り扱いにかかわって政府との交渉を行い、国公労連との交渉を尽くして取り扱いを決めるよう求めました。
 また、人事院勧告が行われた以上、当事者である国公労連との合意もなく、政府が一方的に国会に提出した「給与臨時特例法案」(賃下げ法案)は撤回するよう求めました。

 庶民増税と賃下げ法案を許さないたたかい一体で

 いま、多くの公務労働者が長時間過密労働にも耐えながら、東日本大震災の被災者の暮らしを一日も早く再建・安定させるために奮闘しています。
 しかし政府は、大企業には減税する一方、復興財源として所得税増税などの国民負担増を画策し、その露払いに公務員総人件費の削減を狙っています。10月中旬にも臨時国会が開会され、第3次補正予算と一体でこれらの法案の審議が始まります。
 公務・公共サービスの拡充や賃下げ法案の撤回、国民のくらしを守る秋のたたかいは正念場です。あなたも国公一般に加入して、ご一緒にとりくみを進めましょう。


 ◆霞が関メモ(コラム)

 震災復興を柱とする第3次補正予算案は12兆円に上る。被災者の生活と生業の再建はまったなしの課題だが、その財源を公務員賃下げや庶民増税に求めることに納得がいかない▲所得税は向こう10年間4%上乗せし、個人住民税やたばこ税の増税など総額で9兆円もの庶民増税。一方、大もうけしている大企業の負担はどうか。法人税率は4・5%の恒久減税を施した上で10%の付加税を3年間課すとしているが、トータルでは2%の減税になるという▲そもそもなぜ庶民増税なのか。所得税や住民税の増税は被災者も含めた労働者や庶民にのしかかる。だからこそ民主党の税制調査会でも増税はデフレを悪化させると異論がだされている。公務員の賃下げもデフレを悪化させるが、なぜか議論にもなっていない▲庶民増税の前に、なぜ政党助成金や米軍思いやり予算、法人税や大資産家の行きすぎた減税に手をつけないのか。この既得権益を守るために、国民と公務員を分断する公務員の賃下げが狙いだ。公務員バッシングを跳ね返すためにも、国民共同のたたかいが重要だ。


 ▼2面の記事

 ◆臨時FM局や携帯電話の臨時基地局設置など
  迅速に被災地の情報伝達手段を確保〈全通信〉

 「通信」は重要なインフラ

 電気や道路、水道などとともに社会インフラとして極めて重要なのが、「通信」です。
 災害発生時には、警察も消防も、さらには自衛隊も、連絡手段がないと情報収集も指揮や連携も困難になります。被災者にとっても、家族の安否確認から給水・食糧配給の情報に至るまで、「通信」はまさに命綱と言えます。今回の大震災は、通信手段の確保、特に無線通信の重要性を浮き彫りにしました。また、「携帯電話があれば何でもできる」となりつつある社会状況に警鐘を鳴らしているとも言えます。
 総務省では、平時の無線局に関する手続きによらない「非常災害時における臨機の措置」を設けています。これは、非常事態が発生もしくは発生する恐れのある場合に、緊急に許可を与えるもので、今回の場合も、海外の緊急援助隊が使用するトランシーバーなど外国設備の審査のほか、被災18市町が開局した臨時災害放送局(FM放送)や携帯電話の臨時基地局の免許等を含む340件を超える許可を行いました。
 また、衛星携帯電話や簡易無線局等の無線機3915台、携帯用ラジオ1万台の貸与等を行っています。
 大震災により仙台にある東北総合通信局自体も被災したため、隣接する関東、北海道局を中心に、全国の総合通信局でこれらの事務を行いました。しかし、電波の伝搬は地形に左右されるため、土地勘のある地元の職員とは勝手が違います。回線設計や混信を避けるための周波数選定など、正確かつ可能な限り迅速に処理を行うため、休日も連絡窓口を開き対応しました。

 全国の仲間の支援で復興へ

 震災直後は、被災者対策のために東北局から十数名が自治体に派遣され、職場をカバーするために他局から応援体制がとられました。また、鉄道やバスが走らない中で、何時間もかけて自転車や徒歩で通勤し、あるいは庁舎で寝泊まりして業務を続けてきました。
 被災地が一日も早く復旧するために私たちができることは、「通信手段の確保・復旧」のためにあらゆる手を尽くすことだと胸に刻んでいます。そして、公務への使命感、全国の仲間が支援してくれるという連帯感が、彼らを支えているのです。
                        (全情報通信労働組合)


 ◆労働相談メール
  国家公務員の労働基本権回復は?

  国家公務員の労働基本権を回復する法案が国会に提出されているそうですが、どのような内容ですか?

  政府は6月に「国家公務員の労働関係に関する法律案」を国会に提出しましたが、審議は行われていません。
 法案は国家公務員に団体協約締結権を回復するものですが、法律を適用するにあたって労働組合の認証制度を設けるとしています。また、労働条件にかかわることであっても管理運営事項として団体交渉の対象事項を狭めていることも問題です。さらに、労使合意の協約締結に際しては内閣の事前承認を必要とし、労働委員会の仲裁裁定結果の遵守義務を課さないなど、さまざまな問題があります。
 労働基本権は基本的人権であり、争議権の回復を含め法案の抜本修正が必要です。同時に、要求を実現するためには、圧倒的な職場世論を背景にした交渉力が必要であり、民主的な労働組合を職場で大きく拡げることが重要です。あなたも国公一般に加入し、ご一緒にとりくみましょう。


2012-01-31 14:40:29