機関紙『国公いっぱん』2011年4月6日付第64号の記事テキスト
▼1面の記事
◆被災者救援、住民本位の復興へ行政体制拡充を
東北地方太平洋沖地震は、多数の人命を含む甚大な被害をもたらしました。国公一般は、なくなられた方々へのお悔やみと被災された皆さんへのお見舞いを申し上げます。 被災地では、国の責任・役割を果たすため、国公労働者も医療活動や職業相談、道路や河川、港湾、空港などの復旧、地方自治体業務の支援などに奮闘しています。自治体労働者やボランティアをはじめ、被災地の復旧・復興にむけて奮闘している皆さんに敬意を表します。
住民本位の復興計画を
いまだに全容がつかめないほどの大きな被害ですが、第一に求められることは被災者の救援です。同時に、被災住民のいのちと暮らしを最優先にした復興計画の策定が求められます。阪神淡路大震災の教訓からも、経済再建を優先し、生活再建や社会的弱者の救済を二の次にする復興は許されません。
救援カンパにご協力ください
国公労連は、今回の震災にかかわり、救援カンパにとりくんでいます。ご協力いただいたカンパは、全労連などでつくる震災対策本部を通じ、被災された労働者・国民の救援と生活再建に役立てます。
【救援カンパの振込先】 中央労働金庫 新橋支店(普通)2255113 名義:国公労連2
復興に必要な行政体制の拡充を
一日も早い生活の再建や被災地の復興のために必要となるのは、そのための行政体制の確立です。国の行政機関ではすでに、本省と出先機関が一体となって、現地の出先機関や自治体への派遣などの全国的な応援・支援をとりくんでいます。 しかし、各省とも公務員は大幅に減らされており、どの職場でも慢性的な人手不足となっています。長期的な応援に対応するためにも、新規採用抑制の撤回や臨時増員などによる、行政体制の拡充が必要です。
あなたも労働組合へ
今回の震災では、国民の安心と安全を確保するために国が果たすべき責任と役割があらためて問われています。住民本位の復興を着実に進めるためにも、国の行政や財政の運営を民主的なものにすることが求められます。全体の奉仕者である公務員労働者が国民の権利を確保するためにも、人間らしく働き続けられる労働条件の確保が重要です。あなたも国公一般に加入し、力をあわせましょう。
◆霞が関メモ(コラム)
東日本大震災での未曾有の惨状に自然の猛威をあらためて実感する。一方、福島原発事故による被害の拡大にも胸を痛めるが、「想定外」との言い訳は絶対に許されない▲3月29日にやっと成立した政府予算。政府・民主党は震災復興の補正予算を今月中にも国会に提出するとしているが、財源のメドは立っていない▲政府予算には法人税率引き下げや証券優遇税制延長など2兆円もの大企業・大資産家減税や、毎年約2千億円の米軍思いやり予算が含まれているが、この見直しが不可欠だ。議員歳費の3割削減も決めたが、政党助成金も返上すべきではないか▲大震災からの復旧・復興には巨額な費用が必要だ。しかし、震災を口実にした消費税増税をはじめとする庶民増税に与することはできない。不眠不休で被災者救援と復興に奮闘する国と地方の公務員労働者の労働条件の確保も重要だ▲戦後未曾有の大震災だからこそ、被災者の生活再建と雇用確保を最優先にした住民本位の復興が求められる。経済優先で被災者と被災地を置き去りにしない政府の責任が問われている。
▼2面の記事
◆自ら被災しながらも交通運輸行政を支え 被災地復興へ奮闘する仲間たち〈全運輸〉
全運輸労働組合(全運輸)は、国土交通省の本省、地方運輸局、地方航空局、航空交通管制部や、自動車検査独立行政法人などで働く職員で組織する労働組合です。 今回の東北地方太平洋沖地震で被災した方々に対し全運輸一同、心よりお見舞い申し上げるとともに、一日も早く復興するよう願ってやみません。
仙台空港など壊滅的な被害を受けた交通運輸の復旧へ奮闘
今回の地震による津波の影響で、東北の空の玄関である仙台空港が壊滅的な被害を受けました。ターミナルビルや管制塔のある庁舎の1階部分に津波が押し寄せ、建物内部には大量の瓦礫が流れ込み、空港機能が正常に復旧するには相当の時間を要する見込みです。 また、東北の太平洋沿岸部には海上交通、海上物流サービス改善のための指導監督、各種届出の受理をおこなっている海事事務所も津波の被害を受け、業務再開の目処が立っていません。そのような状況の中、私たちの仲間は自ら被災しながらも交通運輸行政を支え、復興の一役を担っています。 こういった状況だからこそ、仲間の支えが求められるのです。今回の震災には多くの若者がボランティアとして駆けつけているところですが、私たち全運輸でも、国民に対する支援をはじめ、東北の地で奮闘する仲間に対し、救援カンパ活動などで全国から支援の運動を行っています。 労働組合は職場の仲間が一致団結し、同じ目標に向かって運動をすすめる組織です。今回の震災のような状況においては、困っている仲間を全員で支援する相互扶助という運動の基本が非常に重要となっています。一人だけではほんのわずかな支援でも、多くの仲間の力が集まれば大きな支援が可能となります。 みなさんも労働組合に加入し、仲間との絆やお互い助け合うことの魅力に是非触れてみませんか。きっとあなたを温かく迎えてくれるはずです。(全運輸労働組合)
◆労働相談メール 今回の大震災による勤務上の特例措置は?
Q 今回の大震災にかかわって、勤務上の特例措置などはあるのでしょうか?
A 今回の大震災にかかわって、職務専念義務の免除規定の見直しが次のとおり行われました。
[臨時措置] 人事院の指令により、職員の現住居の復旧や、同一世帯の家族の食料等の確保などを対象に、職務専念義務を免除できることになりました。また、親族の住居の復旧作業等もこの規定に準ずるとされています。
[特別休暇] 特別休暇にかかわる人事院規則も改正され、常勤職員の住居滅失・復旧作業等の特別休暇(取得期間=7日まで)の取得要件が前記の臨時措置と同じになり、非常勤職員にも適用されるようになりました。非常勤職員は、出勤困難時の特別休暇も常勤職員と同様に必要な期間の取得が認められました。 常勤職員のボランティア休暇は、暦年で5日まで認められています。取得にあたっては、活動の期間や種類、場所、内容など活動の計画を書面で提出することが必要です。残念ですが、現時点で非常勤職員にはボランティア休暇はありません。 何れにしても、承認は任命権者の裁量です。問題などがありましたら、職場の労働組合や国公一般に問い合わせてください。
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