トップページ
労働相談Q&A
労働相談はこちら
加入申込み
ブログ「すくらむ」
国公一般の取り組み
機関誌「国公いっぱん」
リンク
更新履歴
HOME  > 新着情報

機関紙『国公いっぱん』2011年3月2日付第63号★国際基準での公務員労働基本権の回復を

機関紙『国公いっぱん』2011年3月2日付第63号の記事テキスト

 ▼1面の記事

 ◆国際基準での公務員労働基本権の回復を

 1948年にアメリカ占領軍と日本政府によって一方的に剥奪された国家公務員の労働基本権。
 国公一般が加盟する国公労連は、これまで一貫して労働基本権の完全回復を求めてきました。ILO(国際労働機関)も再三再四にわたって日本政府に労働基本権の保障を勧告してきました。
 こうした中、2008年に制定された国家公務員制度改革基本法にもとづく推進本部が労使関係制度の検討をすすめ、昨年12月には「自律的労使関係制度に関する改革素案」を提示しました。

 問題山積の「改革素案」

 示された「改革素案」は、協約締結権に関する内容にとどまり、争議権と政治活動の自由も保障する国際基準にそぐわない不十分なものとなっています。
 また、日本政府も批准しているILO87号条約(結社の自由)や労組法に反して労働組合の適格性審査の導入、団体交渉打ち切りの法定化、政治的にも独立した第三者機関ではなく政府機関による民間賃金実態調査の実施、協約内容を法制化する際の内閣の事前承認制の導入など、協約締結権の内容についても問題があります。
 政府は、争議権は除外し、協約締結権のみを回復する関係法案の今国会への提出にむけた作業をすめています。だからこそ、国際基準に沿った労働基本権を回復させるよう政府に対する私たちの要求と運動を強めなければなりません。

 労働組合を強く大きく

 同時に重要となるのが、労働基本権の回復のもとでの労働組合の組織であり、要求と運動のあり方です。
 人事権も持たない管理職員を組合員の範囲から排除している現行の運用を改善し、組合員対象者を大きく広げることが重要です。
 「総人件費2割削減」を許さないためにも、職場の過半数以上を組織する労働組合が不可欠です。正規の公務員も非常勤職員も同じ職場の構成員です。
 職場の多くの仲間の力と多数の職場要求・国民的要求を背景にしてこそ、労働条件の改善や行政の民主化、公共サービスの拡充が展望できます。国公一般に加入してご一緒にとりくみましょう。


 ◆霞が関メモ(コラム)

 春闘が山場を迎える。経済を立て直すためにも、すべての労働者の賃金改善が不可欠。同時に、安定した雇用の拡大も重要課題だ▲労働者の勤労権は資本家の裁量に委ねられるものではない。整理解雇4要件の判例法理があり、労働契約法は「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする(第16条)」と定める▲日本航空の不当な整理解雇に抗して146人が裁判闘争に立ち上がった。一方、一昨年末に分限解雇された全厚生組合員の人事院の審理も始まった▲国家公務員の身分保障は、国民の基本的人権を守る行政の公正と中立性を担保するもの。社保庁廃止での乱暴な不当解雇は、日本年金機構の専門的、効率的な業務運営を阻害し、国民の信頼を損ねている。日本航空の乱暴な解雇は、「絶対安全」の軽視と裏腹のものだ▲民間でも、公務でも、労働者が安心して働くことによってこそ、国民の安全と安心が守られる。これを無視する政府や大企業が閉塞感の元凶だ。労働者のたたかいで反撃しよう。


 ▼2面の記事

 ◆民間委託で広がる大量解雇と労働条件切り下げ、
  公共サービス破壊をストップしよう〈全法務〉

 全法務省労働組合(全法務)は、法務省の機関である法務局・更生保護官署・入国管理官署・少年院施設に働く正規・非正規の職員で構成しています。

 市場化テストで破壊される雇用・労働条件と公共サービス

 そのうち、法務局では登記事務の証明書等発行業務が「市場化テスト法」に基づく民間委託とされ全国的に実施されています。
 しかし、競争入札で落札できなかった事業者従業員の雇用確保などの規定がないため、それまで受託事業者で働いていた従業員の大量解雇や労働条件の大幅な切り下げなどの重大な問題が発生しています。
 このようなもとでは、本来「市場化テスト法」が企図した、行政の「質」の向上が図られているとはいえない状況にあります。

 官製ワーキングプア大量再生産

 受託事業者の低賃金等の処遇面が劣悪な状況に至っているのは、低価格競争のもとで、適性な人件費が確保されていないことが大きな要因であり、「官製ワーキングプア」の再生産となっているといっても過言ではありません。
 この点に関し、2月26日付「週刊東洋経済」は、「公共サービスが壊れる―霞が関発ワーキングプア大量発生」との特集記事を報道しています。

 公契約条例の制定が必要

 私たちは、同じ職場で働く労働者として、こうした状況を看過することなく、受託事業者従業員の雇用安定と、適正・公正な賃金・労働条件などを確保するため、入札にかかる要綱への提言などを通じて法務省や政府に対する要求を重ねてきました。
 とりわけ、効率的で国民本位の行政、「質」の良い行政を確保するためにも、公契約法制定(ILO94号条約の批准による)によって、行政の担い手の労働条件の水準を確保させていくことが急務です。
 本来、国においてこうした制度を確立させ、自治体へと広げるべきですが、その動きは遅いものとなっています。現在、国に先んじ、各地方で公契約条例を制定し、あるいは検討を進める自治体が増えつつあります。引き続き、法務省及び政府への要求を強めていく予定です。(全法務省労働組合)


 ◆労働相談メール
  非常勤職員の育児休業は?

  国の非常勤職員です。4月から育児休業ができるようになるそうですが、どのような内容ですか?

  国公一般など労働組合の粘り強いたたかいにより、昨年10月、従来の不安定な日々雇用から期間雇用となるなど、国の非常勤職員の制度が改善されました。
 また、この4月からは非常勤職員も育児休業(育休)が取得できるようになります。昨年6月に施行された改正育児介護休業法によって、民間のパート労働者などにも適用を拡大したことにならったものです。
 しかし、取得には下図のように条件があります。申請時に条件を満たせば、子供が満1歳になるまでの育休のほか、3カ月までの介護休暇も認められます。
一方、育休取得を妨げるような雇い止めをさせない運用や、共済組合の育休給付など常勤職員との均等待遇の実現など、課題もあります。あなたも職場の労働組合や国公一般に加入して、改善に向けてとりくみましょう。


2011-04-20 15:14:54