全厚生第70回定期大会議案 《目 次》  [第1号議案]2006年度運動方針(案) はじめに〜憲法を生かし、職場と地域に根ざした労働組合を・・・・・・・・・・・・3 T 情勢の特徴・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4  1.情勢は何のために、いかに語るか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4  2.戦争か平和かが問われる重大な岐路にたつ・・・・・・・・・・・・・・・・・4 3.構造改革の害悪が吹き出している・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5 4.行政改革の新たな段階での課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6 5.「もうひとつの日本」をめざすたたかいの流れを太く・・・・・・・・・・・・7 U 全厚生運動の基本方向・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8  1.仲間たちの期待に応える・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8  2.たたかいの基本方向・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9  (1)労働組合の基本に立ち返り、活動する・・・・・・・・・・・・・・・・・・9 (2)憲法25条を行政に活かす・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9 (3)今と未来を切りひらく・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10 V 憲法・社会保障闘争の前進をめざす・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11 1.改憲を許さず、草の根の憲法運動を・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11  2.社会保障闘争で役割を発揮する・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12  3.年金・社会保障講師団活動の前進を・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13 W 社会保険庁改革に対する取り組み・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14  1.取り組みの経過と到達点・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14  2.社会保険庁改革をめぐる情勢・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19  3.たたかいの基本方向・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20 X 職域・部門の課題での前進をめざす・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22 1.本省庁の課題とたたかいの基本方向・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22  2.試験研究機関の課題とたたかいの基本方向・・・・・・・・・・・・・・・・・23  3.独立行政法人の労働組合の前進をめざす・・・・・・・・・・・・・・・・・・24  4.社会福祉施設の課題とたたかいの基本方向・・・・・・・・・・・・・・・・・25 Y 基本要求の前進をめざす・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・26  1.働くルールの基本−健康で働ける職場づくり・・・・・・・・・・・・・・・・26  2.国民の視点に立ち、必要な定員確保をめざす・・・・・・・・・・・・・・・・26  3.身近で切実な労働条件を改善する・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27  4.公務員制度改革と労働条件改善の課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28  5.真の男女平等をめざし、男女共同参画社会の実現を・・・・・・・・・・・・・29  6.権利をめぐる裁判闘争をたたかう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30  7.平和と民主主義を守り、国民が主人公の政治を・・・・・・・・・・・・・・・31 Z 頼りになる労働組合をつくる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・32  1.日常活動を重視し、組織を拡大・強化する・・・・・・・・・・・・・・・・・32  2.生き生きした青年活動をめざす・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・34  3.輝く女性活動の前進をめざす・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・35  4.全厚生運動仲間、担い手を広げる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・35  5.学習教育活動を前進させる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・36  6.情報・機関紙活動を前進させる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・37 [ 全厚生の団結と機能を高める・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・38 [第1号議案]2006年度運動方針(案) はじめに〜憲法を生かし、職場と地域に根ざした労働組合を    こんな社会で、いいはずはない  この国は、おかしい。そう、誰もが感じている     毎日の仕事に追われ、競争し、格差が広がる社会    何よりも、生きる希望が奪われ、仲間の笑顔が消えている     権利も、公共性も破壊する公務の民間開放−公務労働は国民のためにある    理屈も道理もなく、痛みを強いる構造改革−こんな改革に未来は託せない   憲法こそ、たたかいの原点  20世紀の人類が生み出した最高の宝−日本国憲法   憲法を守るとは=その理念を社会と暮らしの隅々に広げること   憲法を活かすとは=旬(しゅん)の力で、歴史を創造すること   改めて、胸に刻む    「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、    これを保持しなければならない」(日本国憲法・第13条より)   労働組合の力で希望を見いだす  労働組合の真価を発揮する−全厚生の出番!  大切なことは、共同の力で前進させること     一人はみんなのために、みんなは一人のために   反撃の大きな流れをつくる−あせらず、幅を広げよう    揺るぎない決意でたたかう−労働者としての誇りをかけて T 情勢の特徴 1.情勢は何のために、いかに語るか 情勢を語ることは、たたかいを進める時に、とても大切です。一つには、私たちの位置 を客観的にみるためです。そのポイントは、様々な動きをバラバラに捉えず、視野を広げ、 相互の関連の中でつかむことです。毎日、毎日、こんなに大変なのはなぜかが明らかにな ります。職場で、地域で、国内外で起きる出来事の背景や原因を根本からつかむことも可 能です。全体像を正確に把握すれば、たたかいの課題が鮮明になり、効果的な処方箋(= 運動方向)を見いだす条件をつくります。 もう一つは、運動を前進させる様々な動きを見ることです。政府・財界は、マスメディ アを支配し、一方的な情報宣伝を行います。国民・労働者の怒りが、大きな運動に結びつ きにくい状況だからこそ、発展の可能性をもつ運動の芽、たたかいの萌芽を見いだすこと が大切です。一滴の水が、いずれ大河になるのです。様々な運動に学び、情勢を切りひら く観点に立ち、生き生きと情勢を語ることが確信につながります。 2.戦争か平和かが問われる重大な岐路にたつ (1)「戦争する国」に大転換する「壊憲」の動き この国は今、重大な岐路にたっています。それは、日本国憲法を変える動きが強まってい るからです。改憲のねらいは、自民党が昨年11月に発表した「新憲法草案」を見れば、 明らかです。憲法第9条を改定し、日本をこれまでの「戦争をしない国」から「戦争する 国」に大転換することです。この中心課題と併せ、構造改革を加速させるための改憲がね らわれています。基本的人権を制限し、社会保障改悪をすすめ、格差社会をつくることを 憲法が奨励するなど、とんでもないことです。秋の臨時国会では、継続審議となっている 「改憲手続き(=国民投票の手続きと国会の改憲発議の手続き)法案」が焦点になります。 また、海外派兵を自衛隊の本来任務(主要任務)に格上げし、防衛庁を防衛省に移行させ るための自衛隊法や防衛庁設置法などの改悪案も継続審議になっています。この国のあり 方の根本をかえる「壊憲」を絶対に許してはなりません。 (2)アメリカの要請ですすむ改憲と構造改革  9条改憲の動きは、日米関係と直結しています。6月の日米首脳会談では、共同文書「新 世紀の日米同盟」が発表されました。そこでは、「両首脳は、日米関係が歴史上最も成熟し た二国間関係の一つであるとの見解で一致した」とし、「21世紀の地球的規模での協 力のための新しい日米同盟を宣言した」と述べました。特に、在日米軍再編を「過去数十 年間で最も重要な再編」と強調し、「日米同盟を将来に向けて変革する画期的な諸合意」と 位置づけています。この地球規模の日米同盟とは、軍事、政治、経済、価値観をアメリカ と一体のものにしようとする合意です。改憲と構造改革は、アメリカの要請ですすんでい ます。ポスト小泉後も、世界で孤立を深めるアメリカ・ブッシュ政権に追従する道を選択 すれば、国民との矛盾は深まらざるをえません。 (3)改憲と一体ですすむ危険な動き   この国を「戦争する国」にかえるには、警察・治安体制を強化し、国民の表現や言論の 自由を奪い、戦争に反対する勢力を弾圧する体制づくりが必要です。アジア・太平洋戦争 という侵略戦争をすすめた戦前の体制は、そのことを物語っています。国公法弾圧事件は、 偶然起きた事件ではありません。公務員の政治活動の制限と労働基本権問題は、国のあり 方とかかわる、政治的な課題です。継続審議になっている「共謀罪を新設する法案」は、 現代版・治安維持法とも指摘され、言論弾圧、スパイ密告の世界をつくる危険性をもって います。さらに、教育基本法改悪のねらいは、「お国のために」命を投げ出す「愛国心」を 法定し、個人を国(政府)に従属させる精神構造をつくることにあります。戦後の日本は、 戦前の日本国家がおかした大きな誤りに対する批判と反省から再出発しています。憲法と 教育基本法は、その決意です。教育基本法の前文は、「この理想の実現は、根本において教 育の力にまつべきものである」とうたっています。自由にものを考える権利は、絶対に放 棄してはなりません。改憲と一体の様々な危険な動きに注意しなければなりません。 3.構造改革の害悪が吹き出している (1)構造改革が格差社会と貧困をつくる  「郵政民営化」を争点にした総選挙で自民党が圧倒的な議席を得て、小泉「構造改革」 が加速・強行される一方、構造改革の影・歪みの部分が浮き彫りになっています。この5 年間の改革は、社会保障では医療、年金、介護、障害者分野で制度改悪を行っています。 生活保護行政では、秋田市で「抗議自殺」事件がおきました。まさに、福祉が人を殺す事 態です。OECD(経済協力開発機構)の発表では、日本の所得格差が拡大し、2000年には0ECD 加盟国の中で相対的貧困率がアメリカに次いで2番目に高くなったことが明らかになりま した。格差社会と貧困は、構造改革によってつくられています。これは、社会問題であり、 一人ひとりのレベルで解決することはできません。構造改革をすすめれば、国民の暮らし、 安全・安心が奪われ、矛盾がさらに広がることは明らかです。社会的格差を拡大する社会 か、安心・安全・平和な社会かを根本から問わなければなりません。 (2)構造改革の推進と危険な日米関係  小泉首相は、「世界に首脳でブッシュ大統領ほど心に感じ、友情を感じ、信頼できる、協 力してきた首脳はない」(6.29・ホワイトハウス到着式典)と言いました。しかし、この友 情は、日本国民にとって、有害以外の何ものでもありません。アメリカは毎年、日本政府 への年次改革要望書で注文をつけ、それを小泉内閣が構造改革によって実現してきました。 「郵政民営化」や、「混合診療」の解禁は、アメリカの金融・保険業界の要求を受けて注文 されたものです。その他にも、日本に対して広範な分野で規制緩和を要求しています。こ れらは、アメリカ企業の儲けのために日本市場を開放する政策です。さらに、労働法制に も口出ししています。その要求は、裁判所で解雇無効の判決が会社が金を払えば労働者を 解雇できるしくみや、残業代を払わずに何時間でも働かせられる「ホワイトカラー・エグ ゼンプション(適用除外)」の導入です。そして、9条改憲(明文改憲)は、アメリカが日 本に要求する最大の課題です。アメリカ直輸入の路線を押しつけられては、たまりません。 小泉首相は、プレスリーを歌っている場合じゃありません。 4.行政改革の新たな段階での課題 (1)公務の民間化の攻撃が加速している  公務の市場化・民間化の攻撃が加速しています。この攻撃は、1980年代の第2臨調 の行政改革にはじまり、中央省庁再編で新たな段階に入りました。政治主導で支配層が生 き残りをかけた中央集権的な行政体制づくりがすすめられています。06年の通常国会で は、新たな行革法案(行政改革推進法、市場化テスト法)が強行され、公務の民間化の攻 撃が強められることは必至です。財界の意向で、国のあり様をかえる国家改造というべき 事態に対し、公務の本質を語り、公務労働の原点にかえり、たたかうことが重要です。 (2)「官から民へ」の流れをはね返すたたかい   「官から民へ」は、「小さな政府」(簡素で効率的な政府)をめざすスローガンです。こ れは、民間でできるものは、公務にはさせないという一方的な言い方です。その目的は、 公務を大企業の利潤追求の対象へと開放することです。政治評論家の森田実氏は、郵政民 営化は、金融資本がひしめくアメリカ・ウォール街から広告費が日本に流され、大々的に 民営化キャンペーンが行われたと指摘しています。「『民営化は善、国営は悪』という感情 論を大々的に宣伝し、国民の意識を変えてしまった。」(著書「小泉政治全面批判」)と述べ ています。公務の根本が問われることなく、事が「単純化」され、「誇張」し、本質が隠さ れています。公務員及び公務労働組合バッシングで公務員と国民・労働者が分断されては なりません。「官から民へ」の意図的な攻撃をはね返すために、民間労働者、国民との対話 を強め、共同した取り組みを着実に前進させることが重要です。 (3)社会保険庁改革の課題を深く掘り下げる  社会保険庁改革は、様々な課題が複雑に折り重なっています。改めて整理することが大 切です。一つは、行政のあり方を変える最先端の位置にあることです。社会保険庁を解体 し新組織をつくる中には、あらゆる行革手法が盛り込まれています。まさに、公務破壊の トップランナーになっています。二つは、社会保障の構造改革をすすめる「受け皿」の役 割を担っている点です。「全国健康保険協会」の設立は、医療大改悪と一体ですすんでいま す。公的年金制度の抜本改革の方向と「ねんきん事業機構」は、事業運営を通じて結びつ くものです。三つは、様々な改革が、一体ですすんでいることです。社会保険庁改革は、 「業務改革」「組織改革」「意識改革」が一体ですすめられています。その上、「社会保障構 造改革」と「行政改革」がダブルで重なり、相互に関連して事がすすんでいます。さらに、 社会保険庁改革は、公務員制度改革を先取りし、「人事評価制度制」や「国家公務員法の分 限処分」が政治的に扱われています。そして、これら全てが、社会保険庁の不祥事を背景 に、国民の信頼を取り戻すためと称して、政治的にすすめられていることに注意を払わな ければなりません。たたかいの処方箋を導き出すためには、常に全体像を見て、事の本質 をつかみ、問題を深く掘り下げることが大切です。 5.「もうひとつの日本」をめざすたたかいの流れを太く (1)構造改革路線を転換する以外にない  小泉「構造改革」は、この国を少数の「勝ち組」と大多数の「負け組」を生み出す弱肉 強食の社会を作りだしました。痛みに耐えても、暮らしは少しも良くならず、悪くなるだ けです。構造改革の影が浮き彫りになり、こんな社会でいいはずはないと、国民の怒りが たたかいを広げています。安心・安全な社会をつくるには、構造改革を路線を転換させる 以外にありません。           (2)改憲を阻止し、共同の力で新しい前進を  今、日本の良心を代表する9人の著名な知識人が呼びかけた「9条の会」の運動が大き く前進しています。全国で5千をこえる地域や職場、様々な分野の「9条の会」が多彩な 活動を繰り広げています。また、教育基本法の改悪反対や全国で基地闘争が力強く前進し ています。資本のグローバル化による嵐が一見、世界を覆っているように映っていません か。しかし、実際は、そうではありません。人間らしく生き、働く、政治や社会を変える 世界の労働者のたたかいが前進しています。日本のたたかいは、その重要な構成部分です。 改憲阻止のたたかいは、その中心に位置しています。公務の民間化に反対する公務労働運 動は、国民の願う行政を再生させる極めて重要なたたかいです。これらは、憲法を社会の 中に根づかせるたたかいとして、相互に関連しあい、発展する可能性をもっています。改 憲をくい止め、憲法が活きる全く新しい前進をつくる展望をもって、一歩一歩、たたかい を前進させましょう。 U 全厚生運動の基本方向  1946年4月20日に結成された全厚生(当時は、厚生省職員組合)は、今年(20 06年)、結成60周年を迎えます。この間、労働条件の改善と共に、厚生労働省(旧厚生 省)で働く職員で組織された労働組合として、行政の民主化、社会保障を守るたたかい を重視して取り組んできました。これまでの歴史を踏まえ、全厚生運動の基本方向を確認 し、新たな情勢のもとで、たたかいを前進させます。 1.仲間たちの期待に応える 〔労働組合運動の根本課題〕  雇用が破壊され、生活水準が切り下げられ、権利が脅かされています。こうした下で、 人間らしく生き、働くために、労働組合の役割は益々重要です。この課題を中心課題に据 えてたたかう組織は、労働組合以外にはないからです。働くものが要求を実現するための 唯一の力は、団結の力です。今は、政府や財界の力が、国民・労働者の力より、勝ってい ます。この攻撃をうち破るには、労働組合の「企業内主義」をのりこえ、すべての労働者 を視野に入れ、幅を広げて、たたかうことです。仲間たちの期待に応える労働組合運動を 築くために、全労連の示す「新しい労働組合運動のあり方」を求め、系統的・意識的に努 力します。 【「新しい労働組合運動のあり方」について】  全労連第22回定期大会(2006.7.26〜28)は、「21世紀の新しい労働組合づくりをめざ して(全労連組織拡大強化・中期計画案)」を決定しました。「雇用、生活、権利が破壊さ れている下で、全労連の役割発揮が今こそ求められている」として、全労連運動を前進さ せていく戦略を示しています。「新しい労働組合運動のあり方を求めて」の項で示す5つの 柱は、「@企業主義の克服、Aすべての労働者を視野においた運動、B男女共同参画型の追 求、C『全組合員参加』型の運営と運動、D『政策重視型』労働組合へ」です。これらは、 全厚生運動を前進させる上でも、示唆を与える問題提起となっています。 〔全厚生運動の原点を忘れない−社会保障守れの行動を起こす〕  1946年4月20日に結成された全厚生(当時は、厚生省職員組合)は、社会保障闘 争の分野で重要な役割を担ってきました。1954年、吉田内閣がすすめた再軍備策動に 反対し、社会保障を守れの行動を起こした歴史は、全厚生運動の原点です。さらに、社会 保障を守る共同のたたかいの一翼を担い、中央社保協(=中央社会保障推進協議会)をつ くる上で一定の役割を果たした事実は、先輩たちの重要な貢献です。全厚生運動の原点を 知り、一歩一歩、たたかいを着実に前進させていきましょう。 2.たたかいの基本方向 (1)労働組合の基本に立ち返り、活動する 〔職場を基礎に団結を力にたたかう〕  組合への信頼と強い団結なしには、たたかいを前進させることはできません。全厚生の 団結の質がためされる時です。「一人はみんなのために、みんなは一人のために」です。全 厚生運動の原点である憲法25条を大切にし、仲間の輪を広げ、たたかいます。運動は、 職場を基礎にしてたたかい、国公労連に結集します。地域でのたたかいを重視し、共同の 力で流れをかえるためにたたかいます。職場では、本音で話し合い、交流を大切にします。 忙しい中だからこそ、人間らしさを失わず、文化やレク活動を重視して取り組みます。 〔組合員が主人公−全員参加型で活動する〕  組合員も支部・分会役員も忙しい中で、生き生きした組合活動をつくる課題は、すべて の支部に共通しています。一握りの執行部のみが走り回り、請け負いの活動では、運動は 広がりません。活動する条件が厳しいからこそ、支部・分会体制を確立することを最優先 の課題にして取り組みます。  組合運営で大切なことは、「みんなで討議し、みんなで決め、みんなで実行する」ことで す。これが、組合民主主義です。とくに、重要な判断が常に求められる時期が続きます。 すべての機関運営で、組合民主主義を貫く努力を行います。執行部は、どんな時にも多く の組合員が行動に参加するように呼びかけます。一人ひとりの条件のちがいを考慮して、 一律・機械的でない活動を工夫し、全員参加型の活動を探求します。 〔職場のすべての仲間を視野に入れて、共にたたかう〕  今、どこの職場でも、多くの非常勤職員が働いています。政府や財界がパート労働者や 派遣労働者などの不安定雇用労働者を意図的につくる政策の下で、非常勤職員は増加して います。労働組合は、職場で労働者同士がバラバラにされ、分断・支配されないために団 結をつくります。すべての労働者を視野にいれた運動とは、正規職員中心の運動から、非 常勤職員とともにたたかう労働組合をめざすことです。労働組合が職場での信頼を高めて いく、実践的な課題として追求します。 (2)憲法25条を行政に活かす 〔公務・行政の本来の役割を問う〕  憲法15条は、公務員を全体の奉仕者として位置づけています。行政を市場原理にさら す民営化や営利化は、公務・行政の本来の役割を変質させることにつながります。憲法2 5条を行政に活かすために、全厚生は、「何のため、誰のため」に厚生労働行政があるかを 真剣に問い続け、国民の願いに応える厚生労働行政の確立をめざし、奮闘します。 〔行政民主化のたたかいを前進させる〕  2000年9月の第64回定期大会は、「労働条件の改善とともに、社会保障の拡充、厚 生行政の民主化をめざすたたかいは、厚生行政の担い手である全厚生の存在意義をかけた 重要な課題です」と規定しました。とりわけ、行政研究活動を大衆的にすすめることを強 調し、「それぞれの職場から、自らの仕事と労働を国民の立場から見直し、検証する活動に 取り組みます」との方針を決定しています。行政民主化のたたかいを積極的に位置づけて きた歴史と伝統を受け継ぎ、たたかいを前進させます。 〔国民とともにたたかう=全厚生の存在価値、ここにあり〕  全厚生の組合員は、厚生労働行政の担い手として、一人ひとりが誇りとやりがいを持ち、 仕事がしたいと願っています。しかし、現在の行政は、社会保障切り捨て政策、定員削減 の強行、公務の民間化などによって、本人の意思とは裏腹に国民に犠牲を強いる結果にな っています。悔しい思いを抱くだけで済ませてはなりません。  行政を国民の立場で考え、見直し、全厚生は何ができるか、何をすべきかを率直に考え、 行動するために、知恵と力を結集します。公務員は、「憲法を尊重し擁護する義務を負う(第 99条−憲法尊重擁護義務)」ものです。全厚生は、憲法が行政と公務員労働者に要請する 基本点を自覚し、社会保障行政を守るために、国民とともにたたかいます。 (3)今と未来を切りひらく 〔新たな決意で、頼りになる組合活動を築く〕  どこの職場・支部でも、団結を維持する上で、困難をかかえています。行政の課題も複 雑になっています。定員削減のしわ寄せが職場の労働者に押しつけられています。困難に 負ければ、運動は停滞します。せめぎ合いの中で、踏ん張りが必要です。支部活動を元気 にさせる環は、支部執行委員会を軸にして、組合員に新鮮な血液を送り続けることです。 組合員の思いを受け止め、新たな決意をもって支部活動を持続させ、仲間たちの期待に応 える組合活動を築く1年にします。 〔正念場のたたかい−要求実現のために知恵と力を結集する〕  政府・財界がすすめる構造改革は、「格差社会」をつくりだしています。当然、厚生労働 行政は、改革のターゲットにされています。国民に激痛を強いる改革をすすめるために、 「小さな政府」論が持ち出され、「官から民へ」がキャッチフレーズのように使われていま す。厚生労働行政の根本が問われる中、行政組織の改革は、構造改革の具体化として急激 にすすめられています。こうした事態は、構造改革の下で必然的に生み出される、政治的 な課題です。まさに、全厚生は、最も厳しいたたかいの中にあります。課題を正確に分析 し、統一した力、共同の力で、流れを変えなければなりません。全厚生の正念場のたたか いです。今と未来を切りひらくために、知恵と力を結集してたたかいます。 V 憲法・社会保障闘争の前進をめざす 9条改憲を許さないために、あらゆる努力を行います。そのためには、「この国の主権者 である国民一人ひとりが、9条を持つ日本国憲法を、自分のものとして選び直し、日々行 使していくことが必要です。」(「9条の会」アピールより)  憲法25条を活かす社会保障闘争は、厚生労働省(旧厚生省)の労働組合である全厚生 にとって、特別な意味をもっています。全厚生は、憲法闘争と社会保障闘争を深く結びつ けてたたかいます。 1.改憲を許さず、草の根の憲法運動を (1)憲法をたたかいの土台に据える  憲法を守るには、憲法に確信をもつことが大切です。私たちは主権者として、借り物で はなく、自分自身の言葉で、憲法を語ることが大切です。特に、憲法がいかにこの社会で 積極的な役割を果たしているかを探求することが重要です。憲法は、職場や社会に根ざし ていることを真剣に議論します。くらしや教育、働き方、政治にいたる様々な問題を「憲 法のものさし」で見つめ直します。要求討議は、憲法の理念から見てどうかを問い、たた かいの土台に憲法を据え、要求の前進をめざします。 (2)憲法9条と25条の相互の価値を探求し、語る  日本国憲法の第9条と第25条、すなわち平和探求の理念、社会保障の原点となる理念 は、密接に結びついています。「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、 平和のうちに生存する権利を有することを確認する(憲法前文)」は、そのことを見事に表 現しています。第2次世界大戦(戦争)の多くの犠牲と深い反省にたち、この理念がつく られています。改憲勢力は、この双方を邪魔者扱いし、「戦争する国」づくりと「福祉や社 会保障の縮小・解体」を同時にすすめようとしています。全厚生は、憲法9条と25条の 意義や相互の価値を探求し、あらゆる機会を生かし、語る活動をすすめます。 (3)「9条の会」の運動に学び、活かし、たたかいを広げる  2004年6月10日に結成された「9条の会」の運動が大きく広がっています。その アピールは、「日本と世界の平和な未来のために、日本国憲法を守るという一点で手をつな ぎ、『改憲』のくわだてを阻むため、一人ひとりができる、あらゆる努力を、いますぐ始め ることを訴えます」と呼びかけました。この呼びかけにこたえ、地域・職場・分野ごとに、 多様な「9条の会」が全国で5千をこえて結成されています。呼び掛け人である評論家の 加藤周一さんは、「『9条の会』は上り坂です。勢いのある運動が勝ちます。押して押して いけば(改憲の動きに)勝つ可能性があります」と、作家の澤地久枝さんは、「市民たちが それそれの地域や職域において、憲法9条を守る努力を続けておられる。そして、日に日 に増えている。いま私たちは新しいあけぼのにいるのかもしれません」と話しています。 全厚生は改憲阻止のたたかいを広げ、職場や地域で憲法を活かすために奮闘します。  @「9条の会」のアピールを深くかみしめ、全国の「9条の会」の運動に学び、活かし、 運動の担い手となるために奮闘します。「職場9条の会」は、その趣旨に沿い、創造的に探 求します。A「憲法特別コース」で受講した成果を運動に活かし、受講生は憲法運動の先 頭に立って奮闘します。B「9の日宣伝」に積極的に参加します。C国公労連の提起する 憲法闘争を全力で実践します。D引き続き、憲法学習を重視します。支部・分会単位で、 執行委員会で、組合員が集まる場など、あらゆる機会に憲法学習を行い、学び、たたかい ます。 2.社会保障闘争で役割を発揮する (1)社会保障の危機に立ち向かう  社会保障の危機に対し、憲法25条とは何か、このテーマを真正面から議論することが 重要です。なぜなら、政府や財界が、社会保障原則や生存権保障を歪め、変質させながら、 総改悪をすすめているからです。社会保険では、保険原理のみを強調し、国庫負担や大企 業負担を減らそうとしています。社会福祉では、利用者とサービス契約者との間での「契 約」が基本となり、社会福祉とは異なる状況がつくりだされています。  こうした下で、改めて思いおこす必要があるのは、朝日訴訟の東京地裁判決です。「憲法 25条にいう『健康で文化的な生活』は、国民の権利であり、国は国民に具体的に保障す る義務がある。それは、予算の有無によって決められるのでなく、むしろこれを指導支配 しなければならない」との画期的な内容です。社会保障は建前などではありません。革新 自治体は、「憲法をくらしに生かそう」(蜷川虎三・京都府知事と京都府民が先駆けて創り 出したスローガン)を合い言葉に、社会保障を充実させる政策を打ち出した歴史を忘れて はなりません。こうした歴史に学び、社会保障再生の道を歩まなければなりません。  全厚生規約第3条は、「社会保障の確立のために行政の反動化に反対し、わが国の平和と 民主主義の確立に寄与する」と記しています。これは、行政民主化と社会保障を守ること を一体のものと捉え、全厚生運動に位置づけたものです。憲法が行政と公務員労働者に要 請している基本点を自覚し、社会保障を守り、拡充する運動とともに前進します。 (2)社会保障の総改悪に対し、共同の力でたたかう 今日の社会保障の各分野の改悪は、部分的な制度改悪の水準を超え、社会保障の理念を 変質させる制度の再編成となっています。社会保障の一体的な見直しは、社会保障給付を 財界の意向にそって抑制することがねらいです。04年の年金大改悪、05年の介護保険 制度の見直し、06年の医療大改悪と続き、庶民大増税路線と一体の攻撃として進められ、 消費税大増税に結びつけようとしています。憲法25条の生存権保障の原点が問われる正 念場です。社会保障、社会福祉の切り捨て、変質を許してはなりません。社会保障闘争は、 社会や政治のあり方を根本から問う、新たな位置づけが必要です。社会保険庁改革に対す る取り組みでは、社会保障構造改革との関連を明らかにし、国民的な課題に位置づける役 割が全厚生に求められています。最低保障年金制度の確立をめざし、共同した取り組みを 強めることが必要です。  社会保障闘争を恒常的な運動として前進させるために、全労連・中央社保協(=中央社 会保障推進協議会)に結集して国民的なたたかいの一翼を担います。各支部は、県労連・ 地域労連に結集して、積極的にたたかいます。基本要求は、@医療制度改悪を阻止し、誰 もが安心して受けられる医療制度の拡充、A年金制度改悪を中止させ、老後を安心して暮 らせる年金制度の拡充、B誰もが安心して受けられる介護保険制度の抜本的な見直し・改 善などをめざします。 3.年金・社会保障講師団活動の前進を 〔年金講師団活動の貴重な財産〕  全厚生の年金講師団活動は、04年の年金闘争の中で積極的な役割を果たしました。最 終的には82人の講師団がつくられ、全国で666回に及ぶ学習会に出かけ、約2万3千 600人に近い参加者に対し、年金改悪のねらいや内容を伝え、社会保障の立場から老後 が安心して暮らせる最低保障年金制度の確立をめざす国民的な討議を呼びかけました。講 師活動は、労働組合、社保協加盟の各団体、民主団体、女性団体、青年団体など多岐にわ たり、年金闘争に重要な貢献を果たしました。この活動で結びついた諸団体との関係は、 今日でも貴重な財産です。この財産を活かし、社会保障を再生させる仲間として、共同す る関係に発展させなければなりません。 〔年金・社会保障講師団活動を前進させる〕  年金制度の抜本的な見直し議論がはじまっています。当面、年金制度の一元化では、厚 生年金と共済年金の統合が打ち出され、最低保障年金制度では、社会保険制度の在り方と かかわり、財源問題での消費税増税や給付水準での攻防などが焦点となり、政治課題とし て、政党レベルでの議論もすすめられています。今、大切なことは、社会保障の「一体的 見直し」の全体を視野に入れ、安心して暮らせる公的年金制度の確立、憲法25条にもと づく最低保障年金制度の確立をめざす課題を明らかにすることです。年金講師団活動を今 日の情勢の下で、前進させることが必要です。社会保険庁改革の本質は何かを語る仕事も 加わります。社会保障構造改革に立ち向かうには、社会保障を語ることが重要です。年金・ 社会保障講師団としてバージョンアップする組織的な努力を行います。各講師は、講師依 頼に積極的に応じて、実践を積み重ねます。 W 社会保険庁改革に対する取り組み 1.取り組みの経過と到達点 社会保険庁改革の取り組みでは、改革のねらいが「公務破壊のトップランナー」に位置づ けられ、「社会保障構造改革」と一体ですすめられていることを内外に明らかにし@仲間の 団結を大切に取り組むA労使関係を徹底的に重視するB国民的な運動構築をめざすなど3 つの視点・基本方向を確認し、全厚生の最優先課題に位置づけ取り組みました。 社会保険庁改革関連法案が第164回通常国会で審議される重要局面において、全厚生の 基本的な考え方(全厚生新聞号外06.03)をまとめ、@国民の視点に立った制度・サービ スの改善に努めるA国公労連を中心とした公務産別の運動に積極的に参加するB医療制度 改悪に反対する広範な運動に結集するC当局に対して使用者としての責任を求めるD雇用 破壊の問題点などを労組・民主団体に発信し支持を訴えるE国会審議を重視し政党・議員 要請行動などを基本とし、国公産別をはじめ多くの仲間に支えられながら様々な活動を取 り組みました。 (1)取り組みの概要(到達点) ・2005.10.27 社会保険支部代表者会議開催 ・2005.11.07 新有識者会議でのヒアリング(全厚生の主張と問題点を発言) ・2005.11.14 新たな人事評価制度に対する全厚生の基本的な考え方(職場討議資料)  ・2005.11.15 新たな人事評価制度に対する第一次質問書提出 ・2005.11.24 人事評価制度の学習・意見交換会(愛知) ・2005.11.25 人事評価制度懇談学習会(京都) ・2005.11.29 大臣官房人事課長交渉(秋闘の重点要求) ・2005.12.02 社会保険支部代表者会議 ・2005.12.07 川崎厚生労働大臣交渉(厚生共闘) ・2006.01.  「業務外閲覧処分」について見解 ・2006.01.20 社会保険庁交渉 ・2006.01.21 第47回中央委員会 ・2006.01―02 全国社会保険事務局周辺宣伝行動(国公労連・県国公) ・2006.02.10 第一次中央行動 ・2006.03.01 徹底審議と国民本位の改革を社会保険庁改革関連法案等に対する基本的な 考え方(職場討議資料発行) ・2006.03.14 医療制度問題懇談会(全厚生、全医労、健保労組) ・2006.03.23 大臣官房人事課長交渉(06春闘の重点要求) ・2006.04.14 第二次06春季闘争中央行動、衆参両院68人の国会議員要請 ・2006.04.21 社会保険庁職員課と全厚生中執との意見交換会 ・2006.04.22 全国支部委員長会議 ・2006.04.23 社会保険関係支部代表者会議 ・2006.05.26 第三次国公労連夏期闘争中央行動 (社会保険庁前要求行動、申し入れ) ・2006.05.  国会傍聴(社会保険庁関連法案) ・2006.06.16 国民年金保険料納付免除問題について見解 ・2006.07.25 国公労連人勧期中央行動、シンポジウム (2)主な取り組みと課題 〔現場の英知を結集−討議資料の作成〕 トップダウンによる社会保険庁改革のテンポに拍車がかかる中、中央執行委員をはじめ現 場の英知を結集し、新たな人事評価制度に対する全厚生の基本的な考え方(全厚生新聞号 外05.11)、徹底審議と国民本位の改革を=社会保険庁改革関連法案等に対する基本的な考 え方(全厚生新聞号外06.03.01)など討議資料を作成し、組合員の学習・討議を深めまし た。 また、国公労連が取り組んだ「公務サービスの商品化」反対キャンペーンでは、社会保険 庁改革の問題点や選別採用の不当性を明らかにする宣伝ビラを作成しました。 〔社会保険新組織の実現に向けた有識者会議に対する取り組み〕 11月7日、「社会保険新組織の実現に向けた有識者会議」(厚労相の私的懇談会)の、関 係者ヒアリングにおいて全厚生の考え方を表明しました。ヒアリングでは、杉下全厚生委 員長、高端自治労国費評議長、宮武社会保険事業運営評議会座長(埼玉県立大学教授)、小 野地秋田社会保険事務所長の4名が意見表明を行いました。 〔全厚生の主張〕 @組織改革について 公的年金の運営主体については、国家行政組織法第3条に基づく行政機関、庁として位置 づけることが必要。政管健保は被用者保険の最後の受け皿。国の責任を基本に、労働者・ 国民の視点に立ち、どうあるべきかの幅広の議論が必要。適用及び徴収と給付は一体。事 務処理の効率性等から問題があり、全国一体的に運営していくことが必要。 A雇用問題について 雇用の問題が重大な問題。新組織への移行においては最善の努力をはらうことが必要。雇 用不安を起こすべきではない。また、選別や排除を可能とする「法的措置」なるものを規 定することはあってはならない。 B業務改革の推進と職員の労働条件  職員が能動的、主体的に意欲を発揮するうえで、職員の理解を得る手順をつくすことが 必要。労働条件は、勤務条件法定主義であり、そこからはずれることはあってはならない。 労使協議をつくすことが不可欠。 C新人事評価制度 評価制度は労働条件そのもの。理解と納得が得られる労使協議を。本格実施にいたる過程 において、十分な検証・検討が行われねばならない。スケジュールありきのやり方は改め るべき。公務員の労働条件の根幹を規定している公務員制度にかかわることであり公務全 体との整合性をはかることが必要。 D定員削減  社会保険業務はマンパワーなくして成り立たない。増加する業務量への対応、行政サー ビスの向上、働くルールの確立からも、削減ありきのやり方は改めるべき。  職場では、人間関係が希薄になり、心の病で休んでいる人が目立つほど多くなってきて いる。こうした深刻な事態の背景には複雑な仕事と忙しさがあることは疑いのないところ。 現場の実際を踏まえた議論、対策こそが重要。  公務は人であり、育成が重要。改革の中で、職員のモチベーションの低下をきたすよう なことはあってはならない。 〔「業務目的外閲覧処分」に対する基本的な考え方(見解)〕 社会保険庁は12月27日、社会保険庁が保有する被保険者記録などの個人情報を業務目 的外に閲覧したとして、非常勤職員を含む3,273人に対し、国家公務員法及び社会保 険庁内規に基づく処分を行いました。全厚生は1月に「業務目的外閲覧処分」に対する基 本的な考え方について見解を明らかにしつつ、社会保険庁の基本姿勢について@個人カー ドとしての管理運営も求めてこなかったA窓口装置は複数の職員で使用せざるを得ない状 況にあるB可搬型窓口装置については管理責任上限界があること。また、処分までの経緯 については、閲覧者が特定できていないケースや、目的外と断定できないようなケースも 含め、公平性の観点から見て大きな問題があると指摘し改善を求めました。 〔新たな人事評価制度に対する取り組み〕 全厚生は、職場討議資料(全厚生新聞号外05.11.14)を作成し、新たな人事評価制度の学 習・意見交換を取り組むなど多くの組合員との対話をすすめてきました。また、社会保険 庁に対しては@一定職以上を対象とした4月からの「本格実施」は行わず、制度の周知と 研修の拡充を図るなど引き続き試行を継続することA本格実施にあたっては試行結果の十 分な検証・検討を行い、全厚生とも十分協議することを申し入れました。しかし、社会保 険庁は「人事評価制度運営会議」(06.03.27)での確認として06年04月十分な試行の検 証もないままに本格実施に入りました。 〔社会保険庁課題に対する交渉の到達点(状況)〕 社会保険庁改革の要求課題について、大臣官房人事課長交渉(11.29)、厚生共闘として行 った厚生労働大臣交渉(12.7)を行い、@社会保険庁の解体的組織再編は行わず、政府管 掌健康保険は国の責任において全国一体的に運営すること。A大幅な人員削減は行わず、 業務量にもとづく必要な増員を行うこと、B職員の雇用に万全を期すこと、C人事評価制 度について、全厚生との十分な協議を行うこと、などを要求してきました。  社会保険庁交渉は、法案審議が近づくにつれ困難性が増しました。昨年12月に有識者 会議など関係団体調整会議のため対応が困難になったとの理由で延期され、1月に行われ た交渉では、「組織改革に伴う、職員の雇用に万全を期すこと」などを強く要求。さらに、 「定員削減」「新人事評価制度」「職員の健康管理対策や働くルール」の課題で追及しまし た。 特に、雇用の課題では、「新組織への職員の任用について、社会保険庁は使用者責任から、 全職員の雇用継承に最大限の努力をすること、雇用不安を起こすべきではない」「国家公務 員法78条4号を適用し発動するようなことはあってはならない」と主張しました。すべ ての議事録が公開される交渉という位置にある中で、労働組合の基本的な立場と現場の状 況を踏まえた要求を示しました。しかし、社会保険庁からは要求にかみあう誠意ある回答 はありませんでした。 〔国公産別レベルでの取り組み〕 社会保険庁改革に伴う解体的組織再編、選別採用など働くルールを破壊する攻撃に対して、 医療制度改悪に反対する運動とも結合させ、国公産別運動の基本方針と連動し様々な活動 を取り組みました。国公労連が実施した第二次中央行動(4/14)では、全厚生が主体的に 社会保険庁改革関連法案に関する要請行動を衆参両院68人の国会議員に実施しました。 行政改革推進法案が成立した5月26日の第三次中央行動では、社会保険庁前において組 織再編に伴う職員の雇用確保を求め要求行動を実施しました。また、国公労連から社会保 険庁に対し要請行動を行い@「社会保険庁改革」にあたっては、あらたな組織への選別採 用などの雇用問題や労働条件の不利益変更などの問題を生じさせないよう万全の対策をと ることA国家公務員法や人事院規則などを基本に、職員の利益確保に万全を尽くすべき使 用者としての責任を果たすことB公務員制度の運用にあたっては、法令の遵守とともに、 勤務条件に関わる課題については労働組合との交渉・協議を尽くすことの3点を申し入れ ました。また、1〜2月段階には各県の社会保険事務局周辺を基本に、社会保険庁改革の 問題点や選別採用の不当性を明らかにする宣伝ビラを活用し全国22県で宣伝行動を実施 しました。 〔7.25中央行動およびシンポジウムの取り組み〕 国公労連06年夏期闘争7・25中央行動では、決起集会や関係省庁への要請行動などの 取組み終了後、星陵会館において、国公労連と厚生共闘主催による「社会保障・年金制度 の今を考えるシンポジウム」(副題=保険料免除問題はなぜおきたのか)を開催し、小泉構造 改革による格差社会の実態とナショナルミニマム、国民年金制度の現状と問題点そして最 低保障年金の必要性、さらには、国民年金免除問題の背景等についての報告と問題提起を 行い、参加者からも様々な実態の報告がありました。 〔国民的な運動構築をめざす取り組み〕  3月14日、全厚生、全医労、健保労組の3組合で医療制度問題懇談会を開催しました。 「小さな政府」を進める小泉内閣が今国会に提出した「健康保険法等改正案」が、国民本 位の「改革」となるのか、安心して受けられる医療制度となるのか、テーマ別に「医療制 度『改革』と社会保険庁改革」(全厚生)、「社会保険病院・厚生年金病院・診療所・健康管 理センター・介護老人保健施設をめぐる現状と課題、成果主義賃金反対のたたかい」(健康 保険病院労組)、「医療費適正化計画と診療報酬」(日本医労連)など様々な角度から医療制 度改革の問題点を検証し国民的な運動の課題について議論しました。 6月16日には、「社会保険庁「解体」でくらしはどうなる〜不正免除問題の真相は?」と 題して、大阪労連、大阪国公、大阪自治労連の主催で緊急集会が開催され、年金制度が抱 える矛盾や社会保障構造改革の本質について幅広い層からの議論が行われました。 〔社会保険庁関連法案、継続審議へ〕  第164通常国会は、6月18日に閉会しました。小泉内閣最後の国会で、最重要課題 と位置付けた行政改革推進法や医療制度改革関連法が成立しました。一方で、教育基本法 改正案など重要法案の多くは、会期が延長されなかったため、秋の臨時国会に処理が持ち 越されました。社会保険庁関連法案は終盤国会で審議されると同時に、大阪をはじめ全国 の社会保険事務所において、保険料の納付免除にかかわる不適正な事務処理が行われてい たことが明らかになり、医療制度改正法案など他の重要法案との政治的な駆け引きもあり 継続審議となりました。 〔国民年金保険料納付免除問題について(見解)〕 6月16日、全厚生労働組合中央執行委員会は国民年金保険料納付免除問題について見解 を発表しました。今回の不適正な処理は、全国的に同じ時期に同じように行われたという のが大きな特徴です。それだけに組織的な事情や背景について徹底した原因解明が、真の 再発防止の観点からも重要です。社会保険庁は、「事務所が指導し事務局は不知」「本庁は 承知していなかった」などとし、現場や職員に責任を押し付けようとしています。 国会審議(厚生労働委員会6.16)やマスコミ報道などでも明らかにされつつある事実や職 員の実感からしても、社会保険庁が何にも優先する課題として国民年金保険料の収納率改 善を指導しており、その責任の解明は重視されるべきです。また、25年間保険料を払い 続けないと給付が全く受けられず、40年間納めても生活できるだけの年金がもらえない 実態を改善し、国民が安心して暮らせる年金制度を実現するため、全額国庫負担(一般財源) による「最低保障年金制度」創設を求めました。 〔継続審議をめぐる政治サイドの動き〕  野党は、国民年金保険料の不正免除と米国産牛肉の輸入再開、共謀罪、在日米軍再編問 題などについて終盤国会で追求。不正免除問題では、社会保険庁の村瀬清司長官を起用し た小泉首相の責任を求めました。16日の衆院厚生労働委員会では、川崎二郎厚生労働相、 村瀬清司社会保険庁長官の出席を求め、集中審議を行い、秋の臨時国会で継続審議となり ましたが、国会閉会後の7月中旬に予定されている不正免除問題全体の調査結果がまとま った段階で、委員会を開催し審議を行うよう要求し与野党の理事間で協議することになり ました。  また、小泉首相は「これからの議論で、今のような見直しでは足りないという点が多く の方から寄せられれば、さらによい方向に持っていくことはやぶさかでない」と述べ、法 案の修正を容認する考えを示し、自民党は、社会保険庁改革合同会議を開き、年金不正処 理問題を踏まえ、社保庁改革関連法案の修正が必要との認識で一致し、「不正処理にかかわ った職員のうち、悪質者を年金新組織に採用しない」ことを明記する方向で検討する。な ど秋の臨時国会に向け予断を許さない状況となっています。 2.社会保険職場を取り巻く今日的な情勢 (1)社会保障を直撃する構造改革  国民のセーフティネットである社会保障制度が凄まじい勢いで破壊されています。憲法 25条は、健康で文化的な最低限度の生活を営む国民の権利を保障し、国の責任を明らか にしています。しかし、国民の生きる権利でもある「生活保護」行政をめぐる様々な問題 が指摘されています。北九州市では保護申請書の交付を断られた男性が、5月に死後4ヶ 月経って発見されています。また、京都市でも同様に断られた54才の男性が、認知症の母 親を殺害し自殺未遂で逮捕された裁判の判決がありましたが、裁判長も判決言い渡し後の 論説で、介護をめぐる心中事件が相次いでいることに触れ「日本の生活保護行政のあり方 が問われている」と批判しています。しかし、厚生労働省は6月、生活保護を担当する全 国福祉事務所長会議をはじめて開催するなど、「社会保障の分野で改革の手がついていない のが生活保護だ」とハッパをかけています。来年の通常国会は、生活保護と雇用保険の更 なる改悪が予定されているとも言われています。こうした社会保障制度の破壊が、国民生 活をますます厳しいものにしています。 (2)若年層を直撃する雇用破壊と格差社会 いま「格差社会」が重大な社会問題となっています。一握りの富裕層の益々の富裕化と、 圧倒的多数の国民の貧困化が進み、その主要な要因・背景として雇用流動化や成果主義に よる政府・財界の激しい労働者攻撃が指摘されています。7月20日、経済協力開発機構(O ECD)は日本の所得格差が拡大し、2000年には「貧困率」がアメリカに次いで世界第二 位の高さにあることを明らかにしました。そしてその原因が、非正規雇用の拡大による労 働市場の二極化にあることを指摘しています。また、政府も06年「労働経済白書」におい て、経済格差が拡大していることを認め、「リストラ」と非正規雇用の拡大など「雇用の多 様化」、特に、若年層におけるニート、フリーターなどの割合が急増していると指摘してい ます。  「格差は悪いことではない」と平然といってのける小泉首相は、最大の原因である雇用 破壊を進めた「構造改革」路線について何の反省もないばかりか、労働法制の更なる規制 緩和や大増税で格差を固定・拡大しようとしています。国民の生活破壊は深刻さを増すば かりです。国民年金加入者の3分の1をこうした若年層が占め、特に、20歳代の保険料 納付率は50%を切っている現実が、ますます制度の矛盾を拡大しています。 (3)国民年金制度の業務処理問題を中心とする新たな動き等 全国各地の社会保険事務所で、国民年金保険料の納付免除にかかわる不適正な事務処理 が行われていたことが明らかになり、通常国会終盤の政治問題ともなりました。また、不 在被保険者にかかる不適正な業務処理が新たな問題として指摘されています。憲法25条 に基づく国民の生存権の一環でもある、社会保険制度への信頼性を担保するうえで、不適 正な処理は決して許されるものではありません。当該行政機関の職員で組織する労働組合 として、行政運営に対する監視と問題提起が十分でなかったことを反省すると共に、原因 究明と再発防止に向けて努力していく必要があります。   一昨年の年金大改悪や社会保険庁の一連の不祥事等に対するマスコミや国民の様々な視 線があるなかでの新たな問題は、さらに厳しい情勢となっています。関係職員の厳しい処 分や、組織の民営化などを求める論調などと共に、自民党は@更なる合理化A継続法案へ の分限条項の明文化B懲戒免職なども指摘しているといわれています。    3. 基本的な取り組み方針 (1)職場討議を重視し、組合員との問題点の共有と取組みの意思統一を図る   私たちの運動は、いかに広範な勢力との協力・共同の関係が構築できるかにあります。 マスメディアも含めた世論の支持が決定的に重要です。そのためにも支部・分会・ブロッ クなど職場を基礎にし、職場から運動を強化します。 (2)国民本位の社会保険制度の実現めざし、広範な運動に積極的に参加する @「国民と共に、国民のなかへ」の国公労連運動を基本に、国民との対話・宣伝の前進を 目指し、社会保険庁改革に伴う制度改悪、雇用破壊の問題点等をマスコミ・労組・民主団 体等に発信していきます。 A保険料免除問題や社会保障制度を巡る諸問題などを中心に、ブロック単位や各県支部レ ベル等での集会、シンポジウムなどの開催を目指します。そのため、県労連、県国公、県 社会保障推進協議会、年金者組合などの広範な団体等との共同・協力の関係を追及しなが ら社会的なアピールの前進を目指します。 Bこれらの運動の前進のためにも、この間各地で展開・前進させてきた年金講師団活動の 一層の発展を追求します。 C働きがい・生きがいある職場の確立をめざすとともに、国民本位で効率的な組織のあり 方等について研究します。 (3)社会保険庁改革に伴う雇用・労働条件問題等での取り組みを強化する @業務処理問題等に対する理不尽な処分等については、組合員の意思、および国公労連、 弁護士などとの協議を踏まえ対応します。 A通常国会で成立した「全国健康保険協会」に関し、組合員の雇用不安や労働条件問題等 での要求実現、及び今後のねんきん事業機構設置などを視野に入れた取組みが重要になり ます。国公労連は、社会保険庁改革とりわけ公務リストラは公務員労働者全体にかけられ た攻撃であるとの位置づけから、雇用破壊などを許さない闘いを引き続き産別の統一した 取組みとするため、新たにブロック国公や厚生労働省関係単組による「社会保険庁改革対 策委員会」を設置しました。今後、弁護士・学者などとの相談・協議を踏まえ、取り組み を強化します。 B「全国健康保険協会」における労働条件の不利益変更や選別採用などを許さず、雇用に 万全を期すことを求めるため、設立委員会に対する申入れ等を行います。また、社会保険 庁との協議・交渉関係を強化し、使用者としての責任を追及します。 (4)国会闘争を重視し、政党・議員要請行動の強化をめざす    秋の臨時国会ではねんきん事業機構法案の本格的な議論が行われ、特に国民年金の不正 処理問題等も焦点になることが予想されることから、国公労連等との協議を踏まえ、制度 改善、雇用確保などについて政党や議員要請行動を取り組みます。 (5)行政運営に対するチェック機能と問題提起への努力を追求する  一連の不祥事や免除問題など社会保険庁の行政運営に対する労働組合としての監視機能 と問題提起等が十分でなかったことや、一定職以上を対象に本格実施が強行された新たな 人事評価制度などについての取組みを強化するため、政策プロジェクトを推進・強化しま す。   (6)成果主義を基本とした新たな人事評価制度の改善要求闘争を強化する  短期間の実績を直接給与等に反映させる民間企業的な人事評価制度の問題点等を明らか にし、系統的な問題提起と改善要求を取り組みます。なお、民間企業における様々な弊害 や社会的な問題の指摘などが相次いでいる状況、さらには今後国公職場全体に直接影響す るものであることから、国公労連、公務労組連絡会、全労連レベルなどの広範な研究・運 動への結集を追求します。   X 職域・部門の課題での前進をめざす 1.本省庁の課題とたたかいの基本方向 (1)長時間残業の改善をねばり強く  霞国公が行っている「第14回残業実態アンケート」結果(06.8.2発表)は、霞が関の 本省職場が不夜城と称されるように、多くの職員が過労死ギリギリの過酷な残業を強いら れています。本省支部分の集計は、アンケートを実施した霞国公に加盟する労働組合の内、 月平均残業時間数は、ワースト1で最悪の結果が示されました。 ┌─────────────────┬────────────────────┐ │ 月平均残業時間数 全体 =39時間│ 過労死の危険を感じる   全体 =34.8% │ │      本省支部=91時間│ (現在又は過去に感じた)本省支部=46.2% │ └─────────────────┴────────────────────┘ 本省・統計支部では、恒常的な残業改善の取り組みを最重要課題に位置づけて運動してき ました。毎月第3水曜日に定時退庁を呼びかける早朝ビラまき・宣伝行動や退庁時に庁舎 を回り、鐘をならし、ハンドマイクで早期退庁を呼びかけています。しかし、改善がすす まず、職員の健康問題やメンタルヘルスの課題は深刻です。本省庁の長時間残業の改善、 誇りをもって健康で働き続けられる職場づくりをめざし、ねばり強く取り組みます。 (2)霞が関の労働組合の経験に学び、日常活動の工夫・改善に努める  霞が関の本省庁職場は、長時間残業の原因も、組合活動の悩みも共通しています。本省 庁の恒常的残業は、本省特有の業務に起因しています。通常業務である各種施策の企画、 各都道府県等への指導・監督的な業務はもとより、国会開会中に法案の所管局・課及び関 連部署が国会対応の業務を担い、予算関係の業務がダブルで加わり、膨大な業務量になっ ています。本省庁の組合活動を前進させるために、霞が関の他の組合の経験に学び、交流 しながら進めます。東京国公や霞国公への結集を強め、組合の日常活動の工夫と改善に努 めます。本省庁協議会の活動を軸に、本省支部、統計情報支部、業務センター支部の執行 委員会の学習・交流を強め、お互いに激励しあい、活動をすすめます。 (3)非常勤職員との交流・懇談の場づくり  非常勤職員は、劣悪な労働条件と環境の下で働いています。国公一般(国家公務員一般 労働組合)は、あらゆる機会を通じて交流をすすめ、組合加入を訴えています。全厚生も、 この取り組みと連携して、交流・懇談の場づくりに努めます。 2.試験研究機関の課題とたたかいの基本方向 (1)試験研究機関を拡充させる  厚生労働省(旧厚生省)の試験研究機関は、4つの国立試験研究機関(=国立研)と2 つの独立行政法人が併存しています。数と規模では、「国立研」が軸になっています。他省 庁では、圧倒的多数が独立行政法人になっていますので、この状況は、試験研究機関をも つ他省庁と較べて、大きく違っています。現在、当局は「4つの試験研究機関は、@政策 研究所、A公務員の研修機関、B緊急時に国の責任において直接実施すべき健康危機管理 を担っている等の理由により、独立行政法人化されなかったもの。現在でも状況の大きな 変化はないと考えている」と回答し、現行体制を維持する立場です。全厚生も、少なくと も4つの国立研究機関については、国が責任をもち、国立研として維持し、拡充するよう 求め、独立行政法人化を行わないよう要求します。「4つの国立研究機関」と「2つの独立 行政法人」は、ともに、医療や公衆衛生の向上を図り、国民の健康と福祉を向上・発展さ せる厚生科学研究を担う研究所であることには変わりません。運営の枠組みは異なります が、誇りと働きがいの持てる研究所・職場をつくるために、予算と体制確保を要求します。 (2)「国立研のあり方」を問い、政策活動を強化する  行政対応を強めている国立研と独立行政法人は、制度設計の趣旨から、異なる歩みを始 めているのも事実です。しかも、政府の第3期科学技術基本計画(2006〜10年度) にもとづく科学技術政策は、国立研でも独立行政法人でも、確実に効いてきます。政策方 向では、競争的環境、効果的・効率的、重点化、流動化、人材育成などがキーワードにな って、推進されます。改めて、厚生科学研究をめざす「国立研のあり方」を問いながら、 政策活動を強化します。このための政策委員会づくりの協議をすすめ、具体化します。  政策課題としては、@研究業務の継続性や研究支援部門の拡充など、厚生科学研究を拡 充・強化する課題、A国立保健医療科学院の教育研修の体制についての課題、B基礎的な 研究予算を増額する課題、C任期付研究員の要求・課題、D非常勤職員の業務や技能を適 正に評価し、賃金・処遇の改善する課題、E研究評価制度に対する取り組み、Fパワーハ ラスメントを防止する課題などを深めます。試験研究機関支部間の交流をすすめ、交流集 会の実現をめざします。 3.独立行政法人の労働組合の前進をめざす (1)独立行政法人制度の5年間と基本課題  独立行政法人制度が2001年4月に発足して、5年が経過しました。この制度は、公務員 削減と行政効率化をすすめる手法として導入され、その規模は拡大しています。さらに、 (特定)独立行政法人は僅かとなり、非公務員型の独立行政法人が主流となっています。 予算は、国からの運営費交付金で運営しています。国家行政機構の枠内からはずれ、自 由度が増し、組織改革が常にすすむ傾向にあります。組織内での理事長の権限は強く、人 事評価制度や賃金規程の変更も提起されています。労働組合は、新たな労使関係のもとで、 労働組合法や労働基準法にもとづきたたかい、職場の民主化や賃金・労働条件の改善のた めに重要な役割を担っています。  独立行政法人になり、国の責任で行ってきた業務や行政サービスが後退してはなりませ ん。国民の願いに応え、公共性を確保し、かつ働きがいのもてる職場を築くために、労働 組合の役割が益々重要になっています。 (2)独立行政法人国立健康・栄養研究所(支部)の課題  国立健康・栄養研究所は、2006年4月に非公務員型の独立行政法人に移行しました。 厚生労働省は、最終判断に至る直前まで、「これまでの間、公務員型として位置づけてきた ものであり、この体制は維持したいと考えている。しかし、明確な理由がない限り、閣議 決定に従わざるをえない。」と回答していました。要は、政府の行革推進の方針のもとで、 主務省の主体性が保てず、有無を言わさず非公務員型への移行が強行されたことが事の本 質です。現在、非公務員型への移行に伴う労働条件の確立のために努力しています。就業 規則案等の変更にあたり、労働契約関係をより鮮明にさせ、権利性を重視し労使協議を続 けています。賃金規程の見直しを伴う組織・機構再編の提案に対して、職場の団結を大切 にして、研究所の民主的な運営をめざし、ねばり強く協議を続けています。 (3)独立行政法人医薬基盤研究所(支部)の課題  独立行政法人医薬基盤研究所は、2005年4月に設立され、1年6カ月が経過しました。 研究所設立後、ただちに結成した全厚生基盤研支部は、研究環境の改善や民主的な研究所・ 職場づくりのために奮闘してきました。しかし、医薬基盤研究所の運営そのものに多くの 困難が生じています。大阪の研究施設と併せ、国立感染症研究所の筑波医学実験用霊長類 センターと国立医薬品食品衛生研究所の薬用植物栽培試験場をそれぞれの研究所から分離、 再編しました。基本構想の変更を伴ったことで、研究所の施設運営は様々な困難が起きて います。研究所の維持、雇用と労働条件の基本のところで条件整備が整っていません。安 心して研究活動に従事できる研究・労働条件を確保するために、主務省への働きかけも強 め、引き続き奮闘します。 4.社会福祉施設の課題とたたかいの基本方向 (1)この1年間の取り組み  社会福祉施設の各支部は、自らの処遇改善と要求実現のため、年に2回の施設管理室と の交渉と、交渉前と、大会・中央委員会後の年4回支部代表者会議をおこなってきました。 しかし今年度は、福祉政策を根底から歪める「障害者自立支援法」の成立・施行により交 渉以外にも管理室との懇談(3月に実施)や、全国支部代表者会議の後の福祉支部代表者 会議、全厚生新聞新年特集をはじめ10回にわたり現状を訴えるなど、旺盛に活動をおこな ってきました。  4月から導入された「障害者自立支援法」は今まで応能負担(この場合は収入)により 負担が決まっていたものを、応益負担(受益したものに対し、一律に一割の負担)をもと めるものに変わりました。加えてホテルコスト代として、光熱費や食事代を実費負担とし て新たに徴収するようになりました。  食事代を徴収することにより、多くの施設で食事を欠食したり、弁当ですませたり、自 炊したりする入所者が増えています。施設の食事は入所者の体調に合わせ計算され作られ ていますが、弁当や自炊などにより、入所者の健康面への不安があります。10月からは施 設体系の見直しを含め、本格的な移行が始まります。6月に開催された指導課長会議の資 料から施設の認可基準の骨格が示されましたが、9月末ぎりぎりに政省令が出されること や、施設の運営規定の作成など、いろいろな不安材料があります。また移行にあたっての 準備にいては通常業務を抱えながらのため、勤務時間外での会議という施設もあり、年休 を取りづらく体調を崩す職員も出てきています。施設入所支援については、宿日直勤務が 残存する可能性が強くなってきており、長年組合が要求でしている宿舎体制の確立、専任 体制からは程遠いものとなっています。宿日直勤務にあたる生活支援員の職種も明確にな っていません。障害者自立支援法の下で、職員・入所者双方が納得できる宿舎体制の整備 が求められています。 (2)たたかいの基本方向  これまで障害者福祉施策の国の責任は、一定高い水準で国立施設が役割を担ってきまし た。「障害者自立支援法」は、全てを地域にある民間機関と同様にあつかうというものです。 費用負担、給付サービスに違いがなくなることは、高負担、職員削減、サービスの低下に 結びすきます。障害者福祉施策の水準を維持するために、これからの運動が決定的に重要 になります。    障害者自立支援法は成立し施行されますが、悪いところは正し、真に障害者が自立でき るように改正していかなければなりません。国の福祉水準は国立施設が担ってきたことに 確信をもち、それを有効に機能させるために何が出来るのか、何をしなければいけないの かを考えていく必要があります。厚社連(=全厚生社会福祉施設支部連絡協議会)の政策 活動を強化し国立の存在意義をあらためて示していくことが大切です。  また、民間施設でも、入所費用が高くなり退所せざるを得ない障害者が増えるなど、い ろいろな問題が噴出しています。収入が少ない障害者やその家族から費用徴収をする応益 負担に反対し、障害者のための制度に転換するため、厚社連は障害者団体と連携をとりな がら署名などを具体化し、運動を推進します。 Y 基本要求の前進をめざす 1.働くルールの基本−健康で働ける職場づくり 〔働くルールの基本を重視する〕  働くルールを確立することは、労働組合の最も重要な仕事です。一人ひとりの労働者の 生活を守る基礎になるからです。労働条件は、人間らしく生きる基本であり、その後退や 変化に対して、労働組合は機敏に対応しなければなりません。健康で働き続けることは、 労働者の権利です。どの職場でも、労働条件、労働環境を厳しくチェックし、健康で働け る職場づくりの知恵を出し、改善の取り組みに力を尽くします。 〔健康問題、メンタルヘルス(心の健康づくり)対策は最重要の課題〕  どの職場でも一人当たりの業務量は増え、業務内容は複雑になっています。一人ひとり に掛かる責任は重くなり、精神的・肉体的な負担が大きくなっています。長時間労働に加 え、過度のストレスを生む職場環境は、労働者のいのちと健康を蝕んでいます。現在、メ ンタルコールド(心の病)による病休者がいない職場はないと言っても過言ではありませ ん。健康で働ける職場づくりは、労働組合の重要な役割です。メンタルヘルスの基礎知識 を職場に徹底させ、相談しやすい環境づくりを積極的に取り上げます。メンタルコールド による病休者を出さない職場、病休者が復帰できる職場をめざします。職場環境とともに 社会環境を変えるために取り組みます。 2.国民の視点に立ち、必要な定員確保をめざす 〔定員確保に総力をあげる〕  職場では今、深刻な定員不足の実態を無視して、計画的な定員削減が強行され、さらに 公務員減らしを目的とする「5%定員純減」が具体化されようとしています。もはや、各 部門とも行政に対する国民の信頼を失いかねない厳しい事態です。全厚生は、労働条件の 確保と国民に願う厚生労働行政の拡充をめざします。定員削減に反対し、行政ニーズ・職 場実態に応じた定員確保に総力をあげて取り組みます。 〔国民的な視点から増員を要求する〕 行政体制は、国民の立場から見てふさわしいものか否かが重要です。定員確保や増員の 取り組みは、国民への行政サービスを向上させる立場で行います。各機関の実態を検証し、 政策的な裏付けをもち、かつ労働条件確保の課題を統一させてたたかいます。さらに、公 務の民間化を許さず、行政サービスの後退、公共性を損なう公務の市場化や民間開放を行 わないためにたたかいます。 3.身近で切実な労働条件を改善する 〔昇格・諸手当改善の取り組みを重視する〕  昇格改善は、職務の正当な評価をもとめる課題です。深刻な昇格の頭打ちの解消、男女 格差の是正、行(二)職をはじめ少数職種の改善、研究職の2級から3級への昇格、上位 級への昇格、社会保険の職務と機関の評価を引き上げるたたかいなど、ねばり強くたたか います。諸手当の改善や新設要求、調整額適用の課題は、職場実態を訴えてたたかいます。 〔行(二)職の処遇改善を全体で取り組む〕  行(二)職の仲間は、定員削減や欠員不補充、業務の民間委託という攻撃の中で、懸命 に職場を支え、業務に従事しています。各機関、施設では、少数職種で部下数制限の壁が あり、昇格改善のたたかいは、どの機関も厳しいのが現状です。引き続き、全体の課題に 据えて要求を前進させるために努力します。国公労連の行(二)労働者交流集会に積極的 に参加します。 〔勤務時間の課題を重視する〕  労働時間のルールは、働くルールの基本です。勤務時間管理での当局責任を明確にした 管理の徹底を求めます。ただ働き残業(不払い残業)は、違法行為です。職場から、ただ 働き残業を根絶させるために力を尽くします。育児・介護を行う職員の早出遅出勤務、休 息時間廃止に伴う勤務時間延長、短時間勤務制度など、勤務時間の課題に対応し、職場実 態を踏まえ要求をかかげ、制度改善をめざします。 〔新再任用制度で希望者の雇用を実現させる〕  2001年4月から施行された新再任用制度は、定年退職後の雇用と年金との連携を図 ることを軸に設けられた制度です。生活に直接関わる雇用問題として、任命権者の判断、 各機関長の責任は重大です。定数運用上の改善や、制度改善がどうしても必要です。制度 の趣旨を第一義的に尊重し、希望者全員の雇用を実現するために引き続き努力します。 4.公務員制度改革と労働条件改善の課題 (1)公務の労働条件をめぐる情勢  公務員の労働条件改善の課題は、政府の総人件費削減や行政改革の推進とのたたかいと 一体で見なければなりません。通常国会で強行された「行政改革推進法」や「市場化テス ト法」や「骨太方針2006」が公務員の雇用や労働条件を脅かし、公務のあり方の変更 を迫っています。公務員制度改革は、こうした流れと一体ですすめられようとしてます。 公務員制度は、公務運営のあり方や、公務員の働き方を規定しています。公務員制度改革 の取り組みは、労働条件改善の課題と直接結びついています。こうした位置づけと情勢を 踏まえ、たたかいの基本的な構えを確立することが重要です。  (2)公務員制度改革に対する基本方向  政府がすすめる公務員制度改革は、「構造改革」を推進する行政体制の忠実な担い手をつ くる改革です。そもそも行政や公務員に対して、国民が望む改革は、官僚の腐敗、汚職、 不祥事をなくす改革です。公務員バッシングなどで、問題の本質を取り違えてはなりませ ん。天下りを廃止し、政・官・財の癒着構造を断ち切る改革こそ、必要です。公務員制度 改革で必要なことは、憲法の理念を生かし、現行制度を改革することです。@公務員は国 民全体の奉仕者であること、A公正で科学的・客観的な基準にもとづいて人事行政が行わ れること、B労働基本権や政治活動の自由をはじめ、公務員の基本的人権を保障すること など、未だ不十分な制度上の課題をより具体化する方向で改革すべきです。民主的な公務 員制度の確立をめざす立場でたたかいます。 (3)公務員制度改革と労働基本権問題  政府は6月23日、内閣に行政改革推進本部が設置され、そのもとに公務員の労働基本 権問題などを議論する「専門調査会」を設置しました。公務員制度改革と行政改革を一体 ですすめる政府の推進体制となるものです。これにより、労働基本権問題が今後、本格的 な議論に入ることはまちがいありません。この労働基本権の議論では、@公務の範囲、A 公務員の範囲、B労働基本権を付与する公務員の範囲などが議論されることになる模様で す。そして、この検討にかかわって財界の側は、06年5月に「行革700人委員会」と して、国家公務員を「3つのカテゴリー(@政策担当職員、A業務担当職員、B国の安全 等を担う職員)に分類し、カテゴリー別に任用、労働基本権、給与・勤務条件を別々にし ていく新たな公務員分類論を政府に提言するなど、この課題への積極的な姿勢を示してい ます。しかも、この委員会には、全労連が排除されたままの協議の場となっています。国 公労連に結集し、公務員労働者の労働基本権回復という悲願の達成をめざしつつ、政府の 差別姿勢の修正を迫る立場で取り組みをすすめます。公務員労働者の直接の課題であり、 学習を強化し、積極的に対応します。 (4)人事評価制度の試行での取り組み  政府は06年1月から、本府省の課長・課長補佐を対象に実施していた能力評価、業績 評価の第1次試行の実施状況の検証を踏まえ、秋の段階から、本府省の係長、係員にも対 象を拡大した2次試行に入る準備をすすめています。賃金、任用等への直接的な反映や、 制度的な制約を無視した恣意的な運用に反対する取り組みをすすめます。国公労連に結集 して、統一的な対応を強めます。 (5)公務員賃金の改善をめざす課題  政府の総人経費削減は、公務員の賃金の見直しを迫っています。06年人事院勧告では 「比較対象企業規模を従来の100人以上から50人以上」に官民賃金比較方法を改めた ことは重大です。公務員賃金を引き下げる手段であり、給与構造の見直しに続く、新たな 課題を掘り下げ、賃金改善のたたかいに活かさなければなりません。賃金改善の課題は、 公務の企業内のたたかいだけで前進するものではありません。公務と民間が一体で、「賃下 げの悪魔のサイクル」を断ち切る総合的なたたかいが必要です。賃金底上げの課題を重視 し、企業の社会的責任を追及し、国民春闘の再生をめざす取り組みを地域からすすめます。 5.真の男女平等をめざし、男女共同参画社会の実現を 〔男も女も人間らしく働くために〕  1999年に施行された「男女共同参画社会基本法」は、男女が互いに人権を尊重しつつ、 仕事も家族的責任も分かち合い、性別にかかわりなく、その個性と能力を発揮することが できるように男女共同参画社会の実現をめざしています。真の男女平等等、健康で働き続 けることは、女性の切実な要求であり、労働者の基本的な権利です。健康で働ける職場づ くりは労働組合の重要な課題の一つです。労働時間のルールは根本課題であり、決して曖 昧にしてはなりません。健康破壊・家庭破壊につながる恒常的な残業をなくし、働きやす い勤務環境をつくるため、男も女も人間らしく働くルールの確立をめざしてたたかいます。 〔女性の採用・登用を積極的に〕  人事院は2005年12月、「女性国家公務員の採用登用の拡大に関する指針」(2003年11 月策定)を改定しました。これを受けて厚生労働省は2006年4月1日、「厚生労働省女性 職員採用登用拡大計画」(2003年11月策定)を改定、2010年度までの目標を設定しました。 全厚生は、これまで5年間の推進状況を踏まえ、「計画」に「数値目標」「ポジティブアク ション」「働き続けられる職場環境の整備」などより具体的に要求を盛り込むよう、人事課 に申し入れてきました。結果として「数値目標」は入りませんでしたが、引き続き、女性 の採用・登用を進めるよう働きかけていきます。 6.権利をめぐる裁判闘争をたたかう (1)裁判闘争の重要な意義  労働者の権利が侵害された場合、また不当な弾圧に対する裁判闘争は、権利をめぐる最 前線でのたたかいです。公務をめぐる裁判闘争は、公務員の権利や公務のあり方、この国 の行方に直接かかわる課題ばかりです。労働者の権利を守る裁判闘争は、大衆的な裁判闘 争として、運動を広げることが勝利のカギを握ります。当面、公務員労働者の権利にかか わる裁判闘争を全力でたたかいます。 (2)全医労・不利益雇い止め是正裁判のたたかい 全医労は、独立行政法人移行時の一方的な賃金引き下げと賃金職員の雇い止めの是正を求 めて、3グループ、@賃金引き下げとなった中高年の一般職員、A賃金職員から6時間パ ートとなった職員、B賃金職員から委託・派遣職員となった職員の原告団でたたかってい ます。東京地裁での判決は、年内または年度内に出されようとしています。全厚生は、兄 弟組合のたたかいを全力で支援します。 (3)国家公務員法での弾圧事件を許さない取り組み  2004年3月3日、東京・目黒社会保険事務所に勤務する堀越明男さんは、国家公務 員法違反容疑で不当逮捕され、起訴されました。これに続き、2005年9月10日、厚 生労働省に働く宇治橋眞一さんは、休日を利用して集合ポストに「しんぶん赤旗」号外を 配布したことをもって「建造物侵入罪」で不当逮捕され、その後「建造物侵入罪」を不起 訴にし、国家公務員法違反として起訴しました。これらの事件は、日本国憲法と国際人権 規約が保障する結社の自由、言論・表現の自由を侵害する政治弾圧であり、許せません。 2つの弾圧事件を一体のものと捉え、勝利をめざしたたかいます。 〔国公法弾圧を許さず、言論・表現の自由を守る会〕  東京地裁は6月29日、国公法弾圧・堀越事件で不当判決(罰金10万円、執行猶予2 年)を行いました。「守る会」は、27回の公判に対して、延べ2500人の傍聴を組織し、 大衆的な裁判闘争をつくりあげてきました。不当判決に抗議するとともに、控訴審におい て、無罪判決かちとるために全力でたたかいます。 〔世田谷国公法弾圧を許さない会〕  「世田谷国公法弾圧を許さな会」は、2006年1月27日に結成され、裁判闘争を大衆的 にたたかう体制を確立しました。すでに東京地裁で公判が始まっています。弁護人の意見 陳述では、「裁判所に期待されるのは、本件公訴を棄却し、その違法を明確に断罪すること をおいて外にない」と述べました。裁判勝利のために全力でたたかい、支援します。 7.平和と民主主義を守り、国民が主人公の政治を (1)平和の取り組みを重視する  全厚生は、これまで平和問題を重視し、取り組みを行ってきました。戦争と福祉は共存 できない、平和でなければ福祉は守れないという理由からです。核兵器を地球上からなく すため、毎年開催する「原水爆禁止世界大会」への参加や、日本から米軍基地をなくすた めにおこなう「日本平和大会」、太平洋ビキニ環礁沖でアメリカの核兵器実験により被災し たことから始まった「3・1ビキニデー」など、色々な大会に参加しています。「原水爆禁 止世界大会」の成功にむけて取り組む「国民平和大行進」には、東京から神戸まで全厚生 の通し行進旗をとぎれることなく、つないでいます。また、各地の平和集会に参加し、の ぼり旗を掲げています。  全厚生は、今後もこうした平和活動に積極的に参加するとともに、国公労連が提起する 「憲法遵守・平和職場宣言」運動の継続や、「職場九条の会」の立ち上げなどに取り組みま す。憲法遵守義務がある国家公務員だからこそ、憲法について学び、活かすために奮闘し ます。 (2)民主主義を守るために、たたかう 民主主義は個人の人権(自由・平等・参政権など)を尊重する立場を言います。しかし今 の日本はどうでしょうか。先の通常国会では「共謀罪を新設する法案」が継続審議になっ ています。この「共謀罪」は現在の治安維持法といわれ、「行為」ではなく「意思」を犯罪 とするもので、内心の自由を脅かすものです。政府は、犯罪団体が対象なのであり、一般 の方や会社・労働組合は対象とならないと説明していますが、犯罪組織かどうか判断する のは警察であり、思想弾圧につながる危険性をもっています。 また、政党のビラを休日に配っただけで、国家公務員が逮捕されたり、公園のトイレに「戦 争反対」と落書きしただけで建造物損壊の罪にとわれたりするなど、公安警察による弾圧 事件が増えています。こうした不当弾圧をすることで「物言えぬ国民」を作ることが政府 のねらいであり、この流れは戦争する国づくりに続いています。こうした流れに反対し、 民主主義を守るため奮闘している諸団体と協力・共闘します。 (3)国民が主人公の政治の実現を  2007年7月には参議院選挙がおこなわれます。5年におよぶ小泉政治は、国民に痛 みを押し続け、我慢も限界です。今年に入ってからも、住民税の公的年金等控除縮小・老 年者控除の廃止などで納める住民税が一挙に10倍になるなど、弱者いじめが続いていま す。その一方、大企業や金持ち優遇の税制の見直しは一部にとどめています。このまま大 企業本意の政治を続けさせるのか、国民本位の政治を実現するのか、大きな選択の年とな ります。候補者や政党の主張を慎重に見極め、国民が主人公の政治の実現をめざします。 Z 頼りになる労働組合をつくる 1.日常活動を強化し、組織を拡大・強化する (1)職場での日常活動を重視する  今職場単位(支部・分会)の活動が弱くなってきています。社会保険支部では、分会体 制が確立できないことによる弊害が生まれています。分会に役員がいないため新聞が配ら れない、組合がどんなことをおこなっているか分からない、そうした諸々により組合が見 えない、何をしているか分からないといった悪循環に陥ります。新聞や組合の情報を配付 し、回覧してくれる担当者を配置する、そんなところから始めることが必要です。職場活 動は、組合員と役員をつなぐ、いわば組合の生命線です。職場活動を強化し、生き生きと 楽しい組合活動をめざします。 (2)組合の存在意義と役割に確信をもつ  組合に加入しているメリットはどこにあるのか?こんな声をよく聞きます。最近では、 「人勧で給与が大幅アップした」など目に見えて勝ち取った要求がなく、組合の存在意義 が見えにくくなっています。しかしこの間労働組合は、政府の攻撃に対して、歯止めをか ける役割を果たしています。昨年の人事院勧告は良い例です。政府・人事院は当初、一律 俸給表を5%切り下げる考えでしたが、労働組合のたたかいで、現給保障を勝ち取ること が出来ました。我々の先人は、育児休暇・看護休暇などの制度を作らせてきました。長い 年月をかけて組合が得た成果も多くあります。これまで勝ち取った権利を守り、発展・前 進させることは労働組合の重要な使命です。そのためには多くの職員を組織し、労働組合 を強く大きな組織にしなければなりません。  また、職場における活動も重要な役割です。明らかに他の者と比べ不利益をうけている 職員や、いじめやセクハラ・パワハラなど嫌がらせをうけた職員が気軽に相談できる体制 を作ることも大切です。職場での労働組合の存在価値を示し、身近なものにすることも大 切な役目です。 (3)対話を重視し、組合加入をすすめる 組織の強化・拡大は、全厚生のすべての支部に共通で、かつ急務の課題です。全厚生は現 在、2,850名の組合員を組織していますが、減少傾向に歯止めが掛けられていません。 部門ごとや支部ごとにさまざまな原因があると思います。組合員が組合に対して求めてい ることは何か、組合に何を期待しているかを把握することが大切です。そのためには職場 単位での総対話集会やアンケートなどを実施し、一人ひとりの要求をつかむことが大切で す。組織拡大は、年間を通じて、支部毎に計画をつくり、取り組みます。春と秋の新入職 員への組織拡大は、事前の準備を行い、取り組みます。未組合員への働きかけを組織的に 取り組みます。組合脱退者に対して引き留めをすると同時にどうして辞めるのか原因を把 握し、地道な活動を積み上げ、組合員拡大につなげます。組織拡大を機関会議の中心議題 に据え、執行部全体で取り組みます。 (4)国公共済会の加入を促進する  国公共済会は、少ない掛け金で大きな給付を目的とした「助け愛」事業です。民間の生 命保険会社とは異なり、もうけ第1主義ではなく組合員のための保検です。現在加入者は 約31,000人おり、安定した運営がなされています。国公共済会は新規組合加入者へ の「ワンコイン共済」のプレゼント(半年間)を行っています。全厚生独自では、4月新 入職員への組合加入対策として、新たに組合に加入された新入職員へ「セット7型共済」 の最長2ヶ月のプレゼントを行っています。国公共済会の加入促進で、組合員の福利厚生 を充実させます。 (5)非常勤職員の組織化に向け、全支部で取り組む  全厚生は第47回中央委員会で「非常勤職員は、同じ職場で働く仲間であり、行政の担い 手です。非常勤職員の労働条件の改善は職場全体の課題です。各部門ごとに勤務条件や契 約関係を把握し、処遇改善の課題や組織化の条件を検討し、働きかけを強めます。」と提案 し確認しました。非常勤職員の組織化は業務センターを始め一部の支部で具体化されてい ますが、全体のものにはなっていません。最近では一部の社会保険支部での組織化や感染 研支部での方針の具体化など、少しづつではありますが組織化にむけて着実に前進してい ます。各支部機関会議で討論を深め、全支部での取り組みをすすめます。 (6)県国公・地区国公に結集する  静岡県支部が静岡県国公に正式加盟し、伊東支部が伊東地区国公へオブ加盟するなど、 一定の前進がありました。また、役員を積極的に派遣する支部など、地域での国公労働運 動の一翼を担っています。同じ国公職場で働く労働者として地域でのつながりを強めます。 また、その中で見識を広げるよう努力します。   2.生き生きした青年活動をめざす 〔ゆがんだ社会で成長が奪われている青年〕  青年対策の基本的な役割は、青年のエネルギーを最大限に引き出し、青年1人1人の成 長を援助することです。青年層は本来、@不正を憎む正義感、A真理に対する探求心、B 文化・スポーツで交流し楽しむ、Cこれらの実践に向けた情熱と行動力、を持っています。 しかし、「勝ち組・負け組」を競わされるゆがんだ社会で、「できないのは自分のせい」「自 分の弱さや本音を他人に見せられない」と、青年の人間的な成長が奪われています。自主 的・民主的に行動する力が育ちにくい環境にあることを、率直に見る必要があります。 〔青年を活動の真ん中に入れ、語り合う〕  誰もが自分らしい生き方・働き方をつかむ上で、@人間らしさを奪う社会と職場を変え る活動、A本音で語り一緒に成長し合う仲間づくりの活動、B仕事や労働組合・人間関係 についてなど、悩みや興味から出発した多彩な学習活動、を重視します。青年職員同士で、 また支部・分会をあげて、「自分はなぜ労働組合の活動をするのか?」「組合活動を通して どう成長したか?」など労働組合の魅力を自分の生き方と重ねて語るなど、じっくりと語 り合う時間を意識的に作ります。また青年の疑問や思いに応える学習の援助など、青年を 活動の真ん中に入れ主人公になるよう努力します。各支部の青年部活動は、青年の要求に 応え、生き生きとした組合活動を展開するために重視します。また青年部がないか休眠中 の支部では、再建の努力を開始します。 〔積極的に交流し、学習を強化する〕  青年対策部は、10月6日(金)〜8日(日)に東京で開催される青年交流集会に全力 で取り組みます。関連して、オリジナル「PEACE手ぬぐい」の物資販売に取り組みま す。また、秋季年末闘争期の青年協の中央行動に積極的に参加します。春闘期には、国公 青年協の中央行動に積極的に参加し、同時期におこなう青年協の署名に取り組むとともに、 その日にあわせ、青年部代表者会議を兼ねた「青年幹部養成講座(仮称)」を開催し、支部 青年部の活動交流と、将来の全厚生幹部育成にむけ学習を強化します。また、6月に静岡 県で開催される「国公青年交流集会」にむけ、特に近県支部の参加を中心に呼びかけ、前 回を超える参加者を組織します。 3.輝く女性活動の前進をめざす 〔女性部の運動を生きいきと粘り強く〕  女性部は、昨年10月に第10回総会を開催し、真の男女共同参画社会の実現と生きいき と働き続けられる職場環境をつくるために、労働組合運動の原点に立ち返った運動を進め ることを確認。女性部幹事会を月1回開催し、運動を進めてきました。3月には、女性の 要求アンケートを実施し、出された要求をもとに、「女性の労働条件改善を求める要求書」 を作成。その重点要求で、大臣官房人事課、社会保険庁との懇談を行いました。社会保険 庁との懇談では、人事評価制度や「子育て支援プログラム」の課題を追及。人事課懇談で は、定員、勤務時間、昇任・昇格、制度改善の課題について要求しました。6月には、第 30回全厚生女性交流会を開催し、職場状況を出し合い、展望を見いだすために、自らが行 動していくことの大切さを確認しあいました。 〔具体的な取り組み方針〕 @働きづらい職場の環境改善に全力をあげます。 A女性部総会の開催、幹事の選出、幹事会の定例開催で安定的に女性部活動を担います。 B女性の要求アンケートを実施し、つぶやきを要求へ、女性の要求実現をすすめます。 C女性の人事課、庁との懇談を実施します。 D全厚生女性交流集会を実施します。 4.全厚生運動の仲間、担い手を広げる 〔全厚生運動の担い手を幅広く〕  全厚生運動、各支部の活動は、青年、女性、壮年層を始め、すべての仲間が主人公にな るよう努めます。さらに、全厚生の組合員の周りの人々に積極的に働きかけ、常に組合へ の理解を広げる努力を行います。 〔全厚生0B(退職者)との連携を強めます〕  現在、退職後の組合員とは、全厚生退職者会を在京・近県支部でつくり、また、各県支 部が独自に退職者との連携をとっています。世田谷国公法弾圧事件では、「友人・知人の会」 が統計支部のOB・退職者を軸につくられ、支援の輪を広げています。各支部ごとに連携を 強め、全厚生運動の有力な支持者として、連携を強めます。 〔研究者や弁護士との専門家との連携を強める〕  全厚生の重点課題を取り組む上で、行政分野や権利問題での専門家との連携は重要です。 特に、社会保険庁改革に対する取り組みでは、研究者、弁護士との連携が必要です。国公 労連や公務労組連絡会を通じて、専門家とのつながりをつくり、たたかいを効果的にすす めます。社会保障や社会福祉分野での研究者との連携を意識的に強めます。 5.学習教育活動を前進させる (1)職場での学習活動を推進する  学習活動は、たたかいを前進させるために、重視しなければなりません。職場で積極的 な学習の場をつくることが重要です。昼休みや退庁時での学習会は、しっかり準備して、 効果的に配置し、みんなに呼びかけます。これまでの組合活動の学習スタイルにこだわら ず、あらゆる工夫を行います。20分程度のミニ学習会、必要な場合には休日を利用して の本格的な学習会など、組合員の様々な条件を生かし、学ぶ活動を重視します。学習教育 活動は、持続的・計画的に取り組みます。とりわけ青年層は、学ぶことが成長に結びつく 世代です。新入組合員教室や労働組合の基礎を学ぶ学習会を各支部で積極的に開催します。 (2)重点課題の学習を重視する  重点課題での学習を重視します。社会保険庁改革に対する取り組みは、常に情勢を見極 め、たたかいに基本方向に確信を持つために、継続して取り組みます。障害者自立支援法 の課題、科学技術政策の動向や厚生科学研究の課題、行革課題などを重視します。オルグ、 支部執行委員会、職場学習会など、あらゆる機会を活かして学習をすすめます。 (3)労働学校、勤労者通信大学に積極的に参加する  学習は、たたかう力の源泉です。要求実現の道筋や展望を見いだすには、社会のしくみ や矛盾を深く理解するための基礎学習が必要です。この学習には、様々な労働学校や大衆 的学習教育運動を活用することが効果的です。各支部は、「学習の友」を積極的に活用しま す。地域の労働学校に積極的に参加します。「勤労者通信大学」の受講組織は、支部での集 団受講に努めます。国公労連の労働学校をはじめ、各種学校に積極的に参加します。  特に、勤労者通信大学では、支部やブロック規模での集団受講を組織し、これまでの勤 通大の修了生がチューター役を努めるように働きかけます。また、勤労者通信大学「憲法 特別コース」の受講生は、全員修了をめざします。後期の受講生組織も積極的に行います。 憲法守り、憲法を活かす取り組みとして、積極的に受講組織を行います。 (4)学習活動は、「学習権宣言」の観点を重視する  ユネスコの「学習権宣言」(1985年3月24日、第4回ユネスコ国際成人教育会議)は、 学習する内容を拡げて、示唆に富んでいます。学習権とは、問いを続け、深く考え、想像 し、創造する権利であり、自分自身の世界を読みとり、歴史をつづる権利としてとらえて います。さらに、個人的・集団的力量を発達させる権利であるとも指摘しています。豊か な見識です。労働組合の学習活動も、この観点を重視してすすめます。本部役員はもとよ り、支部・分会執行委員は、学ぶ活動の先頭に立ち、輝きのある役員をめざし努力します。 6.情報・機関紙活動を前進させる 〔定期発行で、仲間を激励する〕  今年度も定期大会において、機関紙フェスティバルを開催しました。フェスティバルで は、機関紙発行におけるお互いの健闘をたたえあうとともに、今後の定期発行や編集内容 の質的向上のための交流を行いました。本省支部は残業アンケートの結果を伝え、不夜城 厚生労働省の過酷な残業実態を告発しています。国リハ支部や函館支部、福岡支部では、 メールニュースにして定期発行を続け、職場の問題点や状況を伝えるニュースとして、ま た、交流を深める機関紙として職員にも喜ばれています。社会保険の各支部は、労働条件 が整わないのにトップダウンでおりてくる業務に「これでいいのか」と呼びかけて組合の 姿を伝え続けています。秋田県支部青年部は、青年らしい写真と文章で組合と組合員の姿 を生き生きと伝えています。まさに、「要求とたたかいのあるところに機関紙あり」です。 一方で、仕事が忙しくて発行できない、担い手がいない、などの理由で発行が困難になっ ている支部もあります。  中央機関紙「全厚生」新聞は、たたかいをリードし、仲間を激励し、職場を元気にする 紙面で、旬刊で発行してきました。「全厚生ホームページ」は昨年11月リニューアルし、 誰もがアクセスできる「全厚生」の情報発信の場として、また、全厚生の発文書や要求書 を掲載する「全厚生組合員のページ」は日常的に本部と支部、組合員の連携を強める場と して、充実させてきました。全厚生闘争情報は、7号まで発行しました。 〔機関紙活動は、組織活動の生命線〕  組合員の心と心を結ぶ機関紙は、職場を元気にし、要求を実現していくためには、なく てはならない存在です。機関紙活動は組織活動の生命線、機関紙は最大の組織者と言われ ているように、組合活動における機関紙の役割は大切です。ますます仕事が忙しくなる中 で、機関紙を発行し続けることは、たいへんな努力が必要ですが、機関紙の役割や忙しい 中でも定期発行を続けられるコツを学習するなどして、仲間を激励する機関紙を発行して いきます。 〔具体的な取り組み〕 @すべての支部で機関紙の発行をめざします。 A機関紙フェスティバルを開催します。 B支部やブロックの機関紙教室やホームページ作成教室に本部から講師を派遣します。 C「全厚生」新聞は、経費節約のため、旬刊を月2回発行に変更します。 D社会保険庁問題などの情勢に沿って、「全厚生」新聞「号外」を発行します。 E「全厚生ホームページ」「全厚生組合員のページ」を充実させます。 F全厚生闘争情報を随時発行します。 [ 全厚生の団結と機能を高める 1.4部門の活動を強化する  全厚生は、本省庁、試験研究機関、社会福祉施設、社会保険の4つの部門(職域)で構 成しています。この4部門の運動を推進するための体制を強化し、会議配置を効果的に行 い要求前進をめざします。本省庁支部は、本省庁協議会の定期開催を軸にすすめます。試 験研究機関支部は、試験研究機関支部委員長会議を軸にしてすすめます。社会福祉支部は、 厚社連(=全厚生社会福祉施設支部連絡協議会)を軸にすすめます。社会保険支部は、社 会保険支部代表者会議を軸に、運動の企画や政策活動の分野では、社会保険プロジェクト 会議で知恵を結集してすすめます。 2.ブロック機関を規約で位置づけ、活動する  全厚生のブロック(機能)の活動はこの間、規約上の規定がないもとで、幅広い活動を すすめてきました。支部間の交流会で懇親を深め、人事院地方事務局交渉に結集し、要求 実現を迫っています。体制が確立している東海ブロック、近畿ブロック、四国ブロックは、 国公労連のブロック機関の構成員として活動しています。支部間で交流し、励まし合い、 共同することは、元気な活動を引き出してきました。  社会保険庁改革において、各県に設置されている地方社会保険事務局はブロック単位に 集約されます。今後、基本的な労働条件を決める労使関係は、ブロック機関との対応が求 められます。さらに、地方厚生局を含め、人事が広域となること等から、全厚生のブロッ ク機関を規約上明確に位置づけ、ブロック機関(地方協議会)としての活動を始めます。 3.厚生労働省の3組合の連携を強化する  2001年1月の厚生労働省の発足以降、3単組(全厚生、全医労、全労働)は一貫し て、労働条件の改善や国民の願う厚生労働行政の確立をめざし、協力・共同の取り組みを 行ってきました。この関係を継続させ、今後の組織のあり方について、厚生共闘(厚生省 労働組合共闘会議)の関係を考慮し、3単組間で検討します。  全厚生本省支部、統計情報支部、全労働本省支部は、2001年2月に本省共闘(厚生 労働本省労働組合共闘会議)を結成して以降、交流を力に、恒常的な残業改善の要求を中 心にして大臣官房人事課長交渉を行っています。引き続き、本省で働くすべての職員を視 野に入れ、働くルールの確立をめざして取り組みを強めます。  国公労連は、社会保険庁改革の取り組みを産別運動としてすすめるために、ブロック国 公と厚生労働省関係の組合の協力を得て、「社会保険庁改革対策委員会」を設置し、運動の 具体化を進めます。全厚生は、この委員会のメンバーとして、積極的に結集します。