全厚生2006春闘方針(案) はじめに〜いま、反撃のとき〜   希望への転換点  弱肉強食の社会にむかって暴走する政府・財界  構造改革、憲法改悪、道理のない公務破壊と民間開放   こんな社会でいいはずはない。誰もが、そう思っている   歴史の転換点となる時、未来を語り、時代をきり拓こう   憲法にもとづき、構想する  人間らしく、希望と誇りもてる社会をつくる   安心、平等、平和、元気のでる「もうひとつの日本」   矛盾とゆきづまりを打開する道−空想でなく、構想する  憲法9条を世界に広げ、平和の砦を築きあげる   憲法25条の理念をこの国の隅々にまで活かす    過去幾多の試練に堪えた憲法の旬(しゅん)の力   新たな決意で、たたかう  労働組合の真価を発揮する−全厚生の出番であり、本番   大切なことは、共同の力で前進させること  一人はみんなのために、みんなは一人のために  本質に迫る−見通しをもった時、勇気が湧く   真実の姿が見えた時−人は自覚し、歴史が変わる    あせらず、そして、テンポを速め、幅を広げよう     この国の主人公は働く私たち−いま、反撃のとき T 06春闘の情勢と国民春闘の構え 1.小泉「構造改革」と憲法改悪を阻止する  〔構造改革をいっそう加速する国家づくり〕  誰もが、希望のもてる社会に生きたいと願っています。政府は、そのためにあるのです。 しかし、小泉内閣は、「改革をとめるな」と叫び、強者を助け、弱者を挫く政治をすすめて います。社会保障制度のいっそうの破壊、サラリーマン増税、消費税大増税、憲法改悪と、 まさに全面的な攻撃をしかけ、いのちと暮らしを根本から破壊しようとしています。人間 らしく生きる社会は、「構造改革」とは相容れません。憲法改悪には、構造改革を加速させ る国家づくりが位置づけられています。  〔構造改革の総仕上げとしての憲法改悪〕  日本国憲法の改悪をめざす動きが、戦後最大の規模で展開されています。自民党は、結 党50年の大会で(05.11.22)、戦後はじめて新憲法草案を決定しました。改憲は、民主党 も加わり、財界とマスコミの一部も唱えています。さらに改憲の手続きを法律で明確にす るよう求め、通常国会に国民投票法案の提出をねらっています。この改憲は、政府・財界 に都合のいい憲法にかえ、憲法原理を変質させるものです。改憲の中心は、9条の改憲で す。日本を「戦争をしない国」から「戦争をする国」への国家改造を許してはなりません。 2.共同の力で、攻撃をはねかえす条件はある  〔自民党の「大勝」は民意を反映していない〕  先の総選挙で小泉・自民党が大勝し、その勢いで構造改革が加速しています。しかし、 選挙の大勝は、小泉構造改革が支持されたものではありません。小選挙区制のもとで、か つ、マスメディアを総動員し、小泉首相を「改革者」の「イメージ」を印象づけ、刺客ま で演出して、国民を洗脳する作戦を展開した事実が明らかになっています。ウソと偽りに よる結果であり、民意を反映したものではありません。  〔構造改革による矛盾は、運動を前進させる条件をつくる〕  小泉内閣のすすめる構造改革は、この国を少数の「勝ち組」と大多数の「負け組」を生 み出す弱肉強食の社会を作り出しています。痛みに耐えて、少しでもよくなることはあり ません。小泉内閣の4年間は、まちがいなく、暮らしを悪くさせました。この国の社会構 造が背景になり、様々な問題を引き起こしています。JR西日本・福知山線の脱線事故、マ ンション等の耐震強度偽装問題、子供の世界でおきている「いじめによる自殺」などは、 そのよい例です。構造改革で利するのは、財界・大企業ばかりです。また、小泉首相の靖 国神社参拝にアジアと世界が厳しく批判するなど、小泉外交は孤立状態です。こうした矛 盾は、攻撃をはねかえし、運動を前進させる条件をつくります。 3.「小さな政府」論の正体を見抜き、たたかう  〔「小さな政府」論の正体とは、何か〕  小泉内閣は、「小さな政府」にすることが改革であると叫び、公務員と公務労働組合への バッシングや攻撃を露骨に強めています。物事は、全体象を浮き彫りにすることが大切で す。いま、庶民大増税や医療・社会保障改悪の攻撃が目白押しです。この行き着く先は、 「ルールなき資本主義」といわれる日本で、競争原理が支配する格差社会です。政府が悪 事をすすめる時の常套手段は、国民の中に分断や対立を持ち込むことです。国民犠牲の改 革をすすめる隠れ蓑の役割こそ、「小さな政府」論の正体です。政府・財界が意図的につく りだした巧妙で、誤った考え方は、現実の姿と道理をもって質さなければなりません。  〔公務破壊に反撃する国民世論の形成めざす〕  公務破壊の攻撃をはねかえすには、公務員攻撃は国民への攻撃であることを明らかにし なければなりません。公務員労働者と民間労働者、国民との対立でなく、連帯し共同する ことです。対話や宣伝を強め、広範な国民世論の形成をめざすことが必要です。大切なの は、公務労働や公務員の本質を語ることです。憲法15条は、公務員を全体の奉仕者とし て位置づけています。行政を市場原理にさらす民間開放は、公務の本来の役割を変質させ てしまいます。全厚生は、憲法25条を行政に活かすため、誰のため、何のために厚生労 働行政があるかを真剣に問い、国民の願いに応える行政の確立をめざして奮闘します。 4.はたらく仲間が元気の出る社会に!−06春闘で新しい流れをつくる  〔構造改革の流れかえる新たな構え〕  今、資本の本性がむき出しになり、“規制緩和”を要求し、“新自由主義”にもとづく経 済が、大手を振っています。大企業が横暴の限りを尽くす結果は、不況や失業、雇用不安、 健康の危機、メンタルコールド、いじめ、自殺、過労死、企業モラルの腐敗、その究極は 戦争に至るまで、大変な事態をもたらしています。この流れをかえることです。人間らし く生き、働くために社会はある、この根本に立ちかえることです。全労連は、「みんなでつ くろう、もうひとつの日本−はたらく仲間が元気の出る社会−」を共通スローガンにして、 06春闘をたたかいます。この国のあり方はおかしい、日本をかえたいと願う人々の思い を束ね、共同を広げる運動をすすめます。  〔06春闘は、この国の未来をきり拓くたたかい〕  この時代は、どんな時期なのでしょうか。歴史上、流れが大きくかわる時期と、ゆるや かに進む時期があることがわかります。今は、激しい逆流と困難がある一方、弱肉強食の 市場原理を万能とする方向を是正する流れが、社会運動として試され、成長しつつある時 代です。EU(欧州連合)、アジア、中南米での「もうひとつの世界」をめざす動きは注目す るべきです。06春闘は、この国の未来をきり拓くたたかいです。「Think Globally Act  Locally」(=地球的規模で考え、地域で身近なところで行動しよう)が合言葉です。 U みんなでつくるー春闘の節と展開 1.要求を大切に、職場を基礎にたたかう  〔要求討議と要求確認を大切に〕  要求確立は、たたかいの出発点です。要求に命を吹き込むために、要求づくりを丁寧に 行います。要求の職場討議は、会議や集会の場だけでなく、日常的に話し合うことが討議 を活発にする秘訣です。同じ職場でも、年齢差や仕事の違いなどを考慮して、年代別、職 種別に集まって討議するなど、職場実態に応じて様々に工夫します。この討議を通じて、 職場のすべての仲間との相互理解を深めます。困難をかかえる支部では、部門としての統 一要求書(モデル)を作成して活用します。各支部は、職場での労働組合の役割を位置づ けて、要求に根ざしてたたかいます。  〔要求を提出し、粘り強く交渉を〕  国公労連は2月13日の週を要求提出週間に設定しています。全厚生は、この期間を基 本にして全員参加をめざす昼休み職場集会を開催します。この集会では、支部・分会の独 自要求案を提起し、当面する行動の意思統一を行います。支部・分会の独自要求は2月中 に確定し、所属長に提出します。本部は、国公労連の配置に合わせ、厚生労働省、社会保 険庁に対し全厚生2006年統一要求書を提出します。要求の提出後は、団体交渉でねば り強く要求実現を迫ります。  〔職場交渉を背景に本部交渉で要求実現を〕  切実な要求実現をめざし、本部・支部が一体となり、要求実現をめざします。3月〜5・ 6月まで、支部での交渉を積み上げ、本部段階での交渉を配置します。具体的には、春闘 の重点要求での大臣官房人事課長交渉、社会保険庁改革の課題を軸にした社会保険庁交渉、 社会福祉支部の重点要求での国立施設管理室長交渉、試験研究機関支部の重点要求での厚 生科学課長交渉を配置します。 2.地域での統一行動と中央行動に結集し、知恵と力を集中・結集する  春闘は、@公務員も民間も労働組合がそろって、A職場と地域で、B統一闘争として、 C全国闘争として、D国民とともに様々な行動を展開します。まさに統一して、力を集中 してたたかうのが春闘です。国公労連、全労連、国民春闘共闘委員会に結集します。1月 6日を中心に全国500カ所を目標とする「全国一斉新春宣伝行動」が出発点です。地域で の取り組みを重視し、「2月中旬〜下旬のゾーン」で地域総行動を全都道府県で展開します。 地域総行動の成果を踏まえ、「もうひとつの日本をめざす全国縦断キャラバン行動」を3月 中旬〜4月中旬にかけて実施します。国公労連中央行動は、第1次が2月10日(金)、第 2次は4月下旬、第3次は5月下旬に配置します。 3.共同を広げる節と行動展開  〔1月段階−職場・地域での対話と学習・春闘準備で構えをつくる〕   6日(金)全国一斉新春宣伝行動   9日(月)「9の日」全国統一宣伝行動  18日(水)「公共サービス商品化」反対・定時退庁宣伝行動  19日(木)丸の内デモ・日本経団連包囲行動  21日(土)全厚生第47回中央委員会  31日(火)国公労連第125回中央委員会  〔2月段階−要求の確立、地域総行動で地域の仲間とたたかう〕   3日(金)公務員の政治活動を考える集会(日本教育会館)   9日(木)「9の日」全国統一宣伝行動   9日(木)増税・医療改悪反対中央行動  10日(金)第1次中央行動、独法労組春闘交流決起集会  11日(土)トヨタ総行動(愛知を中心に)  13日(月)の週 第1次全国統一行動(要求確認・提出)  15日(水)「公共サービス商品化」反対課題での終日宣伝行動  中〜下旬 地域総行動  〔3月段階−ねばり強い交渉、力を集中してたたかう〕   9日(木)「9の日」全国統一宣伝行動  10日(金)「青年、女性、パート」中央行動  15日(水)回答指定日  15日(水)「公共サービス商品化」反対・定時退庁宣伝行動  16日(木)第2次全国統一行動・時間外(合同)集会(全労連はストライキを含む)  〔4月段階−国民的な共同を広げてたたかう〕《春の組織拡大特別期間(〜6月)》  第1週 霞が関1日電話相談   9日(日)「9の日」全国統一宣伝行動  15日(土)第2回国公労働運動における男女共同参画の前進をめざす集会  19日(水)「公共サービス商品化」反対・定時退庁宣伝行動  中〜下旬  「憲法遵守職場決議」採択期間  下旬    第2次中央行動   〔5月段階−国民運動を前進させ、悪法阻止のたたかい〕  1日(月)第77回メーデー 6日(土)2006年国民平和大行進(東京・夢の島を出発)  下旬   第3次中央行動 V 社会保険庁改革に対する取り組み 1.社会保険庁改革をめぐる情勢の特徴  〔公務破壊のトップランナーの位置にある〕  社会保険庁改革は、「改革」のトップランナー役を果たしています。その中身は、@組織 改革、A業務改革、B新人事評価制度、C地方組織の見直し、Dシステム改革、E人員削 減計画が全体で動いています。今は、改革のセカンドステージ(2005〜2007年度)と位置 づけ、業務改革、組織改革、意識改革をすすめています。「社会保険庁は変わります」宣言 (Part2)では、意識改革を強調し、社会保険庁改革を「職員一丸の下で成し遂げる」よう 職員を叱咤しています。法整備もない市場化テストのモデル事業の大幅な拡大方針も示さ れています。また、新たな人事評価制度は、試行結果を十分検証して、公正・公平なより よい制度をつくる姿勢はありません。政府の定員削減の純減目標の達成計画を盛り込むな ど、改革全体をみると、「小さな政府」をめざす構造改革の先導役になっています。  〔社会保険庁改革は、社会保障構造改革の受け皿に〕  社会保険庁改革の組織改革は、社会保険庁の解体的組織再編として、法案作成の段階に 移ります。年金運営新組織は、国家行政組織法に定める「特別の機関」とし、政府管掌健 康保険の運営は国から切り離し、全国単位の「公法人」とし、財政運営は都道府県単位と する内容です。年金制度も医療制度も現在、社会保障構造改革がすすめられている下で、 その制度運営の受け皿の役割を担います。政管健保では、保険料負担と給付の両面での格 差を生む制度改悪と連動するものです。社会保障を拡充させるたたかいと結び、国民サー ビスを向上させる社会保険庁改革にしなければなりません。 2.たたかいをすすめる3つの視点・基本方向  〔仲間の団結を大切に取り組む〕  職場では、だれも経験したことのない情勢の中で、労働条件や組織、雇用に対する不安 が広がっています。一方的な業務命令は、現場に混乱を与えます。労働組合として、具体 的な問題点を整理し、素早く対応することが求められます。厳しい状況の中だからこそ、 労働組合の役割を発揮し、本部・支部が一体で、団結を強めて対応します。  〔労使関係を徹底的に重視する〕  業務改革も、人事評価制度も、組織再編も、すべてが労働条件であり、行政のあり方と 直結しています。社会保険庁改革は、現場の職員の意見を聞くことなしに、国民の期待に 応えることはできません。労使協議は、社会保険庁改革のすべての課題で益々重要になっ ています。職場も本部段階も、道理ある要求をかかげ、労使関係を重視して取り組みます。  〔国民的な運動構築をめざす〕  社会保険庁改革は、国民的な課題です。その攻撃は、労使の枠を遙かに越え、政治課題 となっています。解体的な組織再編は、医療・社会保障改悪と連動し、人事評価制度は、 公務員制度改革の先取りです。雇用を守るたたかいは、切実です。これは、社会保険行政 のあり方を根本から問う課題です。広い視野でとらえ、国民的な運動構築をめざします。 3.当面する取り組みの基本方針  06春闘では、新たな人事評価制度に対する取り組み、社会保険庁の解体的組織再編に 対する取り組みを中心にして、全厚生の最優先課題に位置づけ、取り組みます。  〔新たな人事評価制度に対する取り組み〕  社会保険庁改革ですすむ業務改革、組織改革とともに職員の意識改革を主な目的に民間 企業的な人事・処遇の導入を打ち出し、一定職以上を対象に10月から試行にはいりまし た。全厚生は、職場討議資料(全厚生新聞号外・11.14号)を作成し、社会保険関係各支 部で学習し、対話をすすめています。また、社会保険庁に対し、人事評価制度での第1次 質問書を提出しました。今後、4月からの一定職以上の本格実施、一般職員の試行にむけ て、全厚生の基本的な考え方にもとづき、取り組みを強化します。質問書に対する回答を 踏まえ、職場から問題点を追及します。春闘の諸集会で実態を報告し、問題提起します。  〔社会保険庁改革の課題で交渉を強化する〕  05秋闘では、社会保険庁改革の要求課題について、大臣官房人事課長交渉(11.29)、 厚生共闘として行った厚生労働大臣交渉(12.7)で迫りました。  具体的には、@社会保険庁の解体的組織再編は行わず、政府管掌健康保険は国の責任に おいて全国一体的に運営すること。A大幅な人員削減は行わず、業務量にもとづく必要な 増員を行うこと、B職員の雇用に万全を期すこと、C人事評価制度について、全厚生との 十分な協議を行うこと、などを要求しています。  延期した社会保険庁交渉については、1月に実施します。その到達点にたち、春闘期は、 組織改革関連法案の内容等を検討し、さらに国民年金の異常な業務運営をめぐる諸問題に ついて、分析・整理の上、交渉で追及します。  〔解体的組織再編に対して、国民的なたたかい、国会闘争へ〕  社会保険新組織の実現に向けた有識者会議(第8回・12.12)は、「組織改革の在り方」 「組織・業務改革に伴う人員削減計画」をまとめました。今後、通常国会にあわせて改革 関連法案を作成し、提出期限とされる3月15日までに国会提出する見込みです。法案内 容を検討し、全厚生の基本要求実現の立場にたち、職員の雇用問題を重視して、たたかい をすすめます。国公労連の運動に位置づけ、たたかいます。また、構造改革や医療制度改 悪に反対するたたかいと結び、共同の取り組みになるよう働きかけを強めます。国民的な たたかいや国会闘争の具体化は、あらためて、方針を補強します。 W 切り開こう−重点課題と取り組み 1.「官から民へ」「民間開放」に反対し、公務・公共サービスの充実めざす  〔公務労働の原点にたち、たたかう〕  公務の民間開放には、まともな理屈はありません。「官から民へ」のスローガンのもとで、 公務・公共業務を民間企業、特に大企業の利潤追求の対象へと開放することが目的です。 まさに、公務のあり方や公務労働者の姿が大きくかえられようとしています。社会保障行 政は、憲法25条にある生存権保障が目的です。公務の民間開放の攻撃は、権利保障とい う公務の基本的な役割と真っ向から対立します。あらためて公務労働とは何か、どうすれ ば公務労働の役割が発揮できるかを探求し、公務労働の原点にたち、たたかいます。  〔もうひとつの日本闘争本部に結集し、たたかう〕  「『小さな政府=大きな国民負担』に反対し、もうひとつの日本、安心できる公務・公共 サービスをめざす全労連闘争本部(略称・もうひとつの日本闘争本部)」(05年12月7日 結成)は、新たな構えで運動をすすめています。この運動は、国民的関心の強い、「安全・ 安心の破壊」「格差の拡大」「地域切捨て」の3点をキーワードにして全国民を視野に、広 範な世論を形成することを重視します。国民の視点から、「小さな政府」論の正体を暴き、 公務・公共サービス労働の重要性を訴えます。第164通常国会(1.20開会)では、公共サ ービス改革法(市場化テスト法)案、行政改革推進法案(仮称)、社会保険庁の解体的組織 再編の関連法案が提出されます。公務破壊をはねかえすカギは、公務労働運動の奮闘にか かっています。全厚生も総力をあげ、国民的な運動構築をめざし、たたかいます。 2.賃金・労働時間など働くルールの確立めざすたたかい  〔賃金抑制攻撃に歯止めをかけ、生活改善をめざす〕  財界は、定期昇給の見直し・廃止、能力・成果主義賃金制度への変更など、激しい賃金 破壊の構えです。たたかわなければ、賃金切り下げ・生活ダウンにつながります。全労連 は、未組織をふくむすべての労働者の賃金底上げ、パート労働者の時間給の引き上げを重 視し、全国一律最低賃金制度の確立をめざし、06春闘をたたかいます。全厚生は、生活 改善をめざす国民春闘に結集してたたかいます。  〔国公労連06年統一要求を積極的にかかげ、たたかう〕  国公労連は1月31日(火)、第125回中央委員会を開催し、「国公労連06年統一要 求」を決定します。06年の統一要求は、賃金改善の要求とともに、公務員の総人件費削 減攻撃をはね返す、定員、労働時間、公務員制度の基本にかかわる諸要求を束ねて提案し ています。この要求を積極的にかかげ、使用者である政府及び人事院に対し、「誠意ある回 答」をねばり強く追及します。公務員の働くルールの確立をめざし、民間労働者と一体で たたかいをすすめます。  〔給与構造改革に対す取り組み〕  2005年の人事院勧告に盛り込まれた給与構造の改革は、2006年4月1日から経過措 置を伴い、段階的に実施されます。春闘期は、具体的な運用での人事院規則等を確定する 重要な時期にあたります。勤務実績に応じた評価制度の導入での公平で適正な運用を確保 する取り組みを重視します。地域手当について、官署指定の取り組みを重視します。  〔勤務時間(拘束時間の延長)問題での取り組み〕  人事院が提案した「休息時間の廃止と休憩時間60分への延長」は、拘束時間の延長、 超過勤務手当の実質的な免除、休憩時間と休息時間の入れ替えによる実質的な賃下げなど、 総人件費削減攻撃とも軌を一にするものです。特に、現実に家族的責任の多くを担う女性 にとって、働き続けることが困難になる切実な問題です。国公労連に結集し、拘束時間の 延長は行わないこと、弾力的な運用措置の要求で、取り組みを強化します。  〔サービス残業根絶、残業規制の取り組み〕  長時間残業は、職員の健康問題に大きな影響を与えています。メンタルコールド(心の 病)による病休者が増えていることは深刻です。本省庁の無定量で恒常的な長時間残業の 改善、すべての職場でのサービス残業の根絶をめざし、春闘での取り組み強化します。  〔横森・公務災害損害賠償請求裁判の支援を〕  社会保険庁(業務センター)に勤務していた横森信二さん(当時23歳)は、1997年 4月に業務によるストレスと長時間労働による過労が原因で自殺しました。甲府地裁での 判決(2005.9.27)は、過酷な労働実態を明らかにし、国の安全配慮義務違反などの過失を 認める画期的なものです。国の控訴で、裁判は東京高裁に移ります。公務職場での働くル ール確立をめざし、公正な判決を求め、裁判支援の取り組みをすすめます。  〔男女共同参画−実効ある採用・登用拡大計画に〕  人事院は、12月20日、「女性国家公務員の採用・登用の拡大指針」(改定)を各府省 に通知しました。これにもとづき、厚生労働省も「女性職員の採用・登用の拡大計画」を 3月までに改定します。人事課長交渉(秋)では、「より具体的に取り組みをすすめる」と 回答しました。計画策定にあたり、数値目標を設定させるなど、実効ある計画になるよう 積極的に取り組みます。特に女性部では、現状分析まえ、当局への申しれを行います。 3.国民のための厚生科学研究をめざす課題と取り組み  〔国立試験究機関として充実させる課題〕  政府の科学時術政策は、来年3月に第3期(2006〜2010年度)の科学技術基本計画を閣 議決定します。人材の育成や研究開発の効果的・効率的推進、戦略的重点化を一層すすめ る方向です。こうした下で、国民のための厚生科学研究をめざし、試験研究機関支部の交 流をすすめ、研究現場の実態をよく踏まえた政策活動を強化する方策を検討します。  〔独立行政法人国立健康・栄養研究所(支部)の取り組み〕  政府は、独立行政法人の見直しをすすめ、組織の廃止・統合、ほぼ全体を非公務員型に 移行させ、国立健康・栄養研究所も非公務員型にする方針を決定しました。公務員型とし て発足した経過を重視し、公共性を十分に発揮し、生き生きと研究活動に従事できる研究・ 労働条件を確保するため、栄研支部の団結を重視して取り組みます。  〔独立行政法人医薬基盤研究所(支部)の取り組み〕 独立行政法人医薬基盤研究所支部は結成以降、労働基準法にもとづく労働者代表を積極 的に選出し、基本的な労使協定の締結を行いました。その中で、組合加入を働きかけ、仲 間を増やしたことは貴重な教訓です。今後、基本要求のとりまとめ、基本となる労働協約 の締結をめざし、組合活動の基礎を固めながら奮闘します。 4.国民のための社会福祉施設をめざす課題と取り組み  障害者自立支援法は、昨年の特別国会で成立しました。利用料の定率・応益負担を導入 し、障害者及びその家族への財政負担を増やす制度の問題点が指摘され、かつ全体像が見 えないままでの強行でした。4月実施、組織体系での10月実施にむけて、ようやく213 に及ぶ政省令が明らかになります。国立施設のあり方にも直接影響を与えます。こうした もとで、「障害者福祉の増進に寄与する」国立施設をめざす取り組みは、当面の焦点であり、 厚社連(=全厚生社会福祉施設支部連絡協議会)を軸にして、取り組みます。 5.公務員の政治活動の自由を求め、国公法弾圧を許さない取り組み  〔国家公務員法での弾圧事件を許さない〕  2004年3月3日、東京・目黒社会保険事務所に勤務する堀越明男さんは、国家公務 員法違反容疑で不当逮捕され、起訴されました。これに続き、2005年9月10日、厚 生労働省に働く宇治橋眞一さんは、休日を利用して集合ポストに「しんぶん赤旗」号外を 配布したことをもって「建造物侵入罪」で不当逮捕され、その後「建造物侵入罪」を不起 訴にし、国家公務員法違反として起訴しました。これらの事件は、日本国憲法と国際人権 規約が保障する結社の自由、言論・表現の自由を侵害する政治弾圧であり、許せません。  〔裁判勝利と公務員の基本的人権を守る取り組み〕  堀越さんの事件は、「国公法弾圧を許さず、言論・表現の自由を守る会」を結成し、労働 組合や広範な民主団体の支援のもとでたたかっています。宇治橋さんの事件は、「世田谷国 公法弾圧を許さない会」を1月27日(金)に結成し、たたかいをすすめます。さらに、 公務員の政治活動の自由を考える集会を2月3日(木)に開催します。国家公務員法だけ でなく、地方公務員法にも政治活動での刑罰規定を盛り込む改悪が画策されています。裁 判での無罪をかちとるとともに、国家公務員の政治活動の自由、国民の思想・信条の自由 を守り抜くために、全厚生も総力をあげて、たたかいます。 6.社会保障と平和と民主主義を守る  〔社会保障闘争で役割を発揮する〕  財界の強い要望をうけて小泉内閣は、社会保障の一体的見直しをすすめています。04 年には、100年安心どころか、連続的に改悪をすすめ不安つくる年金大改悪、05年は介 護保険制度を見直し、今年、医療制度の大改悪を計画しています。社会保障改革は庶民大 増税路線と一体の攻撃であり、「2007年」の消費税大増税の構想と結びついています。 通常国会では、医療改悪が焦点となり、年金制度の見直し議論もすすめ、社会保障制度全 体の切り捨て政策を推進するねらいです。憲法25条の生存権保障の原点が問われる正念 場です。社会保障、社会福祉の切り捨て、変質を許してはなりません。小泉「構造改革」 は、社会保障をターゲットにしています。社会保障闘争は、社会や政治のあり方を根本か ら問う、新たな位置づけが必要です。社会保障を語る年金講師団の活動をすすめ、全労連・ 中央社保協(=中央社会保障推進協議会)に結集してたたかいます。  〔平和学習を重視し、平和運動を日常活動に〕  平和な社会なくして、社会保障の前進はありません。全厚生は、常に平和と社会保障を 結びつけて理解し、たたかってきました。唯一の被爆国として、平和を守る取り組み、憲 法改悪阻止、核兵器廃絶のたたかいを決定的に重視します。核兵器のない21世紀をめざ し、「3・1ビキニデー」「国民平和大行進」「原水爆禁止世界大会」の成功のために奮闘し ます。参加の取り組みは、各支部とも、毎年、過去最高の水準を職場からめざします。国 民平和大行進は、今年もリレー旗でつなぎ、原水爆禁止世界大会に結集します。 7.草の根の運動で憲法改悪・国民投票法案を絶対に阻止しよう!  〔「9条の会」のアピールを深め、草の根の憲法運動を〕  憲法改悪を阻止する国民的なたたかいに全力で結集します。憲法改悪阻止の一点での共 同を前進させる「9条の会」(2004.6.10結成)の運動は、自発性を大切に創造的な運動を 探求し、1年半で運動を大きく広げました。この到達点は、民主主義の底力と国民の良心 を示すものです。改憲勢力の攻撃をうち破るためには、働きかけ、思いをつなぐ役割を誰 かが担わなければなりません。全厚生は、その役割を担います。自発性を活かす、草の根 の憲法運動として、たたかいを進めます。  〔憲法改悪反対闘争の具体的な取り組み〕  すべての組合員が憲法を学び、憲法を活かす様々な取り組みに参加します。国公労連が 提起する職場・地域で憲法学習と運動をリードする「憲法の語り部」組織運動は、年金講 師団活動の教訓を力にして、推進します。勤労者通信大学・憲法特別コースを積極的に活 用し、集団受講をすすめ、学習運動として取り組みます。学習を力に、統一宣伝行動や署 名の取り組みを推進します。国民投票法案を阻止するために、中央・地方での統一行動、 国会行動に全力で結集します。 X 団結の力−頼りになる組合活動をつくる 1.組織強化・拡大こそ、要求実現の最大の力  〔事前の準備を重視して、目的意識的に取り組む〕  労働組合の力は、団結の力です。春闘の期間、要求実現のたたかいと一体で、仲間を増 やす取り組みを強めます。全厚生は4月〜6月を「春の組織拡大特別期間」に設定し、事 前の準備を行い、組合加入の運動をすすめます。組合活動に新しい息吹、活力を生み出す ために、新規採用者はもとより、職場のすべての仲間を対象に組合加入をすすめます。支 部での準備に併せ、本部は「呼びかけ文」を作成します。「仲間どおしのたすけ(愛)」を スローガンにした国公共済会への信頼が高まっています。引き続き、組合員の6割をめざ します。4月〜6月を「国公共済会加入特別期間」に設定し、組合員加入の取り組みと連 携して、取り組みます。  〔非常勤職員の組織化に一歩、踏みだす〕  非常勤職員は、同じ職場で働く仲間であり、行政の担い手です。非常勤職員の労働条件 の改善は職場全体の課題です。各部門ごとに勤務条件や契約関係を把握し、処遇改善の課 題や組織化の条件を検討し、働きかけを強めます。本省庁では、国公一般(霞が関で働く 国家公務員なら、どの省庁、正規・非正規問わず入れる組合)の経験を生かし、この課題 での討議をすすめます。社会保険では、部門別会議で交流し、社会保険庁改革の課題と結 びつけ、取り組みを推進します。 2.青年、女性の取り組みを成功させる  〔生き生きした青年活動をつくる〕  青年は、学び、たたかう中で、大きく成長します。春闘の中で、厳しい情勢をはねかえ す中で、青年と語ることを重視します。各支部で生きした青年部活動の確立をめざします。 本部青年(対策)部は、全厚生青年交流集会(2006年10月)の準備をすすめます。国公 労連青年協議会に結集して、春闘をたたかいます。こうした取り組みを通じて、青年を活 動の真ん中に入れた取り組みにします。  〔輝く女性活動をつくる〕  女性部は、女性の要求をまとめる(要求提出は4月)ために、全女性組合員を対象に2 月に「要求アンケート」を実施します。支部は、女性の懇談会などで要求や声を出し合う 場をつくり、対話を重視してアンケート活動に取り組みます。女性部は、交流集会を継続 させ、元気に活動しています。第30回全厚生女性交流集会は6月に東京近郊での開催に むけて準備をすすめます。また、第36回国公女性交流集会in北海道(5.26〜27)への参 加の取り組みをすすめます。国公労連女性協議会に結集して、春闘をたたかいます。 3.団結を強め、仲間の期待にこたえる組合活動に  〔ためされる労働組合(全厚生)の団結の質〕  06春闘は、厳しい攻撃の中でたたかいます。組合への信頼と強い団結なしには、たた かいを前進させることはできません。結成60周年を迎える全厚生の団結の質がためされ る時です。「一人はみんなのために、みんなは一人のために」です。全厚生労働運合の原点 である憲法25条を大切にし、仲間の輪を広げながら、たたかいます。運動は、職場を基 礎にしてたたかい、国公労連に結集し、地域でのたたかいを重視し、共同の力で流れをか えるたたかいをすすめます。職場では、本音で話し合い、交流を大切にします。忙しい中 だからこそ、人間らしさを失わず、文化やレク活動を重視して取り組みます。  〔支部・分会体制を確立し、組合活動をみんなで担う〕  定員削減が徹底的に推し進められ、仕事に追われ、毎日がギリギリの状態におかれてい ます。一人ひとりは、自分のことで精一杯で、気持ちの余裕もなくなっています。組合員 も支部・分会役員も忙しい中で、みんなが担う、生き生きした組合活動をつくる課題は、 すべての支部に共通しています。執行部のがんばりは必要ですが、請け負いの活動では、 運動は広がりません。厳しい中だからこそ、支部・分会の体制確立が必要です。「急がばま われ」の観点にたち、最優先の課題として取り組みます。  〔学習は、たたかいの源泉−学習の場を積極的につくる〕  真実を見抜き、見通しをもった時、勇気が湧きます。学習は、要求と運動に確信を与え る源泉です。06春闘で積極的な学習の場をつくります。この時期、社会保険庁改革の本 質やねらいを深くとらえる学習が大切です。さらに、憲法や社会保障の課題、公務の民間 開放や給与構造改革などが重要な学習課題です。また、地域の労働者と交流することも広 くとらえれば、学習です。職場や仕事が違っても同じ労働者として、一致する要求を見出 し、労働者同士で励まし合い、共同を肌で実感することが大切です。各県・地域の学習会 には、支部・分会役員をはじめ、多くの組合員が積極的に参加します。支部・分会執行委 員会は、学習活動の先頭に立ち、職場での活動をすすめます。  〔機関紙活動を前進させる〕  春闘をみんなでつくるには、組合員と執行部をつなぐ機関紙活動を軸にすすめることが 大切です。支部・分会の顔である職場新聞を定期的に、時には頻度を高め、発行します。 その基本は、紙面に仲間たちの怒りや喜びを表現することです。春闘期間中、@仲間の交 流・激励の広場、A不満や要求を取り上げ、職場の話題にし世論にする、団体交渉でのや りとり、到達点を伝える、Bたたかう方針を示し、団結を強める力にします。要求とたた かいのあるところ、常に機関紙活動ありです。 〈健康に充分気をつけて、仲間を信じて、2006年春闘を精一杯がんばりましょう!〉