全厚生2005春闘方針(案) はじめに〜歴史が動く瞬間〜   今、希望への転換点  弱肉強食の社会にむかって暴走する政府・財界  構造改革、改憲策動、吹き荒れる民間開放の嵐  転換点での選択。歴史が動く瞬間(とき)  このままでは、未来も、希望もない  戦争する国、庶民犠牲の国にはしない   憲法に基づき、構想する  人が人として、尊重される国をめざす  憲法9条を必ず守る。心を一つにして  平和憲法を生かし、豊かな社会を築く  黙っていては、自由と権利は奪い取られる  改憲国家でない「もう一つの日本」は可能だ!  憲法25条の理念を国の隅々まで実現させる   05春闘をたたかう  全厚生の出番、待ったなしの本番  必要なのは、みんなの力を結集すること  あせらず、そして、テンポを速め、幅を広げよう  深く学び、展望をもつ−その時、勇気が湧いてくる     全体を見据える−要は、「木も森もみる」こと      真実の姿が見えた時−人は動き、歴史が変わる       主人公は働く私たち−新たな決意で、舞台に立つ T 国民春闘で前進を 〔全厚生の出番であり、本番〕  社会保険庁改革が急ピッチで進められています。「社会保険庁の在り方に関する有識者 会議」の最終報告について、村瀬社会保険庁長官は、毎年6月にまとめる「骨太方針」に 盛り込むため、当初予定の夏から春に前倒しする意向を表明しました。政府は、規制改革・ 民間開放推進会議の旗振りの下で、公務の民間開放を強引にすすめる手法である市場化テ スト(官民競争入札)の導入を急ぎ、「市場化テスト法」(仮称)を検討しています。05 年度のモデル事業では、社会保険業務が名指しされ、一部業務で国民年金保険料の収納業 務などが対象となり、試行に入り、また緊急対応プログラムも実施されています。  全厚生は国民の期待に応える真の社会保険庁改革、社会保険行政の確立にむけて、05 春闘での最重要課題に位置づけ、取り組みをすすめます。  さらに、この春闘では、@給与構造の見直し、A公務員制度改革、B賃下げ攻撃に歯止 めをかけ、生活改善をめざす、C独立行政法人医薬基盤研究所の課題、D憲法25条を生 かす社会保障の確立、E権利確立の裁判闘争−この6点を重点にしてたたかいます。 1.小泉「構造改革」をはね返そう 〔春闘50年目の課題−共同して、たたかう〕  政府や財界は、平等に生きる社会ではなく、競争原理にもとづく弱肉強食の社会、平和 で安心できる国ではなく、戦争する国づくりをすすめています。この方向は、労働者・国 民の願いと完全に逆行します。今年は、春闘が始まって50年の節目です。日本経団連は、 この春闘を根本的に変質させる攻撃を強めています。財界の春闘方針である「経営労働政 策委員会報告(05年版)」では、春闘は終わったと主張。今後は労使で企業が生き残る方 策をともに考え、実行する「春討」にせよと迫っています。憲法を職場と暮らしに生かし、 小泉「構造改革」路線と憲法改悪攻撃をはね返すために、すべての労働者・国民が共同し てたたかう、これが05春闘の基本課題です。 〔小泉「構造改革」と憲法改悪は一体の攻撃〕  政府・財界は憲法改悪と「構造改革」を一体として、戦略的な攻撃として展開していま す。雇用破壊や賃金破壊、社会保障改悪、消費税大増税をはじめとした「構造改革」は、 憲法問題すべてが密接に結びついています。様々な改革の行き着く先には、憲法改悪によ って締めくくる関係になっています。大がかりで、全面的な改憲策動に対するたたかいは、 先送りはできません。構造改革と憲法改悪を一体のものとしてとらえることが大切です。  07年度の消費税増税をにらみ、庶民犠牲の大増税路線のレールも敷かれています。定 率減税の半減(05年度)、廃止(06年度)の方針が示され、このままでは、家計も景気 も希望がもてません。「構造改革」を止めさせることが、将来への唯一の展望です。 〔公務の市場化、民間開放の攻撃が加速−理屈なき攻撃〕  公務の市場化・民間化の攻撃が加速しています。この公務の市場化・民間化の攻撃は、 第2臨調の行政改革にはじまり、90年代末から独立行政法人制度、構造改革特区など、 従来の枠に入りきらない新しい手法が次々と生み出されています。その上で提起されたの が、「市場化テスト」です。これは、公共サービスの提供について、官と民の間で競争入札 をおこない、落札した者がそれを実施する手法です。社会保険業務が一部モデル事業に選 定・実施され、市場化テスト法(仮称)を制定し、全面的な導入を図ろうとしています。  この民間開放には、まともな理屈はありません。「官から民へ」のスローガンのもとで、 公務・公共業務を民間企業、特に大企業の利潤追求の対象へと開放することが目的です。 公務・公共部門の役割は、国民の基本的人権の保障と福利の実現です。社会保障行政は、 生存権(憲法25条)の保障を目的としています。公務の民間開放の攻撃は、権利保障と いう公務の基本的な役割と真っ向から対立するものです。 〔「もう一つの日本は可能だ!」を国民共通のスローガンに〕  今、資本のグローバル化による嵐が一見、世界を覆っているように映ります。“規制緩和” や“新自由主義”にもとづく経済が大手を振って、資本の本性がむき出しになっています。 大企業が横暴の限りを尽くす結果、大変な事態をもたらしています。不況や失業、企業の モラルの腐敗、日々の労働の苦しみや生活苦、究極は、戦争です。この流れにくみせず、 この国の在り方を問い直しすことが必要です。人間らしく生き、働くためという根本・原 点に立ちかえり、政治や社会を変えることです。世界の仲間と連帯し、安心・平等・平和 な社会をめざし、「もう一つの日本は可能だ!05春闘の前進で」(全労連05春闘方針案 のタイトル)を労働者・国民の共通のスローガンにして、希望をもって、運動を広げ、た たかいを前進させましょう。 2.原点にかえり、要求に根ざしたたかう 〔私たちの決意−労働組合の原点にかえる〕  昨年、プロ野球選手会労組のたたかいは、社会的な注目をあびました。青年が、多くの 労働者が「古田ガンバレ!」と熱い声援を送りました。リーグや球団(企業)の壁を乗り 越え、プロ野球の将来を真剣に考え、団結し、ストライキでたたかったことは、労働組合 の原点を踏まえた実践です。ストライキの決行を決める時に、執行部が真っ先に相談した のは、一軍選手ではなく、二軍選手から合意をはかりました。圧倒的な労働者・国民に選 手会の支持が広がった背景には、企業の横暴に強い怒りを持ちつつも、じっとガマンを強 いられ、悩む多くの労働者の共感があったのではないでしょうか。「たかが選手のくせに」 と労働者を侮辱し、一方的に球団の合併・縮小を強行したことに対し、自分の悩める姿と 選手会のたたかう姿を重ね合わせたと思います。労働組合の原点やたたかい方を教えられ た思いです。全厚生の課題をすすめる際にも、学び、生かすことが大切です。 〔要求を練り上げ、確立する〕  要求確立は、たたかいの出発点です。要求に命を吹き込むために、要求づくりを丁寧に 行います。要求の職場討議は、会議や集会の場だけでなく、日常的に話し合うことが討議 を活発にする秘訣です。同じ職場でも、年齢差や仕事の違いなどを考慮して、年代別、職 種別に集まって討議するなど、職場実態に応じて様々に工夫します。この討議を通じて、 職場のすべての仲間との相互理解を深めます。  困難をかかえる支部では、部門としての統一要求書を作成して活用します。各支部は、 職場での労働組合の役割を位置づけて、要求に根ざしてたたかいます。 〔要求を提出し、交渉する〕  国公労連は2月7日の週を要求提出週間に設定しています。全厚生は、この期間を基本 にして全員参加をめざす昼休み職場集会を開催します。この集会では、支部・分会の独自 要求案を提起し、当面する行動の意思統一を行います。支部・分会の独自要求は2月中に 確定し、所属長に提出します。本部は、国公労連の配置に合わせ、厚生労働省、社会保険 庁に対し全厚生2005年統一要求書を提出します。要求の提出後は、団体交渉でねばり 強く要求実現を迫ります。 3.共同を広げる節と行動展開 〔1月段階〕   7日(金) 新春宣伝行動  22日(土) 全厚生第46回中央委員会  26日(水) 国公労連・第122回中央委員会 〔2月段階〕   2日(水) 「公共サービス商品化」反対宣伝行動   7日(月) 国公労連第1波全国統一行動(職場集会、要求の確立へ)  11日(金) トヨタ総行動 11日(金)〜13日(日)国公青年交流集会(山形・蔵王)  23日(水) 国公労連・第2波統一行動(全労連地域総行動)  25日(金) 国公共済会・第9回拡大推進会議 〔3月段階〕   4日(金) 国公労連・中央行動(全体2千名規模目標)     5日(土) 全厚生・国民本位の年金制度と真の社会保険庁改革を考えるシンポジウム  16日(水) 民間・集中回答指定日  17日(木) 国公労連・第3波全国統一行動(早朝時間外職場集会+民間スト支援行動) 〔4月段階〕  20日(水) 「郵政民営化反対、公共サービス商品化反対」中央行動   下旬     国公法弾圧を許さず言論・表現の自由を守る決起集会(仮称) U 憲法改悪阻止を圧倒的な世論に 〔日本国憲法第9条〕@日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、 国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段とし ては、永久にこれを放棄する。A前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、こ れを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。 1.緊迫する憲法改悪をねらう攻撃  今、日本国憲法の改悪をめざす動きが、戦後最大の規模で展開されています。小泉首相 は、歴代内閣の中で初めて2005年11月と期限を区切って、与党・自民党に改憲案を 作成するよう指示。自民党は、小泉総裁(首相)を本部長とする「新憲法制定推進本部」 の設置を正式に決めました。国会の憲法調査会は、今年1月に最終報告をまとめる予定で す。改憲の動きは、与党とともに野党の最大勢力である民主党も加わり、財界とマスコミ の一部も改憲を唱えています。改憲派は、改憲の手続きを法律で明確にするよう求め、通 常国会に国民投票法案の提出をねらっています。この国の政治を支配する勢力による、憲 法「改正」の公然かつ本格的な動きになっています。 2.憲法を深く学び、積極的に運動する  この危険な改憲の動きを絶対にやめさせなければなりません。全厚生は、憲法改悪阻止 のための国民的なたたかいに全力で結集します。世界に誇る憲法を守り、発展させようと 日本の良心を代表する著名9氏の呼びかけで「9条の会」が発足し、活動しています。ま さしく、「憲法9条、いまこそ旬(しゅん)」です。  改憲の流れをくい止め、憲法改悪阻止の一点での共同を前進させるために、すべての組 合員が憲法を学び、憲法を生かす様々な取り組みに参加します。国公労連が提起する職場・ 地域で憲法学習と運動をリードする「憲法の語り部」組織運動は、年金講師団活動の教訓 を生かし、全厚生らしい取り組みとして積極的に推進します。 3.平和と民主主義を守り、たたかう  05春闘はヒロシマ・ナガサキに核爆弾が投下されてから60年、被爆60年の春闘で す。唯一の被爆国として、平和を守る取り組み、憲法改悪阻止、核兵器廃絶のたたかいを 決定的に重視します。核兵器のない21世紀をめざし、「3・1ビキニデー」「国民平和大 行進」「原水爆禁止世界大会」の成功のために奮闘します。参加の取り組みは、各支部とも、 毎年、過去最高の水準を職場からめざします。国民平和大行進は、今年もリレー旗でつな ぐことで、平和への願いを束ね、原水爆禁止世界大会に結集します。 V 社会保険庁改革に対する取り組み 1.社会保険庁改革をめぐる情勢・課題  昨年12月には、社会保険庁改革を最重要の課題に位置づけ、労使交渉(厚生労働大臣 交渉、大臣官房人事課長交渉、社会保険庁交渉)を実施。「市場化テスト」では、モデル事 業として、社会保険業務の一部を「非コア業務」として行うことを決定しています。  社会保険庁改革は、内閣官房長官の下での「有識者会議」、市場化テストは規制改革・民 間開放推進会議など、重要な政治課題として短時間の議論で、実行に移そうとしています。 しかも、社会保険庁バッシングの中で、一方的に進められています。何のため、誰のため の社会保険庁改革かを真剣に問います。国民の願いに応える社会保険行政、公的年金制度 の確立をめざします。働くルールを確立し、国民本位の社会保険庁改革をめざします。 2.基本要求と主張 〔基本要求〕  @社会保険行政は憲法25条にもとづき国の責任で拡充し、「市場化テスト」(官民競争 入札)の対象として民間開放を行わないこと。A社会保険行政の安定・継続した運営を保 障するため、社会保険庁の「独立行政法人化」や「民営化」は行わないこと。B「組織の あり方」の見直し等は重大な労働条件に関する問題であり、一方的な方針の決定及び改変 は行わないこと。C社会保険行政にかかる事務費は国が完全保障すること。 〔基本的な主張〕  @社会保障制度に対する国の責任の明確化を求めます。A社会保険庁業務の市場化テス ト(官民競争入札)に断固反対します。B独立行政法人化や民営化ではなく国の機関が直 接責任を持って行うことを求めます。C真の行政サービスの向上と労働条件の確保を求め ます。D全額国庫負担(一般財源)による「最低保障年金」制度の創設を求めます 3.具体的な取り組み  社会保険庁改革のねらいを学習し、全厚生の基本要求の実現をめざし、国民の願いに応 えるために基本的な主張にもとづく運動を推進します。  @こうした取り組みを進めるために、全組合員の学習・討議をあらゆる機会に行います。 本部オルグも活用し、徹底します。A昨年秋の労使交渉での到達点を踏まえ、職場からの たたかいを強化します。B国公労連として取り組む「公共サービスの商品化反対のキャン ペーン」に結集し、地域での宣伝を強化します。C3月5日(土)に大阪で開催する「国 民本位の年金制度と真の社会保険庁改革を考えるシンポジウム」を共同の取り組みを広げ、 成功をめざします。D関係団体との意見交換を行い、共同を広げる取り組みを通じて、国 民的な運動構築をめざします。 W 重点課題の取り組み 1.給与構造の見直しのたたかい  人事院は、05勧告において、給与構造の見直しの具体的な内容を勧告するとしていま す。昨年11月2日には、労働組合、各省に対し、「給与構造の基本的見直し(素案)」が 提示され、本格的な協議に入りました。民間との比較で、全国共通の俸給表の水準を引き 下げる、査定昇給を導入し、現行の普通昇給、特別昇給を廃止するなどが示され、現行の 給与制度に対して、重大な変更を迫るものとなっています。  賃金引き下げをともなう給与制度の「見直し」を行わないこと、スケジュールありきの 拙速な検討は避け、合意と納得にむけて、国公労連との交渉・協議を尽くすことを要求し てたたかいます。職員への重大な労働条件の変更を迫るものであり、全厚生は、職場から の当局交渉を強めます。県国公に結集し地域で共闘してたたかいます。人事院に対する「賃 下げとなる給与構造見直し反対署名(国公労連提起)」を取り組みます。 2.公務員制度改革のたたかいを継続する 〔公務員制度改革大綱の撤回をめざす〕  小泉内閣が「公務員制度改革大綱」を閣議決定して、すでに3年が経過。政府・行革推 進事務局は、昨年の臨時国会でも公務員制度「改革」関連法案を提出できませんでした。 政府は、「公務員制度改革」関連法案の国会提出を何度もねらい、結果的には断念させてき ました。この到達点は、二度にわたりILO勧告が出され、日本の公務員労働者の労働基本 権回復を求める国際世論を背景にした粘り強い運動の成果です。にもかかわらず、労働基 本権を棚上げ、能力等級制の勤務条件性を否定したまま引き続き、法案提出をねらってい ます。同時に、05年度中に評価制度の試行を本省を対象に着手する方針です。  全厚生は、国公労連に結集して「公務員制度改革大綱」の撤回、ILO勧告にそった民主 的な公務員制度の確立を求めて取り組みを強めます。たたかいの基本方向は、@国民的な 支持と共同を大きく広げるために運動する、A政府・当局の使用者責任を徹底して追及す る、B労働条件の一方的変更に反対する職場からのたたかう態勢をつくります。 〔民主的な公務員制度の確立をめざす〕  政府の公務員制度改革は、小泉「構造改革」を推進する行政体制の忠実な担い手に仕立 てる改革です。そもそも、行政や公務員に対して、国民が望む改革は、官僚の腐敗、汚職、 不祥事をなくす改革です。天下りを廃止し、政・官・財の癒着構造を断ち切る改革こそ必 要です。公務員制度改革で必要なことは、憲法の理念を発展させる方向にたち、現行制度 を改革することです。@公務員は国民全体の奉仕者であること、A公正で科学的・客観的 な基準にもとづいて人事行政が行われること、B労働基本権や政治活動の自由をはじめ、 公務員の基本的人権を保障することなど、未だ不十分な制度上の課題をより具体化する方 向で改革すべきです。民主的な公務員制度の確立をめざす立場でたたかいます。 3.賃下げ攻撃に歯止めをかけ、生活改善をめざす 〔賃金破壊の攻撃を打ち破る〕  財界は、ベアゼロどころか、定期昇給の見直し・廃止、能力・成果主義賃金制度への変 更など、激しい賃金破壊の構えです。経営労働政策委員会報告(財界の春闘方針)では、 「長期的な固定費の増加につながる一律的な引き上げ・ベースアップを行うことは、基本 的に困難となった。これは経済の構造変化によるもので、換言すればベースアップはすで にその役割を終えたといっても過言ではなかろう」とし、徹底した総人件費抑制攻撃を仕 掛けています。たたかわなければ、賃金切り下げ・生活ダウンにつながります。 〔賃金底上げの要求でたたかう〕  全労連は、未組織をふくむすべての労働者の賃金底上げ、パート労働者の時間給の引き 上げを重視し、全国一律最低賃金制度の確立をめざし、05春闘をたたかいます。全厚生 は、賃下げ攻撃に歯止めをかけて生活改善をめざし、国民春闘に結集して賃金闘争を前進 させます。賃金闘争を前進させる鍵は、社会的に注目され、すべての労働者の共感と共同 をつくり、国民的支持を結集する賃金要求をかかげてたたかうことです。いま、賃下げを 許さず、賃金底上げをはかる課題は、資本側と労働者・労働組合との最も鋭い対決点です。 全労連の提起する全労働者の賃金底上げ要求=「誰でも月額1万円以上の賃上げ」、パート 労働者の賃金要求=「誰でもどこでも時給1000円以上の実現」をめざします。 〔国公労連の統一賃金要求を積極的にかかげ、たたかう〕  国公労連は1月26日(水)、第122回中央委員会を開催し、賃金要求を含む「国公労 連05年春闘統一要求」を決定します。この賃金要求を積極的にかかげ、使用者である政 府及び人事院に対し、職場からのたたかいを背景に「誠意ある回答」をねばり強く追及し ます。民間労働者と一体で、賃下げの悪循環を断ち切り、公務員の賃金の社会的影響力な どを明らかにして、国民春闘の一翼を担いたたかいます。 4.独立行政法人医薬基盤研究所の課題  独立行政法人医薬基盤研究所の2005(平成17)年度の設立にむけて、重要な段階 を迎えています。独立行政法人医薬基盤研究所には、国立感染症研究所及び国立医薬品食 品衛生研究所の職員が異動します。非公務員型の独立行政法人であり、国立試験研究機関 であった際は、国家公務員の身分保障、安定性が確保されていた環境が変わります。引き 続き、異動する職員の身分・労働条件を後退させないことはもとより、新たな就業規則や 給与規定の確定まで、働くルールを確立しながらたたかいます。職員の宿舎についても、 確定するまで万全の措置を求めます。医薬基盤研究所の生物資源研究部門は、業務内容か らみて、安心して職務に専念できる体制が求められます。従事する職員の身分・雇用がよ り安定した立場であることも必要です。効率性が絶えず追求される研究機関の環境のもと で、地道な研究業務の継続性を確保するように予算や定員の恒常的な確保を要求します。 5.憲法25条を生かす社会保障の確立を 〔社会保障総改悪を共同の力でたたかう〕  医療、年金、福祉などあらゆる分野での連続的な改悪は、部分的な制度改悪の水準を超 え、社会保障の理念を変質させる制度の再編成となっています。年金、医療、介護・生活 保護制度など、社会保障の「一体的な見直し」は、社会保障給付を全体的に抑制すること がねらいです。財源問題では、2007年の消費税増税をもって、決着させようしていま す。通常国会では、介護保険制度の見直しがねらわれています。年金改革の議論は、04 年・年金大改悪から続き、一元化や基礎年金の在り方をめぐり、通常国会での焦点になる ことはまちがいありません。  社会保障闘争を恒常的な運動として前進させるために、全労連・中央社保協(=中央社 会保障推進協議会)に結集して国民的なたたかいの一翼を担います。各支部は、県労連・ 地域労連に結集して、積極的にたたかいます。基本要求は、@医療制度改悪を阻止し、誰 もが安心して受けられる医療制度の拡充、A年金制度改悪を中止させ、老後を安心して暮 らせる年金制度の拡充、B誰もが安心して受けられる介護保険制度の抜本的な見直し・改 善などをめざします。 〔社会保障を語る年金講師団として、発展させる〕  年金講師団活動は、全厚生の集団的な取り組みとして、新しい到達点を築きました。こ の活動は、益々期待されています。今後、組織的で集団的な年金講師団となるように、「年 金講師団」の発展方向を実践の中で検討します。経験ある先輩講師は、退職により、減少 していきます。講師を育成することは、講師団の基本活動です。講師団の力量を高めつつ、 その裾野を広げます。社会保障闘争に貢献するために、社会保障を語る講師団として、発 展をめざします。 6.権利確立の裁判闘争をたたかう (1)国公権利裁判を控訴審でたたかう  139人の原告団(全厚生は7人の原告団)で訴えた「不利益遡及は許さない!国公権 利裁判」は、03年3月5日の提訴以来、第10回弁論期日行動(04年7月15日)で 結審。昨年10月21日(木)の東京地裁判決は、「1.原告らの請求をいずれも棄却する。 2.訴訟費用は原告らの負担とする(判決主文)」不当な判決です。判決文は、原告の請求 を棄却に足る理屈がまったくない、不誠実で詭弁に満ちた内容でした。11月2日には、 東京高等裁判所に控訴(原告団107人、全厚生は7人全員が控訴)しました。  国公権利裁判・控訴審を大衆的な裁判闘争として、組合員全員が原告団の立場でたたか います。公務員労働者の労働基本権回復の取り組みと結びつけてたたかいます。改めて職 場では、学習を強め、ブロック国公・県国公に結集してたたかいます。 《国公権利裁判とは》  2002年、史上初めてのマイナス勧告で人事院は、「官民給与を年間で均衡させる必 要」があるとして、12月の期末手当で「減額調整する措置」を求め、国会はこの改正法 を成立させました。国公権利裁判は、国家賠償法1条1項にもとづき、期末手当での減額 相当額の損害賠償の請求事件という形をとっています。しかし、その本質は、不利益遡及 の根本的な違法性を問うものです。具体的な争点は、@憲法28条の団体交渉権保障の侵 害による違憲・違法性、A適切な「代償措置」とは到底言えない機関(=人事院)による 給与減額のための立法の違憲・違法性、Bそもそも日本が批准しているILO87号、98 号条約違反による違法性、C不利益遡及は脱法行為、不利益不遡及の原則の法理に違反し、 法的に許されない、などを根本的に争うものです。 (2)国公法言論弾圧事件を総力あげ、たたかう  2004年3月3日、東京・目黒社会保険事務所に勤務する年金審査官・堀越明男さん は、国家公務員法違反容疑で逮捕され、起訴されました。逮捕・起訴の理由は、前年の総 選挙の時、休日を利用して居住地で「しんぶん赤旗」号外を配布しただけの理由です。一 市民である堀越さんが、国家公務員であるだけで、職場から離れた居住地で、休日に政党 の機関紙号外を配布することすら「犯罪」とされるなら、日本の社会は、戦前のような暗 黒社会になってしまいます。この事件は、日本国憲法と国際人権規約が保障している結社 の自由、言論・表現の自由を侵害する、政治弾圧そのものです。  昨年4月22日には、「国公法弾圧を許さず、言論・表現の自由を守る会(略称:国公法 弾圧を許さない会)が結成され、労働組合や広範な民主団体の支援のもとでたたかいが開 始され、すでに5回の公判が行われました。公判を通じて、事件が偶発的なものではなく、 用意周到に準備された計画的・政治的な弾圧事件であることが浮き彫りに成ってきていま す。堀越さんの無罪を裁判でかちとり、国家公務員の政治活動の自由、国民の思想・信条 の自由を守り抜くために、全厚生も総力をあげて、たたかいます。 X 存在感ある労働組合をつくる 1.存在感は、全員参加型の活動でつくる 〔全員参加型が基本形〕  厳しい攻撃を突破するには、すべての労働者の団結をつくらなければなりません。職場 の労働組合がその基礎です。職場での団結の土台は、職場討議から生まれます。逆に言え ば、これなくしてはすすみません。どんなに忙しくても、丁寧に取り組みます。一人ひと り、個性ある個人の団結による力、これを引き出すことが労働組合運動の前進にとって不 可欠です。労働組合は、仲間として、労働者として成長していく観点が大切です。 〔ホンネを出し合い、自発的な運動に〕  組合活動が執行部の「請け負い」になっていませんか。忙しい中で、組合員に行動提起 ができないまま、課題をため込んでいませんか。執行部は、新鮮な情報を職場に伝え、課 題を明らかにし、「みんなで討議し、みんなで決め、みんなで実行する」ことを大切にしま す。要求討議と同様に、行動参加もホンネを出して話し合い、全員参加の運動づくりに努 力します。指令や強制でなく、自発的な全員参加の運動をめざします。 〔行動提起は工夫し、知恵をだす〕  行動提起は、組合員の条件にあわせ、参加の幅を広げるために工夫し、知恵もだします。 全厚生の各職場ごとに条件が異なります。春闘方針を踏まえ、一律・機械的にならないよ うに活動を工夫します。宣伝行動、集会やデモ行進への参加、激励行動、仲間の輪を広げ る活動、機関紙づくり、学習会参加、地域での交流など、春闘の行動に全組合員が参加す るように様々な取り組みを提起します。一つひとつの行動の成功が要求実現の力になるよ うに位置づけます。こうして、全員参加型の運動を全支部が実践します。 2.組織強化・拡大こそ、要求実現の最大の力  〔事前の準備を重視して、目的意識的に取り組む〕  春闘の期間、要求実現のたたかいと一体で、仲間を増やす取り組みを強めます。全厚生 は4月〜6月までを「春の組織拡大特別期間」に設定し、事前の準備を行い、組合加入の 運動を進めます。非常勤職員と対話し、加入の条件をつくる努力をします。労働組合の力 は、「団結の力」です。労働組合に新しい息吹、新たな活力を生み出すために、職場のすべ ての仲間を対象に組合加入の運動をすすめます。  「仲間どおしのたすけ(愛)」をスローガンにした国公共済会への信頼が高まっています。 引き続き、組合員の6割をめざします。「4月〜6月」を「国公共済会加入特別期間」に設 定し、組合員加入の取り組みと連携して、取り組みを進めます。  〔国公労連「チャレンジ30」を実践する〕  国公労連は、定員外(非常勤)職員の組織化、独立行政法人労組の強化・拡大、本省庁 組織の対策強化、県・ブロック国公の体制・機能の強化をチャレンジ30(組織拡大4カ 年計画)と銘打って、産別全体として取り組んでいます。全厚生も積極的に受けとめ、各 部門ごとに検討をすすめ、チャレンジ精神で具体化を進めます。  一昨年12月に結成した国家公務員一般労働組合(略称「国公一般」)は、東京・霞ヶ関 の本省庁職員を対象にした「一人でも加入できる労働組合」として、活動を続け、国公労 連への加盟も行いました。国公産別運動の新たな取り組みとして、本省庁組織の強化につ なげます。全労連「組織拡大推進基金」カンパ運動は、全労連の組織戦略を理解し、各県 労連、県国公で決定された目標・方針にもとづき各支部が議論し、具体化します。  〔青年、女性、シニア、パート労働者を主人公に〕  すべての構成員が生きいきと活動する春闘をめざします。春闘では、青年のエネルギー を引きだし、生き生きした青年部活動をめざします。国公労連青年協の取り組む青年交流 集会に結集します。女性部は、交流集会で豊かに交流し、学びあい、みんなで行動する活 動を継続させ、輝く女性活動の前進と要求前進をめざします。壮年層は、仕事や組合での 豊富な活動経験を生かし、政策づくりや行政研究活動をはじめ、重要な担い手として位置 づけます。パート労働者の取り組みは、業務センター支部のたたかいに学び、パート・臨 時労働者の要求でたたかうことを目標にし、一歩前進できるように各支部とも努力します。  〔独立行政法人の労働組合の前進を〕  独立行政法人国立健康・栄養研究所支部は、職場での団結を大切にしながら、たたかい をすすめています。新たな労使関係のもとでの困難も生まれています。独立行政法人をめ ぐる情勢を踏まえ、05春闘では引き続き、国公労連独立行政法人対策委員会に結集して たたかいます。 3.学習活動を重視し、機関紙活動を前進させる  〔学習は、たたかいの源泉−学習の場を積極的につくる〕  学習によって、真実を見抜くことができます。深く学び、展望を持った時、勇気が湧く ものです。学習は、要求と運動に確信を与える源泉です。05春闘で積極的な学習の場を つくります。この時期、社会保険庁改革の課題を深くとらえることが重要です。さらに、 憲法課題、社会保障、公務の市場化、給与構造の見直しなどが学習課題です。地域の労働 者と交流することも学習です。職場や仕事がちがっても同じ労働者です。すべての労働者 と対話をすすめ、一致する要求を見出したり、労働者同士で励まし合い、共同を肌で実感 することが大切です。各県・地域の学習会には、支部・分会役員をはじめ、多くの組合員 が積極的に参加します。支部・分会執行委員会は、学習活動の先頭に立ち、自らが輝きを もって職場での活動をすすめます。学んで確信を深め、運動の輪を広げます。  〔春闘で機関紙活動を前進させる〕  みんなでつくる春闘は、組合員と執行部をつなぐ機関紙活動を軸にすすめることが大切 です。支部・分会の顔である職場新聞を定期的に、時には頻度を高め、発行します。その 基本は、紙面に仲間たちの怒りや喜びを表現することです。春闘期間中、@仲間の交流・ 激励の広場、A不満や要求を取り上げ、職場の話題にし世論にする、団体交渉でのやりと り、到達点を伝える、Bたたかう方針を示し、団結を強める力にします。要求とたたかい のあるところ、常に機関紙活動ありです。 4.引き続き、職場活動を改善しよう  生き生きとした組合活動をすすめるため、組合民主主義を重視して、全厚生のすべての 支部・分会で職場活動をたたかいの中ですすめます。  〔実践編・その@−気軽に話せる雰囲気をつくる〕  組合員の自由な討議を保障します。そのために、誰でも発言しやすい雰囲気の話し合い の場を工夫します。執行部の姿勢や発言に誘われて、意見が次から次へと出てくる、そん な会議や集会運営をめざします。  〔実践編・そのA−決めるプロセスを重視する〕  みんなで方針を決めて、実行します。そのために、要求や行動する意義を伝え、押しつ けでなく自主的に「決め合う」プロセスを重視します。組合員との対話を大切にして、意 見を汲み取り、さらに深めていける民主的なリーダーになるように努力します。重要な判 断が求められる時期です。組合のあらゆるレベルでの機関運営を大切にします。  〔実践編・そのB−みんなに参加を呼びかける〕  どんな時にも執行部は、多くの組合員が行動に参加するように呼びかけます。一人ひと りの条件のちがいを考慮して、一律・機械的でない活動を工夫します。 〈健康に充分気をつけて、仲間を信じて、2005年春闘を精一杯がんばりましょう!〉