全厚生労働組合
厚生労働省関係機関(本省、試験研究機関、福祉施設、日本年金機構、全国健康保険協会)に働く職員の労働組合 All Health & Welfare Ministry Worker's Union

 全厚生労働組合第51回中央委員会


不当解雇撤回と雇用確保、安心して暮らせる年金制度の確立 を求める決議

 長妻厚生労働大臣は昨年末、社会保険庁の廃止に伴い、国家公務員法第78条第4号を不当に適用し、525人の職員に対し分限免職(強制解雇)を強行した。
 公務員の分限免職は民間では「整理解雇」にあたる。客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない解雇は無効である。会社が規模を縮小したり廃止する場合でも、@人員削減の必要性,A解雇回避努力,B解雇基準・人選の合理性,C労働者・労組との誠実協議の4要件が判断基準とされている。
 日本年金機構は年金業務を引き継ぐにもかかわらず、移行に当たっては社保庁職員の採用を制限すると共に、希望者名簿に基づく選別採用を行った。また、外部から1000人以上もの正規職員を採用している。更に、欠員状態でスタートしているなど「廃職や過員」という処分理由にはまったくあたらない。

 分限免職回避努力は政府の義務であるが、最初から公務職場への配置転換は困難とし、官民人材交流センターによる民間企業への斡旋を再就職支援対策の重点とした。しかし、自力で の就職活動を求めるなど支援とは名ばかりであった。また、長妻厚労大臣が示した最終雇用対策は、将来にわたる雇用の安定を保障するものではなく、国策による組織改廃に伴う分限免職回避策としては極めて不十分であった。 分限免職された職員の中には、懲戒処分歴のないものや育児休業や病気休職中の者も含まれている。また、過去に懲戒処分歴のある職員は、日本年金機構への希望自体が拒否されたが、処分の多くは「業務目的外閲覧」である。年金加入状況を確認したのみであり、外部に情報を漏らしたものではない。日本弁護士連合会も指摘しているように、懲戒処分を理由に分限免職することは二重処分禁止に反し、違法・無効である。

 労働者派遣法の抜本改正をはじめとする労働者の働く権利を守り、拡充しなければならないはずの厚労省が、国家公務員法や労働法制を無視して、自らの職員を解雇したことは暴挙以外の何ものでもない。働く権利や生活権を一方的に奪った不当な解雇の取消を求め、31名の組合員が人事院に「不服申し立て」を行った。このたたかいに勝利することは、@身分の回復、A働くルールの確立、B労働者の権利擁護、C国民のための年金制度の充実につながるものである。 全厚生は、職場の仲間たちとの団結を深め、全国の仲間たちの支援をもとに、たたかいに勝利するまで全力で奮闘する決意である。
 以上、決議する。

  2010年2月20日
全厚生労働組合第51回中央委員会


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