全厚生労働組合
厚生労働省関係機関(本省、試験研究機関、福祉施設、日本年金機構、全国健康保険協会)に働く職員の労働組合 All Health & Welfare Ministry Worker's Union

社会保険庁職員の大量の分限免職強行に抗議する(談話)

   
2009年12月28日
公 務 労 組 連 絡 会   
事務局長 黒田 健司

 来年1月からの日本年金機構の発足にともない、厚生労働省は本日、社会保険庁職員を対象とした分限免職を強行した。
 民間企業では解雇にあたる分限免職が、国家公務員を対象として強行されたのは45年ぶりのことであり、しかも、500人規模とされる分限免職は、戦後、類のない大規模なもので、事態はきわめて重大である。

 今回の分限免職は、「宙に浮いた年金」問題に端を発しているが、その背景には、年金業務の「民営化」をねらった「構造改革」路線があり、次のような問題点を持っている。
 1つには、新たに設置される民間組織である日本年金機構には、1,000人を超える正規職員が新規採用されているもとにあって、職員の整理解雇は、組織の改廃による本人の意に反する免職を認めた国公法78条にはあたらず、法的にも認められない。
 2つには、長妻厚生労働大臣が主張してきた「懲戒処分を受けた職員は日本年金機構にいっさい採用しない」とする基準は、他の職員への見せしめを目的として「のぞき見」したとされる職員を狙い撃ちにしたもので、明らかに公平性を欠くものである。
 さらに、当該職員や労働組合に対する十分な説明・協議がなされていないことや、仮に日本年金機構に就職口がない場合でも、社保庁職員の再就職先の確保にむけて、厚生労働省当局が、最後の最後まで真剣に取り組んだ形跡がないことなど、二重にも三重にも職員の生活と権利を踏みにじるものである。
 労働行政の「番人」である厚生労働省によってこのような不当解雇が許されるならば、国・地方のすべての公務労働者はもとより、民間労働者の雇用をも不安に陥れることとなる。  公務労組連絡会は、こうした暴挙を強行した長妻厚生労働大臣対して、満身の怒りをもって断固抗議するものである。

 優れた専門性を持ち、長年にわたって年金業務を受け持ってきた社保庁職員は、年金記録問題の解決には欠かせない存在である。そうした職員の大量解雇は、公的年金業務の維持・継続にも重大な悪影響をおよぼす。今回の分限免職は、「宙に浮いた年金」の完全解決をマニフェストに掲げてきた民主党の国民に対する公約とも相いれない。
 長妻厚生労働大臣は、安心できる年金制度を求める国民の願いに応え、大量の分限免職をただちに撤回すべきである。
 公務労組連絡会は、裁判闘争も準備して立ち上がろうとしている仲間たちと連帯して、不当解雇の撤回と、安心できる年金制度を作り上げるため、今後とも国民と共同をひろげてたたかう決意である。
以上



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