全厚生労働組合
厚生労働省関係機関(本省、試験研究機関、福祉施設、日本年金機構、全国健康保険協会)に働く職員の労働組合 All Health & Welfare Ministry Worker's Union

服務違反問題にかかる刑事告発について

 1.舛添厚生労働大臣は12月26日、社会保険庁職員の服務違反問題にかかわって、給与等支払関係者24人と行為者16人の合計40人を「背任罪」として刑事告発した。きくところによれば、給与等支払関係者の多くは現場の職員である。告発は、厚生労働大臣の下に設置された「服務違反調査委員会」の最終報告を受けて行われたものであるが、告発については、「相応に慎重なる配慮・判断がなされるべきものと思料する」と報告されている。被告発人の中には、全厚生の組合員2人が含まれているが、すでに給与相当額は返納しており、刑事罰を求めること自体が認められるものではない。
 全厚生は、厚生労働省及び社会保険庁の管理監督責任を曖昧にしたまま、すべての責任を現場職員に転嫁しようとする厚生労働大臣の姿勢に抗議し、直ちに告発を取り下げるよう強く求めるものである。

2.「服務違反調査委員会」の最終報告は、「本件各案件のような服務違反は、いわば慣 行の一環として、長年にわたり組織ぐるみで行われてきたと認められる」、「管理監督責任を含め広く責任の所在を求めるならば、地方の事務局長レベルにとどまらず、社保庁本庁のトップすなわち長官あるいはそれに順ずる地位にあったものから、行為者に至るまでの各関係者すべての責任を問うて然るべきであろう」と指摘している。
 行為者として指摘された全厚生の組合員は、本来業務に従事しながら、業務運営上の必要のため、当局許可のもとで組合業務を行ってきたものである。調査委員会のヒアリングにおいて管理者自身も、「業務運営の円滑化に資していた面もある」と述べている。
 その意味では、社会保険事務局及び社会保険庁の責任は、極めて大きいものがある。

3.全厚生は結成以来、組合活動に専従する場合は、国家公務員法に基づいて対応してき た。同時に、職員の労働条件のみでなく、行政サービスの向上、被保険者、年金受給者の要求の前進など、国民の負託に応えるために労働組合として努力を重ねてきた。
 政府は、社会保険庁の解体・民営化を進めるにあたり、記録管理をはじめとする社会保険庁の不祥事を最大限に活用し、国民世論を誘導してきた。今回の刑事告発も、社会保険庁バッシングの格好の材料とするとともに、労働組合の団結権を侵害するものである。この点からも、断じて容認できない。
 全厚生は、憲法25条を行政に活かし、国民が求める年金や医療などの社会保険制度の充実と円滑な業務運営、国民サービスの向上をめざし、引き続き奮闘するものである。

2008年12月26日
全厚生労働組合



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