特別決議
新ガイドライン関連法案の成立を阻止しよう
 
 自民党と自由党の連立によって成立強行の動きが強まっている「新ガイドライン(日米軍事協力の指針)」関連法案は、アメリカがアジア・太平洋地域で展開する軍事行動に対して、日本が軍事的に協力を行うための法案である。それは、日本国憲法の平和原則にそむき、政府でさえ従来は違憲としてきた「海外派兵」「集団的自衛権行使」の制約をとりはらい、「周辺地域」でアメリカがおこした軍事行動に自衛隊を自動参戦させることと、その行動への自治体協力、民間動員など政府の独断で決定できる「戦争のできる体制」を整えるものである。この法案の基本的な問題点・危険性は、昨年8月のスーダンやアフガニスタンへのアメリカの爆撃、12月のイラク空爆などに見られるような、アメリカが行う先制攻撃への協力を、どんな制約もなしに日本政府が決定できる「白紙委任」を政府に求めている点にある。国会による事後承認など、一部の「修正」で、その危険性が薄まるものではない。
 
 いま政府は、軍事大国化の路線をひた走っている。全国各地で、米軍の実弾砲撃演習や日米共同演習の強化等、その先取りが行われ、米軍戦闘機の墜落に見られるように、国民の安全と生活が脅かされている。また、世界各国の批判が高まったアメリカ・イギリスのイラク攻撃に対しても、いち早く無条件に「支持」を表明するなど、アメリカの軍事戦略への追随を強めている。
 さらに、「憲法調査委員会」や「憲法調査会」を設置して国会内で改憲論議の足場を築こうとする動きや、憲法尊重擁護について重い責任を負う中村法務大臣が、憲法の平和原則への敵視した発言を行うなど、平和と民主主義を軽視する策動が一段と強まっている。「中央省庁再編」の一つの中心課題である首相の権限強化も、これら軍事大国化の重要な一環をなすものであり、国家公務員を再び「戦争の遂行者」に引き込む可能性をさらに強めるものである。
 いま、歴史の歯車を逆転させ、軍事優先、国民不在の「国家改革」を許すのか、憲法原則にそって平和と民主主義の花咲く社会に発展させるのか、二つの道の選択が問われている。その最大の焦点は、「新ガイドライン」関連法案の成立を許すのか否かにあることは明らかである。
 戦後の混乱期、たたかいに立ち上がった全厚生の仲間たちは、自らの労働条件改善と同時に、戦前の官僚機構が戦争の遂行者となったことへの反省にたって、憲法擁護の旗を高く掲げ、平和と民主主義、社会保障の拡充を追求してきた。その伝統と歴史を引き継ぐ我々は、戦前の轍を再び踏んではならない。
 「新ガイドライン」関連法案の成立を許さないたたかいに、職場から立ち上がろう。職場を基礎に学習と対話を広め、中央、地方で「新ガイドラインとその立法化に反対する連絡会」に結集しよう。地域に打ってでて、宣伝と署名を旺盛にすすめよう。「平和と民主主義を、憲法を守ろう」の旗を高く掲げ奮闘しよう。
 
 以上、決議する。
 
   1999年2月6日
                     全厚生職員労働組合第40回中央委員会