「戦争国家」づくりの有事三法案を断固阻止しよう
≪広範な団体、国民の共同行動に積極的に結集を≫

 小泉内閣は4月16日、「武力攻撃事態法案」「自衛隊法改正案」「安全保障会議設置法改正案」の有事法制三法案を閣議決定し、17日に国会に提出しました。この法案は、「武力攻撃事態」=戦争を想定し、武力行使の放棄を宣言した憲法第9条の規定を踏みにじり、憲法第25条が規定している国民の生存権をはじめ、基本的人権を奪い、戦争協力を義務づけるなど、国民を戦争に強制的に総動員するものです。二度と戦争を起こす国にしないと誓った日本を、戦争する国に変える「戦争国家」法案そのものです。小泉内閣は、この法案を今国会で一気に強行成立させようとしています。事態は、たいへん緊迫しています。

 小泉首相は「備えあれば憂いなし」といい、テロや不審船を口実にこの法案を強行しようとしています。日本が他国から直接攻撃をうける可能性がないことを政府さえ認めているのに、なぜいまこんな法案を急ぐのでしょうか。アメリカのアジアでの無謀な戦争に協力するためにほかなりません。そのことは、法案が日本が攻撃されなくても、アジアのどこかで米軍が戦争を始め自衛隊が後方支援しただけで発動される仕掛けになっていることに示されています。米軍が戦争を始めた「周辺事態」で、首相が「攻撃が予測される」と判断すれば、有事立法を発動できるのです。有事三法案は、まさに米軍の戦争への参戦に「備え」て、平時から「戦争国家」づくりをすることに最大の狙いがあります。

 戦争と社会保障は絶対に相容れません。全厚生は、国民を戦争に動員し国民の生存権、基本的人権を踏みにじる有事三法案を断じて認めることはできません。平和な社会でなければ医療、年金、福祉などの社会保障行政の充実は図られません。全厚生は結成以来56年間、「軍事費を削って社会保障の充実を」をかかげてたたかってきました。
 こうした輝かしい歴史と伝統をもった全厚生運動に誇りをもって、平和と民主主義、憲法擁護のたたかいを展開している広範な団体、国民とともに、有事三法案の成立阻止にむけて全力をあげようではありませんか。全厚生中央執行委員会はその先頭に立ってたたかう決意を表明します。

   2002年4月19日
全厚生労働組合中央執行委員会


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