アピール 国の責任で、安心して暮らせる年金制度を実現しよう   日本の年金制度は1942年にスタートしましたが、国民が納めた保険料は当初は戦費 調達として、高度経済成長期には大型公共事業を支える財政投融資の財源とされてきま した。そして、グリーンピアをはじめとする年金関係施設や厚生官僚の天下りなどにも 多額の年金保険料が使われてきました。いま、「消えた年金記録」をはじめとする5000 万件にも及ぶ年金記録問題に示されているように、公的年金は、政権政党や歴代政府、 そして厚生労働省や社会保険庁官僚によって翻弄され、老後の生活を支える制度とはな っていません。 社会保険庁の推計でも無年金者が最大で155万人にも上り、国民年金の納付率は66.3% にとどまっています。厚生年金も未加入事業所が多数あり、将来多数の国民が無年金・ 低年金者となるとの問題が指摘されています。  こうした中、記録問題をはじめとする制度運営と管理の責任問題や記録整備もあいま いなまま、社会保険庁の解体・民営化が進められています。しかし、社会保険庁を解体 しても、年金制度が良くなるわけではありません。  同時に、いま、消費税を年金や社会保障の財源とする議論が活発になっています。し かし、消費税は所得の低い者ほど負担が重くなる税制度であり、所得の再配分を大前提 とする社会保障制度とは相容れないものです。  誰もが安心して老後を迎え、健やかに暮らすためには、憲法25条を基礎とする公的 年金の拡充が不可欠で、そのためにも全額国庫負担による「最低保障年金制度」の確立 は喫緊の課題です。昨年の参議院選挙では、貧困と格差の拡大や庶民増税に反対し、よ り良い暮らしと雇用を求める国民の意思が示されました。いま、私たち国民が声を上げ るときです。  年金財源に消費税を充てるのではなく、大企業や大資産家の優遇税制を是正して応分 の負担を求めるとともに、軍事費を削減し年金や社会保障制度を充実することを求めま す。 そして、誰もが安心して老後を迎えられる最低保障年金制度を国の責任で実現すること を求めます。さらに、自民・公明与党の参議院選挙時の公約に基づき、国の責任で最後 の1人まで年金記録を整備し、国民の年金権を保障することを求めます。  「国の責任で、安心して暮らせる年金を実現する」ために、思想や信条の違いを超え て、 年齢の違いを超えて、多くの国民が手をつなぎましょう。そのために、「国の責任で、 安心して暮らせる年金を実現する会」(仮称)を中央と地方に立ち上げ、宣伝行動など大 きな世論をつくる運動を進めましょう。 2008年2月16日 「守れ!みんなの年金・社保庁改革を考える」シンポジウム